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2017年・陣内が見た映画ランキング【特別編】

2018.06.27 Wednesday

+++vol.046 2018年1月9日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 2017年版・陣内が今年観た映画ランキング(特別編)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
先週は、「2017年に読んだ本ベスト10」
からこぼれた書籍を5冊紹介しました。
今週は「2017年に観た映画ベスト10」からこぼれた、
魅力ある映画5本をご紹介します。
先週も書きましたが、
映画や書籍を「ランキング」するのは、
普段しません。点数も付けません。
なぜなら映画や書籍の魅力のベクトルは多種多様で、
ある裁定基準でランクを付けてしまうと、
そこからこぼれる魅力的なものが、
失われてしまうからです。
今回はそのような「ベスト10には入ってないけど、
こんな魅力ある映画もあるよ」というものをご紹介します。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

第10位:『潜水服は蝶の夢を見る』
第9位:『スポットライト 世紀のスクープ』
第8位:『ヒメアノール』
第7位:『あなた、その川を渡らないで』
第6位:『クレヨンしんちゃん モーレツ!大人帝国の逆襲』
第5位:『ドント・ブリーズ』
第4位:『アクト・オブ・キリング』
第3位:『レッドタートル』
第2位:『かぐや姫の物語』
第1位:『アウトレイジ』


▲▼▼やっと見た賞:『スワロウテイル』▼▼▼

監督:岩井俊二
主演:Chara、三上博史他
公開年・国:1996年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/5G8Thut

▼解説:

この映画は私が大学に入った年に公開されていまして、
当時めちゃくちゃ流行っていました。
大学の私の友達の多くが見に行っていて、
主題曲のイェン・タウン・バンドの「あいのうた」の、
CDを買っている友人もいました。
なぜか私はこの映画を見逃しており、
(たぶん単純にカネがなかったのだと思いますが)
ずーっと「見たいなぁ」と思っていました。
「じゃあ、見ろよ笑」ということで、
20年越しにこの作品を鑑賞しました。

結果、もちろんちょっと古いな、
と思う箇所も散見されますが、
雰囲気があるしとても良い映画でした。
岩井俊二作品は「花とアリス」や「ラブレター」、
「リリィ・シュシュのすべて」を見てきましたが、
それらの作品に通底する「痛さ」とか「儚さ」みたいなものが、
表現されているのに加えて、
この作品は近未来SFという設定が面白い。

漫画の「AKIRA」とかの世界観にも近く、
「どこでもないアジアの街」としての、
「円都(イェン・タウン)」という設定がクール。
そこに暮らす社会の弱者達の歌う「あいのうた」は、
心に染み渡ります。
「あいのうた」もそうですが、
岩井俊二作品に関わりの深い、
ミスチルのプロデューサーでもある小林武史の音楽が、
やはりきれいです。

スピッツの「空も飛べるはず」のなかに、
「ゴミのきらめく世界がぼくたちを拒んでも」
という歌詞があります。

この映画の「イェン・タウン」は、
とても汚く不衛生で、
そしてとても綺麗です。
まさに「ゴミのきらめく世界」。
味わい深い作品でした。



▲▼▼長回しに驚いた賞:『大空港2013』▼▼▼

監督:三谷幸喜
主演:竹内結子
公開年・国:2013年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/dJ5js3V

▼解説:

この映画はよく覚えています。
三谷幸喜監督作品と言うことで、
期待して見たのですが、あまり面白くないなぁ、
と最初は思いました。
「うーん、三谷幸喜も錆びたなぁ」と。

、、、その後、
Amazonのレビューを見て、
この映画が「ノーカット(カットなし)」で撮られたことを知り、
評価が一気に高くなりました。
「三谷幸喜、すごすぎる!」と。

じっさい私は、もう一回見返しましたから笑。

マジで「どうやって撮ったんだろう?」と思う。
100分あるこの映画、いわゆる「カット数」は、
10〜20ぐらいはあります。
つまりAという地点(航空会社のカウンター前)で5分の会話が撮られる。
そのあとカメラ(ゼロ人称の神の視点)は移動し、
エスカレーターを上り、Bという地点で止まる。
そこでドタバタが繰り広げられる。
さらにカメラはエレベーターに入り、
一階のCという地点では別の事件が巻き起こっており、、、
ということがずーっと、100分間繰り広げられるのです。

つまりカメラの「視野」から外れた瞬間、
最初の5分間にかかわった役者やセットや照明はそこで「解体」され、
次のシーンの用意をします。
、、、で次にA→B→E→Aという風に、
カメラが20分後にこの地点に帰ってきたシーンの用意がされている。
つまり裏方と本番が同時進行しているわけですが、
その間、「裏方」はぜったいに映り込んじゃ駄目だし、
「裏方の音」をマイクが拾ってはいけない。

100分間のほとんどの時間映っている主役の竹内結子は、
本当にすごいです。

この撮り方だと当然「撮り直し」ができませんから、
台詞を「噛んだ」場合、最初からやり直しになります。
じっさい100分間、だれも一度も噛まない、
というのは不可能ですから、
この映画では私が発見できる限り、
2回ぐらい竹内結子以外の役者が「甘噛み」しています。

それぐらいなら流されますが、
がっつり噛んだり台詞や立ち振る舞いを間違えた場合、
やはり「撮り直し」となるわけです。
自分がこの映画に関わったと想像したとき、
100分ある映画の95分の時点で何かひとつ台詞があったとしたら、
どれほど緊張するか考えてみてください。

もうね、これはね、おしっこチビリます。

95分の時点で台詞をとちるというのは、
「ドミノのギネス記録に挑む」みたいなテレビ番組が時々ありますが、
あれの完成直前に全部倒してしまうようなものです。
真っ青になります。

これをやり遂げた竹内結子はじめ、
役者さんや裏方さんたちに私は拍手を送りたい!

ストーリーも内容も、
ほとんど覚えていないけど(爆死)!



▲▼▼宗教と科学の弁証法で賞:『コンタクト』▼▼▼

監督:ロバート・ギメセス
主演:ジョディ・フォスター他
公開年・国:1997年(米国)
リンク:
http://amzn.asia/aw8t5ha

解説:

これも20年越しに再鑑賞した、
懐かしい映画です。
大学時代、家庭教師のバイトをしていたお家で、
「夜ご飯食べていく?」と私はよく誘っていただきました。
そこのお家のお父さんは夜にレンタルした映画を観るのが趣味で、
「ついでに映画も観てく?」と誘われ、
そのお宅でこの「コンタクト」を観ました。

当時は「科学とは何か?宗教とは何か?」
というテーマの、
ちょっと面白いSF作品ぐらいの印象しかありませんでしたが、
今回Amazonプライム特典に入っていたので再鑑賞して、
過去に観た何倍も楽しめました。

たぶんそれは私がこの20年で新たに得た知識の分だけ、
面白くなっているのだと思います。
映画を楽しむのも「教養」がモノを言うことがあります。

誰かが「この映画つまんない」というとき、
だまされてはいけません。
その場合二つの可能性がありますから。
一つ目は「本当につまんないとき」。
二つ目は、その人に、
「映画を読み解くリテラシー」が欠けているときです。

哲学や宗教や科学や歴史や政治や、、、
そういった教養を踏まえた時、
初めてフルスペックで楽しめる映画、
というものが世の中にはあります。

「コンタクト」を20年前に観た私は、
もしそのとき友人に「コンタクト、どうだった?」と訊かれたら、
「まぁまぁ普通かな」と答えていたと思います。
その大学生時代の私は先ほどの「二つ目」にあたります。
「リテラシーが不足しているため、
 その魅力を100%理解できず、
 それゆえ間違った評価を友人に与えてしまっている」
わけです。

今の私は20年前と比べますと、
多少なりとも知識は増えていますから、
「コンタクト、どうだった?」の質問への答えは変わります。
「めちゃくちゃ面白かった。
 いろんな解釈が可能だし、
 テーマは深かった。」
という回答になります。

この映画で最も面白かったのは、
己の信仰に引きこもる宗教保守派の原理主義者よりも、
未知のものへの畏怖とあこがれを抱き続ける科学者のほうが、
「敬虔」に見える、という逆説です。
「地球外生命体」という虚構を借りることで、
「人類にはまだ知らないことがある」という、
「超越性への畏怖や希求」を表現した、
「無神論に基づく宗教的な映画」という、
アクロバティックなことをこの映画は成し遂げています。



▲▼▼意欲的ドキュメンタリー賞:『365日のシンプルライフ』▼▼▼

監督:ペトリ・ルーッカイネン
主演:ペトリ・ルーッカイネン
公開年・国:フィンランド(2013年)
リンク:
http://amzn.asia/87ENN3N

▼解説:

この映画を観た時のことは、
鮮明に記憶しています。

結婚した2012年以来約5年住んだ練馬区の公団住宅から、
現在の西東京市の部屋に、私たち夫婦は引っ越しました。
もともと私も妻もモノをため込むほうではないので、
我が家はモノが多い方ではありません。
しかし、やはり5年間も生活しますと、
「オリ」のようにモノは増加し、
気づかぬうちに「増殖」し、
エントロピーを増大させているものです。

これは、だれでもそうですよね。

で、引っ越しを機に、モノを減らそうぜ、
ということを妻と私は話し合い、
「ミニマリスト」が書いた本や漫画を読んで啓発され、
本当に必要なモノ以外は引っ越し先に持っていかないようにしよう、
と心に決めて引っ越し作業を進めました。

この映画はたしかそんな、
「ミニマリスト本」や「シンプルライフ本」を、
Amazonで物色していたとき、
おせっかいな「Amazonコンシェルジュ」が私のアカウントに、
「お兄さん、こんなのもありまっせ。」的に、
勧めてきたのがこの映画でした。
私は基本的にAmazonのリコメンドには、
100回に1回ぐらいしか反応しませんが、
このオススメはちょっとグッときたのです。
「なになに、ちょっと面白そうじゃん」と。

早速私はTSUTAYAでDVDをレンタルし、
引っ越したばかりのまだ家具もあまり置かれていないリビングで、
妻と2人でこの映画を観ました。

結果的に、とても面白かったです。
何よりこの映画、撮っている本人(兼主役)は、
フィンランドの人です。
フィンランド映画なんて、
ムーミンのほかに見たことありません。
(ムーミンがフィンランド映画なのかどうかも知りませんし)

、、、聞き慣れない「フィンランド語のモノローグ」
からこの映画は始まります。
監督権主演の20代の青年の「ドキュメンタリー」です。
彼は失恋を機に、「俺は無駄なモノに囲まれすぎている」と思います。
そして、自分に本当に必要なモノだけで生きていきたい、
と思った彼は、あるアイディアを思いつきます。

それは、自分が持っている持ち物を、
洋服や鍋やパソコンや携帯も含めて、
いったん全部貸倉庫に入れる、というものです。
そして、
1.1日に1個だけ倉庫から持って来る
2.1年間、続ける
3.1年間、何も買わない
というルールで生活を始めるのです。
それを彼は自分で記録しそれを映画化したのです。
1日目は、空っぽの部屋から倉庫まで、
全裸で雪のヘルシンキを駆け抜けます。

ね?
面白そうでしょ?

1日目に彼が取りに行ったのはなんだと思いますか?

このクイズは皆さんの価値観を試しますね。
答えは「MacBook」ではありません。
「iPhone」でもない。

コートです。

とにかく寒かったんですね笑。
全裸でMacBookをいじっている姿も、
ちょっと観てみたかったですが笑。

コートはすごいぞ、
というのがこの映画を観ると分かります。
全裸人間にとって、
コートは道でおまわりさんに捕まらないための大切なアイテムですし、
夜には毛布になり、昼には座布団になります。

では二日目はなんだと思います?

答えは、まだMacBookではありません。

ブランケットです。
まだ寒かったんですね笑。

三日目は?
まだiPhoneではありません。

靴です。
足が痛かったのでしょう。

四日目が秀逸です。

iPhonやMacBookがさすがにこのあたりで登場すると思うでしょう?
その期待は見事に裏切られます。

正解は、、、


、、、


「帽子」

帽子!!!!!!!!

お前、正気か!?

とこのシーンでは思いましたね笑。
コイツもしかしてバカなのか?と。

、、、というトリッキーな選択もありつつ、
一週間、一ヶ月、三ヶ月、、、
と、彼の生活はだんだん豊かになって行きます。

この映画の最後に彼は、
自分の身体を張った1年間の実験を振り返って、
こんな教訓を残しています。

最初の100点は生活(生きる)ためのものだった。
次の100点は生活を楽しむためのものだった。
そして200点以降は、
「持てば持つほどエネルギーを消費していく」ことを実感した。
べつに持つことが悪いことじゃない。
でも、持つと言うことは、ただ持っているだけで、
それを所有し、使い、管理し、維持するのにエネルギーが要る。
その点をわきまえて、
モノを新しく持つということに責任を持って生きていきたい、
と彼は言うのです。

異常に説得力があります。

この映画の唯一にしての最大の不満を最後に述べます。
エンドロールで、彼が選んだ365点が全部フィンランド語で紹介されます。
その部分って、めちゃくちゃ大事だと私は思うのです。

ところが、ところがです。

それが字幕で日本語訳されたのは、
なんと10位まで。
11位以降は、フィンランド語読めないですから、
手がかりなし。
藪の中です。

英語なら把握できましたが、
フィンランド語ですから字幕頼りです。
なんで10位までで「やめちゃった」のか。
そこが一番知りたかったことだし、
この作品の「肝」なのに!
日本の翻訳チームの「分かってなさ」には呆れました。
仕事できない奴らが翻訳したんだなぁ、、、と。



▲▼▼脚本が秀逸賞:『第9地区』▼▼▼

監督: ニール・ブロンカンプ
主演: シャールト・コプリー他
公開年・国: 2010年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/aG92Blo

▼解説:

この映画はかなり印象に焼き付いています。
良くも悪くも忘れることができない映画でした。
ちなみにこの映画、「ロード・オブ・ザ・リング」の、
ピーター・ジャクソンが製作に関わっています。

どういう映画か説明するのが難しいのですが、
まずはこの映画「偽ドキュメンタリー形式」になっています。
映画という虚構のなかで、
ドキュメンタリーというもう一つの虚構を見せる、
「劇中劇」の形を取ります。

それにはちゃんと理由があります。
ドキュメンタリーに登場する「語り手」たちは、
「まさか彼があんなことになるとはねぇ、、」
「彼はあんなことをするべきじゃなかったんだわ、、、」
「思い出すだけでおぞましい!」
などと、「彼」について語ります。

その「彼」とはテレビ番組のリポーターで、
前半彼は喜々として仕事をしています。
舞台は南アフリカ、彼の仕事は、
「宇宙人を差別する番組を作ること」です。

なぜ南アフリカに宇宙人がいるかといいますと、
20年前に「難破」した宇宙船が南アフリカ上空に留まり、
数万人の(見た目が異常に気色悪い)宇宙人が、
行き場所を失います。

国内でいろんな議論が交わされた結果、
南アフリカは国際的な世論に後押しされる形で、
「難民」として気色悪い宇宙人達を受け入れるのです。
20年間で宇宙人達は「大増殖」し、
ヨハネスブルグ近郊の宇宙人たちの居住区「第9地区」の人口は、
なんと200万人を超えます。
その第9地区は今や巨大なスラムになっていて、
薬物、売春などの様々な犯罪および地下ビジネス、
さらには伝染病の巣窟になっています。

地球人は彼らをなんとかして「排除」したいのですが、
「人権団体」の反発があるため過激なことはできません。
最初に語られていた「彼」は、
宇宙人をバカにし差別するスタンスのテレビ番組のレポーターとして、
「第9地区」に立ち入ります。

その先は、どうかご自身の目で確かめてください。

この映画のすごいのは、
「宇宙人」という虚構を借りることで、
さらには後半に「ある仕掛け」を用いることで、
現実世界の「移民・難民」の問題、
そして「差別意識」の問題について、
まんまと考えさせられ、
鑑賞したほとんどの人は、
「無自覚ゆえに罪が重い自らの加害性」について、
まんまと突きつけられることです。
優れた脚本だと思います。


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