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【Q】どうしたら自分の意見を的確に伝えられますか?

2017.10.12 Thursday

+++vol.009 2017年4月18日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3 Q&Aコーナー

皆さんからお寄せ頂いた質問にお答えするコーナーです。
日頃の悩み、疑問、今更誰かに聞けないギモン、、、、
質問の種類は問いません。お気兼ねなくご質問をお寄せください。
ご利用は下記に基づいてご利用いただけると幸いです。

【Q&Aについて】
▼全てのご質問にお答えすることはできません。予めご了承ください
▼いただいたご質問は、ブログ・FVIメディアルームに掲載される可能性があります
▼本名での投稿の場合は「ペンネーム:無し」となります
▼必ず下記フォームからご質問を送信ください

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

【Q&Aコーナー専用フォーム】

▼URL
https://www.secure-cloud.jp/sf/1484051839NyovBkYI

※大変お手数ですが一つの1メール1質問を原則とさせてください。
ご協力宜しく御願い致します。

※頂いたメールはすべて目を通しております。
陣内俊への要望やメルマガの感想、激励などももちろん大歓迎です!

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


●【Q】どうすれば自分の意見を的確に伝えられるか?

ペンネーム:ママはだいすけロス(女性)
お住いの地域:東京都

Q.

いつも楽しく読ませてもらっています。
早速質問です。
私は、意見や感想を求められたときに、
なかなか自分の言葉でまとめることができず、
相手に上手く伝えられません。
後になって、ああ言えばよかったな、と後悔してしまいます。

陣内さんは、いつも分かりやすくかつ的確に
ご自分のお考えを述べていらっしゃいます。
そのようになるにはどうしたらよいでしょうか。



A.

ママはだいすけロスさん、ご質問ありがとうございます。

まずひとつ言えるのは、
ママはだいすけロスさんの上記の質問の文章は、
非常に的確かつ簡潔に言いたいことが表現できています。

同じ質問をするのに、
非常に難解な文章でご質問される方もいますし、
結局何が聞きたいのかわからず、
こちらが「解読」しなければならない、
入り組んだ文章を送られる方もいます。

そう考えますと、
ママはだいすけロスさんは、
少なくとも「書く」という点については、
わかりやすく的確にご自身の考えを表現することが、
おできになっている、と拝察いたします。

物事を説明するのに、
「簡単なこと、難しいこと」
という対象があり、
その方法として、
「簡単な表現、難しい表現」があるとします。

これでマトリックス(表)をつくると、
1 簡単なことを簡単に説明する
2 簡単なことを難しく説明する
3 難しいことを難しく説明する
4 難しいことを簡単に説明する

この4種類に分かれます。

このなかで最も明晰な頭脳の持ち主は、
4の「難しいことを簡単に説明する」人です。

では、最も残念な頭脳の持ち主は誰でしょう?

答えはなんと、
1ではなく、2なのです。
「簡単なことを難しく説明する」というのが、
もっとも残念な頭脳の持ち主です。
もうすこしストレートな表現をしますと、
もっとも頭の悪い人、ということになる笑。

なぜか。

それは、脳の働きというのはそもそも、
「情報のエントロピー(複雑度)を減らす」ためにあるからです。
「その人の脳」を経由した結果、
情報の複雑度が増していた場合、
頭脳の働きを「逆に使用した」ということになるので、
車でいえばバックギアに入っている。

この人の頭脳は残念な頭脳です。

「複雑度を減らす」というのは、
「要するに○○でしょ!」という
乱暴な単純化とは違います。
これは「知性の放棄」であって、
頭がいいのとはちょっと違う。

「複雑度を減らす」というのは、
本当は難しい、例えば素粒子論であったり、
例えば中東の国際情勢の話などを、
卑近な例などを駆使して、
「やさしい話」として伝えることが出来ることです。

「東大生が選ぶ、
『この人は頭がいいと思う有名人ランキング』」
というのがありまして、
このランキングの第一位は池上彰氏です。

さすが東大生は物事の本質をよくわかっていて、
「難しい話をする人ではなく、
 やさしく話せる人が頭がいい」
という基本を踏まえています。

本人も書籍などで「種明かし」をしてらっしゃいますが、
池上彰さんにあんな芸当が出来るのには理由があります。

彼はNHK時代に、長いこと「週刊こどもニュース」
という人気番組を担当していました。

この番組の「デスク」は本物の子どもだったそうで、
池上さんが原稿を作っても、
難解な言葉は理解してもらえませんし、
「バズワード(わかったようなわからないような言葉)」に逃げる、
ということもできない。
子どもは知ったかぶりをすることもありませんから、
「日銀の利子率が、、、」と言っても、
「それって何?」と残酷なまでに返されます。

その経験を経て、
池上さんは「難しい話をひらたく翻訳する技術」を学び、
現在に至るわけです。

話がそれますが、
池上さんと同様の訓練を出来る場所というのは、
私たちの生活圏内だと、「子どもに何かを教える機会」です。
じつは「教会の子どもクラスで教える」ことは、
「大人に教える」以上に勉強になる、
というのはよく言われます。

大人に教える時は「なんかそれっぽい専門用語」に逃げられますが、
子どもに教える時は「自分が本当に腹から理解したこと」
以外は伝わりません。

「わかりやすく人に何かを説明する」という技術を研鑽する上で、
教会学校の教師以上に理想的な環境はないのではないか、
と私は思っています。

私は18歳から30歳まで、
12年間教会の小学生に教えましたが、
その経験は今に生きていると強く感じます。

さて、話を戻しますと、
「簡単な話を難しく説明する」
という頭の悪い人というのは、
世間の至る所に存在します。

驚くべき事に、大学教授だとか、
政治家だとか、高学歴者だとか、
あるときは文筆家にもこういう人がいる。

逆に職人さんだとか、
スポーツ選手だとか、
肉体を使うことを仕事にする人に、
「難しい話をやさしく話す」、
恐ろしく頭のいい人がいる。

いわゆる「インテリ」かどうかと、
「明晰に話をする」事は、
実はあまり関係がない。

学校での偏差値は、
話のわかりやすさと関係ありません。

しかし、
「明晰な文章(論理)に、
 普段接しているかどうか」
は、明晰に伝えることと、
大いに関係あります。

今私がKindleで読んでいる本に、
佐藤優氏の「知の操縦法」という本があります。

▼「知の操縦法」佐藤優
http://amzn.asia/3H6G6jq

その中で佐藤さんが強調しているのが、
「書く力、話す力、聞く力」が、
「読む力」を上回ることはない、
ということです。

佐藤優さんのこの論の「元ネタ」は、
澤田昭夫さんの「論文の書き方」という、
「論理的思考法」の古典的名著です。

▼「論文の書き方」澤田昭夫
http://amzn.asia/2mgEAML

この中で澤田さんは、
「話す、聞く、読む、書く」というのは、
「言語を運用する」という意味でひとつの活動である、
と指摘しています。

「論文の書き方」から二カ所引用します。

→P18
、、、「書く」、「読む」、「話す」、「聞く」は
根本的には同じ一つの「ことば活動」の
四つの働きだという考えだからです。

書く人、話す人、読む人、聞く人、この四人は、
たとえていえば、山の両側から二人で一組になり
一点に向かってトンネルを掘っているようなもので、
その作業原則は同じだからこそトンネルは
一点で出会って貫通するわけです。
そうでなかったらトンネルは出会わない。
つまり、言葉は意思疎通の手段にならないわけです。


→P205 
よい「話し手」は、「聞き上手」の人でもあります。
ふつうの会話でも「何を話して良いか分からない」という人は、
相手の話をよく聞く努力をすれば、
自然に自分でも話をすることが出来るようになるはずです。
聞き方については説明する場所が少なくなりましたが、
それはかまいません。
「読み方」の章で申し上げたことが、
だいたい「聞き方」に通じるからです。


澤田さんも佐藤さんも、
「話す」「書く」ということの基本にあるものは、
「読む能力」と「聞く能力」だと言っている。

つまり「話したり書いたり」を鍛えるためには、
「読んだり聞いたり」という能力を鍛えるのが、
一見遠回りに見える近道であるということです。

私の経験もこれを裏付けていて、
「話がわかりやすい人」というのは聞き上手であり、
「文章が巧い人」というのは良い読み手です。

例外は全くない、と言っても良い。

そして佐藤さんが言うように、
聞くことの基本は読むことであり、
その逆ではない。

佐藤さんが「知の操縦法」で警鐘を鳴らしているのは、
近年特に顕著になってきている「読む力の低下」です。

現代の社会人が、高学歴であるにもかかわらず、
高校生の知識があれば読解可能な書籍について、
「佐藤さん、あの本を読んだんだけどいまいちわからない」
と言ってくる。

つまり「読めて」いない。

その人たちには共通項があり、
普段、メールのやりとりや情報の取得などのほとんどを、
PCではなくスマホでやる人々と重なっている、というのです。

佐藤さん曰く、
スマホでのやりとりというのは、
LINEなどに代表されるように、
「センテンス」を読む必要もなければ
「センテンス」を作る必要もない。

スタンプと単語で、すべてのコミュニケーションが完結する。
またスマホのコンテンツは「長い文章を読ませる」ことを、
前提においておらず、「フレーズ」で情動を動かし、
そして衝動的にクリックさせることに特化している。

そのような「情報環境」に自らを浸していると、
「論理の力」は劣化し、高校生レベルの本が、
「読めなく」なる。

、、、ということは、
その人たちが話す話は要領を得ず、
その人たちの書く文章は理解不能だ、
ということになる。

この傾向は非常に危険で、
まず、「読む力」を鍛えよう、
そう佐藤さんは言っているわけです。

さきほども申しましたように、
今説明したようなことを踏まえて、
ママはだいすけロスさんは、
「質問がわかりやすい」という一点をとっても、
「読めているし、聞けているし、話せている」
と推察することが可能なのです。

文字数がふくれあがってきましたが(笑)、
「話す」というテーマであと3倍は書けるぐらい、
このテーマは膨大です。

なので小難しいことはおいといて、
明日から「わかりやすく話す」ための、
「チート業」を最後に紹介します笑。

ママはだいすけロスさんが、
「この問題ってどうなの?」
「これについてどう思う?」
「これについて教えて」
と誰かに言われた時に、
第一声で返す「魔法の言葉」を、
「伝授」します笑。

これは結構効果てきめんです。

池上彰もこの手法を使っていると、
自身の書籍で明かしていますし、
私よりも頭が切れる私の友人も、
まったく同じことを言っていましたので、
自信をもってお勧めできる「鉄板の」方法論です。

ひとつめは、
何かを聞かれた時、
「3ポイントあります。」
とまず言う。

それから考え始める。
そして無理矢理「着地」する。

そうすると、簡単に「明晰っぽく」なります。

例えば、「パンツで大切なことは?」
と私が今とっさに聞かれたとしましょう。

頭の中は真っ白ですが、
まず「パンツで大切なことは三つあります。」
と言っちゃう。

そして走り始める。

まずひとつは、
「ブリーフにするのかトランクスにするのか」
これは大きな選択です。

ふたつめは、「どんな素材を選ぶか」
これによって肌心地が違ってきますし、
長期旅行のときには乾きやすい素材を選んだ方が良いでしょう。

三つ目は「ジンクス」ですね。
千原ジュニアは真っ赤なパンツを何十枚も持っている、
と聞きますが、気合いの入ったパンツを履くことで、
精神的に「しまる」という側面があります。

、、、みたいな感じです(笑)。

初心者向けには「ポイントは2つあります」
という変形もありますから、
こちらから練習しても良いでしょう。

次のチート業はこれです。

何かを質問されたとする。
そうすると反射的に、こう返します。

「その質問に対する答えは、
 イエスでもありノーでもあります」
とまず言う。

言っちゃう笑。

それから考える笑。

たとえば、
「円高って日本にとって良いんですか?」
と聞かれる。

「その質問に対する答えは、
 イエスでもありノーでもあります。」
と答える。

それから考える笑。

まず、円高になって良いことというのは、
輸入品が安くなることですね。
石油なども安くなりますから、
大概の「消費財」は安くなる。
アメリカで5ドルのものが、
例えば600円から500円になるということですから、
海外旅行する人にとっては円高はグッドニュースです。

一方で、円高になると、
日本の基幹産業の輸出工業品が、
売れなくなりますから困ります。
同じアメリカのカローラが、
1万ドルから1万2000ドルに上がってしまう。
そうするとアメリカ人は、フォードだとか、
ヒュンダイとかを買い始める。
そうなると日本の産業は打撃を受けますから、
雇用が減ったり、不景気になったり、
いろんな都合が悪いことがあるのです。

、、、とこんな具合に。

「3ポイント法」も、「YesでありNo法」も、
共通項は、質問に対する答えを求められた時、
つまり「お題」をもらったときに、
最初に「容れ物」を用意しちゃうことに、
その秘密があります。

料理する前に弁当箱を用意する、
みたいな話で、これをしておくと、
少なくとも説明している間に、
「自分の話の中で迷子になって」しまったり、
「支離滅裂な話」をせずにすみます。

ちなみにこの、
「3ポイント法」も、「YesでありNo法」も、
とっさの質問や会話の流れだけでなく、
結婚式のスピーチや、会社のプレゼンなどにも、
応用可能です。
(なんか今日は結婚式のスピーチ多いですね笑)

特に結婚式のスピーチというのは、
目の前に食べ物があったりすることもあるので、
「短く簡潔が正義!」です。

ですから最初に「3ポイント」あるいは「2ポイント」と、
終わりを見せてあげることができるこの手法は、
まさに聞く側にとっては「福音」なわけです。

だって、「いつ終わるかが読める」んだから。

「終わりの見えない長たらしい話」を、
強制的に聞かされることほど辛いことはない、
というのはメルマガ読者の皆様も小中学校の、
終業式や始業式などで経験済みかと思います。

「終わりの見えない長たらしい話をすること」は、
キリスト教の「7つの大罪」にも数えられています(ウソです)。

、、、今のは冗談としても、
「3ポイント法」や「YesでありNo法」は、
何かをアウトプットする時のひとつの、
「思考のメソッド」として有用です。

、、、ご参考までに。




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