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永久保存版・陣内が読んだ本ベスト10(前半) 2018年版

2019.04.23 Tuesday

+++vol.070 2018年12月18日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 2018年版・陣内が今年読んだ本ベスト10(前編)
お待たせしました、年末特別企画です。
普段私は読んだ本に点数をつけたりランキングしません。
ランキングすることで切り捨てられる大切なものがあるからです。
なので、この企画は「年に一度だけ」の特別企画です。
前編は10位〜6位まで、
後編は5位〜1位までのカウントダウン形式で、
ご紹介していきます。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


●第10位 AI VS 教科書が読めない子どもたち

読了した日:2018年5月2日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:新井紀子
出版年:2018年
出版社:東洋経済新報社

リンク:
http://amzn.asia/cbeiDq8

▼▼▼コメント:

こちらは現在、
「本のカフェ・ラテ」にて解説中(後編は年明けの予定)の、
「今年面白かった本」です。

いろんなところで引用・解説・紹介されているので、
この本について聞いたことない、という人はあまりいないのでは?

AI(人工知能)は、第四次産業革命を起こす誘因となる、
とも言われている「破壊的イノベーション」なので、
それが社会の有様をどう変えてしまうのか、
戦々恐々としている人も多いため、
その不安に付けいるようにして、
有象無象の言説が飛び交います。

今後も飛び交い続けることでしょう。

大きな変化が起きるとき、
「変化に乗り遅れるな!」
と煽る意見と、
「変化など起きない」
とうそぶく意見の両極が注目を集めがちですが、
本当に有用なのは中庸な意見です。

人工知能の研究者でもあり、
数学というバックボーンをもつ新井さんの意見は、
まさに中庸なもので、
これからの時代を生き残るために有用なヒントに満ちています。

頭に血が上った人々が言うように、
「AIによって今ある仕事の8割はなくなる!!
 人間の仕事はAIにより駆逐される!!
 変化に乗り遅れるな!!
 (具体的方策なし)」
ということは起きません。

しかし、
「人工知能などコンピュータの延長でしかない。
 変化は起きない。
 粛々と今の仕事を今までのように続けて行けば良い」
というほどのんびりもしていられません。

控えめに言っても、
人工知能の性能がある分水嶺を超えたとき、
「労働の在り方」は様変わりするでしょう。

現在私たちが目にしている、
案外多くの仕事が、
「汽車で石炭をくべる人」とか、
「話したことをワープロで筆記するタイプライター」とか、
「駅で切符を切る駅員」とか、
「電話交換手」などのように、
過去のものになる可能性があります。

「昔、電話交換手っていう仕事があったのよ」
とおばあちゃんが孫に話して聞かせるごとく、
未来において私たちがおじいちゃん、
おばあちゃんになったとき、
「昔、コンビニ店員っていう仕事があってね、、、」
という話しをしているかもしれない、ということです。

私がこの本を含む、
労働の未来予測に関する良書で知った最も大切なことは、
大きな変化が起きる時代において、
「今の若者が未来にする仕事にはどんなものがあるか、
 まだ私たちはその名前すら聞いたことがない」
ということです。

「未来においてこの仕事が安定するだろうから、
 この技術を磨いとけ!」
という思考法自体が、
現在という「過ぎ去りつつある時代」の枠組みでしか、
物事を考えられていないことの証左なのです。

だって、20年前の誰が、
「YouTuber」という仕事を予測出来たでしょうか?
あるいは「プロゲーマー」という仕事を?
「自宅をホテルにする」という業態を?

では私たちは途方にくれ、
「出たとこ勝負」で対応するしかないのか?

そうではない、というのがこの本を読むと分かります。

「まだ聞いたこともない職業」が何かを予測するのは不能ですが、
「まだ見ぬ職業に必要な資質」を予測することは出来ます。
それは「AIには代替不能な人間の能力」です。

それは何か?

タイトルにあるとおりです。
それは端的に「教科書が読める」ということです。
「読む力」を磨くことです。

佐藤優さんは、
「書く力、話す力、聞く力」が、
「読む力」を上回ることはない、
と言っています。

文章を読みその意味を把握する能力、
これを身につけることが、
日本という国家が生き延びるために必須の力だ、
というのが新井さんの主張です。

「じゃあ、数学は必要ない?」

違います。

「数学は論理」です。
そして「言葉も論理」です。

数学は「読む力」の基礎を形成します。
新井さんはそもそも数学者ですから。

この続きは、
「本のカフェ・ラテ」の後編で。
お楽しみに。



●第9位 キリスト教の精髄

読了した日:2018年6月14日
読んだ方法:Amazonで書籍購入

著者:C.S.ルイス
出版年:1977年
出版社:新教出版社

リンク:
http://amzn.asia/c1yyvHG

▼▼▼コメント:

これはねぇ。
不朽の古典的名作ですが、
今まで読んだことなかったんですよね。

2018年の夏休みに読みました。

フリーランスなので毎年2週間ほど、
夏休みを取ってます。
これをやらないと「持たない」ことが分かったので。
世間の夏休みとは、わざとちょっと外して。
そうするといろいろと安価になりますから。
「逃避先」は様々なのですが、
たいていは人がほとんどいないような場所で、
たいていは安いウィークリーマンションに泊まります。
そしてビール片手に、朝から晩まで、
「この一年読みたかったけど読めなかった本」を読む、
というのが私の夏休みスタイルです。
気が向いたらレンタカーで近くに出かけ、
家族でピクニックをします。

なんか、こう書いていると、
欧州の人の夏休みみたいですが、
そんなに優雅なものではありません。
お金があんまりないですから笑。
ほとんど自炊しますし。

、、、で、
読んだ一連の本の中の一冊です。

結果、どうだったか?

「なんで今まで読まなかったんだ!!」
と後悔しました。

もっと早く読んどきゃ良かった。

マジで。

素晴らしい、の一言に尽きますね。
「現代のC.S.ルイス」と言われている、
ティモシー・ケラーという牧師がいます。
21世紀を代表するキリスト教知識人ですね。

彼の本には様々な言葉が引用されますが、
3回に2回がC.S.ルイスの引用で、
ルイスの引用のうち3回に2回が、
「キリスト教の精髄」の引用です。

今年はある本を読んだことで、
ティモシー・ケラーにドはまりしまして、
日本語で読めるケラーの本はほとんどすべて読んだ私が言うのだから、
間違いありません。

ケラー師は自分でも言ってます。
「信徒に言われるんだ。
 先生はメッセージの準備が足りないと、
 ルイスの引用が多くなるから分かる。
 私は意識しないとルイスの頭で考えてしまうほど、
 ルイスの言葉が自分の血肉となってるんだ」と。

、、、ケラー師の言う意味も分かります。
それほどルイスの言葉は名言が多い。

「キリスト教の精髄」はその中でも、
最も密度の高い書物でした。

よって、ここで概説することは当然不可能です。
いつか「本のカフェ・ラテ」でやらなきゃですね。

ひとつだけ「ハイライト」箇所を引用します。
「行い(善行)か信仰か」問題というのがあります。
「ヤコブ書」か「ローマ書」か問題、
と言い換えても良い。

ルイスは明快にこう答えます。

→P229〜230 
〈クリスチャンたちは、
クリスチャンを天国に連れて行くのは善行か、
それともキリストへの信仰か、ということでたびたび議論してきた。
わたしはこういうむずかしい問題について語る資格は全くないが、
あえて言わせていただけば、その問題は、
ハサミの二枚の刃のうちどっちの方が大切かと問うようなものだ、
という気がする。

真剣な道徳的努力があってこそ、
初めてわれわれは「タオルを投げる」ところまで行き着くのであり、
キリストへの信仰があって初めて、
そこへ行き着いたあとの絶望から救われるのである。
さらにまた、キリストへの信仰から、
善行は必然的に出てくるのである。〉



●第8位 フロー体験 喜びの現象学

読了した日:2018年8月9日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:M.チクセントミハイ
出版年:1996年
出版社:世界思想社

リンク:
http://amzn.asia/cISEtv2

▼▼▼コメント:

これも、「もっと早く読んどきゃ良かった」本の一つですね。
Kindleでダニエル・ピンクの、
『モチベーション3.0』という本を読みました。
これは以前に「読んだ本」コーナーで紹介したはずです。
チクセントミハイの『フロー体験 喜びの現象学』は、
ダニエル・ピンクが論理的下敷きにした、
「定本」です。

あ、ここで私の読書論を少し。

ある程度本を読む習慣がある人に対して、
差し出がましいとは思いつつひとつ助言を。
何か面白い本に出会ったとき、
その「定本」にもあたることを強くオススメします。

人間は「ゼロ」から何かを創造することは出来ませんから、
新しく見えるものでも、
常に何かを参照しているものです。
本でも映画でもマンガでも。

たとえば北野武の『アウトレイジ』は面白いですが、
深作監督の『仁義なき戦い』や、
スコセッシの『グッド・フェローズ』を、
「現代的に再解釈」したものでもあります。

ここで大切なのは、
『アウトレイジ』に感動したあと、
『仁義』も『グッド・フェローズ』も見ることです。
そうすることで理解に奥行きが生まれます。

これを「川を遡る」と、
私は表現したいと思います。
下流で何か面白いものを見つけたら、
上流に遡るのです。

そしてたどり着くのが「定本」と言われる本です。
これを読んでおくと、
その分野に対する理解の基礎が形成され、
「その分野に関する知識」が、
「その分野に関する見識」に変わります。

いつも最新の知識ばかり追い求めて、
古典や定本をあたらない人は、
川の下流でバシャバシャ遊び続けているだけです。
世の中の変化は激しいですから、
やがてその下流は干上がるでしょう。
そういう人って、
たいてい今度は次の下流で遊び始めるのですが笑。

上流に行った人だけが、
「新しい流れ」を作ることが出来るのです。


、、、何の話し?


そう。

チクセントミハイ。

「ゾーンに入る」という言葉は、
スポーツなどの分野で使われ、
もう一般層にまで認知された言葉と考えて良いでしょう。
この言葉の元ネタは、
チクセントミハイの『フロー体験』です。

チクセントミハイは広範囲で綿密な調査の結果、
スポーツ、ビジネス、学問、執筆、技術職など、
あらゆる分野の「一流」と「超一流」を調べます。

すると面白いことが分かった。
「一流」の人のなかには、
「お金のため」にやっている人がいるが、
「超一流」で、お金のためにそれをしている人はいなかったのです。

「超一流」の人は
(超一流ですから多くの場合金銭的報酬も大きいのですが)、
「それをすること自体が喜びの源泉だから」、
その行為をしているのだ、と語ったのです。

たとえばバスケの超一流選手ならば、
「僕は金のためにバスケをしていない。
 バスケをしないことは僕にとって苦痛でしかない。
 バスケをしている瞬間、僕は生きていると感じる。
 お金はその副産物でしかない。」
という風に。

これをチクセントミハイは、
「自己目的的経験」と名づけました。
「それをすること自体が目的であるような行為」のことです。

するといろいろ面白いことが分かってきた。
「自己目的的経験」に「楽なもの」はない、
ということです。
つまり、ビーチで寝そべってカクテルを飲む、
といった経験が自己目的的経験になることはありません。

自己目的的経験はいつも困難を伴います。
その困難を乗り越えるプロセス自体が、
超一流の行為者に快感(喜び)をもたらす、
というのです。

チクセントミハイは彼らにインタビューを重ね、
彼らが「自己目的的経験」をしているときに、
よく使う言葉を見つけました。

それが「Flow(フロー)」でした。
まるで流れているような感覚。
忘我の境地。

この「フロー」がフロー体験となり、
なぜか日本ではフローよりも、
「ゾーン」という変形した表現が流布しましたが、
一般用語として定着しました。

この本もここで内容を説明するには豊穣すぎるので、
一箇所だけ引用します。

→P3 
〈オーストリアの心理学者ビクター・フランクルは
彼の著書『意味の探求』(Man's Search for Meaning)の序文で、
このことを見事に言い表している。
「成功を目指してはならない――
成功はそれを目指し目標にすればするほど、遠ざかる。
幸福と同じく、成功は追求できるものではない。
それは自分個人より重要な何ものかへの
個人の献身の果てに生じた予期しない副産物のように
・・・結果として生じるものだからである。」〉


▼参考リンク:『モチベーション3.0』ダニエル・ピンク
http://amzn.asia/ctTEOsm



●第7位 イマジン

読了した日:2018年6月23日
読んだ方法:Amazonで書籍購入

著者:スティーブ・ターナー
出版年:2005年
出版社:いのちのことば社

リンク:
http://amzn.asia/9tbG4iX

▼▼▼コメント:

この本は昨年の「よにでしセミナー」で出会った、
山田風音君から教えて貰いました。
今年は彼からかなり良書を教えて貰いました。

こういう友を持つということは、
金銭に換算すると、
「月給が5万円上がる」ぐらいの価値があると、
私は思っています。

マジで。

、、、でこの本ですが、
スゴイ本でした。

文字数が足りなくなってきたので、
詳しくは説明しませんが、
「キリスト」という言葉を語ることだけが、
キリスト教を伝えることではない、
という私の考えに確証を与えてくれた本です。

この本は芸術に関する本です。
彼がこの本で言っているのは、
「宗教的な題材を取り扱った映画(小説・絵画・音楽・文章)だけが、
 キリスト教の映画(小説・絵画・音楽・文章)ではない。
 キリスト教的な視点で(キリストという言葉を使わずに)、
 世俗的なことを取り扱った映画(小説・絵画・音楽・文章)こそ、
 この世の腐敗を食い止める本当の『地の塩』としての芸術なのでは?」
ということです。

「イエスをあがめます」という歌詞をぶち込むことだけが、
キリスト教音楽の作詞方法ではありません。
たとえば失恋の悲しみを、
キリスト教的な慰めと希望を織り交ぜながら歌うなら、
それは「キリスト的な音楽」です。
「宗教的な絵」だけがキリスト教絵画ではありません。
たとえば夜の東京の街並みを、
愛と赦しという視点から描くならば、
それはキリスト的な絵画になります。

「オンラインサロン」を開催したときは、
参加者に読書ノートをシェアしようと思ってます。

、、、あと、
たぶんこの著者、
私の「知り合いの知り合い」です。
スイスに「ラブリ共同体」という、
学びの場があります。

日本で言うと何だろう?
「松下村塾」とか、
武者小路実篤の「新しい村」とか、
そんな感じの学習共同体なのですが、
60年代アメリカの「ジーザスムーブメント」の時代に、
多くの若者がそこを訪れ、
フランシス・シェーファーという、
ラブリ共同体の主催者で哲学者の思想を受け取り、
世界各地に散っていって様々な働きを展開しました。

私のメンターのボブ・モフィット師と、
ダロー・ミラー師はその時代、
ラブリで出会っています。

年代から考えると、
著者のスティーブ・ターナーも、
同じ時期にラブリにいたはずなんですよね。

読みながら、
「なんかボブやダローのメッセージに似てるなぁ」
と思ったら「さもありなん」でした。

「ラブリ」って凄いなぁ、
と改めて思った次第です。



●第6位 中動態の世界 意志と責任の考古学

読了した日:2018年4月9日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:國分功一郎(1974年生まれ 高崎経済大学准教授)
出版年:2017年
出版社:医学書院

リンク:
http://amzn.asia/1bx4MGT

▼▼▼コメント:

この本は2017年に出版された本の中で、
最も重要な一冊です。

小林秀雄賞を受賞していたり、
様々に引用もされてますので、
耳にしたことのある方も多いのでは?


→P34 
〈これはフランスの言語学者、
エミール・ヴァンヴェニストが指摘していることが、
ひとたび能動態と受動態を対立する言語に慣れ親しんでしまうと、
この区別は必須のように思われてくる。
日本語の話者であっても事情は変わらない。
この区別を知ってしまうと、
行為は能動か受動のいずれかであると思わずにはいられない。
それ以外は思いつくことすら難しくなってしまう。

しかし、同じくヴァンヴェニストが指摘しているように、
実は多くの言語が能動態と受動態という区別を知らない。
それはいかなる言語にも見出される普遍的な区別ではないのだ。
それどころか、この区別を根底に置いているように思われる
インド=ヨーロッパ語族の諸言語においても、
この区別は少しも本質的なものではない。
その歴史的発展において、
かなり後世になってから出現した新しい文法規則であることが分かっている。

バンヴェニストは更に興味深い事実を伝えている。
能動態と受動態の区別が新しいものであるとはどういうことかというと、
かつて、能動態でも受動態でもない
「中動態 middle voice」なる態が存在していて、
これが能動態と対立していたというのである。
すなわち、もともと存在していたのは、
能動態と受動態の区別ではなくて、
能動態と中動態の区別だった。〉


→P120
〈おそらく、いまに至るまでわれわれを支配している思考、
ギリシアに始まった西洋の哲学によって
ある種の仕方で規定されてきたこの思考は、
中動態の抑圧のもとに成立している。
デリタはこの点について、無根拠な推論を書き付けているだけだが、
これは歴史的、哲学的に研究されねばならない。
そしてそれを研究する際、
バンヴェニストの残した業績が持つ意義は計り知れないのだ。〉


、、、上記二箇所の引用で、
「中動態」という意味がなんとなく分かっていただけたでしょうか。
「受動態」でも「能動態」でもなく、
「中動態」というものがかつてあった
(今も様々な形で残っている)というのが、
この本の語りたいことです。

私は北海道に6年間住んでいましたので、
「北海道弁」も理解できます。
「岡山弁」「三河弁」「北海道弁」「標準語」を、
私はマスターしている、
「方言クワドリンガル(四つの言語の使い手)」なのです。
転勤族の数少ない強みですね。

、、、で、その北海道弁のなかに、
「鍵がかからさる(鍵がかかった状態になっている)」
「米が炊かさる(米が炊かれた状態になっている)」
「ボタンが押ささる(ボタンが押された状態になってしまう)」
といった言い回しがありますが、
これは「中動態」そのものです。

「何かが●●された状態になる」
ということを言っているのですが、
そこに「行為者」は前景化せず、
半透明にされているからです。

米が自分で水浴びして、
炊飯器にダイブして、
ボタンを押して、
「自ら炊かさる」わけはないのです。

誰かが炊いたはずなのです。

しかし、「誰が炊いたのか」は、
ここでは前景化しない。
行為者の自由意志や責任は言及されません。
これが「能動態」でも「受動態」でもない、
「中動態」の具体例です。

それと私たちの生活と、
何の関係があるのか?

めちゃくちゃあります。

一つ言っておかなければならないのは、
この本、かなり難解です。
出てくる言葉が難解というよりも、
ここで取り扱おうとしている内容が、
私たちがそこで生まれ生活する「近代の世界」の、
最も根底にある前提を脱構築するものだからです。

私たちの社会は、
「自由意志」とか「責任」とか「行為主体」
といったものを大前提に設計されています。
民法も刑法も商取引も契約も、「キリスト教信仰」ですら、
「自由意志」「行為主体」という大前提のもとに構築されています。

しかしこの本では、
そもそも「能動態」という、
「行為を行為者に帰属させる文法」が、
人類の長い言語史を見たとき、
わりと最近の「発明品」なのだ、
ということを綿密に調べていくのです。

つまり、古代世界で人間は、
「能動と受動」という世界観で生きていなかったのではないか?
ということです。
「中動と受動」だけがあった。

そのような世界では、
「私があなたに●●した」
「あなたは私に●●された」
という受動・能動関係はそもそも構築不能です。

ただ、「こうなった」という事実だけがある。
人間の自由意志はそのなかでは相対化され、
そもそも前景化しません。

「能動・受動」という言語体系をもとに築かれた、
現代の思想・哲学、ひいては社会システム全体が、
実は近代の人間の「生きづらさ」を引き起こしているのではないか?

というのが著者の仮説です。

この本は不思議な本で、
冒頭に、アルコールや薬物などの依存症患者の「語り」が、
何の脈略もなく掲載されており、
その内容について本編で触れられることはありません。

しかしこの本を読み進めていくと、
冒頭の語りのなかに、
「能動・受動という世界観による生きづらさ」
がモロに現れていることに気づくのです。

依存症患者というのは、
アルコールやセックスや自傷行為や薬物、
「それ自体」の犠牲者ではありません。
むしろ「現代社会の生きづらさ」が、
彼らをして依存症の状態に留まらしめている(使役形)、
というのが本当のところです。

なので「禁酒法」を作っても、
ドラッグを厳しく取り締まっても、
依存症はなくなりません。

大切なのは、現代社会の「生きづらさ」
の正体を解きほぐし解明していくことです。
その中に彼らを(ひいては社会全体を)救済する、
アイディアのヒントが埋まっているかもしれない、
という著者の視点に私も同意し、
それを試みている本作に敬意を抱きます。

陣内が先週読んだ本 2018年 11月25日〜12月8日 『除脂肪メソッド』など

2019.04.17 Wednesday

+++vol.069 2018年12月11日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先週読んだ本 
期間:2018年 11月25日〜12月8日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●パレード

読了した日:2018年12月2日
読んだ方法:

著者:吉田修一
出版年2004年
出版社:幻冬舎文庫

リンク:
http://amzn.asia/d/30UPDq7

▼140文字ブリーフィング:

先月観た映画「悪人」、「怒り」が良かったので、
作者の吉田修一に興味を持ちました。
「怒り」は既読だったのですが、
こちらは初めて読みました。
どうやら映画化もされているようです。

ゲイが登場することや、
匿名性のなかにある不気味さ、
人間の「信頼」を巡るジレンマなど、
「悪人」「怒り」に通ずるものがあります。
山本周五郎賞受賞作というのも納得。
いち読者としては「怒り」のほうがエンターテイメント性が高く、
ぐいぐい引き込まれて面白かったですが、
「パレード」は何が何だか分からない不安感を残す作品で、
作家がこれを読むと「やられた」と思うのはうなずけます。
最後の川上弘美の解説も良かった。

ただ、この小説で書きたかった「匿名性の不気味さ」とか、
「顔のない悪」というの「ディストピア性」は、
もはや私たちの日常の一部になってしまった、
という違和感のようなものが残ります。
つまり、この小説で書かれた、
2002年の時点で不気味だった「何か」が、
2018年の私たちにとってはもはや風景でしかない、という。

ホラー映画やホラー小説が流行るのは、
世の中が平和なときだ、
というのを過去に読んだことがあります。
現代のような時代にはホラー映画やホラー小説は流行りにくい、と。
なぜなら現実がすでにホラーだからだ、と。

このAmazonレビューが秀逸だったので抜粋します。

〈うーん、結論からいえば読んでよかったと思える作品でした。
あくまで個人の意見ですが、
いまひとつしっくりとこない部分があったかなーと思います。
調べてみると出版されたのが2002年なんですね。
この本が書かれてから15年ほど経っているわけですが、
ここにしっくりこなかった理由がありそうです。
この小説の肝であるルームシェア、
それにまつわる人間関係ですが、
2000年初めと現在では事情が違ってきているというのもあるかもしれません。
悲しいかな、今ではこの小説でゾクッとくるものが
当たり前になりつつある時代です。〉
(816文字)



●未来の衝撃

読了した日:2018年12月3日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:A・トフラー
出版年:1970年
出版社:中公文庫

リンク:
http://amzn.asia/d/eiSQb75

▼140文字ブリーフィング:

『遅刻してくれてありがとう』という本を、
これはFVIなどでも色々お世話になっている、
立川福音自由教会の高橋秀典先生に紹介してもらい、
Kindleで購入して現在読んでいる最中です。
その『遅刻してくれてありがとう』のなかで、
この本が引用されていて興味を持ち、手に取りました。

50年前に書かれた本ですが、
けっこういろんな著者に影響を与えた有名な本だそうです。

じっさいこの本は、50年前に書かれた
『遅刻してくれてありがとう』のような感じでした。

50年前に書かれた「これが未来だ」という宣言を、
私たちの社会はすでに追い抜いてしまっているわけですが、
彼が書いている未来予測と
その対策の「思考の作法」は勉強になります。

分野横断的に語る切り口は、
『遅刻してくれてありがとう』にそっくりですし、
「カルチャー・ショック」という単語を、
「フューチャ・ショック」へと発展させ、
私たちは異なる文化にものすごい早さで突入している、
と語る語り口は今も有効です。

いまは彼が生きた時代の何十倍ものスピードで変化し、
変化自体も等比級数的に早くなっています。
『未来の衝撃』のような本が、
50年おきではなく、毎年書かれてもおかしくない。
『遅刻してくれてありがとう』で、
トーマス・フリードマンが言っていますが、
等比級数の力というのは恐ろしいもので、
その変化を現すのにこんな比喩があります。

ある人が素晴らしい成果を誉められるために、
王様に謁見した。
王様は彼に言った。
「何でもあなたの欲しいものを上げよう。
 国の半分でも良いし、
 王宮にある黄金のすべてでも良い」
彼は王様に言った。
「王様、ここにチェス盤があります。
 私のお願いはこうです。
 1日目にこのチェス盤の一マス目に米を1粒ください。
 2日目はチェス盤の二マス目に、米を2粒ください。
 3日目は四マス目に4粒、
 4日目は五マス目に8粒、
 、、、
 このように、チェス盤の最後のマスに至るまで、
 一日おきに二倍の米をくださいましたら、
 私はそれで満足です。」

王様は彼に言った。
「お前はなんと謙虚で欲の少ない人間なのだ!
 そんなのはお安いご用だ!
 そのようにしてつかわそう!」

、、、さて。

彼は本当に欲の少ない人間だったのでしょうか?

答えは、否、です。

このチェス盤の最後に到達するころ、
米粒の数は2の63乗、922京粒に達します。
つまり、2000億俵以上の米です。

世界の変化というのは、
20世紀には2粒、4粒、8粒、16粒、32粒、
みたいな感じだったが、
2000年をまたぎ、
特に2007年というトーマス・フリードマンが指摘する、
「分水嶺」を跨いでからは、
時代の変化は「チェス盤の後半」にさしかかっている、
というのが彼の指摘です。

50年前に「未来の衝撃」で語られた、
「今後数十年で起きる変化」が、
下手すると半年で起きるような世界に、
私たちは生きている。

これをフリードマンは「加速の時代」と名づけました。
なんか「未来の衝撃」の話しではなく、
『遅刻してくれてありがとう』の話しになっちゃいました。

面白そうでしょ。

今下巻を読んでいるところです。
近日中に書評しますのでお楽しみに。

今週は文字数に余裕があるので、
本書についても良かったAmazonレビューを引用します。


〈未来予測の是非については様々な意見があり、
著者自身も「正確に予測することは不可能」としている。
本書で述べられる予測も、
当時の科学技術の発展の方向性をもとに
「このまま進めばこういうことが可能になるだろう」というものである。
40年経た今、的外れもあれば当たっているのもある。

例えば、「20世紀中に人類は海底で生活をしている」
というのは笑ってしまう(今後は分からないが)。
他方でクローン技術等に代表されるバイオテクノロジーの発達、
高度な情報通信網の出現、
規模の経済の終焉等々、当たっているのも多い。

私がトフラー氏にとても感銘を受けるのは未来予測よりも、
現在の変化をもたらしている要因に対する深い洞察である。
本書が出版されたのが1970年なので、執筆活動は1960年代後半。
しかし、それから40年近く経た現在でも、
その内容は古さを感じさせない。
それは、表面的な変化に惑わされずに、
その変化をもたらす根源的な要因に目を向けているからこそだろう。〉
(1,735文字)



●注文をまちがえる料理店

読了した日:2018年12月3日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:小国士朗
出版年:2017年
出版社:あさ出版

リンク:
http://amzn.asia/d/am2D6GG

▼140文字ブリーフィング:

こちらは10月のFVI総会で、
FVIの役員をしてくださっている、
つくばで牧師をされている福島先生が、
「注文をまちがえる料理店」っていうのがあってね、、、
という話しをしてくださったことで興味を持ち、
手に取りました。

「注文をまちがえる料理店」というのは、
もともとテレビ制作の仕事をしていた方が、
様々な分野からの協力を得て、
2日間限定でオープンした飲食店のプロジェクトのことです。
このレストランはホール係が全員、認知症患者という、
世にもユニークなレストランでした。
お店にかかげた「ボード」の文言を引用します。

→P215 
〈注文を間違える料理店

「注文をまちがえるなんて、変なレストランだな」
きっとあなたはそう思うでしょう。

私たちのホールで働く従業員は、
みんな認知症の方々です。
ときどき注文をまちがえるかもしれないことを、
どうかご承知ください。

その代わり、
どのメニューもここでしか味わえない、
特別においしいものだけをそろえました。

「こっちもおいしそうだし、ま、いいか」
そんなあなたの一言が聞けたら。
そしてそのおおらかな気分が、
日本中に広がることを心から願っています。〉


、、、このプロジェクトは各種メディアで紹介され、
海外でも反響を呼びました。
ノルウェーの媒体に紹介された、
ノルウェー公衆衛生協会のコメントを以下に紹介します。

→P21 
〈「この日本のアイデアは、重要な点を示しています。
それは、認知症を抱えている多くの人は、周囲から受け入れられ、
理解されさえすれば、普通の社会生活に参加出来るのです。
大切なことは、認知症の人を過小評価しないと言うことです。
多くの人が、さまざまな方法で社会に貢献することが可能なのです。

認知症を抱える人と触れあうとき、
ほんの少しいつもより時間をかけ、
理解しようという優しさと思いやりがあれば、
みなさんのほうが大切な何かを得ることになるでしょう。

認知症を抱える人も一人ひとり異なります。
一人ひとりを個人として理解する事が大切なのです。」
(ノルウェー公衆衛生協会 Lisbet Rugtvedt氏)〉


、、、この「注文をまちがえる料理店」のアプローチは、
「ナラティブアプローチ」として知られるものに限りなく近いです。
つまり、疾病や困難を「解決すべき問題」と捉えるのではなく、
問題を捉える枠組みやストーリーを「語り変える」ことで、
問題がもはや問題ではなく、
むしろ豊かさの源泉にすらなる、
というアプローチです。

このアプローチの源流はどこにあるかというと、
アルフレッド・アドラーです。
アドラーは「トラウマや困難を解決するのではなく、
トラウマや困難こそが、その人の生きる力の源泉となる」
と語りました。

私自身も鬱病闘病のとき、
「病を乗り越える(癒やす)」という、
いわゆるクリスチャンカウンセリングによっては逆により困難は強まり、
ナラティブアプローチによって救済を体験したので、
このアプローチは非常に良く理解出来ます。

この「料理店」の場合、
「新しいナラティブ」の到達点は、
「寛容」であることが本書で示されています。

→P203〜204 
〈隣の席の人と「このアイスコーヒーあなたのですよね」
「そうそう、このコーラはあなたのですよね」
といって交換すればおしまいです。
たったそれだけのことで、間違いは間違いじゃなくなるんです。
自分で企画しておいてなんですが、
こんな感覚になるなんて、すごく新鮮でした。
世界の見え方が、まるで変わったような気がしました。
 
僕のこの感覚は企画者のひとりよがり、
ということもないようで、お客様のアンケートを読んでみても、
かなり多くの方が同じような気持ちを抱いたようです。

・サラダが2回出てきたけど、スープはきませんでした。
 でもそれもまあいいかと思います。
 たいした問題ではない。それでいいんです。
・普通のお店なら怒るかもしれないけど、
 笑顔で受け止めることができました。
・間違っても大丈夫な空気がありました。

このお客様たちの醸し出す”寛容”な空気。
この寛容さこそが、「注文をまちがえる料理店」が
目指していた一つの到達点でした。〉

→P205 
〈あたりまえですが、この料理店で
認知症のさまざまな問題が解決するわけではありません。
でも、間違えることを受け入れて、間違えることを一緒に楽しむ。
そんな、ほんのちょっとずつの“寛容さ”を
社会の側が持つことが出来たら、
きっとこれまでにない
新しい価値観が生まれるのではないかと思ったのです。〉



、、、最後に著者が提唱している、
「COOL JAPANよりも WARM JAPAN」
という言葉に私はぐっと来ました。

→P234 
〈「注文をまちがえる料理店」をやってから
「WARM JAPAN」という言葉をよく使います。
「COOL JAPAN」ももちろん大事だと思うのですが、
これから先は「日本ってなんだかあったかいよね」
「なんだかほっこり心地よいよね」
と思ってもらえることが、
大きな価値になっていくのではないかと感じるのです。〉
(2,086文字)



●除脂肪メソッド

読了した日:2018年12月7日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:岡田隆
出版年:2015年
出版社:ベースボールマガジン社

リンク:
http://amzn.asia/d/1sGXLhP

▼140文字ブリーフィング:

私は集中力を強度に要求されるような時間以外は、
仕事中にラジオを「作業用BGM」として流しています。
一番のお気に入りは、
「東京ポッド許可局」で、
二番目が
「三四郎のオールナイトニッポンゼロ」です。
そのほかの時間はたいてい、
筋トレユーチューバーの動画を、
ラジオ代わりに流しています。

その中に、超新塾というお笑いグループの、
コアラ小嵐という芸人がいまして、
その人の「コアラ小嵐の筋肉電波、Q&Aラジオ」というのがあります。
ちなみに超新塾は、「アイクぬわら」がいる、
革ジャンでコントをする「あのグループ」です。

で、この「Q&Aラジオ」が素晴らしい。
動画のコメント欄に届いたコメント(質問)に、
彼がひたすら答えるだけの動画なのですが、
一本の動画の長さが最長で8時間(!!!!!)あります。
短くても2時間ぐらい。

上半身裸の彼が、ずーっっと、
筋肉関係の質問に答えるというだけのラジオ。

ずーっと聞いてられます。

ちなみに私のなかでこの1年半ぐらい、
ずっと今温めている企画があります。
来年頃に何らかの形で具体化したいと思ってるのですが、
それが、「コアラ小嵐のQ&Aラジオ的なもの」なのです。
そう、動画やりたいんですよね。
動画というよりも、ラジオなんですけど。
あ、上半身裸で筋トレのことを8時間話したい、
という意味じゃないですよ。
誤解のなきよう。

そうじゃなく、「読むラジオ」で書いているようなことを、
動画で語る、そんな媒体を新たに生みたいと思ってるのです。
まぁ、そんなことを考えてます。
当メルマガ「読むラジオ」の、
次の発展形として(メルマガも続けますが)。

、、、話しを戻します。
コアラ小嵐のQ&Aラジオには、
筋トレをしている様々な人からの質問が寄せられるのですが、
その「減量」に関する質問については、
10回中9回中、コアラ小嵐は、
「岡田隆先生の、除脂肪メソッドを読んどいて下さい。」
と回答しています。

私はいまバルクアップ期なので「除脂肪」に関しては、
まだ先のことなのですが、
かなり脂肪ものっかりながら筋肉量を増やしたあとは、
除脂肪をしていかなければと思ってます。

それで知識を仕入れておきたいと思い、
本書を手に取った次第です。
内容について興味ある人が、
いったいどれだけいるか分かりませんが、
一応「まとめ」的に本書で紹介されているメソッドの、
「基本カード8」をご紹介します。

・カード1 カロリーの調整 
 第一の極意「ベースラインを見極めろ」

・カード2 PFCバランス調整 
 第二の極意「Fを抑えろ!」

・カード3 食事の回数を増やす 
 第三の極意「1日6回、恐れず食え!」

・カード4 タイミングと分配比率 
 第四の極意「生きる時間を二分せよ!」
 →体脂肪を減らす時間と筋肥大を起こす時間のふたつ。

・カード5 高GI→低GI
 第五の極意「インスリン分泌を制御しろ!糖質制限から糖質制御へ」

・カード6 カロリー10%減 
 第六の極意「大原則を活用せよ!」

・カード7 カーディオエクササイズ 
 第七の極意「とにかく、歩け」

・カード8 HIIT 
 第八の極意「そして最後は、走れ!」


、、、何言ってるか分かる人には全部分かると思うのですが、
まぁ本当に王道な内容です。
消費カロリー>摂取カロリー
これ以外のダイエットはすべてデマと考えて間違いない、
というのがこの本からも分かります。
ただ、著者の岡田隆氏はボディビルダーでもありますから、
ただ体重を減らすだけの痩せ方ではなく、
いかに筋肉を残しながら脂肪を落とすか、
ということを究極に突き詰める道を知っているわけです。
私のような、8ヶ月筋トレしてるにもかかわらず、
まだ標準体型よりも筋肉が少なく、
標準体型よりも脂肪が多い、
そんなへなちょこトレーニーにも、
参考になる情報がたくさん含まれています。
(1,519文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

ご紹介した本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:該当なし

コメント:

11月後半から12月前半までは、
けっこう忙しかったため、
2週間で、4冊しか読んでません。
私の平均からするとかなり少ないほうです。

北海道に行っていたり、
帰ってきてからもいろいろと用事があったりしましたので、
読書をする時間が確保できませんでした。

まぁ、そんな週もあります。

借りてきた本を未読のまま図書館に返すのは、
ちょっとストレスがたまります。

、、、12月後半は本を読む時間を確保できるのか、、、?

正直、よく分からないんですよね。
スケジュール帳が真っ黒でも、
案外読めたりすることもあるし、
スケジュール帳がすかすかでも、
あんまり読めないこともある。

1日の「認知負荷」がたまり、
晩ご飯を食べ終わった時点で、
脳を使い終わっていたら、
その日は読書せずに、
8時前とかに布団に入って寝るようにしています。

これは私の職業的良心であり、
「寝ないなんて怠慢」だと思ってますから。
鬱病闘病以降、私の体質上、
睡眠よりも優先されるものはない、
というのは揺るがない確信ですから。

そんなわけで、
この2週間は寝ることを優先させた日が多かった、
ということですね。

それだけいろんなことを、
させていただけているということですから、
嬉しいことでもあります。


続編が読みたいマンガは?

2019.04.16 Tuesday

+++vol.069 2018年12月11日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1 今週のオープニングトーク
「シーズン2」のバックナンバー公開を始めました。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

メルマガ読者の皆様、こんにちは。
「シーズン2」が始まったのは今年の8月。
早いもので、もう4ヶ月も続いていたのですね。
あと何ヶ月続けるかは、
著者の私ですら預かり知らないのですが笑、
まぁ、もうちょっとは続くと思います。
まだ「オンラインサロン」も今回はやってないですし。

、、、で、8月から4ヶ月経ちましたので、
もうそろそろ良い頃合いかな、と思いまして、
8月の記事から順次、
月曜日に、バックナンバーを公開していくことにしました。

過去の記事を読み返したい。
思い出したい。
誰かに紹介したい(紹介してね!)、
という人は、以下のリンクからお読みいただけます。

▼参考リンク:過去記事ブログ
http://blog.karashi.net/


▼▼▼続編を読みたいマンガ▼▼▼

、、、さて、
今週も、「質問カード」を。

▼質問:
続編が読みたいマンガはありますか?(なければ小説・映画でも可)


、、、はい。
いかがでしょうか?

私はマンガも小説も映画もありますので、
全部答えます(横暴)。


▼▼▼マンガ:

これはもう「スラムダンク」以外ないでしょう。
「スラムダンク世代」ですので。

ただ、井上雄彦氏も自分で言っていますが、
あれは「これしかない、という最高の終わり方」
なんですよね。

あれ以外の終わり方はない、
という終わり方をしているので、
続編が書かれることはまずないでしょう。

井上さんは人生で2万回ぐらい、
「スラムダンクの続編」について訊かれているはずです。
私は井上さんの著書やインタビューなど、
様々な媒体を追いかけている、
井上雄彦ウォッチャーのひとりですが、
私の知る限りにおいて、
井上さんが「続編を書く可能性がある」
と言明したことは一度もありません。

「スラムダンクの続きを描く」
というのは、
「モナ・リザ」に筆を加えて、
よりよい絵を完成させる、
という挑戦と同じぐらい、
無謀かつ不遜な試みだと私には思えます。

あのあと、
桜木花道はどうなったのか?
流川楓や沢北栄二はアメリカの大学に行ったのか?
ゴリはインカレで活躍したのか?

宮城リョータキャプテンのもと、
湘北高校は翌年県大会を突破できたのか?

全部、想像の世界の話しであり、
そして想像の世界の話しだからこそ、
キャラクターたちは私たちの中で生き続けている、
とも思うわけです。

ルカが書いた聖書の「使徒の働き」の、
最終章、28章は、
オープンエンドな終わり方をしています。

だからこそ、
この2000年間、
「使徒の働き29章」が、
書かれ続けてきたし、
今も私たちの人生を通して、
それは書かれ続けているのと同じです。



▼▼▼小説:

これはいろいろあると思うのですが、
やはり、
ドストエフスキーの、
『カラマーゾフの兄弟』ですね。

通称「カラ兄」。

カラマーゾフの兄弟もまた、
「オープンエンド」です。

、、、でもカラ兄って、
「未完の遺作」なので、
もう数年ドストエフスキーが長生きしていたら、
続編が書かれていたと言うより、
「完成」していたんですよね。

この未完の続編が、
いったいどのようなものだったのかは、
「ドストエフスキー本人の脳内」
にしか存在しませんでしたので、
後世の私たちには「類推」することしかできません。

じっさい、カラ兄の続編はどのようなものか、
ということを考察するという本は多数出版されており、
ひとつのジャンルを形成していると言って良いほどです。

カラ兄は間違いなくこの200年間に書かれた小説のなかで、
最高峰の一角をなす名作です。
これを超える宗教小説は、
たぶんあと100年ぐらいは書かれないのではないでしょうか。

カラ兄は考察者によってかなり意見が分かれるのですが、
ドストエフスキーは、三男のアリョーシャを、
「もしキリストが現代に生きたら?」
という仮定への答えとして描こうとしていた、
という有力な説があります。

「大審問官」のくだりがあまりにも有名であり、
あそこだけで「神学者の生涯」何回分かの、
神学的滋養と洞察にあふれているのですが、
もし、アリョーシャのその後が書かれていたら、
大げさな話しではなく、
21世紀の神学はもうちょっと早く前に進んでいたかもしれません。



▼▼▼映画:

、、、これを考えるのは面白いです。
過去の古典的名作映画の「続編」が、
近年続々と作られているので。

「エイリアン・コヴェナント」とか、
「ブレードランナー2049」とか、
「マッドマックス 怒りのデスロード」とか、
「クリード チャンプを継ぐ男(ロッキーの最新作)」とか。

私が続編をめちゃくちゃ観たい映画は、、、。

とりあえず今思いつくのは、
『シン・ゴジラ』かな。

観た人は分かると思うのですが、
『シン・ゴジラ』は明らかに、
「続編やるよ」っていう終わり方をしています。
あれが庵野秀明の気の迷いなのか、
観客をもてあそぶブラフなのか、
それとも本当に続編を作ろうとしているのか、
まったく分かりませんが、
庵野秀明で続編をやるのなら絶対に観に行きます。

「あれ」をどう展開させるのか、
マジで想像もつかないのですが。


、、あと映画じゃないけど、
クラウドファンディングやったら、
思い切ってお金を投資しても良いほどに、
続編が見たいものが一つだけあります。

これは署名運動とかあったら絶対に参加する。

『北の国から』です。

これも、田中邦衛さんの健康状態だとか、
倉本聰さんのあの性格とか、
あと役者たちの近況を考えると、
実現可能性は0%に近いのですが、
みたいなぁ。

『北の国から 2020』。

観たい!!

オリンピック中止になってもいいから観たい!!

めちゃくちゃ観たい!!


純は結婚生活を続けているのか?

まぁ、諸般の事情で、
続けていない設定にするしかないけど笑。


蛍と正吉の息子「快くん」は、
20歳を超えているはずなので、
彼がどうなっているのか?

正吉は富良野に帰ってきたのか?

中畑のおじさんは、
死んだ設定にする以外ないので、
(地井武男氏死去のため)
そのあと、中畑家の娘は、
北大出身の熱血男(柳葉敏郎)と結婚し、
どんな家庭を築き、どこに住んでいるのか?

純には子どもがいるのか?

五郎さんがゴミで作ったあの家は、
今どうなっているのか?

そうた兄ちゃんはどうなってるのか?

もうねぇ。

知りたいことだらけです。

『北の国から2020』制作委員会を、
自主的に立ち上げたいぐらい笑。

、、、という、
「続編談義」でした。

今日はここまで。

陣内が先月観た映画 2018年12月 『スリービルボード』他

2019.04.10 Wednesday

+++vol.068 2018年12月4日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先月観た映画 2017年11月

月に一度のお楽しみ、
「陣内が先月観た映画」のコーナー。

タイトルそのまんまの企画です。
先月私がいろんなかたちで観た映画を、
一挙に紹介しちゃうというコーナー。

5本以上観た月だけの限定コーナーとなります。
先月はけっこう観たので、
けっこう紹介できます。

もともと映画を観るほうではありますが、
Amazonプライムのストリーミングで観るようになって、
観る本数が3倍ぐらいに増加しました。
移動中に観れるというのが大きいです。
電車の中やバスの中で本を読むのは少し疲れますが、
映画はノーストレスです。
長時間移動がある月なんかは、
往復の移動だけで4、5本観れたりします。

観るだけではもったいないので、
皆様に紹介しちゃおう、
というのがこのコーナー。

世界一小規模の映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」もやります(笑)。

「おもしろそうだな」と思うやつがあったら、
それをレンタルして観てみる、とか、
あとこれを読んで、観たつもりになって、
誰かに知ったかぶりする(笑)などの
使い方をしていただければ、これ幸いです。

「陣内が先週読んだ本」の
140文字ブリーフィングが好評なので、
映画評論も140文字で試みます。

時短は正義(!)ですから笑。

「読んだ本」コーナーと同じで、
140文字はあくまで「努力目標」です。

*どうしても「ネタバレ」要素をいくらか含みますので、
絶対にネタバレしたくない作品がありましたら、
器用に読み飛ばしてくだされば幸いです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●ブルーバレンタイン

鑑賞した日:2018年11月1日
鑑賞した方法:アマゾンでストリーミング購入(300円)

監督:デレク・シアンフランス
主演:ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ
公開年・国:2010年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/1KYGueC

▼140文字ブリーフィング:

前からずっと見たかった映画です。
各方面で評価が高い映画だったので。

「東京でゆっくりできる休日」が、
フリーランスの私にはときどき何の前触れもなく、
まるで間欠泉のように、ぽっかりと訪れます。
月にそんな日が4、5日訪れることもあれば、
一度も訪れない月もある。
突如として平日4連休があるかと思えば、
気がつけば20日ちかく一度も休んでなかった、
ということもある。
前触れもなく訪れる「それ」は、
例外なく平日です。
業態上、土日祝日はたいてい忙しいので。

11月はそんな日が何日かあったので、
Amazonビデオでレンタル料を払い、
昼間からテレビにそれを映して映画を観ました。

このブルーバレンタインもそのひとつです。
私の「見たいランキング」のベスト3に入っていたので。

どうだったか?

めちゃくちゃ面白かったです。

「ビフォア・サンセットシリーズ」が好きな人は、
この映画、絶対好きです。

ただ、失恋したての人とかは、
絶対に見てはいけません。

心がえぐられますから。
失恋していない人ですら、
「心に深い傷跡を残す力を持つ映画」です。

これは健康なときしか見られないですね。
スーパー激辛ラーメンのようなものです。
「マゾヒズム映画」ですね。

ストーリーの悲しさ、重苦しさは、
最低(褒め言葉)レベルです。
でも、映画としての出来は最高です。
編集と脚本が120点なので。
ライムスター宇多丸の言葉を借りるなら、
「最低だ!でも最高だ!」
という映画でした。
見て良かった。
(513文字)



●スリービルボード

鑑賞した日:2018年11月1日
鑑賞した方法:アマゾンでストリーミング購入(400円)

監督:マーティン・マクドナー
主演:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル
公開年・国:
リンク:
http://amzn.asia/d/0rMrj6D

▼140文字ブリーフィング:

こちらの映画も、
「ぽっかりと落ちてきた休日」に見ました。
「ミーズリ州」という架空の州の物語です。
モデルがミズーリ州なのは言うまでもありませんが、
それはミズーリ州が、
白人警官が黒人をリンチするなどの差別が酷い、
保守的な州のひとつとして知られている、という背景があります。

この映画はアカデミー賞複数部門にノミネートされるなど、
数多くの賞を受賞した「2017年を代表する映画」なので、
知っている人も多いのでは。
こちらも、「見たいリストベスト3」に入っていたので、
お金を払って見ました。

めちゃくちゃ面白かったです。
とにかく脚本が素晴らしい。
この脚本は、本当にすごい。
(2回言った)

「ミーズリ州」の田舎町のはずれに立つ、
3枚の路肩看板(ビルボード)から、
ストーリーが転がり始めます。

この3枚の看板には多重メタファーが仕込まれています。
まず主要登場人物3人。

ひとりめは、
娘を何者かにレイプされ殺されたヘイズ夫人。
ヘイズ夫人が看板会社に行き、
誰も使っていない3枚の看板に、
「娘がレイプされ殺された(1枚目)
 犯人はまだ捕まっていない(2枚目)
 ビル署長は一体何をやってるの?(3枚目)」
という真っ赤な意見広告を出すところから、
この小さな街で物語が動き始めます。

ふたりめは差別主義者の田舎者、ディクソン巡査。
こいつは「マザコン人種主義者のクソ野郎」なのですが、
ある出来事がきっかけとなり、
彼の優しく柔らかい人間性が目覚めるシーンは、
過去数年の映画シーンのなかで最も感動したかもしれません。

そして街いちばんの人徳者で、
「保守的なこの街の良心」のようなビル署長。
ビル署長はヘイズ夫人の挑発の後、
事件の捜査を始めますが、ある理由で、
途中でそれを挫折せざるを得なくなる。

3枚の看板のもう一つのメタファーは、
キリスト教文化圏のひとなら誰でもピンとくる、
「あれ」です。

そう。

キリストの十字架です。
キリストが磔刑に処されたとき、
二人の強盗が両サイドで十字架刑に処されました。
つまりゴルゴダの丘の上には3本の十字架が立っていたのです。

3枚の看板はそのメタファーでもあります。
3枚の看板それぞれが、
ヘイズ夫人、ディクソン巡査、ビル署長を象徴しています。

、、、


、、、


このへんで恒例の「あれ」を。
ここから先は自己責任でお読みください。



▼▼▼ネタバレ注意▼▼▼


▼▼▼ネタバレ注意▼▼▼


▼▼▼ネタバレ注意▼▼▼


、、、ビル署長は癌を患っていて、
彼は志半ばで死んでしまいます。
ビル署長はキリストのメタファーです。
これには証拠があり、
主要登場人物3人にはそれぞれ、
「テーマソング」があるのですが、
ビル・ウィロビー署長のテーマソングは、
「讃美歌」なのです。
この讃美歌はキリストのことを歌っています。

そしてビル署長は匿名でヘイズ夫人に遺産の一部を残し、
自分を批判する看板の広告料を支払ってこの世を去ります。

そうするとヘイズ夫人とディクソン巡査は2人の強盗なのか?
この二人は強盗と言うよりも、
ビル署長の遺した「赦し」という財産を託された、
保守的なアメリカ人そのものに見えます。

ディクソン警部は典型的な差別主義のアメリカ人として描かれますが、
彼がキリスト(=ビル警部)によって「変化」するところに、
この映画の希望があります。

この映画の脚本のすごいところは、
登場人物の誰ひとりとして、
「このひとはこういう人」というキャラクターが、
固定されていないところです。
時系列ですべての登場人物が、
「変わっていく」のです。
じっさい現実世界というのはそうですよね。
私たちはキャラによって固定されているのではなく、
人間というのは「まさかこの人がこんなことをするとは」
「あの人がこんなふうに変わるとは」
という驚きの連続です。
2時間の映画でこの人間のダイナミズムを描ける、
というのはスゴイです。

素晴らしい映画でした。
(1,545文字)



●僕のワンダフルライフ

鑑賞した日:2018年11月8日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:ラッセ・ハルストレム
主演:ブリット・ロバートソン
公開年・国:2017年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/2MUt4rK

▼140文字ブリーフィング:

犬を主人公とした映画。
監督は「ギルバート・グレイプ」の監督です。
「ギルバート・グレイプ」は名作でしたし、
Amazonの評価も高かったので期待したのですが、
全然面白くなかったです。
ほとんど早送りで見ました。
驚くほど単調で冗長で凡庸です。
「犬が輪廻転生する」というアイディアが入っているが、
それ自体が別に深いメッセージでもない。
仏教の素養があるわけでもない。
何のために撮ったのか分からない映画でした。
(198文字)



●悪人

鑑賞した日:2018年11月1日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:李相日
主演:妻夫木聡、深津絵里
公開年・国:2010年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/d/7qsMIMm

▼140文字ブリーフィング:

この映画、観るのは二回目です。
公開された2010年に、
私はユナイテッドシネマ豊島園で観賞しました。
なんか記憶に焼き付く映画だったという記憶がありましたので、
Amazonプライムに追加されているのを見つけて、
8年ぶりに再度観賞してみました。

改めて、面白かったです。
傑作の部類ですね。

満島ひかり、深津絵里、妻夫木聡の演技がすごいのですが、
なによりも樹木希林がスゴイです。
役者の演技だけで2時間引っ張れる映画というのも珍しい。
あと、地味ですが岡田将生の、
金持ち腰抜けボンボン役のクズぶりもスゴイです。
近年まれに見るクズでした笑。
(これは褒め言葉ね。
 だって彼は「クズ」を要求されてるんですから。)

吉田修一原作のストーリーも素晴らしいです。
九州の田舎の閉塞感、
「携帯時代」における、
孤独な魂同士が惹かれあう磁力の強さなど、
時代を切り取ることに成功しています。
李相実と吉田修一のタッグにやられました。

詳しくは言いませんが、
最後に樹木希林がマスコミにお詫びするシーンでは、
タブレットを観ながら涙がこぼれてしまいました。
電車の中じゃなくて良かった笑。
(406文字)



●怒り

鑑賞した日:2018年11月9日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:李相日
主演:宮崎あおい、妻夫木聡他
公開年・国:2016年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/d/dewHhhZ

▼140文字ブリーフィング:

李相実と吉田修一タッグ再び。
「悪人」があらためて面白いなぁ、
と思っていたら、
同じタッグの「怒り」もまた、
Amazonプライム特典に加わっているではありませんか!
しかも「怒り」は小説も既読です。

これは観るしかないでしょう、
ということで観ました。

こちらも役者の演技がとにかくすごかったです。
役者の演技でいえば「悪人」以上かも。
なにせ単独で主役を張れる「千両役者」が7人も出ていますから。
・妻夫木聡
・宮崎あおい
・渡辺謙
・森山未來
・広瀬すず
・綾野剛
・松山ケンイチ

あと、当時はあまり「主演級」でなかった、
高畑充希も地味に出演しています。

もうこんなの、「日本俳優のアベンジャーズ」ですね。
誰がアイアンマンなのか分かりませんが笑。

重要な役回りを果たす、
「沖縄の少年」も、方言が嘘くさくなくて素晴らしい。
演出も重厚でしたし、最高です。
ただ、この映画もまた『ブルーバレンタイン』とおなじで、
観るだけでダメージを受けるマゾヒズム映画です。

元気な人だけ見ましょう笑。
(422文字)



●ポーカーナイト

鑑賞した日:2018年11月13日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:グレッグ・フランシス
主演:ボー・マーショフ
公開年・国:2014年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/2vzAwix

▼140文字ブリーフィング:

全然面白くなかったです笑。
劣化版「Saw」みたいな感じでしょうか。
「Saw」がヒットしてから、
監禁モノの映画は多数作られましたが、
これは駄作の部類でしょう。
特記するところのない映画です。
(93文字)



●暗黒女子

鑑賞した日:2018年11月11日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:耶雲哉治
主演:清水富美加、飯豊まりえ
公開年・国:2017年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/d/9nGnQZv

▼140文字ブリーフィング:

女子校で学園一の美少女が殺された事件を巡る、
「順番語り」の手法はちょっと面白いのですが、
志を最大限に消化できてない感が否めない。
「キサラギ」という有名な映画がありますが、
それに似ています。
古くは「十二人の怒れる男」という名作があります。

こういう構成の映画というのは、
「どんでん返し」の見せ方がポイントです。
本作の場合、どんでん返しが「あるぞあるぞー」という演出が、
逆効果でした。
「オバケがでるよー、でるよー、怖いよー、絶対でるよー」
とやればやるほど、オバケには驚かないものなのです。
CMをひっぱり過ぎて逆にウケないバラエティ番組みたいな感じで。
清水富美加の演技は割と良かったですが、残念でした。
(298文字)



●白ゆき姫殺人事件

鑑賞した日:2018年11月1日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:中村義洋
主演:井上真央、菜々緒、綾野剛他
公開年・国:2014年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/d/fxJOg3O

▼140文字ブリーフィング:

こちらも「キサラギ」パターンです。
ある殺人事件をめぐり、
複数の主要登場人物の証言のパズルのピースがかみ合わない、
という違和感を最後まで引きずる、という構造です。
こちらも編集が冗長なためテンポが悪いなど、
全体的に「下手だ」と感じたました。
ただ、菜々緒の「説得力」はすごかったです。
あの「非現実感」は彼女にしか出せないですね。
あと、女同士のどろどろ感というか、
そういう要素も楽しめた。
むしろ「どろどろに振り切った」ほうが良い映画になったかも。
鑑賞後に湊かなえ原作だと知り納得です。
(238文字)



●パウロ 〜愛と赦しの物語〜

鑑賞した日:2018年11月16日
鑑賞した方法:ヒューマントラストシネマ渋谷にて観賞

監督:アンドリュー・ハイアット
主演:ジム・カヴィーゼル他
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
http://www.paul-love.jp/

▼140文字ブリーフィング:

非常に久しぶりに、
映画館で映画を観ました。
多分2016年の「この世界の片隅に」以来じゃないでしょうか?

いや、違う。
その後に友人とクリント・イーストウッドの、
「ハドソン川の奇跡」を愛知県で観てました。

いやいや、それも違う。
8月の「カメラを止めるな!」以来です。

、、、いや、
けっこう最近じゃねーかよ笑!

いずれにせよ、普段なら行かないような、
渋谷の映画館に入りました。
渋谷ってマジで普段近づかないんですよね笑。

映画館でこの映画を観た理由は二つありまして、
前売り券(1,200円)を買っていたのと、
この映画、見逃すと「ソフト化」がずいぶん先になる、
もしくは日本語では実現しない可能性もあると思ったからです。

なにせ首都圏全体で公開館数が、1館のみですからね。
4000万人の人口につき1館。
これは相当にマイナーな映画と言って良いでしょう。

映画の内容ですが、
タイトルのとおり、使徒パウロが主人公です。
この映画は視点が面白くて、
パウロの伝道旅行に帯同し、
晩年に軟禁されたパウロの言葉を聞いて、
書簡にする作業を手伝った、
医者のルカの視点で描かれているところです。

先日、飢餓対策機構時代の恩師であり、
今はカリフォルニアで牧師をされている辻本先生と、
久しぶりにお会いしたときに、
先生が面白いことを言っていたのを思い出しました。

「新約聖書のいちばん多くを書いたのは、
 書物の数ではパウロだが、
 文字数(単語数)ではルカなんだ。
 しかもルカは新約聖書著者のなかで、
 三代目のクリスチャン、
 つまりイエスに直接会っておらず、
 イエスのことを聴いた人から伝道されたクリスチャンなんだ。
 日本人はルカから多くを学べる」と。

どういうことか。

じっさい書簡数ではパウロが一番書いています。
しかし、ルカは「ルカの福音書」と「使徒の働き」を書きました。
これらの章数を全部足すと、24+28で52章書いています。
しかもルカの書簡は一章が長い。
たしかに文字数では、
新約聖書を一番多く書いたのはなんと、ルカなのです。

そのルカの視点から見たパウロ像を描く、
というのがこの映画の試みです。

さて、この映画の評価ですが、、、
評価はめちゃくちゃ難しいですね。

「礼拝メッセージ」としては良かったが、
映画として面白いかどうかは別の話、
というのが私の感想です。
これは「映画に何を求めるのか」という、
「映画観」によるのですが、
私の場合映画というのは「余韻」とか、
「ゆらぎ」が大事だと思っています。
結論ありきの映画は好きじゃない。
見た結果、自分の持っていた世界観が揺るがされるような映画が、
私にとって「最も面白い映画」です。

、、、という観点で見ますと、
この「パウロ」はそういった要素はありません。

ただ、「礼拝のメッセージ」として観ますと、
非常に良いメッセージを聴いたなぁ
という感想。
素晴らしい励ましに満ちた映画でした。

パウロが言う一言一言が、
新約聖書になっていく過程が見えるのが新鮮でした。
ひとつ面白かったのが、
パウロもルカも「アメリカン」なところです。
二人とも当然(?)英語を話していますし、
キャラクターも超アメリカ人です。
このシーンはちょっと「やりすぎ」なんじゃないかと、
私は笑ってしまいました。

ルカ:「例の新しい書物(=私たちが知る使徒の働き)の、
 最後の一行が今、決まったよ。
 『パウロは少しもはばかることなく、
 また妨げられることもなく、
 神の国を宣べ伝え、
 主イエス・キリストのことを教えた』
 、、、どうだい?」
パウロ:「それは最高にクールだ。」
ルカ:「イェ!」
パウロ:ウィンク

みたいなノリのシーンです。

パウロとルカがそんな
「アメリカンなやりとり」をしていたかどうかは、
史実かどうかは分かりませんが、
皇帝ネロによる迫害や、
書かれた聖書の内容は史実です。
映画を観ながら、
途中からパウロがマハトマ・ガンジーに見えてきて、
不思議な感覚を抱きました。
パウロが身近な存在になったというか。
(1,497文字)



●とらわれて、夏

鑑賞した日:2018年11月1日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:ジェイソン・ライトマン
主演:ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン
公開年・国:2013年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/9sZMp8Q

▼140文字ブリーフィング:

なんか「午後のメロドラマ」的な邦題のせいで、
この映画の魅力は正しく伝わっていない気がします。
原題「Labor Day」のほうが絶対良い。

9月に観た「タリーと私の秘密の時間」と、
10月に観た「ヤング=アダルト」が面白かったので、
同じジェイソン・ライトマン監督の本作も鑑賞しました。

母ひとり、息子ひとりの母子家庭の家に、
脱獄犯が押しかけ、家族が二人をかくまうという筋書き。
母は脱獄犯に惹かれ恋に落ち、
息子は脱獄犯に、ときどき面会するだけの、
母と離婚した父親にはない「ワイルドな父親性」を見出し、
ふたりとも彼に好意を抱いていき、
3人はまるで理想の家族のようになっていくが、、、
という展開です。

この映画はローティーンの息子の視点から語られますが、
彼は「二次性徴」が現れ、
自らの自我と「男としての目覚め」と葛藤していますから、
その「自らの葛藤がレンズを濁らせ、
適切な判断が出来なくなる」という仕掛けがまた面白い。
この映画は小説が原作ですが、
本当に「良い小説を読んでいるような」感覚を味わうことが出来る。
上手な監督だと思います。

脱獄犯がなぜ牢獄に入っていたかも、
徐々に語られていくわけですが、
それがあまりにも理不尽で、
鑑賞者は脱獄犯にどんどん肩入れしていきます。

、、、脱獄犯はどうみても「まともな人」なのですが、
彼が「まとも」であることを、
台詞や説明ではなく分からせるところも上手い。

彼が料理をするシーン、
彼が家を直すシーンなどによって、
鑑賞者は「彼はまっとうな人間だ」と確信していくのです。
日常の料理、洗濯、道具のメンテナンス、掃除、
そういったものを大切に取り扱う人は、
他者や人生をも大切に取り扱う、
ということを人は心のどこかで知っていますから、
鑑賞者は「うん、彼はまっとうな人間に違いない。
牢屋にはいっていたのは、
何かよほどのっぴきならない事情があったに違いない」
という風に、彼に感情移入していくのです。

この映画の柱は、
「ストックホルム症候群」と呼ばれる、
誘拐、監禁された人々が、
犯人に共感し、犯人を好きになっていく、
という現象です。
「ストックホルム症候群」は数多くの映画で使われますが、
この映画の面白いのは、
映画を鑑賞する私たちも、
ストックホルム症候群の当事者としての心理状況を、
味わえるところです。

「パーフェクト・ワールド」という、
私の「生涯ベスト10映画」のひとつがありますが、
その脚本にちょっと似ています。
(950文字)



●15時17分発、パリ行き

鑑賞した日:2018年11月27日
鑑賞した方法:Amazonでレンタル視聴(299円)

監督:クリント・イーストウッド
主演:アンソニー・サドラー
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/iW4TyUr


▼140文字ブリーフィング:

これはずっと観たかったんですよね。
11月の最後の週に、
3日間、家族の秋休みのために、
十勝地方を訪れた際、娘が寝てから、
妻と二人で久しぶりに映画を一緒に観ました。
私の小さな7インチタブレットという、
あまり理想的なデバイスではないですが、
妻と二人で映画を観て、
感想を言い合うのは至上の楽しみのひとつですので、
かなり久しぶりにそういったことが出来たことは感謝でした。

私も妻もクリント・イーストウッド監督作品が大好きで、
特に「グラン・トリノ最高!!」という点において、
意見が完全に一致していますから、
この映画は観ておきたかったんですよね。
たしか「アメリカン・スナイパー」は、
子どもが生まれる前に二人で映画観で観ましたし。

この映画は先述の「ハドソン川の奇跡」と似ています。
実際にあった事件をベースとして、
実話を映画化しているという構成が。

実はこの映画、「実話だからしょうがない」と言われれば、
黙るしかないのですが、
鑑賞後に多少脳しんとうのようなクラクラ感があります。
というのは、「パズルのピースがはまらない」からです。

フランスでのテロを未然に防いだ、
「英雄となったぱっとしない若者」を描くことで、
一見「アメリカは凄いんだ」という映画のようでもあり、
その若者の少年時代には、
キリスト教原理主義の教育によって、
人格がゆがめられる少年の姿があります。

キリスト教教育もWASPマザーも機能していないが、
問題含みの母親から教え込まれていた、
「平和の祈り」はちゃんと主人公のなかに生きていて、
彼が「いざというときに動ける奴」にさせていた、
という多面性、多声性が見事でした。
「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」という、
日米両者の視点から同じ出来事を撮るという、
複眼的視点をもつクリント・イーストウッドらしい、
といえばらしいのですが。

青年たちはまっすぐすぎて非常に危うく、
事件を知らなければ途中まで、
彼らがテロを起こす側なのではないか、
とハラハラするほどですが、
そんな彼らが「世界を救い」ます。

しかし、現実というのは、
パズルのパーツがハマらないものなので、
その整合性のなさがより現実感を増す、
という不思議なつくりになっています。

この映画、上映時間は90分ですが、
すべての台詞、何気ない行動が、
最後の1分、つまり「テロ未然防止事件」の、
伏線となっている、という構成は見事です。
90歳に近づくクリント・イーストウッドは、
もう「巨匠」を超えて、神の領域に近づいているのでは、
と思わせるような「淡泊なのに重厚な編集と演出」は、
誰もその背中を追えない存在になっていると思いました。

恐るべし、です。
(1,083文字)



▼▼▼月間陣内アカデミー賞▼▼▼

世界一小さな映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」を、開催いたします。
主催者、プレゼンターは陣内がつとめます。

作品賞、主演(助演)俳優賞、そしてもうひとつ、
という感じで、ぬるーくやります。
皆さんの映画選考の参考にしていただければ幸いです。


▼作品賞
「スリービルボード」

コメント:

この作品は、完全にやられましたね。
アメリカの保守的な小さな田舎町で起きる騒動を通し、
「赦し」を描ききっています。
人種間、社会階層間、政治的対立という、
目に見えない壁が高く深く築かれている現代アメリカにおいて、
「敵意を具現化した存在」であるヘイズ夫人と、
「差別感情を具現化した存在」であるディクソン巡査の間に、
「キリスト」としての三枚目のビルボード、
つまりビル署長が立つことによって、
彼らは赦しへといざなわれる。

彼らが「赦したかどうか」は、
最後まで語られないところがまた秀逸です。
「あなたはどうするのか?」と、
鑑賞者にボールが帰ってくるようになっている。
私たちはキリストの赦しに接したときに、
自らが赦す者になるのか?
それとも赦さない道を選ぶのか?

アメリカ社会が突きつけられている問題を、
見事に描ききった良作です。



▼主演(助演)男優賞
妻夫木聡(悪人/怒り)

コメント:

「悪人」では閉塞感に押しつぶされそうな田舎で暮らす、
孤独な魂を抱える殺人者を、
「怒り」では「誰か信じられる人」を求め、
彷徨い途方に暮れる東京の同性愛者を、
圧倒的な説得力で演じきっています。
妻夫木聡はやっぱりすごい。
「そこに昔からいたようなたたずまい」
というのは、役者にとって大切な資質のひとつであり、
こればかりは天性のものだと思うのですが、
この観点から妻夫木聡は天才だと思います。



▼主演(助演)女優賞:
フランシス・マクドーマンド(スリービルボード)

コメント:

「スリービルボード」における彼女の演技は素晴らしかったです。
彼女でなければこの映画は成立しない。
彼女ありきの映画と言っても良い。
私の「地味に好きな映画」に、
コーエン兄弟の「ファーゴ」がありますが、
「ファーゴ」でも絶望的な片田舎に住む、
骨太な女刑事の役を怪演しています。
「ファーゴ」と「スリービルボード」って、
ちょっと雰囲気が似てるんですよね。

、、、ちなみにフランシス・マクドーマンドは、
2017年の「本物のほうのアカデミー賞」でも、
「アカデミー主演女優賞」を受賞しています。
「陣内アカデミー賞」と、「アカデミー賞」の、
ダブル受賞、おめでとうございます。
今後、本人に会う予定の人がいたら伝えておいてください笑。



▼その他部門賞「監督・原作タッグ賞」
李相日/吉田修一(悪人/怒り)

コメント:

この監督・原作のタッグは最強だと思いました。
吉田修一の「どことなくずっと不安」な物語運びと、
李相実の撮る映画の「重苦しい空気感」が、
完全にフィットしています。

東野圭吾の「白夜行」が私は好きです。
これは綾瀬はるかでドラマ化、
堀北真希で映画化されており、
両方観ましたが、
どちらも成功しているとは言いがたい。

李相実監督がやったらかなりいい線行くのでは、
と今回思いました。


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