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陣内が先月観た映画 2019年4月 『百円の恋』他

2019.10.15 Tuesday

第90号   2019年5月7日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先月観た映画 2019年4月

月に一度のお楽しみ、
「陣内が先月観た映画」のコーナー。

タイトルそのまんまの企画です。
先月私がいろんなかたちで観た映画を、
一挙に紹介しちゃうというコーナー。

5本以上観た月だけの限定コーナーとなります。
先月はけっこう観たので、
けっこう紹介できます。

もともと映画を観るほうではありますが、
Amazonプライムのストリーミングで観るようになって、
観る本数が3倍ぐらいに増加しました。
移動中に観れるというのが大きいです。
電車の中やバスの中で本を読むのは少し疲れますが、
映画はノーストレスです。
長時間移動がある月なんかは、
往復の移動だけで4、5本観れたりします。

観るだけではもったいないので、
皆様に紹介しちゃおう、
というのがこのコーナー。

世界一小規模の映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」もやります(笑)。

「おもしろそうだな」と思うやつがあったら、
それをレンタルして観てみる、とか、
あとこれを読んで、観たつもりになって、
誰かに知ったかぶりする(笑)などの
使い方をしていただければ、これ幸いです。

「陣内が先週読んだ本」の
140文字ブリーフィングが好評なので、
映画評論も140文字で試みます。

時短は正義(!)ですから笑。

「読んだ本」コーナーと同じで、
140文字はあくまで「努力目標」です。

*どうしても「ネタバレ」要素をいくらか含みますので、
絶対にネタバレしたくない作品がありましたら、
器用に読み飛ばしてくだされば幸いです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●祈りの幕が下りるとき

鑑賞した日:2019年4月2日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:福澤克雄
主演:松嶋菜々子、阿部寛
公開年・国:2010年(日本)
リンク:
https://goo.gl/RinftH

▼140文字ブリーフィング:

東野圭吾原作映画です。
東野圭吾自体は好きですが、
本作はうーん、、、。
ずっと「濃い味付けの浪花節」みたいな感じで食傷しました。
「浪花節」は嫌いではないが、
全篇それはちょっと違うと思うんだよなぁ。
調味料は水で割ってこそ生きるわけで。
読んでないですが、東野圭吾の原作は、
もっと「あっさりとした話し」のような気がします。
そちらのほうが私の好みですね。
(170文字)



●サバイバルファミリー

鑑賞した日:2019年4月3日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:矢口史靖(やぐちしのぶ)
主演:小日向文世、深津絵里
公開年・国:2017年(日本)
リンク:
https://goo.gl/aaoDv7

▼140文字ブリーフィング:

「ウォーターボーイズ」「ウッジョブ!」などの、
矢口史靖監督作品。
期待して見ましたが、矢口監督作品のなかでは「?」という感じです。
突然、電気がなくなった世界で、
どんなことが起きるのか、というシミュレーション。
福島原発事故を意識して造ったのだと思いますが、
リアリティに欠く感じでした。

じっさいはもっと大量に人が死にます。
具体的には人口の3分の1か半分ぐらいが死ぬと思います。
体力が平均以下の私も多分死ぬでしょう。
中世のペストのときと同じ悪夢ですね。
そこら中に死体が転がり、
そこからウジ虫が湧き、、、
人肉を食らう、みたいな世界。
そうすると映画としては絶対に売れないので笑、
こういう「ほっこりロハス路線」になるのでしょうが、
ロハス路線にそこはかとなく漂う欺瞞性が、
正直、私は嫌いです。
「自然をなめんなよ」と思う。
自然はもっと凶暴で、残虐で、汚く、無慈悲で、
そして、だからこそ、泣きたくなるほど美しいのです。
(380文字)



●不都合な真実

鑑賞した日:2019年4月1日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:デイヴィス・グッゲンハイム
主演:アル・ゴア
公開年・国:2006年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/JWWdSo

▼140文字ブリーフィング:

「遂に見た」、という感じ。
「あれね、見たよ」という顔をしながら、
13年間知ったかぶりをしてきた映画。
別に誰かに詰め寄られたわけではありませんが笑。

会話の中で「常識」のように登場するが、
じっさいは過半数が読んでいない本、
見ていない映画、ってあるじゃないですか。

そういうのって、やっぱり、
読んだ方がいいし、見た方が良いですよ。
けっこう人間の教養って、
そういったものを本当に読む(見る)か、
それとも死ぬまで知ったかぶりでやり過ごすかという、
そこに分水嶺があると思う。

私は13年間見たような顔をしながら見ていなかったので、
人に講釈をたれる立場にはありませんが笑。

端的にいって素晴らしい内容でした。
地球温暖化の「事実」がよく分かります。
でも、悲観主義ではなく、
かつてオゾンを減らすことに成功した人類は、
自分を変えられる、という希望がを語ります。
トランプ政権になってから、
米国は「地球温暖化などというものはない」
という、まともな科学者が失笑するようなことを、
堂々と言い始めていて、目も当てられませんが。

現実を無視し、世界で最も狂気じみたことをするのも米国ですが、
現実を見据え、世界で最もクリエイティブに問題を解決するのも米国です。
私は米国の後者の側面に今後も期待し続けたい。
(532文字)



●リメンバー・ミー

鑑賞した日:2019年4月3日
鑑賞した方法:Amazonビデオで有料レンタル(100円)

監督:リー・アンクリッチ
主演:アンソニー・ゴンザレス
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://amzn.to/2OLFEJX

▼140文字ブリーフィング:

素晴らしかったです。
制作陣が「トイストーリー3」のスタッフなのだそう。
ルックスは異なりますが実はこの映画、
「トイストーリー」とテーマがまったく一緒なのです。

メキシコを舞台とするこの映画には、
「冥界」が登場します。
死んだ人が一時的に行く場所です。
ここでは、「今生きている人がひとりもその人を覚えていない」
という状況になると、魂が消えてしまいます。

「人は2回死ぬ。
 肉体的に死んだときと、
 生きている人に忘れられたときだ」
みたいな言葉をいつかどこかで聞いたことがありますが、
この映画の扱うテーマはそういうことです。

「トイストーリー3」では、
アンディがティーンエイジャーになっています。
バズライトイヤーやウッディは、
彼にとって「子どものころに遊んだ過去のおもちゃ」なのです。
アンディはもうおもちゃごっこに興味はなく、
プレイステーションやXboxに夢中になっている。
ときどき部屋の片隅にあるウッディを眺め、
「あぁ、昔遊んだなぁ」と思い出すが、
彼の中でその存在は年々小さくなる。

アンディ(子ども)に完全に忘れられたとき、
おもちゃは完全に「死ぬ」のです。
だからトイストーリー3で、
バズとウッディは、「次の子ども」のもとへ、
アンディのもとから旅立っていきます。
それを必要とする誰かのために、、、。

ほら、同じテーマでしょ。
私たちが「生きている」というのは、
「誰かの(記憶の)中で生きている」のです。
無人島で完全に孤立している「生」は、
果たして「生」と言えるのか?
トイストーリーもリメンバー・ミーも、
実は深い存在論的なテーマを取り扱っています。
そういうテーマを、子どもにも大人にも、
見た人のレベルに応じてレイヤーで伝わるように映画を作る。
ピクサーって、もはやとんでもない領域に脚を踏み入れています。

凄すぎる。

あと、ピクサーって、
作品ごとに「CGによる映像表現のイノベーション」を、
毎回起こしていく、というのも知られています。
モンスターズ・インクならば「毛の表現」、
カールおじさんならば「浮遊表現」、
ファインディング・ニモならば「水の表現」、
ウォーリーならば「錆びた金属の表現」など。
今回はあきらかに「シワの表現」ですね。
あの「おばあちゃんのシワ感」。
あれは凄い。
あれをCGでやられてしまうと、
実写である意味はますます失われていく。
あれを見るだけでも、
「リメンバー・ミー」を見る価値があります。

文字数の関係で割愛しますが、
リメンバー・ミーでは、
音楽と靴職人、という対比も面白いです。
これは「リアリズムとロマンシティズムの闘い」
という思想的テーマです。

映像も音楽も素晴らしいです。
私はタブレットで見ましたから魅力の10分の1も体験できてません。
これを映画館で観た人はラッキーです。
(815文字)



●ジャンゴ 繋がれざる者

鑑賞した日:2019年4月1日
鑑賞した方法:Amazonビデオで有料レンタル(199円)

監督:クエンティン・タランティーノ
主演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ
公開年・国:2013年(アメリカ)
リンク:
https://amzn.to/2VlnvoK

▼140文字ブリーフィング:

「黒人の西部劇」です。
そんなものは本当は存在しないので、
「フィクション」なのですが、
そのフィクションを借りて奴隷制度の悲惨さを描いています。
そして完全なる勧善懲悪、つまり、
「半沢直樹的なフィクション」ですが、
非常に面白く痛快でした。
3時間に迫るのにまったく長く感じないのは、
さすがタランティーノです。
(150文字)



●奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール

鑑賞した日:2019年4月1日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:大根仁
主演:妻夫木聡、水原希子
公開年・国:2017年(日本)
リンク:
https://amzn.to/2Vqynlr

▼140文字ブリーフィング:

大根仁監督が好きなので、
プライム特典になっているのを見つけすぐに見ました。
「ヤバい女」の話しです。
「出会う男すべて狂わせるガール」って、
実在するんですよね。
「サークルクラッシャー」とか、
「職場クラッシャー」とも言われます。
ある種の「サイコパス」なのでしょう。
合法的に他者の人生をめちゃくちゃに出来る、
最も手堅い方法が、この「魔性の女」タイプでしょうね。

彼女との、それはそれは怖ろしい恋愛と、
手痛い別れを経験した主人公は、
彼女から「表層的に生きること」という処世術を獲得します。
怖ろしい話しです。
原作漫画をちょっと読みたくなりました。
(266文字)



●この世界の片隅に

鑑賞した日:2016年11月24日
2019年4月8日 二回目観賞(Amazonプライム特典)
鑑賞した方法:池袋の映画館で鑑賞。

監督:片桐須直
主演:のん
公開年・国:2016年(日本)
リンク:
https://bre.is/1IlYEI0fA

▼140文字ブリーフィング:

観賞は二回目です。
最初は、3年前に、
妻と一緒に映画館で観ました。
そのときも泣きましたが、今回も泣きました。
この作品はルックスとは裏腹に、
めちゃくちゃな情報量をぶち込んでいる作品なので、
何回見ても新しい発見があります。
そして何度見ても新しい感動があります。

池袋の満員の映画館で3年前に観たとき、
エンドロールが終わった後、
私を含め誰一人「立たなかった」のを思い出しました。

あれは「立たなかった」のではありません。
「立てなかった」のです。
それほどに「みぞおちに来る」映画です。
(235文字)



●万引き家族

鑑賞した日:2019年4月6日
鑑賞した方法:Amazonビデオで有料レンタル(500円)

監督:是枝裕和
主演:リリー・フランキー、樹木希林、松岡茉優、安藤サクラ他
公開年・国:2018年(日本)
リンク:
https://rebrand.ly/539b0

▼140文字ブリーフィング:

是枝監督の作品は、
この10年ぐらいのやつは全部見てます。
私の中の「是枝監督ベスト3」は、
1.三度目の殺人
2.そして父になる
3.誰も知らない
ですが、「万引き家族」は、
2と3の間ぐらいかな、暫定的に。
つまり3位。

ちなみに本作はカンヌ映画祭パルムドールを受賞した作品です。
世界的な評価では最も高い作品、ということになります。
じっさいこの作品は、
過去の是枝作品の集大成と言って良い。
「誰も知らない」要素も入っていますし、
「そして父になる」要素も入っている。
「海街diary」要素も入っているし、
「三度目の殺人」要素も入っている。

社会から「忘れられた」子どもたちと、
その「代替家族」として機能する、
社会から抑圧された人々の相互扶助(誰も知らない)。
家族の新しいメンバーとしての「妹」(海街diary)、
血縁をもたない疑似家族の「父」が、
「父になっていく」ということ(そして父になる)。
さらに、弱き者を裁く「システム」としての、
児童相談所や裁判所(三度目の殺人)。

こうしてみると、
「万引き家族」は、
「是枝幕の内弁当」なんですよね。
まさに「集大成」。

では、いちばん面白かったかというと、
私はそれぞれのテーマを深掘りした過去作のほうが好きです。
これは人それぞれでしょうね。

ただ、この作品で確実に言えるのは、
「安藤サクラの演技はヤバい」ということです。
ケイト・ブランシェットはカンヌで安藤サクラの演技を見て、
「今後私が何かの映画で『あの泣き方』をしたら、
 そのときは安藤サクラの真似をしたと思ってくれて良い」
と発言しているそうです。
「あの泣き方」を見るだけでも、
『万引き家族』には鑑賞の価値があります。

ちなみに是枝監督はカンヌ受賞後、
内閣表敬訪問を固辞しました。
それに対して百田尚樹は腹を立てているみたいですが、
マジでバカとしか言いようがありません。

是枝裕和監督はブログで、
「国に感謝をしていないとかそういうことではなく、
 何かしらの発言をする文化的な活動をする人間は、
 公権力から一定の距離を保つべきだと思うので、
 そうさせていただいた。
 それでも日本の映画現場の経済状況は、
 非常に逼迫していて現場は苦労している。
 引き続きご理解とご支援をいただけるとありがたい。」
ときわめて簡潔に立場を表明しています。

現政権とベッタベタでズッブズブの、
百田尚樹は是枝監督の爪の垢を焙煎し、
エスプレッソにして飲むべきでしょう。

あと、高須クリニック院長の高須克弥氏も、
『万引き家族』についてこのようにツィートしています。

〈万引き家族で日本人のイメージを作られるのは嫌です。
 日本人は勤勉で正直で礼儀正しいです〉

、、、これもバカとしか言いようがありません。
もう一度言います。

バカです。

アメリカには奴隷制度を批判する映画がありますが、
あれを見た外国人は
「今もアメリカは黒人を差別する酷い国だ」
と思うでしょうか?

逆でしょ?

イギリスは、
「社会風刺精神に溢れるドキュメンタリーや映画」を、
とても多く作っていますが、
それを見た外国人は、
「イギリスは酷い社会なのだ!」と思うでしょうか?

逆でしょ?

こういう問題を顕在化して、
批判する気骨のある人が評価される国は、
きっと未来があるに違いないと思う。

逆に北朝鮮や中国で量産されている、
「自国賞賛映画」や、
「自民族マンセー映画」を外国人が見て、
「中国、北朝鮮は素晴らしい国だ!」
と思うでしょうか?

逆でしょ。

あぁ、ヤバい国なんだなぁ。
批判する映画監督は獄中死したんだろうなぁ。
かの国に生まれなくて良かったなぁ、
と外国人は思うのです。

高須や百田はいつも、
日本の問題点を指摘し、
日本を「批判」する人を
「売国奴」とののしりますが、
それはいったいどちらなのか、、、、?
どちらが国益を毀損していて、
どちらが日本の信頼性を高めているのか?

ここから先は、
各自でお考えになってください。
個々の判断におゆだねします。
(1,548文字)



●リップヴァンウィンクルの花嫁

鑑賞した日:2019年4月10日(インドへの飛行機の中で)
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:岩井俊二
主演:黒木華、綾野剛、Cocco
公開年・国:2016年(日本)
リンク:
https://bit.ly/2GhNYhT

▼140文字ブリーフィング:

岩井俊二監督も、是枝監督と同じく好きな監督でしたが、
この10年ぐらい、全然見てなかったんですよね。
、、、と思ったら、
そもそも映画を作っていなかったらしいです。

本作は久しぶりの映画でした。
といっても、もともとテレビドラマだったものの劇場版だそうですが。

うーん。

正直、失望しました。

岩井俊二がこれを、本当に面白い思っているとしたら、
正直「がっかり」です。
映像は美しいです。
黒木華の演技も素晴らしい。
しかし、ストーリーが酷すぎる。
「現代性」を盛り込んだようなつくりになっていますが、
あまりにも空疎で、実は前時代的です。

彼は「映像作家」であって、
もはや「映画作家」ではないのかもしれない、
と思いました。

今回の黒木華と、
「リリィ・シュシュのすべて」で脚光を浴びた蒼井優は、
顔の系列がよく似ています。
岩井俊二の好みが出ているなぁと思いました。
(365文字)



●シッコ

鑑賞した日:2019年4月10日(インドへの飛行機の中)
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(100円)

監督:マイケル・ムーア
主演:マイケル・ムーア(ドキュメンタリー)
公開年・国:2007年(アメリカ)
リンク:
https://amzn.to/2Z6qt2v

▼140文字ブリーフィング:

めちゃくちゃ面白かったです。
マイケル・ムーア監督作品はこれまで、
「ボーリング・フォー・コロンバイン」とか、
「世界侵略のススメ」などを見てきましたが、
本作がいちばん面白かったかもしれない。

米国の医療制度の矛盾、
という、いかにもNHKとかがやりそうな、
社会問題に関する教育的内容なのですが、
マイケル・ムーアの手にかかると、
ここまでエンターテインメントとして面白くなるのか!
というのが今回私が改めて感動してことです。

この話題について、
「つまらなく」語ろうと思えば簡単です。
5分で8割の人間を寝かせることも出来るでしょう笑。
マイケル・ムーアの凄いのは、
その思想性もそうなのだけど、
「エンターテイナー」として卓越しているところだ、
ということに気づいたとき、
「すげぇな」と改めて思いました。

あまり、その部分に注目する人は多くないですが、
ここが一番大事なのだと今回思いました。
「とても重要で正しい問題提起」だったとしても、
それがつまらないものであり、
聞いている人が眠くなるようなら、
その問題提起に力はない。
「エンターテインメントとしてめちゃくちゃ面白い」
からこそ、多くの人に耳を傾けてもらえるのです。
アル・ゴアの『不都合な真実』もそうですが、
アメリカはそのへんをよく知っています。

では、どうやってるのか?

マイケル・ムーアの映画の作り方は完全に、
「サンプリング世代」のそれです。
ヒップホップ世代と言っても良い。
つまり、音声・映像・文字・会話・過去のアーカイブなどの、
ものすごい情報量をいったんバラバラに切り刻み、
それをコラージュ的に再構成していくのです。

その編集は、
彼の太った見た目とは裏腹に軽快で、
彼の極左の政治意見とは裏腹にポップで、
それらが圧倒的に面白いエンターテイメントとして成功しています。
見ていて単純に「楽しい」のです。
これは「売れる」よな、と思いました。

さて、この映画が投げかけるテーマは何か?
とんでもないですよ。
映画を観た人は必ず語りたくなります。
日本の保険と医療の未来について、、。
日本の未来がアメリカ型にならないように、
と願わずにはいられなくなるでしょう。

ちなみにタイトルの「シッコ (sicko)」とは、
「狂人」「変人」などを意味するスラングだそうです。
「病気の」「病気にかかる」という意味の単語、
「シック(sick)」と掛けているわけですね。

日本語で「疾呼(しっこ)」=病を呼ぶ
という造語を作ったら、
この映画と相性がいいなー、
なんて思いながら観ました。
この映画、いろんな意味でオススメです。
(1,048文字)



●アトミック・ブロンド

鑑賞した日:2019年4月10日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典(インドへの飛行機の中で)

監督:デヴィッド・リーチ
主演:シャーリーズ・セロン
公開年・国:2017年(アメリカ)
リンク:
https://amzn.to/2DkogaP

▼140文字ブリーフィング:

映像はカッコいいです。
音楽もスタイリッシュです。
何よりシャーリーズ・セロンが、
信じられないほどクールです。
(サリーと私の魔法の時間との差!)

しかし、中身は何もない感じかな。
スパイモノが好きな人は絶対好きです。

私はスパイモノって、
あまりストーリーが追えないんですよね。
途中でよく分からなくなる笑。
きっとスパイには向かない性格なのでしょう笑。
なのでぶっちゃけ、よく分かりませんでした。
最低な感想ですね笑。

ただ、セロンが凄すぎる。
それだけ。
本当にそれだけは確かです。
(230文字)



●百円の恋

鑑賞した日:2016年4月20日 
鑑賞した方法:TSUTAYA DISCUSで借りて自宅で鑑賞

監督:武正晴
主演:安藤サクラ
公開年・国:2016年(日本)
リンク:
https://amzn.to/2URd0x9

*2019年4月24日(Amazonプライムで二回目観賞)

▼140文字ブリーフィング:

この映画は二度目の観賞です。
『万引き家族』の安藤サクラの演技に心打たれて、
安藤サクラブームが訪れました。
それで過去に見たこの映画を、
デリーにいるときに見ました。
あらためて、安藤サクラの演技がすさまじいです。
あと、この映画、一回目もそうでしたが、
普通に涙をぽろぽろ流して泣いちゃいました。
一回目のときより泣きました。
これは、私の涙腺の「ツボ」なんですよねぇ。
このタイプ、一番泣くかも。
興味ある人は是非鑑賞してみてください。
大好きな映画です。
(219文字)



●インサイダーズ 内部者たち

鑑賞した日:2019年4月14日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:ウ・ミンホ
主演:イ・ビョンホン、チョ・スンウ
公開年・国:2015年(韓国)
リンク:
https://amzn.to/2PkncZd

▼140文字ブリーフィング:

勧善懲悪ものです。
あまり面白くなかったです笑。
俳優の演技は悪くない。
(37文字)



▼▼▼月間陣内アカデミー賞▼▼▼

世界一小さな映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」を、開催いたします。
主催者、プレゼンターは陣内がつとめます。

作品賞、主演(助演)俳優賞、そしてもうひとつ、
という感じで、ぬるーくやります。
皆さんの映画選考の参考にしていただければ幸いです。


▼作品賞
「百円の恋」

コメント:

『シッコ』と悩んだのだけど、
やっぱりこの映画が好きですね。
百円の恋、最高でした。
胸が熱くなりました。
クリープハイプの主題歌も素晴らしいです。


▼主演(助演)男優賞:該当なし


▼主演(助演)女優賞
シャーリーズ・セロン(アトミック・ブロンド)
安藤サクラ(百円の恋/万引き家族)

コメント:

今回は二人。
まずはセロン。
とんでもねぇ女優さんです。

彼女はアラフォーですが、
この映画をノースタントで撮ったそうです。
この映画のアクションシーンって、
本当に「リアル」です。
格闘技の専門家の考証を経て、
「こんな打撃で男が吹っ飛ぶとかあり得ない」
とか、そういうリアリズムを追求して撮ってるので、
アクションシーンは、
ジャッキー・チェンとか、
トム・クルーズのレベルに達していると考えて良い。

なんと彼女、この映画の撮影準備のために、
奥歯を2本折ったそうです。

転んだの?

殴られたの?

と思うじゃないですか。

違います。

「筋トレで歯を食いしばりすぎて」です。
ヤバいでしょ。

そうやって作った身体を、
本作では見ることができるのです。
「筋トレするとムキムキになっちゃうしー」
とか寝ぼけたことを言ってる日本の女子は、
どうかこの映画を観てください。
「ムキムキになんて、そう簡単になれるかボケ!」
ってことです。

じっさいトレーニングで奥歯を2本折ったセロンの身体は、
「ムキムキ」ではありません。
筋肉が適度についた「締まった身体」です。
筋肉はそう簡単につかないんです。

もう一度言わせて下さい。

筋肉はそう簡単につきません。
筋肉は「一円貯金」なんです。

「ムキムキになるのが嫌だから筋トレはなぁ、、、」
ってほざいてる日本の女子は、
「億万長者になるのが嫌だから、
 一円貯金始めるのはなぁ、、、」
って言ってるのと同じなんです。
「なれねーよ、バーカ」ってことです。

筋肉をナメるな、ってことです。







??


???


何の話し?

私はいったい何に怒っているのでしょう笑?
すみません。取り乱してしまいました笑。
筋トレユーチューバーの、
コアラ小嵐さんが一瞬乗り移ったみたいです笑。

そう。セロン姉さんがハンパないってことです。

ハリウッド女優が一本の映画で何十億も儲けて、
「もらいすぎじゃないの?」と思うこともありますが、
このプロ意識ならそりゃそんぐらい稼ぐかもな、
と思わせる迫力がシャーリーズ・セロンにはあります。
わりと短いスパンで撮られた2本の映画の比較を載せます。

▼参考画像:「タリーと私の秘密の時間」のセロン
https://bre.is/HPIxpLp5x

▼参考画像:「アトミック・ブロンド」のセロン
https://bre.is/gN526FHdo

、、、とんでもなくないですか?
同じ人間ですよ。


、、、あと、安藤サクラですね。
この人の演技はすごいです。
「百円の恋」の彼女の身体の変化も、
セロン姉さんに引けを取らない。
たしかこの映画って、
1ヶ月以下とか、そんな期間で撮られてるんですよね。
それが、最初のシーンと最後のシーンの安藤サクラを、
どうか比べてみて下さい。
別人ですから。

「ライザップ」なんて生ぬるいと思いますから。
体つきだけではなく、
身のこなしとか目つきとか、
人相すら変わってますから。


▼その他部門賞「映画音楽賞」
「百八円の恋」(クリープハイプ)

コメント:

この曲はこの映画のためにある!
っていうほどにハマる映画の主題歌って、
多くないと思うんですよね。

『君の名は』の「前前前世」(RAD WIMPS)とか、
『青天の霹靂』の「放たれる」(Mr.Children)とか、
『スタンド・バイ・ミー』の「スタンド・バイ・ミー」(Ben.E.King)とか、
「テーマ曲ドハマり」映画ですね。
これらの作品の場合、
映画ありきで音楽が「寄せてる」わけです。
そりゃハマりますよね。
「百八円の恋」もこれらと肩を並べます。
エンドロールでこの曲が流れるとき、
今まで観てきた主人公の闘いが走馬燈のように駆け巡り、
涙腺崩壊必至、っていうね。
これは映画とセットで味わわないと意味がない曲です。
オススメです。

住みたい街ランキング

2019.10.14 Monday

第90号   2019年5月7日配信号

▼▼▼住みたい街ランキング▼▼▼

メルマガ読者の皆様、こんにちは。
新天皇即位のお祝いも、
10連休も終わり、
日常に帰って行く人が多いのでしょうか。

私はあまりカレンダーとは関係ない生活をしていますので、
インドから帰ってきて1日2日身体を休めた後は、
既に通常のルーティーンに戻って仕事してます。

とりあえずリズムを取り戻すことを第一に、
先週は過ごしておりました。

というわけで今週も質問カード、
いってみましょう!


▼質問:
あなたのなかの「住みたい街ランキング【国内版】」
を教えてください。


、、、この手のランキングというのは各種ありますが、
以下のサイトでは、
1位:神奈川県横浜市
2位:東京都世田谷区
3位:東京都港区
4位:北海道札幌市

みたいな感じになってます。

▼参考リンク:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000006408.html


、、、私の場合はそうですねぇ。
いつもどおり3つ挙げましょう。


▼▼▼1位:札幌と福岡

これはねぇ。
やはり札幌好きなんですよねぇ。
というより北海道が好きですね。
からっとした気候と、
広い土地が自分に合っていると思います。
大学時代の6年間を北海道で過ごしたので、
これは実証済みです。

なぜ(大学のあった)帯広でなく札幌か?

2000年代になって、
トーマス・フリードマンという有名なジャーナリストが、
『フラット化する世界』という本を書きました。
これは「インターネットによって、
世界のどこに住んでも変わらず仕事が出来るようになるぜ!」
という楽観的な本でした。

この本を読んだかどうかは不明ですが、
この本に書かれた思想を反映して、
離島や田舎に移住した有名人や起業家もいます。
脚本家の宮本亜門さんが宮古島に住んでいたり、
村上春樹がギリシャの小さな島に住んだりする、
というのはそういった動きのひとつでしょうし、
東京を離れ地方に移住するブロガーやIT社長は、
昨今でも後を絶ちません。

私もそういったことに憧れた時期がありますが、
2年前にリチャード・フロリダ氏が書いた
『クリエイティブ都市論』を読んでから、
この考えに若干の修正がなされました。

『クリエイティブ都市論』でピンク氏は、
「世界はフラット化していない」、
と実証していきます。
むしろ「スパイキーな世界」になってきている、と。
つまり、学術研究、執筆、芸術、起業など、
あらゆる「創造的な仕事」は、
世界全体にあまねくフラットに広がるのではなく、
「局所的に突出したいくつか都市」に、
局所的に集中する傾向が、
21世紀になってむしろ強まっている、
と指摘します。

なぜそうなるのか?

クリエイティブな仕事というのは、
「異なる文化を持つ人との出会い」から生まれるからです。
つまり、その都市に
1.多種多様な文化的背景を持つ人が集まること
2.多種多様な文化を受容するリベラルな気風があること
この二つが必要だというのです。

アメリカならば西海岸沿岸部と東海岸の大都市圏、
テキサスのオースティン、
(ダラスやヒューストンでないところがポイント)、
カナダのバンクーバー、
アジアならば香港やシンガポールや東京などを、
リチャード・フロリダは挙げています。
「クリエイティブな才能」は、
インターネットの時代に偏在化するどころか、
むしろ局所化が進んだのだ、という分析です。

その基準で言うならば、
(平成の大合併以前からの)
日本の100万人以上の都市は、
ピンクの言う「スパイキーな世界」における、
突出したクリエイティブな都市と言って良いでしょう。
この本を読むと分かりますが、
日本はそのような都市の数で、
実はものすごく恵まれた位置にいる、
というのが分かります。

私が「仕事ならなんでもいいよー」。
という人間なら、このような制約は「無視」できたでしょう。
後に挙げる、完全に「住環境が良さそうな場所」に住むのも、
「あり」だと思います。

しかし私は「知的に創造的な仕事」を、
自分の仕事にしていきたいと思っているし、
自分の適性を考えたとき、
それをしないのは自分にとっても世界にとっても損失だと、
(誰も思ってくれないので自分で)思ってるので笑、
まぁやはり「フロリダの言うところのクリエイティブな都市」
に住むのが、少なくとも現役で働いている間は、
必要だろうなぁと思うのです。

そして私たちの世代はおそらく年金はもらえません。
私たちの世代にとって年金は生涯、
「払うもの」であって「貰うもの」ではありませんから、
身体が動く限りは生涯働くことになるでしょう。
とするとつまり、クリエイティブな都市、
というのが選択の条件になる。

、、、という前置きをした上で、
札幌と福岡です。

札幌は先ほど述べたように、
気候と自然が大好きだからです。
あと、「街としての魅力」も、
非常に高い。
面白いモノがたくさんある。
北海道って文化が「リベラル」なので、
分野によっては東京より面白い。

福岡はじつは未知数です笑。
でも、今までの人生で得てきた、
福岡に関するすべての情報を総合しますと、
私は絶対に福岡、好きです。
行くと絶対ハマると思うので、
行っていません。
ギャンブルにハマると分かっている人が、
パチンコ屋に入らないのと同じです笑。



▼▼▼2位:神戸

神戸は何度も行ったことあるのですが、
去年の春に街を歩いて、
やっぱり良いなぁ、と改めて思いました。
神戸って、関東で言うところの横浜であり、
港から外来の文化が入ってくるので、
「文化に対するアンテナ」が立っている場所です。
街行く人はおしゃれですし、
街並みもセンスが良い。

それでいて、「東京のハイソな街」ほど、
「他者を見下す態度」が露骨でない。
物価も家賃も交通渋滞も東京に比べれば良識的だし、
関西ならではの庶民性がある。
あと、横浜や世田谷ほど人々はせわしなくない。

愛知出身、シアトル在住のイチローが、
「神戸に球団があればもう一度日本でプレーしたかも」
と言うほどに惚れ込むのも、納得です。



▼▼▼3位:京都

神戸と同じぐらい面白そうなのは京都ですね。
京都って「よそ者に冷たい」イメージがありますが、
実はそうでもない部分もある。
京都って実は「伝統」と「新規性」のバランスが、
かなり高いレベルで融合している都市なのです。
統計的にもベンチャー企業が多く、
成功したベンチャーの数も多い。
「任天堂」の本社は京都ですし、
ネット印刷の「プリントパック」も京都から始まりました。

「京都の人」と思って貰うには、
孫の孫の代ぐらいまで時間がかかるので、
「一生よそ者と思われ続ける」という覚悟さえあれば、
私のような業種の人間は案外住みやすそうだと思っています。
そもそも私はキリスト者なので、
「この世ではよそ者」と聖書に書いてありますし。
そこで落ち込む必要はまったくない笑。



▼▼▼番外編1:沖縄

これはねぇ。
先ほどのスパイキーな都市、
という意味で、「那覇」は多分入ってくると思うんですよ。
特に台湾やシンガポールやインドネシアなど、
アジア圏の都市を相手に何かの商売や活動をする人には、
那覇ほど適した場所はないと思います。

しかし、私がここで「沖縄」という場合、
それは離島を指します。
さらに宮古島と石垣島を除きます。
この二島はもはや東京の出張所みたいになってしまって、
ちょっとげんなりするからです。

久米島だとか、
さらに小さな島だとか、
そういった島に住むのは、
きっと良いもんだろうなぁ、
と、なんとなーく思っています。
島で生まれ、島で育ち、島で働き、
やがて島のおじーになっていく、、、。
三線(さんしん)片手に泡盛を飲み、
「おじー、おじー」と言われながら、
豆腐チャンプルーを食べる。
そんな人生って素敵だろうなぁ、
とときどき白昼夢を見ます笑。


▼▼▼番外編2:帯広

最後は帯広ですね。
私の永遠の第二の故郷です。
めちゃくちゃ好きな街。
ただ、クリエイティブ都市論の理論だと、
ちょっと厳しそうなんですよねぇ。
もういちど獣医の世界に戻り、
「酪農の世界で生きる」と覚悟すれば、
生活していけるかもしれませんが、
それは人生の初期に「掛け違えた」ボタンを、
もういちど第二ボタンにまで戻って付け直す、
みたいな作業なので、
やはり躊躇するわけですよ。

心理的ハードルで言うと、
会社に40代まで勤めた人が、
「やっぱり帯広で獣医をしたい」
と一念発起して大学に入り直し、
酪農の世界に飛び込む、
みたいな話しです。

あ、そういえば学生時代の同級生に、
「まさにそういう人」も何人かいました。

それほど帯広の吸引力は強いです笑。

お金をかけないもの

2019.10.11 Friday

第089号   2019年4月30日配信号

▼▼▼お金をかけないもの▼▼▼

メルマガ読者の皆様、こんにちは。
久しぶりに日本からの配信になります。

▼あなたが普通の人よりも特に、
「お金をかけていない」のはどんなことですか?
(例:教育、食事、美容、交通、本、映画、洋服など)


、、、そうですねぇ。
思いつくところから行きましょう。

▼▼▼散髪

これは、0円です。
病気になって外出するのが怖く、
妻にカットしてもらうようになりました。
それから、美容院よりも妻のほうが上手なので、
ずっと妻にやってもらっています。

だから、かれこれ5年ぐらい、
私は美容院にも床屋にも行っていません。
美容院って、4000円ちょいだとした場合、
だって月に一回行けば、
年間5万円かかりますからね。
二月に2回だったとしても2万4千円。
千円カットだったとしても、
毎月行けば年間1万円を超えます。

私の場合これが、「ゼロ」です。

正確に言えばパナソニックのヘアカッターを買ったので、
3,500円の投資を最初にしています。
しかし、経済学用語でいうところの、
「限界費用」は限りなくゼロに接近しています。

だいたい月1回散髪しているとして、
5年間の散髪代を3,500円で割ると、
だいたい、1回60円ぐらい(?)になる。
あと5年続ければ1回30円になる。

これはすごい。

時短という意味でも優秀です。
近くの美容院を予約し、
美容院に行き、切ってもらい、
シャンプーをし、渇かし、
お金を払い、家に帰る。
最低でも1時間はかかります。
長ければ1時間半。
2時間という人もいるかもしれません。

家で妻に切ってもらうのは、
妻の腕が上がってきているので、
なんと20分ぐらいです。
そのままシャワーに入り、
髪の毛を流し、身体を洗い、
娘をお風呂に入れる、
という完璧な流れ。

無駄がいっさいない。
すばらしい。

そして何より、
美容院での「会話」が苦手なんです、私は。
もうあの手の会話は、
100人の前で1時間話すより疲れます。

「雑談」が苦手です。

とてつもない面白い中身を持ち、
トークスキル、話しの転がし方が上手い美容師がいれば、
その時間も楽しいかもしれませんが、
そんな人はとっくに芸人になって、
おしゃれイズムの司会をしているので、
たいていの美容師の「雑談力」は、
たいしたことない(失礼)。

私の趣味の話しをしても、
全然ぴんときてない。
読んでる本、お笑い、政治、経済、映画、、、
全部、私が「知りすぎている」のも問題なのですが。
(こういうこと言うのも口幅ったいですが、
 事実なので言います。スミマセン。)
「ハードコアすぎる人」とは、
会話するのが難しいんですよね。
まぁ、それは分かります。

私「じゃあ逆に、お兄さんは何が趣味なんですか。」
美容師「スマホゲームです。」
私「、、、、」
美「、、、」
私「、、、」
美「、、、」
私「なるほどぉ(絶句)」

みたいなやりとりって、
帰った後にどっと疲れるのです。

マジで。

読んでる人の中に美容師がいたら、
大変申し上げにくく、心苦しいのですが、
あの「会話」は私のような人見知りタイプには地獄です。
「レジ袋不要」のカードとか、
ホテルの「掃除不要」のドアノブサインみたいに、
「会話不要」っていう前掛けがおいてあればいいのに、
と思うことすらある。

、、、その点、
妻は「神」です。
会話もかみ合う、
黙っておけば黙っておいてくれる。
20分で終わる。
0円。

端的に言って、
「神」です笑。


▼▼▼スマホ

、、、私はガラケー派なので、
スマホには一円も使っていません。
ガラケーの維持費は月額2,000円前後。
仕事兼用なので、長電話も出来るようにしつつ、
8割は経費で払ってもらっています。

スマホって、維持費マジで高いですから。

あと、維持費には、
美容院で語ったように、
「それに使っちゃう時間」も含まれます。

平均的な日本人は、
毎日3〜4時間スマホに使っているそうです。
毎月5,000円〜10,000円のお金、
そして毎日3〜4時間。
この損失は甚大です。

スマホ代は年に10万そこそこかもしれませんが、
(それでもデカいけど)
毎日3〜4時間あったら何が出来るのでしょう?
凄い損失だと思います。
私は同じ理由でテレビもまったく見ません。
好きなお笑い芸人の番組を録画して見ることはありますが、
それは「オン・デマンド」で見ているのであり、
DVDを借りてみているのと同じことです。
「テレビを受動的に見る」というのは、
一週間のなかで1分たりともない。

だって、絶望的につまらないんだもん。

そして、イライラしてくる。
「すべてを分かりやすく、
 テレビサイズのワンフレーズに切り取って提供する」
これに慣れると、
端的に言って「バカ」になると思います(失礼)。
「アホ化」する、
というか「大衆化」する、というか。
思考が「雑」になる、というか。
どこまで言い換えても失礼さは減りませんでした。
すみません笑。

もっと本を読みましょう。
あるいはラジオを聞きましょう。

佐藤優氏も言っているのですが、
ラジオ(および書籍)とテレビの、
決定的な違いは何か?

それは、テレビが「15秒以上の発言」を、
ゆるさないからです。
4秒以上同じ画角で、動きのない絵を映したら、
「放送事故」なのがテレビです。
だから「複雑な論理」は扱えない。
不倫報道なら「許せない!」一辺倒だし、
芸能人の麻薬なら「なぜそんな愚かなことを、、」
といった「記号的なテンプレート」だけが繰り返される。
民衆が民衆を裁く「私刑」はもはやリンチなのでは?
薬物依存症というのは「病気」なので、
患者として彼らを尊厳をもって扱うべきでは?
といった意見は「テレビ向きではない」とされカットされる。

テレビというのは人間の前頭葉を麻痺させて、
人が「思考しないように」する装置なのです。
これは、テレビが「人を消費するように洗脳するCM」を、
収入源としていることと関係しているのですが、
それはまた別の話。

とにかく、私はテレビは見ません。
時間の無駄だし、バカになるから。
同じ理由でスマホも持たない。
SNSも「事実上引退」した。

前述の佐藤優氏も、
怖ろしく忙しい人ですが、
スマホをいったんは持ったが手放したそうです。
「通知」によって、思考が中断されるのがいやだから。
しかし、手近な情報端末は便利です。
その「最適解」は何か??

佐藤さんも私も、
「ガラケーとタブレット持ち」です。

タブレットは格安SIM(月額970円)を入れて運用しています。
時間的にもお金的にも、
非常に合理的です。

*これはあくまで「私のような人間にとって」という意味。
テレビが好きな人がいても良いし、
スマホが手放せない人がいてもいい。
いっこうにかまいませんが、
私は自分の「脳の集中力の持続時間とその質」が、
仕事に直接影響するので、
上記のことが当てはまるのです。


▼▼▼ベルト、時計、手袋、耳当て

ベルトって、持ってる人は、
5、6本持ってたりしますよね。
私はフォーマル×1本
カジュアル×1本だけです。
あ、カジュアルは2本か。
でもそのうち1本は、
ほぼまったく使ってません。
書きながら「売りにいこう」と思いました笑。
1年以上袖を通していない服は手放す、
が私のルールですから。

ベルト、好きじゃないんですよね。
だから、ズボンを買うときは、
ベルト機能があらかじめついているズボンがあれば、
それを買います。

だいぶ前に紹介した、
グラミチのニューナローパンツとか、
最近はユニクロもドローコードがついてるズボンが多く、
非常に助かります。
ベルトって旅行のときは特に邪魔。
無駄に重いし、あと飛行機の保安検査所で外さなきゃいけないし。
だから、ベルトレス生活が私の理想であり、
ゆえにベルトにはお金をかけません。
持っているベルトは、
フォーマルなのは10年前にいただいたやつ。
カジュアルなのも、8年ぐらい前にユニクロで買ったやつです。

、、、あと、時計ですね。
時計は基本「チープカシオ」です。
1,000円です。
これが最高に良いんだ。
安いから良いんじゃない。
良いんだ。

付けているのを忘れるほど軽い。
海外にもそのまま付けていける。
なくしてもダメージは極小。
海外に行くときの時刻合わせも至極簡単。
素晴らしい!
さらにさらに。
秒針も着いていますので、
この重量たぶん20グラムぐらいのチープカシオは、
筋トレの時にもその威力を発揮します。
付けたままトレーニング出来るし、
インターバルの90秒とか120秒を、
これで測れる。

ジムではけっこうキッチンタイマー持ち込んでやってる人や、
スマホのタイマー機能使う人もいますが、
チープカシオならその必要なし!
チープカシオは「神」です笑。
「神」がデフレを起こしています。

、、、あと、手袋、耳当てに関しては、
最近のメルマガで語りました。
これらは「ダイソー」で買ってます。
非常に優秀。

すばらしい。

聖書に
「あなたの宝(お金)のあるところに、
 あなたの心もある」
ということばがあります。
キリストが言った言葉です。
これって本当に真実で、
「ある人が何を大切にしているかを知りたければ、
 その人が何にお金を使ってるかを見れば良い」のです。
その人が口で「大切だ」と言っていることが、
その人が大切にしていることではありません。
その人が最もお金を使っていること、
それがその人にとって最も大切なことです。

こう考えますと、
「人よりお金を使っていない事」
を語るというのはつまり、
「人より大切にしていないこと」
を語る事です。

つまり私があまり重要でないと思っているのは、
「美容院で髪の毛を切ること」、
「スマホでいつも人とつながっていること」
「ファッションにおける『装飾的な小物』」
なのだということです。

人にはいろんな価値観がありますので、
それは多様で良いと思うのですが、
たとえば独身の人の場合、
今付き合っている人と自分とで、
「お金をかける場所(かけない場所)」が、
とても違うと言うことでしたら、
けっこうその結婚の先行きは暗いかもしれない、
ということは知っておいたら良いかもしれません。


バラナシからの手紙

2019.09.05 Thursday

★第88号 2019年4月23日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 紀行文「バラナシからの手紙」

仕事柄、私はけっこう、
さまざまな土地を訪れることが多いです。

紀行文「○○からの手紙」は、
私が自宅を離れて、全国津々浦々、
あるいは海外の各地を訪問したときに、
そこで体験し、考え、触れ、見たことを、
報告するという、そのままの内容。

離れたところから絵はがきを送るように、
海外や国内各地から皆様に、
お手紙を送らせていただきます。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

▼▼▼バラナシに着きました。

、、、と、いうわけで、
(どういうわけなのか分かりませんが)、
バラナシにいます。

さすがに疲れも貯まってきました。
ずっと下痢ですし。

下痢か、酷い下痢かのどちらかです笑。

先週は土曜日までデリーにおり、
土曜日に国内便でバラナシに移動しました。
飛行機はやはり楽ですね。
デリー→バラナシ間の夜行列車は、
11年前に乗りました。
往復だから2回。

あれはかなり大変な経験でした。
大きさで言うと、
古ーい病院とかにある、
大人がちょうど座れるぐらいの、
「長方形のソファのようなもの」がありますよね。
120センチ×40センチぐらいの。
それが「ベッド」です。
これが、二段になってます。

▼参考画像:インドの夜行電車の二段ベッド
http://livedoor.blogimg.jp/rekusan/imgs/9/1/91d4b215dda7d5536a49-L.jpg

私はこの二階に寝たのですが、
高さは60センチぐらい(?)で、
まぁ、狭いわけですよ。
しかも、スーツケースを身体に結びつけないと盗まれるよ、
と言われていたので、隙間においたスーツケースと、
自分の足を結びつけ、いろんな意味で囚人のような状態で、
13時間ぐらいだったかな、
電車に揺られました。
(駅には荷物と身体を結びつけるための、
 「鎖」が売っていました。マジで。
 奴隷船にでも乗るのか俺はこれから、
 と思いましたから笑)

朝起きたら当然身体はバッキバキです。
当時、iPod nanoで、
aikoを聞いていたのを覚えています。
なぜaikoだったのか謎ですが、
多分今の状況となるべくかけ離れた音楽を、
身体が欲していたのでしょう。

デリーに戻ったとき、
たまたま会った日本人のバックパッカーと会話し、
彼も同じ夜行列車に乗ったという話しで盛り上がりました。
夜行列車ではなんか「売り子」さんみたいな人がいます。
日本の新幹線のあれとは似ても似つかない。
謎のおじさんが食べ物を持って、通路を歩いては、
「モモ」と呼ばれる春巻きみたいなやつを、
ひとつ5ルピー売っていきます。
衛生上の理由から私は怖くて買えなかったのですが、
彼もあれが気になっていて、
そして夜行列車の「一階席」で寝たそうです。
朝起きると、口に「モモ」が入っていることに気づき、
眠い目をこすると売り子のおじさんが仁王立ちしており、
「5ルピー」と請求してきたという。
名前も忘れちゃったけど、
久しぶりに日本語で話したのもあり、
二人で爆笑しました。

これだからインドはやめられない。

2008年7月のことです。

話しを戻しましょう。
その朝、私は夜行列車の極狭二段ベッドで、
バラナシの駅に着きました。
たくさん駅に止まるのですが、
当然「車内放送」なんて気の利いたものはありません。
液晶画面なんて望むべくもない。
薄暗い朝日のなかで、
降りる人は黙々と降りていきます。

どこが「バラナシ駅」なのか?

それは、景色を見ればわかるでしょう、
ということです。

いや、分かるわけないやんけ!

と思い、
真向かいに座っていたシーク教徒(ターバン巻いてる人ね)に、
「バラナシはどこか教えてくれますか?」
と頼むと、彼は次の次の次だ、と教えてくれました。

早朝のバラナシの駅で私が会った人物、
その人こそ、その後11年にわたり、
国は違えど「親友」のように思い合うことになる、
バルーさんその人でした。

あそこで過ごした2ヶ月間は、
私の人生を変えた2ヶ月間でした。
かなりいろんなトラブルに見舞われ、
身体の中に細菌が入って血液に乗って広がり、
地元の病院で治療を受け、
カメラを盗まれ、
パソコンのACアダプタが煙を上げて壊れ、
毎秒体調が悪く、
気温は45度を超え、
エアコンもなかったけれど、
それでもあの2ヶ月ほど後の私の人生に影響を与えた期間は、
あまり多くはありません。

毎朝、バルーさんと語り合いました。
昼は彼のバイクの後ろに乗り、
彼の様々な働きの補佐をしました。
彼の様々な働きというのは、
本当に様々な働きで、
保健師でもあった彼は、
村々を回って衛生指導をし、
井戸掘りプロジェクトを推進し、
トイレの建設に携わり、
開拓した40の教会の牧会をし、
路上で「伝道メッセージ」を語り、
自分のはじめた学校で教え、
女性のための識字教育のリーダーとともに村を訪問し、
40の教会のリーダーたちを励まして歩いていました。

「もしイエス様が市長だったら」
という本があります。
私のメンターのボブ・モフィット師の著作で、
もうちょっとで書籍化され、
皆様にも買っていただけるようになる予定です。
いましばらくお待ち下さい。

その本に引きつけるなら、
「もしバラナシの農村地帯で、
 イエス様が市長だったら、
 それはバルーさんになるなぁ」
と私は彼のバイクの後ろに乗りながら思ったのです。

夜もご飯を食べながら、
毎日彼と語り合いました。

彼もいろんなことを語りましたが、
私もまた自分のことを語り、
日本のことを語り、
宣教に対する情熱を語り、
教会に対する思いを語りました。

当時私は独身でしたが、
結婚に関することも語り合いました。
バルーさんが銀行に行く日などは、
私はバルーさん宅で、
二人の就学前の子どもたちと遊びました。
上の子が男の子、下の子が女の子です。
日本から持って行った折り紙で、
手裏剣をつくって遊んだり、
ドラゴンボールの「カメハメハ」を教え、
カメハメハの打ち合いをしたりしました。

彼らもまた私にインドの遊びを教えてくれました。
「シャッティマーン」という、
インドの仮面ライダー(注:首から上はおじさん)を、
彼らは私に見せてくれました。

政治についても語りました。
インドの政治の仕組みと問題、
日本の政治の仕組みと問題。
経済のこと、家族のこと、
教育のこと、そして何より、
私もバルーさんも、それぞれに自分の、
「安定した最初の職業」を後にし、
「神から呼ばれた」ことを信じ、
その召命に従って歩む、
という信仰の歩みの在り方が似ていました。

バルーさんは年齢では私の2つ上です。
同世代のバルーさんと私の心は、
その2ヶ月に、
「心の深い部分で結びついた」のです。
彼とは何もかも違うようでいて、
何かその「何もかも」をはぎ取ったら、
とても似ているものを共有している、
という感覚がお互いにありました。

バルーさんが日本人だったら、
私のような生き方をしていたかもしれないし、
私がインド人だったら、
バルーさんのように歩んでいたかもしれない、と。


▼▼▼バラナシ空港にて

先週の土曜日、
私は非常に快適な、
デリー→バラナシの移動をしました。
今回は飛行機でした。

飛行時間は1時間半。
嘘みたいにすぐに着きました。
嘘みたいに快適でした。

40歳を超えた人間には、
夜行列車は苦行です。
「その後の健康ダメージ」で、
飛行機代がペイするので、
飛行機で行くのが吉です笑。

バラナシ空港のゲートで、
バルーさんを見つけました。

感動したのですけど、
ちょっと現実なのか分からないような、
ふわふわとした気持ちを覚えました。

彼は当時と何も変わっていません。
話し方も、髪型も、献身の情熱も。

ただ、私も彼も、
いろんなことが変わりました。

私は当時は援助団体のスタッフでしたが、
今は違います。
私は当時独身でしたが、
今は結婚して子どもがいます。
当時私は「真っ白なキャンパスに夢を描くような」、
転職してばかりの「まっさらな状態の30歳」でしたが、
現在の私はバーンアウトを経験し、
自分の身をいたわりながら、
当時考えていたのとはまったく違うかたちの、
それでもとてもいとおしく思えるかたちの、
自分の働き方を見つけつつあります。

バルーさんにも大きな変化がありました。
実は、私たちが援助団体を離れ、
「声なき者の友の輪」を立ち上げたことと、
バルーさんの人生は無関係ではありません。
それは直接的な影響でした。
つまり、私がかつて属していた援助団体が、
バルーさんたちの働きの援助をカットしたため、
彼らは資金的に行き詰まったのです。

2012年のことでした。

そのときバルーさんは祈りました。
すると、「あなたこそがつまずきの石だ」
と神から語られたそうです。
そして彼はその団体を去りました。
するとその直後、
バルーさんが育て上げた、
40の教会と地域への包括的な奉仕を含む働きを、
他の団体が援助したいと申し出てくれ、
バルーさんが育てた次のリーダーが、
資金的に心配することなく活動を続けられるようになったそうです。

さて。

次はどうしよう。

バルーさんは、
「自分の人生は神のものなので、
 次にするべきことが、
 どんなことだったとしても、
 それに従うだけだ」と考えていました。

そんな折、
他の州で行われたある集まりで、
自分の経験を分かち合ったところ、
そこに来ていたある団体の方が、
「一緒に働かないか?」と声をかけてきました。
なんとその時点で、その「団体」には、
その人ひとりしかスタッフがおらず、
立ち上げた直後だったそうです。
内容は、諸事情によりあまり詳しくは立ち入れないのですが、
「リーダーを育てる」という働きです。

今バルーさんはその働きをしています。

現在インド国内各地に10名の、
バルーさんのような人がいます。
これまでの7年で、
バルーさんはインドのほとんどすべての主要都市を巡り、
何万人という人に向けて語り、
大きな団体の人材育成を請け負い、
そして数多くのリーダーたちを育ててきました。
彼はもはや「有名人」の域だそうです。
インドの教会ではけっこう知られている。

私はその話を聞きながら、
驚くと共に、
「まぁ、そうなるだろうな」
と思いました。

11年前に彼を見た時に、
彼の何が凄いかっていうと、
それは女性も男性も、
中流カーストの人も、
被差別部落出身者も、
彼を信頼しており、
そしてその信頼関係を土台に、
彼は「人の可能性を引き出して、
その人が能力を開花させる」という意味の、
リーダーシップ養成において、
卓越していることだ、というのが、
私の分析だったからです。

この場合の「リーダー」っていうのは、
別に偉くなることではありません。
聖書的なリーダーというのはむしろ、
「しもべ」のイメージです。
目立たず人に仕えている人。
この人が聖書的な意味のリーダーです。

福音書を読めばそう書いてあります。
あと、ヘルマン・ヘッセの、
『東方巡礼』という短編小説を読むと、
この意味が深く理解できます。

バルーさんが今しているのは、
バラナシの田舎でしていたことを、
全国規模で(最近ではインド国外にも)、
しているだけなのです。

「小さな事に忠実な者は、
 大きな事を任される」
と聖書は言います。
神様はバルーさんの田舎での働きを観ておられ、
「この人はもっと広く用いられるべきだ」
と「リクルート」されたのだろうと思います。

私はだから、
小劇場で抜群に面白いネタを披露していた芸人が、
M-1で優勝し全国区になり、
今はレギュラー番組を多数抱えている。
そういう軌跡を観ているような感じで、
「まぁ、そうでしょうね」と思います。

さて。

私はどうか?

私の11年はどうだったのか?

私も大きく変わりました。
30歳の私は、
仕事を辞めて宣教の働きに身を投じ、
潰れそうな不安と、大きな夢を同時に抱いていました。
私は結婚しておらず、
結婚もしておらず、
結婚すらしていませんでした。
非常に、確実に、結婚していなかったのです。

現在の私は結婚していて、
娘がおり、そして41歳になっています。
当時よりもさらに小さな団体で、
フリーランス的に働いています。
燃え尽きと鬱を経験し、
30代後半がまるごと、
「ふっとび」ました。
病気の前後含め5年ぐらいは、
本当に自分史から「なくなった」という感覚。
(ただ、それこそが私の最も大きな宝ものとなるのですが、
 それはまた別の話。)
今は病気で体力の落ちた、
自分の身体をいたわりながら、
ときどき怖々としながら、
でも今できることを、
ひとつずつ大切にこなしています。

芸人のメタファーに戻りますと、
彼は全国的にブレークしていますが、
私は「さらに地下に潜った」という感じです笑。
11年前はお互い地下一階でしたが、
現在バルーさんは地上はるか高く、
私は、「地下二階」っていうね笑。

賞レースにも参加するのをやめ、
なんか自費制作のDVDとか作り始めたりして笑。
ネタがどんどん前衛的になっていったりして笑。
完全に「地下芸人一直線」です。
ダウンタウン路線ではなく、
ラーメンズ路線ですね笑。
もしくは「みうらじゅん路線」笑。
しかもラーメンズほどのカリスマも才能も持ち合わせないという。

でも、それでいいのです。
そんなことは、友情に何の影響も及ぼさないし、
私たちが神に仕えるということにおいて、
そういった「外側の見た目」とか、
「世間的に考えられている成功の有無」は、
何の重要性も損なわないし、
まったく本質的なことではない。

先週の編集後記に書いたように、
「忠実だったかどうか」がすべてなのです。
かたやバルーさんは、
けっこうな「サクセスストーリー」と言って良いほどに、
素晴らしい用いられ方をしてきた。
私は「しくじり先生」で講義できるほどの、
「挫折と葛藤のストーリー」を歩んで来た。

お互い、話しを聞き終わった後、
「、、、うん。OK。よく分かった。
 、、、で、キミは忠実だったのか?」
これだけが私たちの共通の感心でした。
お互いの答えが「きっとそうだと思う」なのは自明なので、
私たちはお互いの歩みを喜び合ったのです。

「こういう部分」って、感覚的なものなので、
あまり言葉になりづらいのだけど、
バルーさんも私も、
「11年前に会ったとき、
 何かが俺たちを結びつけたんだよね」
とお互いに言い合っているとき、
その「何か」とは、
こういった「成功に関する定義」とか、
「コアにある何か」だったと、
今になって思えば分かります。
人生観とか価値観とか、
そういった言葉にも落とし込めるのだけど、
もっと「質感を伴った何か」なのです。
人と人を親友にするのは。

私の「親友」たちに、
唯一共通点があるとしたら、
この「質感」だと思います。



▼▼▼バルーさんの子どもたち

、、、さて、文字数もかさんできたので、
すこし角度を変えて話しましょう。
私が再会したのはバルーさんだけではありません。

バルーさんの奥さんと子どもたちにも再会しました。
彼らは当時たしか、7歳と4歳とかでした。
7歳の男の子と、4歳の女の子です。
今のインドの政治的状況を鑑み、
一応、子どもなので実名は伏せましょう。

仮にそうですねぇ。
「アシシくん」と、
「アディティちゃん」としておきましょう。
どちらもインドでポピュラーな名前です。
太郎くんと花子ちゃんみたいなものですね。

今アシシくんは18歳になっており、
アディティちゃんは15歳になっています。

ティーンエイジャーとなった彼らとの再会は、
けっこう感動的でした。

先ほど述べたとおり、
11年前に2ヶ月間バルーさんの家に滞在したとき、
私たちは毎日一緒に遊びました。

一昨日の日曜日、
私はバルーさんが牧師として奉仕している教会、
「オール・ネイションズ・チャーチ」にて、
礼拝のメッセージをしました。
イースターでもあったので、
キリストの復活に関するメッセージを。
英語で話すのはいつも緊張しますが、
バルーさんが通訳してくれ、
多くの人々が感銘を受けた、
と後で言いに来てくれるほど好評でした。

その後、教会の愛餐会がありました。
メニューはもちろんカレーです
あ、これ、日本の「もちろんカレー」とは違いますからね。
プレートにインディカ米とナンとカレースープを盛り付け、
手でこねこねして食べる「リアルガチのカレー」です。

私はアシシくんの隣にすわり、
手でカレーをこねこねしながら、
二人で思い出話を語りました。

ドラゴンボールの「カメハメハ」を、
教えてくれたよね、とか、
日本料理を作ってくれたよね、とか、
けっこういろんなことを彼らは覚えていました。

話しているとこちらもいろいろ思い出してきました。

そういえば「シャッティマーン」はまだ生きてるの?

と私は彼に聞きました。
シャッティマーンというのは、
話せば長くなるのですが、
まぁ、日本でいうと仮面ライダーですね。
というか、もう、仮面ライダーです。
今なら絶対訴訟されるレベルで、
設定とか番組構成とか、
「完コピ」しています。

ただ、仮面ライダーと違う点がいくつかあります。

まず、ヒーローに変身する主人公が、
「おじさん」だということ。

▼参考動画:シャッティマーン変身前
https://bit.ly/2IzPo9Z

私はアシシくんに強く勧められ、
当時放送を何度か見ましたが、
しかもけっこうこの「おじさんパート」が長いんですよね。
かなり「おじさんで引っ張る」わけです。

あそこだけ観てるとかなりシュールです。
おじさんが歯を磨いたり、
おじさんが電話をしたり、
おじさんが昼寝をしたりするシーンが、
ひたすら映されるのですから。

何を見せられているんだろう、という感じです。

そして戦闘シーンになると、
いよいよ変身するのですが、
シャッティマーンが仮面ライダーと決定的に違うのがここです。
「顔面まるだし」

「仮面じゃないライダー」なのです。
あ、ライダーでもないか。
だからもう、何でもないのです笑。

おじさんが首から下だけ変身してますので、
もう、「コスプレおじさん」です。

▼参考画像:シャッティマーン
http://www.internationalhero.co.uk/s/shaktim.jpg


、、、で、戦闘シーンもなかなかのもので、
普通にデリーとかで撮影していると思うのですが、
空き地で撮影してると、
遠くで撮影に気づいて興奮している人が映り込んだり、
普通に風でレジ袋などのゴミが飛んで来ているのが、
映り込んだりしています。

なんと、現在はYouTubeという便利なものがあります。
当時もありましたが今ほどコンテンツは充実してませんでした。
YouTubeでシャッティマーンが見れます。
興味と、ありあまる時間がある方は、
見てみてください。

▼参考動画:シャッティマーン 第298話
https://youtu.be/1Vk2YxN01WM


、、、で、このシャッティマーンは、
当時非常に人気のある、
インドの子どもたちにとってのスーパーヒーローで、
木曜日の17時になると、
テレビの前に正座して待つ、
みたいな感じでした。
昭和の「力道山の試合」みたいなものでしょうか。
けっこう停電で見れないという憂き目にも遭いましたが。

バルーさんが教えてくれたのですが、
シャッティマーンは人気がありすぎて、
子どもたちが空飛ぶシャッティマーンの真似をして、
二階から飛び降りて足を骨折する、
という事故が多発して社会問題となり、
「真似して飛ばないように」という注意喚起が放送されたほど。


、、、で、
私は18歳になったアシシくんに聞いたわけです。
「シャッティマーンはまだ生きてるの?」
アシシくんは軽く笑いこう言いました。
「もう生きてないよ。
 、、、
 、、、
 あ、俳優さんはまだ生きてるけど。」

年齢というのは残酷なものです。
あれほど熱狂したスーパーヒーローも、
当時の子どもが大人となれば、
まぁ、そんなものですよね。

、、、という、バラナシの話しでした。
かなり偏った紀行文となりましたが、
今のところはこんなところでしょうか。

来週はどうなるんだろう?
バラナシの続きを書くかもしれないし、
何もなかったかのように「読んだ本」コーナーかもしれないし、
執筆時間が取れなければ「休刊」するかもしれません。

期待せずに楽しみにお待ち下さい。

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