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陣内が先週読んだ本 2017年6月第三週 聖書から見る、お金と教会、社会 他4冊

2017.12.21 Thursday

+++vol.019 2017年6月27日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4 陣内が先週読んだ本 
期間:2017年6月第三週 6月18日〜24日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●聖書から見る、お金と教会、社会

読了した日:2017年6月21日
読んだ方法: 著者に贈呈していただく

著者: 高橋秀典
出版年:2017年
出版社:地引網出版社

リンク: http://amzn.asia/bThYa67

▼140文字ブリーフィング:

先日メッセージさせていただいた、
立川福音自由教会の高橋秀典先生は、
FVIの役員としても普段からお世話になっています。
また、私が病気から回復する過程で、
「ナラティブの語り変え」という視点から、
大きなヒントを与えてくださったのも高橋先生でした。

高橋先生は牧師としてユニークな経歴を持ち、
それゆえに、「先生にしか語る事の出来ないメッセージ」を、
いつも語り、書いておられます。

本の奥付きにあるプロフィールをご紹介します。

著者紹介:
1953年、北海道、大雪山の麓で誕生。
1976年、北海道大学経済学部卒業。
学部在学中、文部省交換留学制度で米国留学。
留学中に信仰告白、帰国後、日本ルーテル札幌北教会で受洗。
1976年、野村證券株式会社に入社、札幌支店で3年間営業職。
2年間の社費留学、ドイツ・ケルン大学金融ゼミナール修了。
1981ー1985年、野村證券フランクフルト支社勤務。
1989年、聖書宣教会聖書神学舎卒業。
1989年より、東京立川市で開拓伝道、現在、立川福音自由教会牧師。
著書多数。

、、、この世界の様々な事象を捉える、
高橋先生の「切り口」はいつも新鮮で、
「経済」や「政治」など、人々の生活に直接関わる事柄について、
聖書の世界観から見るとそれはどういうことなのか、
ということをわかりやすく提示することが出来る、
私の知る限りにおいて現代の日本において、
そう多くはない資質を持つ牧師です。

現代世界に起きていることを聖書の世界観から語るには、
「聖書」と「現代世界」の両方に精通していなければならない。
橋をかけるとき、こちらの岸と向こう岸の、
両方の地理を悉知しておかねばならないのと同じです。

先生は金融の世界にいたことがあり、
なおかつ聖書の勉強もし、
カウンセラーとして人の心の中の世界にも詳しい。

だから超越的な世界と、現実の世界の間に
「橋をかける」ことが出来るのだと私は分析しています。

実を言いますと、あまり明示的には語りませんが、
私のこのメルマガも、「橋をかける」という意味では、
先生がなさっていることと目的意識を共有しています。
経験も知識もレベルはまったく違いますから、
比較するのはおこがましいのですが。

本書の中から、いくつか特にヒットしたところを引用します。

→P6〜7
〈それは、保守と革新という枠組みの対立を
超えたヴィジョンでなければなりません。
現代の政治的変化は、グローバル経済が生む問題を、
対症療法的に変えようとする運動のように見えます。
しかし、キリスト教会は、
そのような政治対立を超えた価値観を提示する存在であるべきでしょう。
そして、明確なヴィジョンの元に、
お金を賢く管理することが求められています。
イエスは二千年前のグローバル市場経済の中で、
お金について驚くほど頻繁に語られました。
そして、そのメッセージは、
現代のグローバル経済にそのまま適用できる、
古くて新しい知恵なのです。〉

、、、私たち信仰者は、「保守かリベラルか」とか、
「自由主義者か社会民主主義者か」とか、
そういった二項対立の図式のもっと奥深くを
見なければいけないんだよ、ということです。
私もまったくその通りだと思います。

「安倍応援団」も、
「アベ政治を許さない!」も両方、
著しくピントがズレています。

問題は「安倍さんがどうか」ではなく、
真理がなんといっているかです。

→P26〜27
〈ニーチェは、キリスト教の指導者達が、
人間として自然に悩むこと、
考えることをやめさせる傾向へと導いていると非難しましたが、
私たちは決してそのようになってはいけません。
この世で仕事をするということは、
矛盾のただ中に身を置くことに他なりません。
私たちは人々に、悩むべき事を
正面から悩むように語り続ける必要があります。〉


→P217
〈この世から「お金」がもたらす矛盾が消えることはありません。
しかし、私たちはそこで、お金や権力の奴隷になることなく、
キリストに倣った「新しい創造」の中にある者としての
ユニークな生き方を探り求めていく必要があります。
それは、それぞれの分野で全く違った形で現されることでしょう。
 、、、(中略)、、、
市場経済やお金の暴走を批判することは誰にでも出来ます。
聖書は、それ自体を罪悪視し、それと離れることを勧める代りに、
富と権力の奴隷にならずに、
死に至るまでキリストに忠実に生きることだけを命じます。
しかもその際、天地万物の創造主ご自身である聖霊が、
私たちの内に生き、私たちをこの世の矛盾に遣わし、
神のかたち、小さなキリストとして用いてくださいます。
タラントやミナのたとえにあるように、
神は私たちに与えられた賜物やお金を、
神の国のヴィジョンのために豊かに用いることを期待しておられます。
それは音楽家や芸術家が、
神の国の美しさをシンフォニーや芸術作品を通して現すために
日々訓練を積むことに似ています。
お金に使われずに、お金を賢く使うことが出来るための訓練も、
現実の教会には求められています。
そして、創造主なる聖霊が、
あなたに創造的なお金の管理の仕方を導いてくださるのです。〉

、、、お金はこの世の中に矛盾をもたらすことがあります。
また、この世界には不条理が満ちあふれています。
だからといってお金について語る事をやめたり、
現在の労働様式や資本主義システムを、
「外部から」批判しても何も生まれません。

リック・ウォレン牧師が説教で良く言うのですが、
「驚かれるかも知れませんが、
 福音書においてイエス様は、
 天国と地獄について語る以上に頻繁に、
 お金について語っているのです。」

信仰者はお金を避けるのではなく、それについて考え抜き、
そしてお金の使い方を通して御国の原則をこの世に提示するよう、
神から期待されているし、
この世の仕事の矛盾に「腰砕ける」のでも、
そこから「隔離される」のでもなく、
そのただ中にあって神の国を実現する者たちとして召されています。
(2,381文字)



●非暴力

読了した日:2017年6月20日
読んだ方法:Kindleで電子書籍購入(青空文庫)

著者:マハトマ・ガンジー
出版年:1942年
出版社:青空文庫

リンク: http://amzn.asia/29ucdaf

▼140文字ブリーフィング:

イエス・キリスト以外で最も尊敬する歴史上の人物は、
私にとってはマハトマ・ガンジーです。
彼の「非暴力による抵抗」は20世紀の公民権運動、
すなわちマーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師や、
ネルソン・マンデラ大統領の偉業へとつながります。
これは「青空文庫」の無料本で、
紙の本なら5ページほどの小冊子ですが、
ガンジーが非暴力をたんなる道具としてでなく、
考え抜いた末の「戦略」として実行しているのが分かります。

→位置No.3 
〈もし我々が造物主の心を知ることさえ出来たならば、
我々は造物主が彼らを創造した意義を発見するだろう。
故に、非暴力はその積極的形式においては、
すべての生物に対する善意である。
それは純粋の愛である。
私が印度教の諸聖典や、バイブルや、
コーランの中に読むところのそれだ。〉
(340文字)



●僕ならこう読む

読了した日:2017年6月24日
読んだ方法:Kindleで電子書籍購入

著者:佐藤優
出版年:2017年
出版社:青春出版社

リンク: http://amzn.asia/51TbMV1

▼140文字ブリーフィング:

この本は、佐藤優氏が、
「他者とのコミュニケーションについて」
「愛することについて」
「信念を貫く生き方について」
「組織の怖さと残酷さについて」
「現実を見極める力について」
「運命と選択について」
という6つのテーマについて、
それぞれ2冊ずつ、つまり全部で12冊の、
小説やノンフィクション本を紹介することによって、
「読み解いていく」という一風変わった「読書の手引き」です。

いくつかのテーマで、何カ所か引用します。

▼小説やノンフィクションを読む意義について
→位置No.331 
〈小説やノンフィクションを読むと言うことは、
このように社会と時代を読み解くためのヒントを
得ることが出来ると言うことでもあります。
私たちが気がついていない問題点、
意識化できていないことに対して、
新たな認識を得るきっかけになるのです。〉

、、、小説を読むというのは、
「代理体験」です。
私たちは人生を一回しか生きられないので、
1977年の日本のサラリーマン家庭に生まれた私は、
1920年生まれの太平洋戦争に参加した兵士の気持ちを知りませんし、
シングルペアレントとなり生活保護を受ける母親の気持ちを、
理解することは出来ません。

しかし、優れた小説やノンフィクション作品は、
それらの「別の人生とそこから見える風景」を、
私たちに疑似体験させてくれます。
それが「想像力」を養い、
他者の気持ちを理解することにつながります。


▼コミュニケーション力は「教養」から生まれる
→位置No.339 
〈コミュニケーション力とは何か、
コミュニケーション力の高い人とはどういう人かと言えば、
小手先の会話術ではなく、間口の広さだと私は考えます。
相手を認め、受け容れる間口の広さ。
このことがコミュニケーション力の基本であり、
コミュニケーション力の高い人の特徴なのでしょう。
それはどこから生まれるかと言えば、「教養」だとしかいえません。
人には様々な価値観や考え方、生き方がある。
自分の考えを持つと同時に、
世の中には多くの価値観と考え方があることを知っていること。
それには結局、当たり前のようですが、
たくさんの本を読むことです。
ネットや雑誌を読むのも良いですが、
古今東西の良書、特に小説を読むことだと思います。
古典以外でも、先に挙げた二つの小説(「火花」と「異類婚姻譚」)
のような現代作家の作品は時代と社会を鋭く反映するだけに、
大いに参考になるでしょう。〉

、、、小説やノンフィクション作品によって、
自分とは違う他者の気持ちや境遇を多く疑似体験した人は、
他人の感情や思考を理解し受け容れることができます。
そういう人を「教養のある人」と言い、
小手先のノウハウよりも奥深くにある、
「ほんとうのコミュニケーション能力」というのは、
この「教養」に左右されるのだ、
と佐藤さんはここで言っています。

養老孟司が、
「教養とは人の気持ちが分かることである」
と、このことを一言で言い表しています。


▼自分でストーリーをつくれる人が強い
→位置No.1576〜1609 
〈では、選択と運命というものをどう考えたら良いでしょう。
私自身は、運命という実態が存在するとは考えていません。
運命と感じるのはそれぞれの解釈の仕方なのだと思います。
つまり、自分の選択が正しかったと解釈出来るストーリーを
後からつけることが出来るかどうか。
たとえば、医学部を目指していたが落ちてしまった。
それにとらわれて、もっといい高校に行っていたら入れたのにとか、
医者になれなかったから今のように収入が低くなってしまったとか、
自分の過去と現在、未来にまでわたって悲観したり否定したりする人がいます。
こういう人は、ストーリーのつくり方が下手だと言えます。
そうではなく、だからこそ今のパートナーに出会えた、
親しい友人を得られた、あの挫折があったからこそ今の自分がある、
などと考えることも出来るはずです。
自分の選択をあたかも導かれた運命のように感じること。
それが現状を肯定し、前向きかつ主体的に生きることにつながる、
上手なストーリーづくりなのだと思います。
 、、、(中略)、、、
(最近の若い世代は仕事や課題を
与えたときに先に正解が何かを求めたがる、
という知り合いのビジネスパーソンの話から)
ひとつひとつの選択そのものに、
最初から明確な正解や不正解があるわけではありません。
問題は、選択した後でそれが正解だったと
言えるように行動することであり、
自分なりの解釈が出来るかどうか。
つまり、「正解にしてしまう力」があるかどうかが問題なのです。
 、、、(中略)、、、
現実は偶然の断片かも知れませんが、
それを有意味につなぎ合わせる力、
良い意味でストーリーをつくり上げる力、
つまり自分の選択を正解にしてしまう力を持つことが、
この時代を生き抜く強さなのかも知れません。
その際には、やはり読書が大きな力になります。
古今東西の良書を読んでさまざまな人生を疑似体験すれば、
ストーリーを組み立てる力が高まるからです。〉

、、、引用が長くなりましたが、
最後に佐藤さんがここで言っているのは、
「物語る力」のことです。

今の時代は「時代の地殻変動期」にあり、
昨日「これが大切だ」とされていた価値体系が、
今日はまったく重要でなくなってしまうような、
価値観の激動のなか人々が不安になる社会です。

そのような時代で力を発揮するのは、
「他者の定めた価値体系の中でうまく立ち回る」
いわゆる偏差値秀才や優等生タイプではありません。
「自分でルールを設定出来る人」が、
これからの世の中を生き抜く力を持ちます。

その「ルール」あるいは「物語」の豊かさを決めるのは、
やはり「教養」です。
どれだけ「良い物語」に触れてきたかが、
「物語る力」における勝敗を分けます。

見て来たように、良い物語を読むことは、
現代社会を知る上でも、
他者とコミュニケーションする上でも、
先の見えない時代に「物語る力」を得る上でも、
有用な行為なのです。

佐藤さんの「読み解き」をのぞくことで、
「そうか、本というのはこのように咀嚼し、
 自らの血肉としていくのだ」
という風に学べるこの本は、良い読書の手引きです。
(2,475文字)



●最も危険なアメリカ映画

読了した日:2017年6月24日
読んだ方法: 図書館で借りる

著者: 町山智浩
出版年:2016年
出版社:集英社インターナショナル

リンク:http://amzn.asia/1rOdCe9

映画評論家の町山智浩さんが、
「現代の映画の原点」と言われる古典的作品、
D.W.グリフィス監督の「国民の創生」に隠された、
白人至上主義、黒人蔑視のイデオロギーを読み解くところから始まり、
その後、様々な形で無邪気に消費されるアメリカ映画に、
ときおり立ち現れる「ある主の思想」について解説します。
その「思想」は現代において言い換えるならば、
「トランプ的なるもの」であり、
それは「白人のアメリカという神話」であり、
「反知性主義」であり、
「レーガン以降の共和党的なるもの」です。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や、
「フォレスト・ガンプ」など、私の好きな映画にも、
巧妙にそのメッセージは折り込まれている。
日本の闇の深さも相当なものがありますが、
アメリカの闇もまた、思っていた以上に深いです。
(340文字)





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