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陣内が先週読んだ本 2018年8月26日〜9月8日 『共働学者の構想』他

2019.01.16 Wednesday

+++vol.056 2018年9月11日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先週読んだ本 
期間:2018年8月第五週〜9月第一週 8月26日〜9月8日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●あたらしい北海道旅行

読了した日:2018年8月29日
読んだ方法:木村さんに借りる

著者:セソコマサユキ
出版年:2017年
出版社:WAVE出版

リンク:
http://amzn.asia/d/1xT0Sjz

▼140文字ブリーフィング:

こちらの本は、札幌にいる支援者の、
木村さんという方からお借りしました。
木村さんと出会ったのはもうずいぶん前のことです。
たしか2009年とかそのぐらいだった気がします。
グレースコミュニティの益田結師にご紹介いただいて以来、
「なんか感性というか、センスが似ているなぁ」と、
勝手に思っていました。

木村さんが話す内容だとか、
知っているお店だとか、
お勧めしてくださる映画などが、
なんか、「良い所をついてくる」わけです。
しかも、私の知らない良いところを。
「やたらそればっかり猛プッシュしてくるけど、
 それ、もう知ってるから。」
というパターンってありますよね。

木村さんはそれとは逆で、
きっと私の「興味と既知の範囲」を抑えていて、
その少し先を提示してくださる、
非常に「よく分かった人だなぁ」と思っていたのです。
(一方的にかもしれないですが)

2013年に私が病気を経験してから、
さらに木村さんとの心理的距離はさらに近くなりました。
(これも一方的かもですが笑)
というのも、私の鬱病の回復の、大きなヒントといいますか、
「難題を解くための補助線」の役割をしてくれたのが、
北海道浦河にある「べてるの家」という、
障がい者のコミューンの考え方だったのですが、
木村さんはなんと、私が病気になる前から、
もう何年も、そこで行われる「べてるまつり」というイベントに、
参加し続けていた、ということを聞いたからです。

仕事復帰後に、「べてるの家」のことなどもお話をするなかで、
私が病床に伏せっていた間、
木村さんは、わがことのように心配し祈って下さっていた、
ということも強く伝わりました。

というわけで、私からしますと木村さんは人生の大先輩ですが、
気取らず、気を遣わせず付き合って下さるので、
「年の離れた友人」のように感じており、
今回も千歳から東京に戻るタイミングで、
木村さんのお勧めのカフェに連れて行っていただいたのです。
その際の参考に、と、事前にこの本を貸して下さいました。

、、、という長い前置きのあとで、本の紹介です。
面白かったです。
様々なお店を紹介するのですが、
店を紹介しているようでいて、
人の生き方を紹介している本です。
この本に登場する多くの店主たちに共通するのは、
東京などの大都市の会社勤めを経て、
途中でリタイアし、独立して、移住先を探して、
自分の力で食べていくことを選んだ結果が、
工芸、陶芸、デザイン、本屋、カフェ、パン屋、チーズ屋、
皮革製品屋、ゲストハウスなどたった、ということです。

また多くの店主が世界各地を旅する経験をしたあとに、
人生が変わっている、というのも印象的です。

たしかに世界を回ると、
「人間って、いかようにでも生きていける」
という気持ちになるのは非常に分かります。
日本社会の「世間が敷いたレールを外れたら死ぬ」
みたいな洗脳が、海外に行くと解けるわけですね。

「生き方図鑑」としてのこの本は面白いですが、
それは著者のセソコマサユキさん自身が出版社を辞めて沖縄に移住し、
フリーのライターとして生活しているわけなので、
セソコさんもまた「彼らのひとり」だからなのだと思います。

この本に登場する函館の「山田農場チーズ工房」の、
山田圭介さんという方は、次に登場する、
新得共働学舎にいた人だったりして、
旅のなかで「リンク」する感覚も楽しめました。
(1,352文字)



●共働学舎の構想

読了した日:2018年8月26日
読んだ方法:土畠氏に借りる

著者:共働学舎(宮嶋望)
出版年:1973年
出版社:新得共働学舎

リンク:(共働学舎のHPのリンク)
http://www.kyodogakusha.org/
 
▼140文字ブリーフィング:

この本は滞在先の北海道の「定宿」、
土畠氏のお宅にて読みました。
そもそも今回、共働学舎を見学してみたい、
と思うようになったのは土畠氏が2年前にここに立ち寄り、
「きっと俊君はヒットするに違いない」と勧めてくれたのがきっかけです。

それから共働学舎代表の宮嶋望さんの本を何冊か読み、
ここには「べてるの家」にも通ずる、
「たいせつな何か」があると直観して見学することにしました。
土畠氏が2年前に共働学舎で購入した、
書店では入手できないパンフレットがこれです。

一通り読んだ後に、
この文章が1973年に書かれているのを知り二度驚きました。
現在でもまったく有効な言葉です。
二箇所引用します。


→P16〜17 
〈共働学舎は、これらの願いと祈りをもって始められた、
独立自活を目指す教育社会、福祉集団、農業家族です。〉

→P20 
〈共働学舎は、一般社会から遊離した保護施設ではありません。
大人も若者も子どもも、与えられている賜物をその多少によらず、
精一杯働かせて生きねばなりません。
生命がある限り、どんな人にもその責任があります。
弱者とされる前に自分の弱さに負けて甘えている人が多いために、
まず自分の弱点とたたかわねばなりません。
そして常に共に働き、必要なことを共に学び、
全体が一つの家庭のような舎(いえ)となることを
最も望ましいあり方と考えています。〉


「教育社会・福祉集団・農業家族」
という、聞き慣れない言葉の羅列が、
彼らの「自己規定の難しさ」を表しています。
彼らは「自分が何ものであるか」ということを、
既存の社会に流通している言葉では定義しきれないわけです。

祈りによって始められたが、宗教施設ではない。
障がい者と共に生きるが、福祉施設ではない。
チーズを作って売っているが、酪農業ではない。
経済活動を営んでいるが、株式会社ではない。
経済活動の外の共同体だが、血縁的な意味での家族ではない。

つまり、彼らの「文脈」が、
既存の社会の文脈と違うわけです。
近代産業社会がx軸(経済)、y軸(医療)という、
平面上の言葉しか持たないとしたら、
彼らは立体的に斜めに走っている。
だから、「投影」としての言葉でしか、
近代産業社会に向けて、自らを表せません。
北海道の「べてるの家」もまた、
まったく同じ傾向を感じました。

時代は「ポスト近代産業社会」に向かうと言われています。
彼らは実は、100年後には標準的な生き方を、
今既に先取りしているだけなのかもしれない、
と私は解釈しています。
(999文字)



●東大入試 至高の国語「第二問」

読了した日:2018年9月8日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:竹内康浩
出版年:2008年
出版社:朝日選書

リンク:
http://amzn.asia/d/hz3dkJP

▼140文字ブリーフィング:

この本は、とあるメルマガ読者の方から教えてもらいました。

東大入試の現代文の第二問は、
「めちゃくちゃ尖っている」ことで有名なんだそうです。
私は東大受験を試みたことがないので知りませんでしたが、
身近にいる東大OBに、いつか聞いてみます。

、、、で、著者はこの「東大現代文第二問」が、
受験生にどんな「メッセージ」を発しているのかを読み解いていきます。
著者が推論する、東大からの東大受験生への、
「メッセージ」とは、「死」と、
そして「円環的時間構造」です。

解説していきます。

著者はまず金子みすゞの、
「鰯の大漁の祭りと同時に、海の底では鰯の葬式が行われている」
という、出題された詩を紹介します。
これが鍵になってきます。

そこには「存在の罪」とか、「食う罪」
(創世記の原罪も果実を食う罪だったことに注目!!)といった、
人類の不可避な「原罪」が強調されています。
その「原罪」は常に人類社会から、
組織的に巧妙に隠されるのですが、
宮澤賢治(デクノボー)や金子みすゞのような詩人たちは、
それに気づいています。

それに気づくと何が分かるか?

それは「命の円環構造」であり、
時間の円環構造であり、
食物連鎖的な円環的時間観です。
この時間観は、「債権者の倫理」=ピンポン式倫理から、
「負債者の倫理」=ドミノ式倫理
(パウロの負債と同じ。私はAさんに良くして貰ったから、
Bさんに良くする、という)への転換をもたらします。

私たちは命のリレーのなかに不可避的に組み込まれています。
私たちは死屍累々の山の上に立っているのです。
だからこそ、次のリレーをつなぐという意味で、
倫理的に生きようと願うという、巨視的な、
そして非常に東アジア的・日本的な視点を、
東大入試は問うているのではないか、
と著者は深読みしています。

西洋と東洋の時間観の一番の違いは、
西洋のそれが直線であるのに対し、
東洋は円環であることです。
「聖書は始まりと終わりがあるから直線」
というのは短絡的です。
それは「西洋の直線的な思考」によって聖書を読んだ、
「西洋キリスト教神学」の説明でしかありません。

そして、ユダヤは西洋ではありません。

では、聖書の時間観は円環なのか?
「円環でもあり直線でもある」
というのが私の聖書の読み方です。

なぜか。

聖書には終わりと始めがあります。
始点(創世記)と終点(黙示録)がある。
インド哲学の言うような「永遠のループ」ではない。
しかし聖書は、「ひとりの人(アダム)」ではじまり、
「ひとりの人(キリスト)」で終わります。
「いのちの木」は、創世記と黙示録にだけ登場します。
(箴言に例外的に一度出てきますが)
物語としての旧約聖書を読むとき、
そこに弁証法的な「反復」があるのが分かります。
ノア、ヨセフ、モーセ、ダビデ、預言者たち、、、
というように、繰り返しキリストの「予表」が現れるわけです。
これは歴史が「反復」しているようでいて、
確かに進んでいる、という「らせん構造」になっていると、
私は読んでます。

以前は注解書などに書いているそのまんま、
「東洋は非聖書的で円環」
「西洋は聖書的で直線」と、
バカのように信じ込んでいましたが笑、
この数年で私の考えは変化し、
聖書の時間観というのは「らせん」だと、
今は考えるようになりました。
らせんは上から見れば円環ですし、
横から見れば起点と終点を持つ直線ですから。

出題された金子みすゞの詩が名作なので紹介します。
「蜂と神さま」というのがそのタイトルです。


→P51 
〈「蜂と神さま」

蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。

そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂のなかに。〉


どうでしょう。
神をよく表現しています。
神は宇宙を包み込むと共に、
私の鼻毛と鼻毛の間にも偏在するのです。
いや、ホントに。
冒涜とかじゃなくて、マジでマジで。

こういう「マクロ」と「ミクロ」が、
一瞬でひとつになるレトリックというのは、
やはり東洋ならではのもので、
西洋の詩人からはこういう詩は出てこないんじゃないかなぁ、
と私は思っています。
(1,655文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

ご紹介した本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:共働学舎の構想

コメント:

「共働学舎の構想」はパンフレットですが、
インパクトがありました。
Amazonでも買うことができません。
欲しい人は新得町の共働学舎まで行くか、
長野県の共働学舎、
もしくは東京の本部に行ったら買えるかも。

じっさいに見学もさせていただき、
この働きに私も賛同し、
正会員として活動に参加することにしました。
「正会員」といってもそんな大げさなものではなく、
年6,000円の会費を寄付として納めることと、
年に一回の総会に参加すること、
というのが正会員の参加方法です。
私自身が非営利組織の成員であることもあり、
様々な非営利組織を私は応援するようになりました。
(金子みすゞの論理です。
 Aさんに良くして貰ったから、
 私はBさんに良くするわけです)
支援の金額には様々なものがありますが、
その団体数(個人数)は、全部で10近いんじゃないかな。
無鉄砲に決めているわけではなく、
毎回、お祈りして、支援することを決めています。

「共働学舎」の場合、
東京に住んでいるので日程が合えば総会に参加できますし、
今回案内していただいた村上さんという、
有機農業の実践家の方とも、
また会えるというのが魅力だと思いまして。

あと、じっさい共同生活を行っている、
精神疾患者の方々が生き生きと、
台所でジャガイモの皮を剥いたり、
有機農園で雑草を一日中抜いていたり、
そういう姿が、「なんかいいなぁ」と思ったので。
こういうものに投資(寄付)できるというのは喜びです。



▼▼▼部門賞▼▼▼

ご紹介した書籍の中から、
陣内の独断と偏見で、
「○○賞」という形で、
特筆すべき本をピックアップします。
こちらも何かのご参考にしてくだされば幸いです。

▼「旅情賞」
あたらしい北海道旅行

コメント:

旅先で読む本というのは記憶に焼き付きます。
今回も、道東のホテルの一室や、
十勝の国民宿舎の部屋で、
この本をぱらぱらとめくりました。
出張中って、がっつりと集中して本を読むほどの、
まとまった時間がないので、
読書は細切れになりがちですが、
でも、内容はやたらと脳に焼き付きます。
「あぁ、あそこに行く飛行機のなかで読んだなぁ」とか、
「あの港でフェリーを待っているときに読んだなぁ、」
という本というのは、不思議と、
内容を鮮明に覚えているのです。
旅と読書は相性が良い。
旅とInstagramよりも、
私は断然「旅と本」ですね。

この本も「旅のお供」になりました。
今週は愛知県に出張ですが、
どんな本を持っていこうか今から悩んでいます。
「どの本を持っていくか悩んでいる間」が、
旅行(もしくは出張)の、いちばん楽しい時間です。
さほど読まない(読めない)ことも多いですが、
それでも、やはり。

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