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陣内が先週読んだ本 2017年9月第二週 『教養としてのプロレス』プチ鹿島 他4冊

2018.03.08 Thursday

+++vol.030 2017年9月19日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3 陣内が先週読んだ本 
期間:2017年9月第二週 9月10日〜16日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●キラーストレス

読了した日:2017年9月15日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:NHKスペシャル取材班
出版年:2016年
出版社:NHK出版新書

リンク: http://amzn.asia/hWQJH4T

▼140文字ブリーフィング:

NHKスペシャルで放映された内容の書籍化です。
医学の発達によって「ストレス」が精神的な病だけでなく、
がんや心臓病など、文字通り人を殺す病気のトリガーとなる、
ということが分かってきています。
現代人を蝕むストレスにどう対処するかというのが本書のテーマです。

→P114〜115 
〈アメリカ心理学会では、
一般の人に向けて五つのストレス対策を推奨している。
1.ストレスの原因を避ける
2.笑い
3.友人や家族のサポートを得る
4.運動
5.瞑想〉

私は鬱病を経験してから「1」に関しては、
細心の注意を払うようになりました。
また「2」の笑い、「3」の家族、友人のサポートは、
生活の中に取り込まれていますし、
「5」の瞑想は、日々の祈りという形で実践しています。
あとは「4」の運動なのですが、、、

、、、

、、、みたいな「真面目なところ」を
まずは止めなければなりません笑。

適当で良いのです。

「コーピング」という技術は参考になりました。
ストレスに対処するための方策をできるだけ沢山、
できるだけ小さなものを用意しておく、というのがそれですが、
たとえば私の場合、
「ジェットスキーで海を滑走する」みたいのより、
「コーヒー豆を挽いて美味しい珈琲を淹れる」とか、
「無心でトイレ掃除をする」とか、
「コンビニでポテチを買ってきて全部食べる」とか、
「部屋でジャズをかけてひたすら本を読む」
「靴を磨きながらお笑い番組を鑑賞する」とか、
そういった小さなものを沢山用意しておくことが大切だそうです。
(621文字)



●自由にものが言える時代、言えない時代

読了した日:2017年9月15日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:爆笑問題&町山智浩
出版年:2015年
出版社:太田出版

リンク: http://amzn.asia/fY1mMto

▼140文字ブリーフィング:

爆笑問題はもう長い間、
ずーっと、毎月「時事漫才」を作り続けています。
本人たちは「時事ネタなら刷り込みが浸透しているから、
フリが効いた状態にあるので作りやすかっただけ」
と言っていますが、本当に凄いことだと思います。
「日本のお笑い芸人は政権批判をしないチキンだ」
という意味のことを茂木健一郎がツィッターでつぶやいて、
炎上するという出来事が今年の春頃にありました。

じっさい大手事務所に所属している芸人は、
政権批判はやりにくいだろうなと思います。
だってクレーム電話がスポンサー企業に行き、
スポンサー企業からテレビ局の制作チームに伝わり、
それが事務所に伝わったら、
その芸人は「クソほど叱られる」もしくは、
最悪の場合、「干される」ということになりますから。

その点、個人事務所を持っている芸人は強いです。
最悪自分が仕事減るだけ、という覚悟さえあれば、
きわどい話題にも切り込んでいける。
北野武と爆笑問題は例外的に政権批判を続けていますが、
それは彼らが個人事務所だからです。
爆笑問題の笑い自体が特に好きなわけではありませんが、
彼らのそういう「スタンドアローンな姿」は、
凜としてカッコいいと私は思っています。

この本には5年分ぐらいの、
「毎月の時事漫才」が文章に起こされて収録されています。
彼らの漫才を見たことがある人なら、
文字を読みながら漫才を「脳内再生」することが可能です。
(565文字)



●私は日本を守りたい

読了した日:2017年9月15日
読んだ方法: 図書館で借りる

著者: 稲田朋美
出版年:2010年
出版社: PHP研究所

リンク: http://amzn.asia/gpORVD3

▼140文字ブリーフィング:

南スーダンPKOの日報問題、そして選挙演説での、
「自衛隊としてお願いします」という失言で、
安倍さんの秘蔵っ子、「ともちゃん」こと、
稲田朋美氏は防衛大臣の座を降りました。
彼女の父は「成長の家」の熱心な信者で、
自らも教祖谷口雅春の「生命の実相」が座右の書だと公言しています。
「成長の家」は後に右翼思想の「日本会議」に受け継がれますから、
彼女は「保守のアイドル」として短期間に地歩を固めた人です。
第二次改造内閣のときに彼女が防衛大臣になったとき、
「マジか」と背筋が凍ったのを覚えています。
ちょっと「ヤバイ人」というのが私の認識でしたから。
彼女は政治家の中で私が最も支持しないタイプなのですが、
私は二つの理由から彼女のような人の書いた本を読みます。
ひとつは、いったい彼らの内在的論理は何なのかを知るため、
もうひとつは、「99でたらめなことを言っていても、
1ぐらい良いことを言ってることもあるから」です。

最初の「内在的論理を知る」という点ですが、
私と彼女では「結論」が違います。
いや、真逆です。

ある人とある人が結論が違う場合、
二つの可能性があります。
1つは前提が違う場合。
もう一つは前提は共有されていて、
その「導出(論理の道筋)」が違う場合。
稲田さんと私の違いは前提の違いです。

日本には二種類の人がいます。
「あの戦争に負けて、かえって良かった」と思う人と、
「あの戦争に負けたのは悔しい!なかったことにしたい!!」
と思う人です。

祖父が戦争で頭に銃弾を食らい死にかけている私は当然前者ですが、
「東京裁判は裁判ごっこ」で「日本国憲法は占領下だから正統性に欠く」
と言っている彼女は後者なのでしょう。

彼女の決定的な矛盾は「日本国憲法の正統性」を疑っていながら、
国会答弁で大臣を追求する時などの彼女の決め台詞が、
きっと弁護士という肩書きをちらつかせたいのでしょうが、
「これでも法治国家と言えますか!?」だということです。

日本のあらゆる法律の根幹は日本国憲法ですから、
彼女は自分が正統性を疑っている法体系を盾に、
他者を訴追しようとしているわけです。

、、、附録として、この本から2カ所引用しておきます。
ひとつは、彼女の民主党(当時)批判。

→P12〜13 
〈しかし、この不道徳さは民主党政権だけにあるのではなく、
戦後60年かけて私たち日本人が日本の伝統や文化、
歴史をないがしろにし、
日本の国柄や日本の心を失ってきた、その結果なのです。
私たち自身が選んだ結末ともいえるのです。
自分たちだけよければよい。勝つためには手段を選ばない。
嘘をついても責任は取らず、傲慢なのに国民におもねり、
テレビ映りを気にして、
いかに自分が誠実で有能に見えるかばかり考えている政治家たち。
そして利益誘導型政治の横行・・・これら民主党政権の不道徳さは、
戦後体制そのものの不道徳さです。〉

説明は不要なのですが、
「嘘をついても責任は取らず、
 傲慢なのに国民におもねり、
 テレビ映りを気にして、、、」
のくだり、稲田朋美氏ご自身の形容ですね。
「自衛隊としてもお願いしたい」という、
「政治家として一発レッドカード」の発言をしたときも
「誤解を与えたのなら申し訳ない」を繰り返しました。
つまりこれは「誤解したあなたたちがバカなのだ」と、
言外に言っているのと同じだと言うことに気付いていない(ほど傲慢である)。
さらに日報問題については、安倍さんが秘蔵っ子の彼女を、
「隠した」ため、ついぞ彼女は、
それについて説明責任を果たすことはなかった。
彼女が民主党を指して罵倒した言葉は、
ブーメランとなって彼女自身にきれいに帰ってきました。

、、、おまけに言うと安倍内閣の「森友・加計学園問題」は、
彼女がこの箇所で激しくやり玉に挙げている、
「利益誘導型政治」の教科書的なお手本です。

もうひとつ。
彼女が外国人の生活保護受給を糾弾しているくだりです。

→P63 
〈生活保護は外国人にも支給されています。
この問題については平静22年5月19日の厚労委員会で
長妻昭大臣に質問をしました。
どういう資格の外国人が受給しているのかというと、
「適法に日本に滞在し、就労活動に制限を受けない、
永住、定住等の在留資格を有する外国人」です。
この受給資格を有する外国人は、
平成20年度末の統計によると143万人(日本人の配偶者を含む)、
そのなかで平成20年度に生活保護を受給していた
外国人世帯の世帯員の合計は5万人、
割合としては3.6%が生活保護受給者と言うことになります。
日本人の生活保護受給率は、
平成22年2月時点で1.4%ですから、
日本人に比して外国人は2.5倍以上の割合で
生活保護を受給していることになります。〉

彼女はどうやら算数ができないようです。
絶対数が日本人の場合1億人の1.4%で170万人。
外国人は153万人の3.4%の5万人。
これを「2.5倍」とするのは単純に計算ができない、
残念な人としか言いようがありません。

他にも稲田氏は1000万人の子ども手当を受ける日本人の存在を差し置いて、
5万人の外国人への子ども手当をやり玉にあげて民主党政権を批判しています。

そもそも日本人の生活保護受給者の割合(絶対数ではない)が、
相対的に少ないのは彼女や自民党右派が大好きな、
「家族の扶養義務」によって国の福祉を、
家族に負担させているからなのにもかかわらず、
臆面もなくこのようなことが言えるというのはダブルスタンダードです。

外国人の「確率的に2.5倍」は当たり前で、
「扶養義務のある家族」がいないからです。
諸外国でも在留外国人の生活保護受給率は、
自国民のそれより3倍以上というのは標準ですし、
そのような困窮した人々を救う国家こそが、
彼女が一生懸命唱えている「道義国家」なのではないでしょうか。
彼女に足りないのは「普遍」の概念と「想像力」です。
いちど海外の外国人居住地区でマイノリティとして生活してみたら、
きっと今と同じことは二度と言わなくなるでしょう。
(ハイヒールで戦艦に乗り込みひんしゅくを買うような人ですから、
 きっと「そんな辺鄙な所行きたくないわ」と言われて終わりでしょうが。)

彼女が守りたいのはきっと日本ではなく自分の地位や、
パブリックイメージなのでしょう。
、、、最後に「稲田朋美という現象」を解釈するのに、
非常に良くまとまった「良記事」を見つけましたので紹介します。

▼参考記事:「ネット右翼のアイドル」稲田朋美防衛大臣辞意〜その栄枯盛衰を振り返る〜
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20170727-00073818/

(2,590文字)



●教養としてのプロレス

読了した日:2017年9月16日
読んだ方法: Kindleで電子書籍購入

著者: プチ鹿島
出版年:2016年
出版社: 双葉文庫

リンク: http://amzn.asia/gk7huqN

▼140文字ブリーフィング:

ちょっとここには書き切れないぐらい、
数多くの学びがありました。
タイトルの印象に反して、
めちゃくちゃ中身のぎっしり詰まった良書です。
下手な哲学書よりも勉強になります。
プチ鹿島さんは「プロレスファンであったことによって、
自分は複眼的にものを見るメガネを手にれた」
とこの本で言っています。

というよりこの本の内容はそれがすべてです。
先週私が教会でした、
「情報化社会における信仰者の生き方」というメッセージのキモは、
「複眼的な視角」と「批判的な思考」を身に付けようということでした。
「立体的に物事を見、自分を疑う力を養おう」ということです。
「プロレスという教養」を身に付けている人にはそれがある、
というのがプチ鹿島さんの主張で、
この主張には説得力があります。

引用します。

→位置No.350 
〈「プロレスは真剣勝負だ、それ以外の考えは受け付けない」
という純粋な「信」は、頭が硬直化するだけで余裕がない。
かといって、「プロレスは八百長さ。
でも、それを踏まえて楽しむのだよ」という、
妙に達観した「不信」はパサパサして味気ない気がする。
「半信半疑」が一番精神的にもバランスが取れ、
遊び心がある立ち位置だと思った。
そしてその見方はプロレスどころか、
日常のさまざまなモノの見方や考え方にも有効であると知った。

疑うことなくすべて信じたらそれは「オカルト」
(最終地点はカルト)に通じてしまうし、
信じることを全くしなくなったそれは「ニヒリズム」
(最終地点は価値と潤いのない世界)に通じてしまう。
だからさまざまな角度からワクワクできる「半信半疑」でいいのだ。
オウム真理教の信者たちを見ていて、
プロレスを経験した私は
「この人たちは自分より死ぬほど頭は良いけど、
白か黒かだけで遊び心が感じられないなぁ」と、
なんとなく思っていた。〉

95年に日本を震撼させたオウム真理教事件の最大の衝撃は、
なぜ学歴エリート、偏差値秀才が、あんな教えに心酔してしまったのか、
という、いまだに答えが出ていない大きな問題です。
実は日本社会はまだこの問いに答えていない。
社会はくさいものに蓋をするように、
「あれは狂信者の異常な行動だ」と切り捨てることで、
考えることを止めてしまった。

社会全体として答えが出ていないから、
形を変えてこの問題は繰り返すことでしょう。
今度はISやテロ組織への関与という形を取るかもしれない。
プチ鹿島さんはここで、
「プロレスを通して批判的思考力を鍛えていたから、
 私はオウム真理教的なるものへの免疫を備えていた」
と言っているのです。

それを彼は「半信半疑力」と表現しています。
「宗教は嫌だ」「宗教は怖い」「宗教は全部嘘」というのも実は、
「宗教否定原理主義」という名のもう一つの狂信であるということに、
日本人の多くは無自覚です。

かといって100%の「信」は確かに怖い。
「半信半疑」が大事なんだ、と鹿島さんはプロレスから学んだ。

私も「半信半疑」が大切だと思っています。

これは絶対者なる神への不信ではなく逆です。
神が絶対だから、人間の世の中には絶対はあり得ない、
という神への信仰の表明が、
「現世で起こるあらゆることへの判断を留保する」
という態度につながります。

感覚的な言葉になりますが、キリスト教徒に限らず、
あらゆる宗教に帰依する人には2タイプあると私は思います。
「信仰が立体的」な人と、
「信仰が平板」な人です。
平時には後者のほうが勢いが良く熱心に見えますが、
本当に強いのは前者の信仰を持つ人です。
後者の信仰は強い分「パキっ」と折れやすいですが、
前者の信仰はしなやかで嵐をも耐え忍び、
嵐によってさらに奥行きを増します。
そして「立体的な信仰を持つ人」とは、
「100%の信」を留保出来る人です。
プロレスの世界と信仰の世界は、意外と近いのです。
(1,544文字)




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