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陣内が先週読んだ本 2017年12月第三週 『人間の本性を考える 上』スティーブ・ピンカー 他3冊

2018.06.13 Wednesday

+++vol.044 2017年12月26日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4 陣内が先週読んだ本 
期間:2017年12月第三週 12月17日〜25日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●ニュースの“なぜ?”は歴史に学べ 2

読了した日:2017年12月18日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:茂木誠
出版年:2017年
出版社:SB新書

リンク: http://amzn.asia/8fVjwpM

▼140文字ブリーフィング:

こちらは夏頃に「1」を読んで非常に面白かったので、
続編を手に取りました。
池上彰の「知らないと恥をかく世界の大問題」シリーズも好きですが、
こちらもとても面白いです。
茂木誠さんの切り口は「歴史」で、
今日本や世界で問題になっている「時事ネタ」というのを、
時代を100年、200年、1000年さかのぼると、
実はこういう根っこがあって、、、という風に解説してくれることです。
そうすることで今の世界に対する理解が立体的に深まります。

たとえばトルコは親日国家として知られていますが、
同時に親ドイツ国家としても知られています。
ドイツでは多くのトルコ人移民が働いていますから、
ドイツの貿易黒字を作り出しているのはトルコ人労働者の力も大きいわけです。
「トルコの親日」というと、
四国で起きた船の難破事件などがよく引き合いにだされますが、
事はそんな単純ではありません。
これにも歴史的な経緯が関係しています。
引用します。

→P110 
〈(戦後経済発展を遂げたフランスに
チュニジア・モロッコ・アルジェリア系のイスラム教徒が
移民労働者としてやってきたのに対し)
ドイツには、トルコ人が大挙して出稼ぎにやってきました。
なぜ、トルコ人かというと、
トルコ人は心情的にドイツに好感を持っているからです。
歴史的にいうと、トルコ人には
イギリスやフランスに「いじめられた」記憶があります。
トルコ人のオスマン帝国は、第一次大戦の敗戦によって、
支配下においていたアラブ地域の領土を
イギリス、フランス、ロシアの3国に分割され、奪われてしまいます。
この取り決めを「サイクス・ピコ協定」といいますが、
その後、オスマン帝国は滅亡、
トルコは大幅な領土縮小を余儀なくされました。
したがって、トルコ人にとって、
「二度の大戦を通じて宿敵のイギリスはフランス、
そしてロシアと戦ったドイツ人は偉い」というわけです。
ちなみに、トルコ人が日本に好感を持っているのも根は同じで、
日露戦争や第二次世界大戦で
ロシアやイギリスと一戦交えた歴史が根底にあるのです。〉

、、、「敵の敵は味方」の理論ですね。
今世界中で起きていることの多くには、
「歴史的な理由」があり、それを知っているかどうかで、
世界で今起きている事象はいったいなんなのか、
という理解の深さが変わります。

ウェーブ(波)とカレント(潮流)は違います。
この二つを理解しないとサーファーは命の危険にさらされます。
世界の時事問題をウェーブとカレントに喩えると、
ウェーブは「今大統領が●●になった」というような位相の話、
カレントは「過去1000年ぐらいの歴史を見た時の理由」です。

トルコやイランは現在「東欧〜中東〜中央アジア地区」の、
国際情勢における「台風の目」ですがそれには理由があります。
歴史を見るとトルコやイランというのはあの地域の他の国と違うのです。
それは「かつて帝国だったことがある」国だということです。
オスマントルコと、ペルシャですね。
こういった「帝国のDNAがある国」とそうでない国は、
肝心なときにふるまいが違ってきます。
ちなみに日本も、すっかり忘れている人が多いですが、
「帝国のDNAがある国」に分類されます。
(1,224文字)



●人間の本性を考える 心は「空白の石版」か(上)

読了した日:2017年12月19日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:スティーブン・ピンカー
出版年:2004年
出版社:NHKブックス

リンク: http://amzn.asia/jfFKtYe

▼140文字ブリーフィング:

「ブランクスレート理論」という有名な学説があります。
「人の心は空白(blank)の石版(slate)だ」という「人間観」です。
この理論は人気があり20世紀に流行しましたし今も強い影響力をもっています。
つまり、真っ白なキャンパスのような「人間の脳(や心)」があり、
それは「育て方」によっていかようにでも変わるという考え方です。

この「真逆」の極には「遺伝子決定論」があります。
つまり、「人間の能力や資質というものは生まれつき決まっている。
いくら努力をしたり教育をほどこしても、
遺伝的に決定されたことをを人間は超えられない」
というわけです。

こちらの説は人気がありません。
欧米では特にナチスの苦い経験がありますから、
そういった言説は「優生学につながる」と受け取られ、
ものすごーく警戒されるからです。

しかし神経生理学や脳科学の最新の知見は、
人間の心は「生まれつきすべてが決定している」
というのは言い過ぎだとしても、「空白の石版」とは言いがたい、
という事実を明らかにしています。
引用します。

→P96 
〈その後の発見で、脳の大まかな解剖学的構造
(サイズ、形状、脳葉や核のつながり、大脳皮質の基本的な設計)のほとんどが、
胎児期の正常な発育の中で遺伝子によって形成されることが分かった。
さまざまな人のさまざまな脳領域の灰白質の量も、
言語や推論に関与する領域も含めて同様である。
この生得的な形状や配線は、実際に思考や感情や行動に影響を及ぼす。
後の章で見るように、特定の脳領域に損傷のある赤ちゃんは、
しばしば特定の心的能力を永久的に欠如したまま成長する。
標準設計に生まれつき異変のある人は、心の動き方にも異変がある。
一卵性および二卵性双生児の脳を調べた最近の研究によれば、
前頭葉の灰白質の量は遺伝的影響を受け、
また知能との間に有意な相関関係がある。
アインシュタインの脳を調べたある研究によれば、
彼の脳は空間的推論と数についての直観に関する
下頭頂小葉という部位が非常に大きく、変わった形状をしていた。
ゲイ男性は視床下部の前方部にある第三間質核が小さい傾向があるが、
この核は性差に関係することが分かっている。
殺人犯や凶暴性のある反社会的な人たちは、
意思決定や衝動の抑制をつかさどる前頭前皮質が小さく不活発な傾向がある。
このような脳の肉眼的な特徴が
感覚からの入力情報で形成されることは、ほぼあり得ない。
これは知能や科学の才能や性的指向や衝動的暴力の個人差が
学習だけによるのではないことを示唆している。〉

、、、この本は数多くの書籍に引用されている「底本」のひとつですが、
これを読みたいと思ったのは橘玲さんの、
『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』で紹介されていたからです。
橘さんは「努力は必ず報われる」とか、「成功は頑張れば手に入る」
といった勝間和代的(ナポレオン・ヒル的と呼んでも良い)、
「成功哲学」の前提が間違っているのではないか、という疑義から始まります。
「努力は必ずしも報われないし、
成功は頑張っても手に入るとは限らない。」
その冷酷な事実をまず受け入れた上で、
「成功哲学」を構築することが必要だ、と彼は書いていて、
「確かにそうだよな」と私は思いました。
、、、で、その「前提」の根拠が本書なわけです。
(中)(下)はいま読んでいるところです。
また紹介しますのでお楽しみに。
(1,364文字)



●プライベートバンカー カネ守りと新富裕層

読了した日:2017年12月21日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:清武英利
出版年:2016年
出版社:講談社

リンク:http://amzn.asia/5WWwr9t

▼140文字ブリーフィング:

シンガポールの法改正により、
ゼロ年代以降、日本の超富裕層が、
オフショア(租税回避地)としてシンガポールを利用しています。
相続税を払いたくないために彼らは5年間、
年の半分(183日)をシンガポールで過ごすが、
そこでの毎日はたまらなく退屈な地獄だ。
という半ノンフィクションルポ的小説です。
主人公は野村證券の商社マンから、
シンガポールで超富裕層の資産を運用するために
顧客を獲得する仕事をするバンカーで、
実在の人物をもとに構成されています。

「資産を運用するだけで毎年何千万もの不労所得があるので、
 働くモチベーションはない。
 唯一の関心は、国に税金を払わずに資産を子どもに遺すこと」
という「新富裕層たち」の絶望的に不幸な人生が描かれます。

→P9 
〈てらてらと脂で光る焼き台が店の真ん中にあり、
そこから流れる焼き鳥と醤油ダレの煙が、
コの字型のカウンターに取り付いた十数人の客をぼんやりと包んでいる。
 薄く垂れ込めた煙の中から声が聞こえてきた。
「あかん、もう退屈で死にそうや。日本に帰りたいわ」
 男は五十がらみ、「カウス」というあだ名がついている。
 吉本興業大阪の漫才コンビ、
 中田カウス・ボタンのボケ担当にそっくりなのである。
 だが、本人はあだ名で呼ばれていることを知らない。
隣に座る中村咲子たちがそう名付けて、
いつの間にか彼女の勤め先で広がっていることも、もちろん知らなかった。
男は柔ら中名茶髪の彼女を口説くのでもなく、
四角の顔を天井に向け、脂の染みのあたりを見つめていた。
 「やることがないのや。暇なんが一番怖いのう」
 「何を言ってるんですか!贅沢ですよ」
 咲子から軽くたしなめられたカウス氏はうつむいて、
しばらくするとまた愚痴り始めた。
 「わしな、毎日、手帳にバツ印をつけて数えているんや。
あと何年と何日ってな。一日が過ぎると大きくバツ書き入れるんやが、
五年は長いなあ。大阪に戻りたいな。」
 彼は関西でパチンコ屋や不動産業を手広く営んできたが、
それらの多くを売ってシンガポールに移住してきた。
 永住権も取得済みだ。
 資産額は三十億円をくだらないという。
そのうち約十億円を当地にあるムーディーズ格付けAa1の名門行
「Bank of Singapore(シンガポール銀行)」で運用し、
残りを不動産投資に充てている。
シンガポールが不動産バブルと言うこともあって、
ぶらぶら日々を送るだけで毎年数千万円は増えていく計算だ。〉

→P127 
〈元会長やM氏は、「イグジット(exit)組」と当地で呼ばれている。
本来、イグジットとは「出口」を意味する。
金融業界では、ベンチャービジネスの創業者や
ファンドなどの投資家が株式を売却し、
利益を手にすることを指すのだが、
シンガポールでは「ゴールイン」、
あるいは「あがり」の人々という意味で受け取られている。
 日本で会社を売ったり、株やFX取引などで一稼ぎしたり、
あるいは仕事をやり終えたりして”収穫”を済ませ、
海を渡ってきた人々のことである。
 上がりの人々の大半は、シンガポールの中心である
オーチャードロードから車で十分以内のところのに住んでいる。
 オーチャードロードの西の端にあるのが、
高級住宅街のタングリン地区だ。
ここにも、資産三十億円の元パチンコ業者が暮らしている。
冒頭に紹介したカウス氏である。
M氏とカウス氏の共通点はBOSの顧客であり、
時間つぶしに苦労をしていることだ。〉

、、、アーリーリタイアして南の島でゴルフ三昧、、、
というのは、想像している間は天国ですが、
じっさいにやってみると地獄だというのが、
「本人たちの実感」だというのがよく分かります。
彼らは例外なく絶望的なまでに孤独です。
詳しい説明は省きますが、
「莫大な金融資産」と「親しい友人」はトレードオフだからです。
アメリカの宝くじは配当金数十億円という規模ですが、
当選者の5年後を調査すると例外なく当選前より不幸になっている理由も、
ここにあります。

人は労働を離れては幸福を得られませんし、
親しい友人は幸せを得るうえで金融資産より大切です。
これは別に「価値観や道徳の押しつけ」ではなく、
人間という生き物の本性(脳の性質)に基づく科学的事実です。

聖書の箴言に、
「貧しさも富も私に与えず、
ただ、私に定められた分の食物で私を養ってください。
私が食べ飽きて、あなたを否み、
『主とはだれだ』と言わないために。
また、私が貧しくて、盗みをし、
私の神の御名を汚すことのないために。」
という言葉がありますが、
知恵に富んだ教えです。
「中庸」は人が不幸にならないための知恵なのです。
(1,848文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

陣内が過去一週間に読んだ本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:該当なし

コメント:
3冊ともそれなりに面白かったですが、
「これは買って読む価値があるよ!」というレベルのものはありません。
この「リコメンド本」のコーナー、判定がシビアになってきました笑。
、、、ということはここに紹介する本というのは、
けっこう「本当に良い本」が多いので、
どうぞ皆様の書籍選びにお役立てください。



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