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陣内が先週読んだ本 2017年11月第五週 『安全保障は感情で動く』潮匡人 他4冊

2018.05.24 Thursday

+++vol.041 2017年12月5日配信号+++


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4 陣内が先週読んだ本 
期間:2017年11月第五週 11月26日〜12月2日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●最貧困女子

読了した日:2017年11月27日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:鈴木大介
出版年:2014年
出版社:幻冬舎新書

リンク:http://amzn.asia/2OyHENj

▼140文字ブリーフィング:

私と同世代の著者、鈴木大介さんはこの本を執筆後、
脳梗塞になりその闘病を記した
「脳が壊れた」という本を書きました。
私は自分自身も「脳の器質異常」のひとつである、
バーンアウトと鬱病を経験したので、
彼の闘病記は大きな共感をもって読みました。
フリーランスのジャーナリストとして貧困の現場を自分の足で取材し、
後ろ盾なく「筆一本」で食べていくというプレッシャーの大きさは、
想像に難くないですし、その取材対象の「貧困の現実」はあまりにも過酷で、
それも脳梗塞の遠因になったのではないか、
と同書で分析しています。
、、、で、取材するだけで彼に病因を与えた、
日本の「最も虐げられた弱者」のひとつである、
「再貧困女子」の現状を訴えるのが本書です。
その現状はあまりにも壮絶で過酷すぎて、
読み進めるのがつらいほどでした。
書き進めた鈴木さんはもっとつらかったでしょう。
(何度も言うようにそれは彼の健康を蝕むほどでした)
、、、しかし、「声なき者の声」となって、
社会的弱者に「ヴォイス」を与える代弁者としての彼の姿勢を、
私は尊敬しますし、大いに共感します。
彼の魂の叫びとも言える「あとがき」から引用します。

→P209〜210 
〈助けて下さいと言える人と言えない人、
助けたくなるような見た目の人とそうでない人、
抱えている痛みは同じでも、後者の傷みは放置される。
これが、最大の残酷だと僕は思う。
観念的なことを書いてしまったが、
現代の日本ではこうした最悪の残酷が拡がりつつある。
格差社会、若者の所得の低さ、特に貧困が単身世帯の女性や、
ひとり親(特にシングルマザー)に集中しているという報道は、
昨今否応なく耳に入ってくる。
だがそんな中、その貧困や抱えた痛みが「不可視化」され、
それどころか差別や批判の対象とすらなってしまう女性や
未成年の少女らがいること、
それがセックスワーク(売春・性風俗)周辺に
集中していることを本書では描いた。

本音を言えばルポラーターとしての僕の心情は、もう限界だ。
売春する相手への嫌悪感を消すために薬物中毒になった少女がいた。
「身体が売れなくなったら死ぬときだ」と真顔で言う16歳の少女は、
初めての売春は小学5年生の時だと言った。
その身体中に、虐待の傷痕があった。
街娼する母親の元に生まれたが、
いまは売春で得た金で母と弟たちを養っていると
誇らしげに語る中学3年生がいた。
知的障害を抱える母親の元から家出し、
同じく知的障害を持つ姉と二人で
路上生活と売春を1年続けたという少女がいた。
義父からの性的虐待を看過してきた母親に殺意を抱き続ける少女がいた。
風俗店5店舗に連続で面接落ちし、
その週のうちに売春相手が見つからなければ
「肝臓を売れるところを教えて欲しい」と言う20歳がいた。
取材期間中、幼娘を残して自殺してしまった売春シングルマザーもいた。
彼女は売春相手とホテルに向かう際、
愛娘が児童養護施設で作ってくれた折鶴を御守りのように財布に入れていた。

何も与えられず、何にも恵まれず、
孤独と苦しさだけを抱えた彼女らは、
社会からゴミくずを見るような視線を投げかけられる。
もう、こんな残酷には耐えられない。
繰り返す。抱えた痛みは同じなのに、
なぜ彼女らを救おうとするものがこれほどまでに少ないのか。
彼女らを放置することとは、
例えば病院の待合室で同じ病気で苦しむ人々がいるとして、
一方を診察室に入れ、一方を放置する状態と何ら変わりない。
果たしてこれが正しい社会とはとても思えないし、
それを見過ごすことは絶対的に悪ではないのか。〉

、、、私は公務員時代に教会の仲間と共に、
愛知県で「聞き屋ボランティア」という、
人の話を無料で聴くボランティア活動をしていました。
月曜日と金曜日の夜8時から10時まで、
仕事が終わった後に豊橋駅に看板を掲げて座ります。
「あなたのお話無料で聴きます」と書かれた看板です。
OLさんや酔っ払ったサラリーマンや年配のホームレスの話も沢山聞きましたが、
私たちが最も多くの時間を割いたのが鈴木さんがこの本で紹介しているような、
「貧困の再生産」のなかで生まれ育った少女たちでした。
私はデリバリーヘルスの「従業員」寮(ヤクザが取り仕切っている)から、
十代の少女が夜逃げするのを自分の軽自動車で手伝ったこともありますし、
リストカットの傷痕で両腕がいっぱいの少女の「母親」は、
彼女が「家」に帰るとリストカットをしていました。
それを観たくないから彼女は毎晩駅にたむろし、
そして泊めてくれる友人の家を渡り歩いていました。
多くの少女たちは身体にあざがあり、
家に帰ると母親の恋人に暴力を振るわれ、
常にドラッグの危険と隣り合わせでした。

鈴木さんの取材対象のルポを読みながら、
私は過去に出会った何人かの少女たちの顔を思い出していました。
鈴木さんがこの本で書いているのは、
こうした人々に寄り添うことの大切さというよりも、
(それももちろん必要ですが)
もっと構造的な問題に社会が注目することの必要性です。

鈴木さん曰く(私の経験からも同意するのですが)、
セックスワークに搾取される「最貧困女子」たちは、
何らかの障害「知的障害、発達障害、精神障害」を抱えていることも多く、
さらに彼女らは「家族の縁・地域の縁・制度の縁」からも切れています。
日本には公的なセーフティネットが確かに充実していますが、
そういった制度と彼女らは、「絶望的なほどに相性が悪い」のです。
結果として彼女らの最後のセーフティネットが、
性風俗産業になってしまっている、という現状がある。
鈴木さんの提言は、公的な制度がもっと柔軟に対応することと、
民間の援助者が彼女らの「自由」を奪わない形で
「安心して寝られる場所」としてのシェルターを提供すること、
といったことです。私も同意します。
(2,310文字)

▼参考リンク:「脳が壊れた」鈴木大介
http://amzn.asia/5SNQGrB



●残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

読了した日:2017年11月28日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:橘玲
出版年:2010年
出版社:幻冬舎

リンク:http://amzn.asia/f6F8WUG

▼140文字ブリーフィング:

橘玲(たちばな・あきら)さんは、
夏頃に「(日本人)」という本で初めて知りました。
勝間和代に代表される、
(アンドリュー・カーネギー、ナポレオン・ヒルなどから連なる)、
「成功哲学」は、「やればできる」という前提に立っています。
筆者はしかし、「やってもできない」というのが、
現在の科学が私たちに告げる残酷な現実だ、と指摘します。
つまり、
「人間の能力は生まれたときにかなり決まってしまっている」
という身も蓋もない現実であり、
スティーブン・ピンカーらの著作で論証されています。
しかし、現在の民主主義政治と自由主義経済の
「世界の仕組み」を維持するためには、
この「不都合な真実」はあまりにも「政治的に正しくない」ために、
誰もそれを口にしません。
(口にしたら一発退場のタブーです)
しかし、だかといって「やればできる神話」を前提に人生を構築しても、
結果的に殆どの人は幸福になれないよ、と橘さんは指摘しています。
私たちに今必要なのはタブーに踏み込み、
「やっても出来ない(能力は生まれつきほぼ決定している)」
という前提に立つ「新たな成功哲学」を構築すべきだ、
というのがこの本の骨子です。
面白かったです。
(490文字)



●安全保障は感情で動く

読了した日:2017年11月28日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:潮匡人
出版年:2017年
出版社:文春新書

リンク:http://amzn.asia/dVi30sp

▼140文字ブリーフィング:

「トゥキュディデスの罠」という言葉があります。
こえれは歴史家のトゥキュディデスが、
「スパルタが新興国アテネを恐れたことが戦争の原因になったのだ」
という分析をしたことから生じた命題で、
「新興国の急激な勃興が、
究めて高い確率で現覇権国との戦争に帰結する。」
という「歴史の法則」であり、
第二次世界大戦(欧州)ならば、
ドイツという新興国を覇権国のイギリスが恐れたこと、
第二次世界大戦(太平洋)ならば、
日本という新興国を大国アメリカが恐れたことが、
戦争の原因と言えます。
このトゥキュディデスの罠のポイントは、
戦争の引き金を引く「恐れ」が論理や分析ではなく、
「感情」だということを著者は指摘しています。

現在の国際情勢が「一触即発」なのは、
北朝鮮のトップだけでなくアメリカのトップまでが、
きわめて感情的に行動する「偶発的行動」が多い、
「先の読めない指導者」だからです。
2台の車が交差点で交わる際、
片方が無免許の暴走族でも、片方が優良ドライバーなら、
事故の危険性はまだ低いですが、
片方が無免許の暴走族で、
もう片方が認知症が始まっている老人の場合、
きわめて高い可能性で「事故」が起きます。
北朝鮮情勢での「事故」が起きた場合、
第二次朝鮮戦争が始まり、朝鮮半島ではもちろん、
横田基地が米軍の拠点となる日本本土でも多数の死者が出ますし、
アジア経済全体が壊滅的なダメージを受けるので、
日本は無傷でいられないどころか、戦後最大の国難となり、
最悪の場合、破局のシナリオも考えられる、
と元外交官の佐藤優さんは警告しています。

日本の首相は「異次元の圧力」かのように、、
「圧力一辺倒」を続けていますが、
この場合何よりも避けるべきは戦争なので、
トランプに同調するばかりというのは危険だと私は考えます。
(ちなみに先月私は拉致被害者の家族・横田早紀江さんですら、
 安倍首相に「圧力一辺倒は止めて」と発言している、
 というネット記事を読みました。)
▼参考記事:ついに横田早紀江さんも、「圧力一辺倒」に異論
https://www.excite.co.jp/News/politics_g/20171123/Gendai_428124.html

著者の本に話を戻しますと、
著者はキリスト教徒でもあり、
「戦争は感情で起こる」ということを理解することが、
今の局面にもっとも大切だと主張しています。
私もこれに同意します。
米ソが核兵器を本当に使う一歩手前までいった「キューバ危機」のときに、
J・F・ケネディの側近だったマクナマラ氏が回顧録を出版していて、
著者は彼のことばを紹介しています。
曰く「キューバ危機の最大の教訓は、
『相手の靴を履いて考える』ということの大切さだ。
ケネディ大統領は最も長い時間をかけて、 
『フルシチョフならどう考えるか』を考え抜いた。
そしてフルシチョフの自尊心を傷つけないように、
面目をつぶさないように、恥をかかせたりしないように、
細心の注意を払い最大の努力をした。」と。
トランプにケネディのような知性は期待できませんから、
どうかせめて、安倍さんには冷静であってほしい、
と願わずにいられません。
(1,245文字)



●反省させると犯罪者になります

読了した日:2017年11月30日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:岡本茂樹
出版年:2013年
出版社:新潮新書

リンク:http://amzn.asia/6tUp3dF

▼140文字ブリーフィング:

著者は刑務所での累犯受刑者の更生支援の経験から、
「反省文」は逆に抑圧を強め孤立を生み出し再犯の可能性を高める、
と主張しています。
むしろ大切なのは被害者の立場に立つまえに加害者としての
「被害者や両親への怒り、憎しみ、不満」を吐き出させることだという。
そうすると自然に彼らは被害者の気持ちにも気がつき本当の反省に至るのだと。
同じことが「いじめ教育」にも当てはまり、
「いじめをすることがどれほど被害者を傷つけるか」を教え込む、
というアプローチが現在推奨されているのですが著者によれば、
それは逆効果を生む、と。
なぜか。
いじめをする生徒はたいてい、自分が傷ついているからです。
家で虐待を受けていたり、プレッシャーで追い詰められていたりする。
まずはそれを吐き出す場を設けなければ、
「形だけの反省文」と同じで、より「よい子バイアス」を与え、
もうひとつの抑圧を追加しているだけなのだ、と。
引用します。

→P163 
〈さらに言えば、親から虐待されていたり
厳しいしつけを受けていたりする子どもたちにとって、
「いじめられた子どもの気持ち」を考えさせることは
とてもしんどいことにはならないでしょうか。
そうした子どもたちは心の中にいつも鬱積した否定的感情が渦巻いています。
彼らは、自分の心の中にある否定的感情のはけ口を求めています。
それは、具体的にはいじめという形に発展する場合もあるでしょう。
そうした子どもたちにとって、
いじめられた子どもの気持ちを考えさせることは、
さらに抑圧を強めることになり、
結果として大きな爆発をもたらすことになるのではないかと危惧します。
彼らにとって本当に必要なことは、
いじめられた被害者のことを考えることよりも、
自分自身が親から受けた「被害」を語る(吐き出す)ことなのです。〉
(738文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

陣内が過去一週間に読んだ本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:該当なし

コメント:
最近ずっと、「該当なし」ですね笑。
あまり冊数も読めていないし、
軽いものばかり読んでいたので。
11月もけっこう忙しかったので。
敢えて言えば、「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」は、
けっこう面白かったです。
橘玲さんの著書の悪いところは、
引用されている本が興味深すぎて、
読みたい本が雪だるま式に増えて行くことです笑。
まぁ、良いところでもあるんですけど。



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