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陣内が先週読んだ本 2017年11月第二週 『羽仁もと子 生涯と思想』斉藤道子 他4冊

2018.05.03 Thursday

+++vol.038 2017年11月14日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3 陣内が先週読んだ本 
期間:2017年11月第二週 11月5日〜11日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●神の子どもたちはみな踊る

読了した日:2017年11月9日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:村上春樹
出版年:2000年
出版社:新潮社

リンク: http://amzn.asia/3kgF4QZ

▼140文字ブリーフィング:

村上春樹の短編集です。
この本は以前にも読んだことがありますが、
あるきっかけで再読したくなり手に取りました。
村上春樹の作風が変わった明らかな「節目」となっている作品で、
阪神淡路大震災をめぐる短編集です。
10年近く前に初めて読んだ時とは違い、
新たな発見が多数ありました。
小説って、5年ぐらい間を開けて再読すると、
「自分の変化」を再認識できる良いツールですね。

今回新しく発見したのは、
最後の短編「蜜蜂パイ」です。

「蜜蜂パイ」の主人公の淳平は西宮で生まれ育ったこと、
早稲田大学文学部に進んだが両親には経済学部と偽っていたこと、
そのおかげで「勘当」されたこと、
海外で神戸の地震のニュースを知り、
「自分には根がない」という啓示を受けたことなど、
あらゆる村上春樹の作品の登場人物のなかで、
村上春樹本人の自画像に最も近いです。
その主人公が最後に「決意表明」をしますが、
これは彼の作風の変化を予言する象徴的な話しです。
引用します。
(*まさきち、とんきちとは、
 淳平が親友の元妻の子どもに語り聞かせた、
 動物園のクマの「とんきち」の話です。)

→P236〜237 
〈淳平は壁に掛かった時計の針を眺めながら、
沙羅に聞かせるお話の続きを考えた。
まさきちととんきちの話しだ。
まずはこの話しに出口を見つけなくてはならない。
とんきちは無為に動物園に送られたりするべきではない。
そこには救いがなくてはならない。
淳平は物語の流れをもう一度最初から辿ってみた。
そのうちに漠然としたアイデアが彼の頭に芽を出し、
少しずつ具体的なかたちをとっていった。

「とんきちは、まさきちの集めた蜜蜂をつかって、
蜜蜂パイを焼くことを思いついた。
少し練習してみたあとで、
とんきちにはかりっとしたおいしい蜜蜂パイを作る才能があることがわかった。
まさきちはその蜜蜂パイを街に持っていって、人々に売った。
人々は蜜蜂パイを気に入り、それは飛ぶように売れた。
そしてとんきちとまさきちは離ればなれになることなく、
山の中で幸福に親友として暮すことができた。」

沙羅はきっとその新しい結末を喜ぶだろう。
おそらくは小夜子も。
これまでとは違う小説を書こう、と淳平は思う。
夜が明けて当たりが明るくなり、
その光の中で愛する人々をしっかりと抱きしめることを、
誰かが夢見て待ちわびているような、そんな小説を。
でも今はとりあえずここにいて、二人の女を護らなくてはならない。
相手が誰であろうと、わけのわからない箱に入れさせたりはしない。
たとえ空が落ちてきても、大地が音を立てて裂けても。〉

、、、じわっと感動しました。
「そこには救いがなくてはいけない」と、
「物語を紡ぐ」ことを仕事にする職業人としての村上春樹は、
1995年、阪神淡路大震災とオウム真理教のニュースを見ながら考えたのです。
あれから22年が経ちます。
日本には「新たな救済の物語」が必要とされているように見受けられます。
現代の詩人たちは大変な仕事を引き受けているのだなぁ、
と尊敬の念を覚えます。
(1,172文字)



●羽仁もと子 生涯と思想

読了した日:2017年11月9日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:斉藤道子
出版年:1988年
出版社:ドメス出版

リンク:http://amzn.asia/0vsrr2S

▼140文字ブリーフィング:

羽仁もと子という人は、
明治後期、大正、昭和初期という三つの時代を生きた信仰者です。
賀川豊彦などと、ちょうど重なります。
先月宮嶋望さんという、新得にある共働学舎という、
困難を抱えた人々のコミューンを導いておられる方の本を読み、
非常に感銘を受けました。
彼は「自由学園」というキリスト教理念に基づく東京の学校を卒業しており、
この学園の理念の「実践」が共働学舎だ、と宮嶋さんは言っています。
その「自由学園」の創始者が羽仁もと子夫妻です。
で、彼女の思想を私は知りたいと思った次第です。
しかしいかんせん、彼女の書いたものは量が多すぎます。
全集が出ていますが、まずは他者が書いた伝記を読むのが、
彼女の思想を知る近道だと思い本書を手に取りました。
彼女は賀川豊彦同様、非常にスケールの大きな「社会変革者」です。
英語ではソーシャルリフォーマーと言います。
彼女は雑誌の発行、世界初の主婦による女性運動体「友の会」の創設、
「日本人が家計簿を付けるようになるという習慣」の創始者、
自由学園の創立者など、その活動は多面的で、
常人にはすべてを把握できないほどです。
FVIは「小さな愛の行動」によって「神の国の実現」を目指す、
ということをその活動の理念としていますが、
羽仁もと子は「小から大への社会変革」を唱え、
「友の会は神の国のための運動体である」と唱道していましたから、
羽仁もと子という人は「100年前のFVI」なわけです。
学ぶところがあまりにも多いので今回は詳述を差し控えます。
いつか「本のカフェ・ラテ」で紹介出来たらと思います。
(652文字)



●米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体

読了した日:2017年11月9日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:ケント・ギルバート
出版年:2017年
出版社:角川新書

リンク:http://amzn.asia/14DOnNW

▼140文字ブリーフィング:

ケント・ギルバートさんは保守的な言説で有名な人で、
私とはスタンスが違いますが彼の言うことの多くは筋が通っています。
ちなみに私は憲法改正に関しては、
「原理的護憲派」ではありません。
日本国憲法は不磨の大典とも思いませんし、
それが日本の平和を守っているとも思いません。

しかし2012年自民党改正草案のような暴挙は、
あらゆる意味で許容することができませんし、
あのやりかたを押し通すと安倍さんの本意(と本人は言っている)の、
「平和の維持」からも著しく遠ざかるでしょう。

「憲法があれば平和は守られる」という原理的護憲派も、
「憲法を改正すれば平和は守られる」という原理的改憲派も、
両方バカだと私は思っています。

憲法というのは安全保障上の数多くある要素のひとつで、
しかも憲法における安全保障というのは数多くある憲法の意義の、
小さなひとつに過ぎません。
「憲法」のもっとも大切な機能は、
「国家権力から個人の自由を守る」ということです。
これは保守とかリベラルとか関係ありません。
だから現在の自民党の「憲法観」はヤバイのです。
イカれていると言ってもいい。

これは保守派で改憲派のケント・ギルバートさんも指摘しています。
引用します。

→P149 
〈日本を含めた主要国で権利章典(人権規定)の
憲法改正事例がほとんどないのは、
正しい意味での立憲主義が根付いているからでしょう。
国民の人権は自然権として保護されるべきもので
とりわけ権利章典の中核をなす基本的人権を否定することは、
先進国においては許されません。
権利章典を巡る憲法典の改正があるとすれば
それは新しい権利を追加する場合に限られるというのが常識です。

その意味で、自民党の2012年版「日本国憲法改正草案」は、
第11条で「国民は、すべての基本的人権を享有する。
この憲法が国民に保証する基本的人権は、
侵すことのできない永久の権利である」としながらも、
第12条では「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力により、保持されなければならない。
国民は、これを濫用してはならず、
自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、
常に公益及び公の秩序に反してはならない」とし、
第13条でも「全て国民は、人として尊重される。生命、
自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、
最大限に尊重されなければならない」としています。

自民党の2012年版「日本国憲法改正草案」にある
「公益及び公の秩序」という表現は、
「国や社会の利益や秩序」が、
自然権として保護されるべき「個人の人権」よりも大事だという
考えに立っているように受け取れます。
もしそうだとしたら、傲慢な考えと言うしかありません。〉
(1,125文字)



●アナログ

読了した日:2017年11月10日
読んだ方法:Amazonで書籍購入

著者:ビートたけし
出版年:2017年
出版社:新潮社

リンク:http://amzn.asia/6BDufh5

▼140文字ブリーフィング:

ビートたけしが又吉直樹の「劇場」を読んで、
刺激を受けて書いた恋愛小説です。
出来はともかくとして、
70歳になったビートたけしが、
30代の中堅芸人の小説を読んで、
「俺だって、、、」といって書くというそのバイタリティに、
私たちの世代は呆れるわけです。
あぁ、この世代には勝てないわ、と笑。
小説の出来では又吉の圧勝です。
当たり前じゃないですか。

でも、すごいよなぁ。
団塊の世代のバイタリティには、
私たちロスジェネ世代は歯が立ちません。
きっと彼らが「この世から退場」しても、
良くも悪くも彼らの残した遺産の上にしか、
私たちは社会を構築出来ませんし、
良くも悪くも親世代である彼らの「亡霊」と、
戦い続けるのが私たちの世代でしょうから、
今後も私たちが彼らに太刀打ちして勝つことはないでしょう。

、、、という世代論は置いておいて、
この小説のビートたけしの人間観察や日常観察力は上手です。
2つ引用します。

→P57 
〈仕方なくテレビをつける。特に観たい番組はないが、
外国の刑事ドラマを何気なく観ていた。
しかし、どれも同じような内容だ。
主人公は白人、部下に若手の白人と黒人、女性の刑事、
必ずいるのがコンピューターのプロでハッキングの天才。
豚みたいに太った厚化粧の女か、
いかにもおたく風のアジア人だ。
いつも、プロファイリングから始まり、
地元の刑事ともめて時間が来るとDNA、
指紋がプロファイル通りの人物と一致して一件落着。
まるで外国版水戸黄門だが、つい観てしまう。
合間で流れるCMは決まって、
高齢化社会を反映してか膝腰の痛みが取れたり、
目がよく見えるようになったり、デブが痩せたり、シミが取れたり、
ウンコがよく出るようになったりするサプリメントの話ばかりだ。
また必ず画面の隅に、小さくて読みづらい字で、
「あくまでも個人の感想です」と書いてある。
そして「効果効能を示すものではありません」とか
「運動と食事制限を併用しています」とか、
さらには今から三十分以内に買えば半額だとか言っている。
ところが二時間後には他のチャンネルでも同じことを言っている。
それじゃ、その金額で一日中売ってんじゃねーかと思いながら、
また明日から面倒くさい仕事がなきゃいいな〜、
とボーっとしているうちに週末は過ぎていく。〉

、、、こういう日常描写は、
「よく見てるなぁ」と思います。
お笑い芸人の「日常観察力」はたぶん、
全職業最強です。

→P104 
〈「向こうのスケジュールもあるから、
簡単には変えられないだろう。
ホテルの予定地の下水や電気の配管の件で、
地下を何階まで作れるかペンディングになっていた件があっただろ。
大阪市と話を詰めた結果、どうにか地下二階まで作れるようになったらしい。
バジェットやキャパも考えると、
もう一度プレゼンのグランドデザインを
コンシダーしてくれとオーダーしてきたんだ。」〉

、、、これは岩本という、
カタカナ語を連発する頭の悪い上司の会話です。
普段からこういう人間をビートたけしは疎ましく思っているか、
もしくは間接的に小池百合子をディスっているのでしょう笑。

私も目の前でこんな会話されたら、
顔面をグーで2回殴りますね笑。


嘘です。


「あなたの言いたいことはアンダスタンドしました」
といって、それから二度と話しかけないだけです笑。
(1,111文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

陣内が過去一週間に読んだ本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:該当なし

コメント:
今週も「買って読んだ方が良いよ」と言えるほどの本はありません。
個人的に「羽仁もと子・・・」はヒットでしたが、
万人に勧められるようなものではありませんし。
「神の子どもたちはみな踊る」を未読の人がいたら、
読んで損はない本だ、というのは自信をもって言えます。



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