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陣内が先月観た映画 2018年7月 『真夜中のゆりかご』他

2018.12.10 Monday

+++vol.051 2018年月6日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先月観た映画 2018年7月

月に一度のお楽しみ、
「陣内が先月観た映画」のコーナー。

タイトルそのまんまの企画です。
先月私がいろんなかたちで観た映画を、
一挙に紹介しちゃうというコーナー。

5本以上観た月だけの限定コーナーとなります。
先月はけっこう観たので、
けっこう紹介できます。

もともと映画を観るほうではありますが、
Amazonプライムのストリーミングで観るようになって、
観る本数が3倍ぐらいに増加しました。
移動中に観れるというのが大きいです。
電車の中やバスの中で本を読むのは少し疲れますが、
映画はノーストレスです。
長時間移動がある月なんかは、
往復の移動だけで4、5本観れたりします。

観るだけではもったいないので、
皆様に紹介しちゃおう、
というのがこのコーナー。

世界一小規模の映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」もやります(笑)。

「おもしろそうだな」と思うやつがあったら、
それをレンタルして観てみる、とか、
あとこれを読んで、観たつもりになって、
誰かに知ったかぶりする(笑)などの
使い方をしていただければ、これ幸いです。

「陣内が先週読んだ本」の
140文字ブリーフィングが好評なので、
映画評論も140文字で試みます。

時短は正義(!)ですから笑。

「読んだ本」コーナーと同じで、
140文字はあくまで「努力目標」です。

*どうしても「ネタバレ」要素をいくらか含みますので、
絶対にネタバレしたくない作品がありましたら、
器用に読み飛ばしてくだされば幸いです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●時をかける少女

鑑賞した日:2018年7月3日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:谷口正晃
主演:仲里依紗、中尾明慶、安田成美他
公開年・国:2010年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/0UGgRuI

▼140文字ブリーフィング:

8年前、仲里依紗が10代だったころの映画です。
いわゆる「アイドル映画」ですね。
ちなみに現在の仲里依紗のご主人は、
この映画で共演した中尾明慶さんです。

完全なるアイドル映画です。
仲里依紗を愛でる映画。

台詞回しはヘタだし、脚本はずさんです。
たとえば、
「タイムトラベルの薬の香りをかいで、タイムトリップした」
と未来人が語るシーンがありますが、
あれは「気化した液体を吸って」とするべきでした。
「香り」にしたことで、説得力が著しく損なわれている。

SFにおける最も大切な「科学的説得力」のところで、
「ネジの締め方が甘い。」
基本的に建て付けの悪い映画です。
まったく感動するところがありません。

細田守のアニメ作品「時をかける少女」が100点としたら、
この作品は15点ぐらい。
仲里依紗が85点以上もっていると考えられるかどうかで、
この作品は評価が分かれるでしょう。
仲里依紗の大ファンにとっては100点越えのはずです。
(409文字)



●真夜中のゆりかご

鑑賞した日:2018年7月7日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典(教会リトリートに向かうバスの中で)

監督:スサンネ・ビア
主演:ニコライ・コスター、ウルリッヒ・トムセン、マリア・ボネヴィー
公開年・国:2015年(デンマーク)
リンク:
http://amzn.asia/dW7Vtww

▼140文字ブリーフィング:

デンマーク映画です。
途中まで観ていて、
「ドイツ語にも似ているが、
でも多分ドイツ語じゃない。
なんだこの言語は、、、」と思いながら、
見終わって確認したらデンマーク映画でした。

この映画、かなり面白かったです。
主人公の赤ちゃんが「突然死」することから物語は動き始めます。
主人公の「壊れ方」、
主人公の妻がそういえば最初から壊れていた感じ、
まったくもって恵まれた環境にある「まっとうを絵に描いた人々」が、
際限なく「壊れていく」様というのは、
ある種のカタルシスをもたらします。

宮沢りえ主演の『紙の月』という映画があるのですが、
この映画で主人公の宮沢りえはちょっとした「横領」をきっかけにして、
数億円という横領に手を染め、「壊れて」いきます。
テーマはまったく違いますが、
それを思い出しました。

傷ついた人を冷徹に観察しつつ、
優しく包む視線は、
是枝監督のタッチにも通ずるものがあります。

あと、デンマークの家がみんなああなのか知りませんが、
主人公の住む家が尋常ではなくオシャレで、
かっこよくて、羨ましかったです。
「マイ・ドリーム・ハウス」です。
私が理想とする家の要素がすべて詰まっていました。
あんな家に住めたら「死んでもいい」ような「夢の家」でした。
そこを舞台に起きるのは「悲劇」なのですが。
(535文字)



●永い言い訳

鑑賞した日:2018年7月9日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典(奥多摩からの帰りのバスで)

監督:西川美和
主演:本木雅弘、竹原ピストル、黒木華、深津絵里他
公開年・国:2016年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/4uuKhoe

▼140文字ブリーフィング:

この映画の西川美和監督は、
『ゆれる』という名作を過去に撮っています。
これは私は映画館に見に行って、
さらに後日レンタルして観ましたから、
2回観ています。
『ゆれる』はオダギリジョーと香川照之の演技が、
めちゃくちゃすごかった。
忘れられない作品です。
特にラストシーンの香川照之の2秒の演技は、
「映画史に残る名演技」だと思っています。
ひとつの顔にあんな重層的な感情を込められるものなのか!
演技に魂を売った「鬼」を観た気がしました。

、、、で、そんな西川監督のこの作品。
面白かったです。
妻(深津絵里)が死んだ日、
愛人と浮気していた作家(本木雅弘)の話。
妻は親友とバスに乗って旅行に行く道で、
転落事故に遭って死ぬのですが、
妻と一緒に死んだ親友の旦那(竹原ピストル)と彼は知り合い、
シングルファーザーとなった竹原ピストルの、
残された子どもたちの子育てに参加することで、
孤独な作家は「他者性」を獲得し、
人間になっていく、というのが筋立てです。

「ゆれる」のときと同じく、
全体に漂う不安定さ、危うさ、怖さ、鋭さが印象的でした。
こういう「不安定な心理描写」は、
西川監督の上手なところなのだろうと思います。
竹原ピストルはプロの役者ではりませんが、
ある種の歌手というのは、
プロの俳優には出せない「空気」をまとっています。
彼もまた「怖さ」と「暖かさ」のある演技で、好感が持てました。
(550文字)



●クソ野郎と美しい世界

鑑賞した日:2018年7月15日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典、電車の中で

監督:園子温(第一部)、山内ケンジ(第二部)、太田光(第三部)、児玉裕一(第四部)
主演:稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛、浅野忠信他
公開年・国:2018年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/1gfGLVJ

▼140文字ブリーフィング:

元SMAPの三人組(新しい地図)の面々が、
それぞれに主演をするオムニバス作品です。
稲垣吾郎主演の第一部は園子温、
香取慎吾主演の第二部は山内ケンジ、
草なぎ剛主演の第三部は爆笑問題の太田光、
三人全員が登場する第四部は児玉裕一が監督しています。
*「草なぎ」は表示不能なのでひらがなになってますが、
 各自で脳内変換してください。

、、、といっても、
過去に作品を観たことがあるのは、
園子温監督だけで、
山内さんと児玉さんはよく知りません。
太田光はこれが初監督作品だそうです。

「総論」を言いますと、「期待外れ」でした。
ライムスター宇多丸もラジオで語っていたのですが、
あまりにも「突貫工事」なため、
それぞれのオムニバスの「パズルのピース」がつながっておらず、
最後に「あそこであれがつながって」という、
オムニバス作品のカタルシスがまったく生まれていません。

ただ「新しい地図」の3人の演技は素晴らしかったです。
特に草なぎくんの任侠演技は素晴らしい。
「アウトレイジ」に続編があるのなら、
是非草なぎくんに出て欲しいと私は思います。
(408文字)



●アイ・アム・サム

鑑賞した日:2018年7月19日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:ジェシー・ネルソン
主演:ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダコタ・ファニング
公開年・国:2002年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/0ifwRaI

▼140文字ブリーフィング:

これは、とても面白かったです。
いわゆる知的障がい者の主人公が、
男手ひとりで娘を育てている。
そこへ児童相談所がやってきて、
「彼は親として刺客がないので、親権を剥奪する」
という裁判を起こす。
「誰もが羨むキャリアと財力をもつ、
 しかし内実は空虚な弁護士の女性」が、
ひょんなことから彼の弁護士となり、、、という筋書きです。
ショーン・ペンの演技がとにかく素晴らしい。
本当に「こういう人」なのだと思えてきます。
ギルバート・グレイプにおけるレオナルド・ディカプリオも素晴らしかったし、
「未成年」における香取慎吾も素晴らしかったけど、
この映画のショーン・ペンも鬼気迫るものがあります。

この映画は「ここがとにかくすごい!」というよりも、
いろんな「佳作点」を積み重ねていって、
結果、「良い映画」になっているという印象です。
満塁ホームランではなく、ヒット6本で4点入ったみたいな。

良い点を挙げていきます。
・まず脇役の精神障害者たちが、
 とてもチャーミングで台詞もオシャレです。

・あと、本作の至る所にちりばめられた、
ビートルズの楽曲とその効果的な使い方が素晴らしい。
ビートルズファンなら、本作は二倍楽しめます。

・カメラワークも良い。
登場人物の気持ちを、カメラの視点の「ぶれ」で表現する手法は、
今では当たり前ですが、公開が2002年ということを考えると、
当時としてはおそらく前衛的な手法で、
それが見事に機能していました。

・子役のダコタ・ファニングが殺人的に可愛い。
この世のものとは思えぬ可愛さです。
あまりにも完成された子役を観ると、
「この子は、可愛さのピークが早く来すぎたのでは、、、」
と、いつも私は心配してしまいます。
親でもないのに笑。
『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツのときも思いました。

・シリアスなテーマを、ユーモアで包むという、
「王道の見せ方」が良い。
展開は「コテコテ」「ベタ」ではあるのですが、
ベタにはベタの理由があります。
やはり、安心するのです。

、、、というわけで、
トータルで、かなりお勧めな映画です。
本作を観ると、スターバックスに行き、
ビートルズを聴きたくなります。
(840文字)



●恋愛適齢期

鑑賞した日:2018年7月29日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典(電車の中で)

監督:ナンシー・メイヤーズ
主演:ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートン、キアヌ・リーブス
公開年・国:2004年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/bvxdhKr

▼140文字ブリーフィング:

大人の恋愛映画。
結構、面白かったです。
期待していなかったのに、最後は引き込まれました。
50代の人気舞台作家のバツイチ女性(ダイアン・キートン)、
60代のプレイボーイのヒップホップレコード会社社長、
「自称:30代以上の女は愛せない男」(ジャック・ニコルソン)、
そして主人公の女流作家の大ファンの、
30代のイケメン外科医(キアヌ・リーブス)の、
「月9ドラマ的な三角関係」です。

展開はコテコテだし、恋敵役のご都合主義感というか、
使い捨て感は日本の北川悦吏子脚本を思わせてちょっと「アレ」ですが、
役者の演技だけでずーっと見ていられるという、
演技が勝利している作品ですね。
ジャック・ニコルソンのモテぶりの説得力がすごいし、
ダイアン・キートンの演技も素晴らしいです。

客観的には、ほとんどの時間、
おじさんとおばさんがのツーショットが映っているわけですが笑、
主観的には思春期の恋のときめきを感じさせてしまうという。
この感じは、日本ではなかなか「成立」しないだろうなぁ。
あまり日本の役者に当てはめて想像できない「何か」があります。
なんだろう、こういうのって。
東西の「恋愛観」の違いというのかな。
今後、考察の価値ありです。
(308文字)



●チェンジング・レーン

鑑賞した日:2018年7月29日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典(早送りで)

監督:ロジャー・ミッシェル
主演:サミュエル・L・ジャクソン、ベン・アフレック他
公開年・国:2002年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/5DU0wGf

▼140文字ブリーフィング:

あまり面白くなかったです。
サミュエル・L・ジャクソンが好きなので観たのですが、
純粋な時間の無駄でした。
ほとんど早送りして、30分で観ました。
接触事故によって重要な契約書類を失った弁護士と、
遅れた20分によって親権を奪われた黒人男性の、
憎しみあいと駆け引きを描くというのが大筋です。
正直、見る必要はなかったですね笑。
LANE(車線)とは人生と「文字通りの車線変更」をかけています。
大学生でも思いつきそうな設定ですね。
(205文字)



●昼顔

鑑賞した日:2018年7月30日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:西谷弘
主演:上戸彩、斎藤工他
公開年・国:2017年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/clBZxcm

▼140文字ブリーフィング:

たしか2014年に大ヒットしたドラマの映画化です。
ちなみに私はドラマは見ていません。
それでもこのドラマのタイトルと、
どんな筋書きかぐらいは知っていますので、
「ちょっとした社会現象」ぐらいの、
インパクトのあったドラマであったことに、
異論の余地はないでしょう。

その「映画版」を観ました。
私は「連ドラが観られない体質」なのです笑。
「10話も観るの??めんどくせぇ」と思っちゃう笑。
「ドラマの映画化」って、
初見のお客さんのことも作り手は考えますから、
10〜20時間の連ドラの内容を2時間に「圧縮」してくれるんですよね。
時間的に非常に効率が良い。

というわけで、
「4年前、なぜこのドラマが
 そんなにも多くの人の心を惹きつけたのか」
という理由の片鱗をつかめるかもしれない、
と思い、映画を観ました。

結果的に、どうだったか?

エンターテインメントとしては、
正直、かなり面白かったです。
でも、「思想性」みたいなものゼロですね。
映画は特にそうなのか、「エンターテイメント」に振り切っています。

断っておきますと、私は「不倫は文化だ(by石田純一)」とは、
1ナノグラムも思っていません。
でも、この数年間、週刊誌で「不倫」がこれだけ騒がれ、
有名人の不倫が、まるで聖書の時代のユダヤの石打ちのように、
世間から「フルボッコ」にされ、そして、
社会的にも抹殺されてしまうという状況には、
ある種の恐怖と言いますか、薄気味の悪さすら感じます。

罪に対して罰が過剰なのではないか、と。
新約聖書のヨハネの福音書の中に、
不倫の現場で捉えられ、
今にも石打ちの刑に処せられようとしている女性と、
イエスが出会う、というシーンがあります。
その場面で周囲の人は、
「この不倫をした女を、
 自らが神であると言っているあなたはどう処遇するのか?」
と問われます。
この質問は「ダブルバインド(二重拘束)」の質問です。
石打ちにすると言えば、「お前は恵みの神ではないのか?」となる。
無罪放免にすると言えば、「お前は正義の神ではないのか?」となる。

この話は有名な話ですから、
おそらく皆さんの多くもご存じのとおり、
イエスは質問には直接答えず、ただこう言いました。
「あなたがたの中で罪のない者が、
 まず最初に石を投げなさい」と。

すると、年長者から順番に、
一人ずつ、石をその場に置いて、
去って行った、と聖書は伝えています。
イエスと女性の二人きりになると、
イエスは彼女に言いました。
「私もあなたを罪に定めない。
 行きなさい。これからは罪を犯してはいけません。」
(ヨハネによる福音書8章11節)

、、、さて。
何の話だっけ?
そうです。
「昼顔」ブーム。
「文春砲」と、不倫石打ち社会。
そしてヨハネによる福音書8章。

全部、不倫の話なのですが、
最初の二つになく、
最後のひとつにあるもの。
それが何か、というのが、
このトピックを読み解くカギです。

それは「赦し」です。

この社会と、福音の提示する世界観の違いは、
「赦しの有無」なのです。

これは「昼顔ブーム」と、
「文春砲」をつなぐミッシングリンクにもなっています。
なぜ、日本の社会はこれほどまでに、
「集団リンチ」と言って良いほど、
「道徳的な自警団による私刑」が横行するのか?
この現象の背後には、単純な心理学的法則があります。

「人は、自らが自らを赦していない罪について、
 他者に対して非常に厳しくなる」という法則です。
フロイト心理学の基本なのですが、
これは「投影の原理」の一種です。

例えば「自分は金に汚い」と薄々思っているが、
それを自分では認めておらず、
そして心のどこかでいつも自分を責めている人がいるとしましょう。
その人は、他者が金に汚いことに関して、
過剰なまでに厳しく、批判的で他責的になります。
「あの人大嫌い!」と本能的に思う人というのは、
自分自身の中にその素因があるが、
普段は抑圧しているゆえの「他者への投影」だという、
「同族嫌悪」も同じ原理で起きます。

「昼顔」ブームの背景には、
「不倫的な快楽に憧れるが、
 そのような自分と上手く折り合いをつけられず、
 自分を赦すことができない日本人の姿」があります。

そのような人はどうなるか?

、、、そうです。
他者の不倫を容赦なく批判するのです。

「不倫を集団で極刑に処する日本人」と、
「不倫ドラマを何より楽しみにする日本人」は、
矛盾しているのではありません。
心理学の投影の原理から言うと、
首尾一貫した行動をしているわけです。

この絡み合った知恵の輪を解くカギは、
「赦し」にあります。
これを聖書の用語で「福音」と言います。

、、、もはや映画評でも何でもなくなってきましたが笑、
映画の話に戻りましょう。

映画「昼顔」には二つのカタルシスがあります。
因果応報的な「懲罰」のカタルシスと、
「不倫の快楽」のカタルシスです。
この両者がバランスをとっています。
主人公に感情移入した鑑賞者は、
「不倫の快楽」と、「それが罰せられる快楽」を、
一緒に味わうことになるのです。
ここまで読んできた読者の皆様は、もうおわかりでしょう。
この二つは、「投影的にセット」なのです。

ですからこの映画は必然的に、
「赦しの不在」を浮き彫りにします。
そうすることで「赦しの必要」を語る、
というのは監督や作り手は意図していないでしょう。
「天的な存在からの赦し」は、一切示唆されていませんから。

作り手が意図しておらず、語られていないので、
私がここで語った、というわけです。

あと、文脈とあまり関係ありませんが、
不倫相手(斎藤工)が隠れて元妻と逢い引きをしていると、
疑い始めた主人公(上戸彩)が言う、
「裏切ったことのある人間は、
 二度と相手を信じることができない」
という台詞が印象的でした。
「正直でいること」は自分のためなのですね。
自分がウソを付くと、他者を信じられなくなります。
それは本当に、本当に辛いことです。
「呪い」と言っても良い。
これは本当に怖い。

めちゃ長くなっちゃいましたが、
「昼顔」評は以上!
(2,264文字)



▼▼▼月間陣内アカデミー賞▼▼▼

世界一小さな映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」を、開催いたします。
主催者、プレゼンターは陣内がつとめます。

作品賞、主演(助演)俳優賞、そしてもうひとつ、
という感じで、ぬるーくやります。
皆さんの映画選考の参考にしていただければ幸いです。


▼作品賞
「真夜中のゆりかご」

コメント:

デンマークの映画という物珍しさも手伝って、
とても興味深く観ることができました。
「主人公が狂っていく話」が、
私は結構嫌いじゃないです。
「主人公狂い系」というジャンルがあるのかどうかは不明ですが、
このジャンルでは他に、
「紙の月」「マシニスト」「日本で一番悪い奴ら」など、
佳作ぞろいです。

映画というのは「一人称に感情移入する」
ことが前提に作られていますが、
その一人称が狂い始めると、
狂った人生を疑似体験できる。
ジェットコースターに乗っている気分を味わえます。
同時に「カメラ=神の目」も、
鑑賞者は持っていますから、
狂った人を冷静に観察する人でもあるんですよね。
そういう意味では1.5人称というか。

このあたりの面白さを味わうには、
没入しながらも頭が冷めている小説よりも、
VR的、「ライドもののアトラクション」的に、
感情を入れやすい映画のほうが、
メディアとして適していると思います。



▼主演(助演)男優賞
ショーン・ペン(アイ・アム・サム)

コメント:

ショーン・ペンの知的障がい者の演技は圧巻でした。
『レインマン』のダスティン・ホフマン、
『ギルバート・グレイプ』のレオナルド・ディカプリオと並びましたね。
脇を固める「施設時代の同級生4人組」のなかには、
本当のダウン症の人も含まれていて、
彼らのチャーミングな会話に心温まりました。



▼主演(助演)女優賞
ダイアン・キートン(恋愛適齢期)

コメント:

この映画におけるダイアン・キートンの位置は、
致命的に大切です。
ジャック・ニコルソンは確かにすごいのだけど、
「換え」が聞く。
あれがアル・パチーノでも、
「成立」はするんです。
しかし、ダイアン・キートンの位置が別の女優ですと、
たぶん全く違うニュアンスの映画になっていたことでしょう。
彼女が彼女の位置にいることで、
この映画は絶妙なバランスで成立しています。
コミカルでありながらシリアスで、
知的でありながらちょっとバカで、
上品でありながらちょっと下品で、、
みたいな両義性を、上手に表現できていました。
素晴らしい。



▼その他部門賞「音楽を効果的に使ったで賞」
「アイ・アム・サム」

コメント:

この映画は、ビートルズのアルバムとして「聴く」ことができるほど、
ビートルズ愛にまみれています。
主人公のサム(ショーン・ペン)が、
ビートルズを愛しているという設定がありますから、
無理矢理「ぶっこんだ」感じもでず、
自然にビートルズの楽曲がなじんでいます。
こういう感じの音楽の使い方は、オシャレだなぁと思います。
他にこういう感じの音楽の使い方をした映画ってあるんでしょうか?
あまり思い出せないです。

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