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陣内が読んだ本 2018年10月21日〜11月10日 『フリーエージェント社会の到来』他

2019.03.20 Wednesday

+++vol.065 2018年11月13日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先週読んだ本 
期間:2018年10月21日〜11月10日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。



●脳科学からみた「祈り」

読了した日:2018年10月24日
読んだ方法:けいちゃんに借りる

著者:中野信子
出版年:2011年
出版社:潮出版社

リンク:
http://amzn.asia/iX94X08

▼140文字ブリーフィング:

義理の母から借りました。
潮出出版って、創価学会系の出版社だというのを初めて知りました。
私は学会員ではありませんが、
だからといってその出版社のものを禁忌するわけでもありません。
そこに書かれていることが良いか悪いかだけが問題です。
キリスト教出版社から出ているゴミみたいな本(失礼)もありますし、
仏教系の出版社から出ている素晴らしい本もあります。

これは本当に。

本書では脳科学者である著者が、
「利他的に生きることが幸福をもたらす」という、
聖書をはじめとする様々な宗教の教えが、
脳科学的にも実証されてきている、ということを論証しています。
けっこう面白かったです。
引用します。

→P70〜72 
〈人間の脳では、ほめられる、他者から良い評価をされる、
などの社会的報酬を得ると、金銭的な報酬を得たときなどと同様に、
「線条体」という、快感を生み出すのに関わる脳内の回路
――これを「報酬系」といいます――
の一部が活動することがわかったのです。

では、利他行動を取るとき、誰かから誉められなければ、
大きな快感を得ることが出来ないのでしょうか?

じつは、「他者からの良い評価」は必ずしも必要ではないのです。

人間には、人間の行動をつぶさに監視する機能を持つ
内側前頭前野の働きがあります。
これは天台大師の『摩訶止観』巻八に説かれる
「同生天(どうしょうてん)」「同名天(どうみょうてん)」
の働きを思わせるような部分で、
自分の行動をいちいちを記録したり評価したりするところです。

誰かから誉められなくても、
自分の内側前頭前野が自分の行動を「すばらしい!」と評価することにより、
非常に大きな快感がもたらされるのです。
これが、いわゆる「社会脳」と呼ばれたりする機能の一つです。

つまり、心の底から人々の幸福を願っての利他行動なら、
たとえ誰にも誉められなくてお、
そんなことでは幸福感はまったく揺らがないのです。
見返りなど必要ないくらい、大きな快感があるのが利他行動です。
そして自ら進んでやろうとする利他行動こそ、
最も大きく、持続的な幸福感に結びつくのです。〉


、、、本当の「利他行動」は、
「承認欲求」と結びついていません。
利他的に行動した結果、相手が感謝しなかったので腹が立った、
というのは実は「利己的行動」です。
イエスが「施しをするときに自分の前で鐘を鳴らす人は、
すでに報いを受けている」と言っているのはこのことです。
承認欲求を満たすために「表面上の利他的行動」をしても、
脳はそのことを知っていますから「本当の報酬」は得られない。

人間の脳は、
「感謝や評価をされなくても、利他行動それ自体を報酬として受け取る」
ように出来ているので、
誰も見ていなくても、誰からも評価されなくても、
他者の幸せを願って行動したときに、
本当の幸福をもたらすように出来ています。
イエスが「施しをするときは隠れたところでするように」
と言われたのはこういうわけです。
「そうすると、隠れたところでみている、
 天の父が報いて下さる。」

愛したことの報いは、
愛したことそれ自体なのです。
(1,243文字)



●筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

読了した日:2018年10月25日
読んだ方法:Amazonプライムリーディング

著者:テストステロン
出版年2017年
出版社:KADOKAWA

リンク:
http://amzn.asia/d/49i244j

▼140文字ブリーフィング:

『人生の99.9%の問題は筋トレで解決する』
を書いたテストステロン氏、、、
もとい「尊師」による、
栄養学の本です。
*注:「尊師」はギャグですからね、ギャグ。

筋トレやってる人って、
栄養学とかにめちゃくちゃ詳しくなります。
それもそのはずで、
筋トレって言うのは、ダンベル持ってる時間は、
全体の3分の1の重要性しかないからです。
残り3分の1は食事(栄養)で、
もう3分の1は休息です。

こんな「スポーツ」は他にありません。
尊師はこの本で「マクロ管理法」という、
栄養管理法を解説しています。
私もそろそろ採り入れようかと思っているところです。
引用します。

→位置No.514 
〈マクロ栄養素を算出するために覚えることは次の3つだけだ。
1.タンパク質は体重の数値の2倍
2.脂質は総カロリーの25%
3.炭水化物は総カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数を引いたもの
 
先ほどの「170cm、60kg、35歳、アクティブ度高め、
1日の消費カロリーが2574kcalの人」の場合、
減量を目的としたとき、1日の総カロリーは2059kcalになる。
この2059kcalをベースに、1日に摂取すべき栄養素を考えてみよう。

・P(タンパク質)の摂取量
タンパク質(P)は、体重の数値の2倍(体重が60kgの場合は60gの2倍と換算)
 ↓
必要なタンパク質は60×2=120g
 ↓
タンパク質1gは4kcal
 ↓
120×4=480kcal

・F(脂質)の摂取量
脂質(F)は、総摂取カロリー25%
 ↓
2059kcal×0.25=515kcal
 ↓
脂質は1gで9kcal
 ↓
515÷9=57g

・C(炭水化物)の摂取量
タンパク質(P)と脂質(F)を除いた残りのカロリー
 ↓
2059kcal−480kcal(タンパク質)−515kcal(脂質)=1064kcal
 ↓
炭水化物1gは4kcal
 ↓
1064kcal÷4=266g

まとめると、1日に摂取すべきマクロ栄養素は、
・タンパク質(P)120g
・脂質(F)57g
・炭水化物(C)266g
となる。〉


、、、めちゃシンプルです。
「摂取カロリーが消費カロリーを下回る」以外の、
「痩せる方法」はすべてデマだと考えて間違いがありません。

本当に。

なぜか?

物理学の熱力学第二法則に逆らうからです。
「●●さえ食べれば痩せる」というのは、
聞く前から嘘だと思って聞きましょう。
ちなみに今私はバルクアップを目指していますので、
摂取カロリーが消費カロリーを少し上回るように生活しています。
4月から数えて、6キロほど体重を増やしました。
着れていた服が着られなくなるという悩みが出てきました。
(1,046文字)



●組織の掟


読了した日:2018年10月31日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:佐藤優
出版年:2016年
出版社:新潮新書

リンク:
http://amzn.asia/d/hEE077A

▼140文字ブリーフィング:

佐藤優氏は今はベストセラー作家ですが、
もともとは「組織人」です。
外務省という典型的な日本型の組織で働いていた著者の視点は、
「組織というジャングルを生き抜くサバイバル術」として面白いです。
組織は魑魅魍魎が跋扈する世界です。
組織は常に責任を回避し、
組織を護るために個人を切るという本能があります。
そのなかで組織に属しながら、
どのように個人の自己実現を果たすのか?
組織の愚痴を言うだけの人は無能の証です。
組織の理論と個人の理論、
この複雑な連立方程式を解くしたたかさが必要なのです。
(237文字)



●人物叢書 津田梅子

読了した日:2018年10月31日
読んだ方法:

著者:山崎孝子
出版年:1962年
出版社:吉川弘文館

リンク:
http://amzn.asia/d/34QwDIX

▼140文字ブリーフィング:

同じ教会に、岡田聡さんという、
素晴らしい信仰者そして起業家の方がいます。
彼は戸田市に住んでいまして、
私が戸田で仕事があったりすると、
夕食をご一緒して2、3時間ぐらい語り合います。
前回語り合ったとき、何かの拍子に明治〜大正の時代に、
国に影響を与えたキリスト者たちの話になりました。
内村鑑三、新渡戸稲造、新島襄などなど。
私は去年、自由学園の創立者、羽仁もと子の伝記を読んで、
感銘を受けていたのですが、
そのとき岡田さんの口からでた津田梅子に関しては、
まったく知識がなかった。
なので、さしあたり伝記的な本書を読みました。
めちゃ面白かったです。

まぎれもなく明治初期というのは日本にとって、
「激動の時代」でした。
あらゆる価値体系が揺さぶられ、
あらゆる前提が覆った。
そう、現代がちょうどそうであるように。

面白いことにあの激動の時代というのは、
日本に「私塾」がたくさん出来た時期でもあります。
そもそも明治を作ったのは「松下村塾」という私塾ですし。
明治初期には福沢諭吉の慶應義塾を筆頭に、
たくさんの私塾が出来たわけです。
それだけ激動の時代に、「未来を担う人材を養成する」
ということは、国家だけではなしえない、
「オールジャパンの取り組み」だったということです。
津田梅子が創立した津田義塾もそのひとつです。
日本初の「女性留学生」だった彼女は、
もともと公的機関で英語を教えていましたが、
それは彼女が考える未来の人材を育成するには、
どうも不十分だと思った。
彼女は「自分サイズの教育」が必要だと考え、
私塾創立にいたります。

実は私自身も、個人的なライフワークと言いますか、
人生のテーマのひとつとして「私塾」というキーワードを持っています。
このメルマガもその一環と捉えられなくもない。
私にとって津田梅子の生き方、
その「自分サイズの教育機関を作ること」に対する姿勢。
徹底して名声やブランドよりも「実」を取る姿勢などが、
非常に参考になると同時に励ましを与えてくれました。

→P185〜197 
(開塾の挨拶より)、
「わたくしが十数年来教育に関係いたしております間に、
深く感じたことが二つ三つあります。
第一は本当の教育は立派な校舎や設備がなくても
出来るものであるということであります。
よい教室や書物、その他の設備も
出来るならば完全にしなければなりませんが、
真の教育には物質の設備以上にもっと大切なものがあると思います。
それは一口に言えば、教師の資格と熱心と、
それに学生の研究心とであります。
こういう精神的の準備さえ出来ておりますならば、
物質的の設備が欠けていましょうとも、
真の教育はできるものである、と私は考えております。」
 (中略)
来賓の祝辞もなく、新入生の言葉もなく、
いわゆる開校式らしい華やかさはどこにもなく、
まことに素朴な開校風景であった。
従ってこの日のことは、「塾日誌」に記された
わずか二行のことば意外に実証的な記録は何も残っていない。
一葉の記念写真もないのである。
梅子が私塾創設の志を抱いてから
十年の月日が流れた後の出発点としては、
むしろあっけないといいたいほどであろう。
資金を集め、設備を整え、華やかに宣伝を展開し、開校することも、
梅子の経歴と力を持ってしては不可能ではなかったであろう。
しかし、梅子はこうしたことを一切退けた。
十年間かかって考え、準備し、決意したことは、
虚飾・虚栄・虚名その他すべて真実ならざるものを
振り捨てると言うことではなかったであろうか。
 (中略)
一番町の塾は「女子英学塾」の看板は掲げていたものの、
もとより普通の住居である。
学校らしい設備は何一つもっていなかった。
この塾において教師も生徒も貧しさ不自由さを共に分かちつつ、
ゆたかな学生生活を営んでいた。
名よりも実をとった梅子の第一歩はこのようにして、
大地を踏みしめたのである。〉


、、、津田梅子が一軒家を借りて始めた「女子英学塾」は、
現在「津田義塾大学」として知られています。
なんとこの大学、
私が現在住んでいる隣町の小平市にあるじゃないですか。
自転車で行ける距離です。
機会があったら訪れたいと思いました。
(1,667文字)


▼参考リンク:岡田さんの会社「シードコンサルティング」
https://seed-consulting.jp/



●絶唱

2018年11月5日読了
読んだ方法:図書館で借りる

著者:湊かなえ
出版年:2014年
出版社:新潮社

リンク:
http://amzn.asia/d/2PbRhx8

▼140文字ブリーフィング:

先週、『ユートピア』を読んで、
やっぱり湊かなえは面白いなぁ、
と思いこちらも手に取りました。
こちらは4章からなるオムニバス短編が、
パズルのピースのようにつながる、湊かなえお得意の手法です。
ただ、全体のトーンはかなり異質です。
それはおそらく、阪神淡路大震災に関する、
作者自身のトラウマの吐露が含まれているからでしょう。
あるパートに関しては著者の実体験にかなり近いそうですから。
これが書き上げられたのは2011年の東日本大震災を跨ぐころですから、
彼女ほどの文才をもってしても、95年の阪神淡路大震災という、
心の傷を物語にするのに、15年以上かかった、ということなのでしょう。
人間の心というのは複雑であり機械とは違いますので、
たとえば東日本大震災の「総括」なんて、簡単にできるものではありません。
私も「死ぬまでに言語化できたらいいかな」ぐらいに考えています。
(375文字)



●フリーエージェント社会の到来 組織に雇われない新しい働き方

読了した日:2018年11月7日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:ダニエル・ピンク
出版年:2014年
出版社:ダイヤモンド社

リンク:
http://amzn.asia/d/8NvqiVy

▼140文字ブリーフィング:

7月にメルマガで、『モチベーション3.0』
という本を紹介しました。
覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
『モチベーション3.0』の著者ダニエル・ピンクを、
一躍有名にした「出世作」です。

彼はもともと、クリントン政権時代に、
ワシントンDCで大統領のスピーチライターをしていました。
ところがその「組織の中でガチガチに働く」ことに、
ある日過労で吐き気に襲われたことで気がつきます。

彼は速やかに組織を去り、
自宅のガレージで「フリーエージェント」として働き始めます。
ワシントンDCというのは日本でいうと「永田町・霞ヶ関」ですから、
官僚や政治家とのコネクションを彼は持っていました。
彼はそのコネクションを使い、国勢調査の責任者に面会にいきます。
現代のアメリカの国勢調査は、
3000万人いるといわれるフリーエージェントを、
そもそも最初から前提としていないため、
実情を反映していないのではないか、
ということを提言するためでした。
責任者は彼にこう言います。
「あなたの言ってることは最もなのだけど、
 まぁ、察してくれや」

巨大な官僚組織というのはどこの国でも硬直化する運命にありますから、
社会の変化に追いつけないのです。
彼は「じゃあ分かった。俺が調査します。」
といって、自家用車に乗り、全米を横断して、
何百人というフリーランスで働く人々に、
インタビューをして実地調査をします。
そうして書かれたのが本書です。

私も事実上、フリーランスとしてかれこれ10年ぐらい活動してますから、
かなり勇気づけられ、かなり「これでいいんだ」という確信を深め、
かなりヒントを貰いました。

本書が英語で書かれたのは2001年ですが、
和訳されたのは2014年です。
この13年の開きが、アメリカと日本の変化のスピードの開きです。
(そしてもしかしたら、
 00年代に日本経済がアメリカに水を空けられた原因とも、
 どこかでつながっているかもしれません。)

本書執筆当時「アメリカには3300万人のフリーランサーがいる」
と著者は言っていますから、
現在ではさらに膨れあがっているのは間違いありません。
著者は、フリーエージェントが登場した4つの背景を指摘していますが、
これは言うまでもなく、日本社会にも押し寄せている変化です。

→P62〜63 
〈経済の子ども時代の終焉、小型で安価な生産手段の登場、
経済の繁栄、組織の短命化。この4つの材料を混ぜ合わせて、
10年間かけて調理して生まれたのが、
3300万人のフリーエージェントたちなのだ。
 (中略)
フリーエージェントという働き方が登場した背景には、
4つの重要な変化があった。

1.従来の労使間の社会的契約、
すなわち従業員が忠誠心と引き換えに
会社から安定を保障して貰うという関係が崩壊した。

2.生産手段(富を生み出すのに必要な道具)が
小型で安価になって個人で所有できるようになり、操作も簡単になった。

3.繁栄が社会の広い層に行き渡り、しかも長期間続いている結果、
生活の糧を稼ぐことだけが仕事の目的ではなくなり、
人々は仕事にやりがいを求めるようになった。

4.組織の寿命が短くなり、
人々は勤め先の組織より長く生きるようになった。〉

著者が指摘しているのは、
「大きな組織に個人が自由を差し出し、
 それと引き換えに安定と報酬を得る」
という働き方のスタイルは、巨視的に歴史を見た場合、
19世紀から20世紀だけの一時的な現象だということです。

なぜか。

製造業が主軸産業だと「規模の経済」が働くからそうなるのです。
18世紀には靴職人、画家、大工、船乗り、農家、、、
全員、フリーランサーだったのです。
21世紀にはそれが元に戻るだけだ、と著者は言います。

私は10年間フリーランサー的に働いています。
めちゃくちゃ大変な部分もあります。
巨大組織に属するというのは、「30年後の給料が計算できる」
ということですから。
フリーランサーは、明日の収入の保障もありません。

しかし、その「保障」ってなんなんでしょう?
とも思います。
新約聖書のヤコブ書には「来年あそこで商売しよう」
と計画している人に、警告がなされています。
「あなたたちは明日生きてるかどうかすら、
 自分で計画できないじゃないか。」と。
これは現代の「組織に属していれば将来安泰」と考える人にも、
当てはまる警告です。

フリーランサーに「保障」はなく、「庇護」もありません。
スパイダーマンの名言を借りれば、
「大きな自由には大きな責任が伴う」のです。
しかし、10年やってみて私が確信しているのは、
この「大きな自由」はその大変さに見合う報酬がある、
ということです。

それは、
「私は今、自分にしか出来ない仕事を、
自分に与えられた能力を使って、
社会のために還元し、神の栄光のために働けている」
という圧倒的な充実感と、
そして、地獄の通勤時間がないことで、
家族との時間をたくさん過ごせること。
子育てにいつでも協力できること。
「定年後の不安」がないこと。
だって、もう私は「早めの定年(退職金・年金なし)」を、
すでに10年前にスタートさせているのですから。
組織を辞めると地獄ですが、
地獄の先には大きな祝福がまっています。
(あくまで個人的な体験なので、
 一般化するつもりはさらさらありません。
 結局のところ、それぞれの人生というものは、
 その人が選択するしかないのですから。)
(2,063文字)



●思考する言語(上) 「ことばの意味」から人間性に迫る

読了した日:2018年11月7日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:スティーブン・ピンカー
出版年:2009年
出版社:NHKブックス

リンク:
http://amzn.asia/d/2H8tTdG

▼140文字ブリーフィング:

やばい。文字数が足りなくなってきました。
こちらは、「人間の本性を考える」の著者、
スティーブン・ピンカーの、「言語」に関する本です。
かなり難しかったです。
というのも著者は英語の動詞を研究している人で、
「動詞」と「脳の働き」にはどんな関係があるか、
ということを綿密に考察するというのが本書の内容ですから。
日本語ですら難しいことを、英語でやられるとかなりキツイ。
今年面白かった本ベスト10に必ずランクインする、
『中動態の世界』で書かれていたことにかなり近いと思いました。
(232文字)



●なぜ世界は存在しないのか

読了した日:2018年11月7日
読んだ方法:柳沢美登里さんに借りる

著者:マルクス・ガブリエル
出版年:2018年
出版社:講談社新書メチエ

リンク:
http://amzn.asia/d/d1syJYu

▼140文字ブリーフィング:

こちらは、FVIの柳沢美登里が読んで、
面白いよ、とお勧めされていた本です。
図書館で予約が100人待ちぐらいだったので、
柳沢さんからお借りしました。
「存在するとは何か」という哲学分野における、
現代の卓越した哲学者がどう考えているか、
ということが分かる面白い本です。

一般向けに書かれているとは言え、内容はかなり難しい。
なるべくかみ砕いて言えばこうなります。
「科学的な唯物論」という実在論が今日の世界では支配的です。
目に見える世界だけがすべてだ、ということですね。
人間というのは結局のところ水分とアミノ酸だし、
この宇宙というのはたくさんの水素原子とヘリウム原子、
そして広大な空間、ときどき炭素がある場所だ、みたいなことです。
日本の知識人にはなぜかこれを支持する人が多いですが、
著者に依れば、この世界観は「完全に破綻」している、
というのです。

その代わりに著者が定立する実在論が、
「意味の場の存在論」というものです。
何かが存在するときそれは、
「何らかの意味の場」に立ち現れるという形でしか存在し得ない。
では、「あらゆる意味の場」を包摂するような「意味の場」はあるのか?
この問いは「世界は存在するのか?」という問いに置き換えられる。
この問いの答えが「その意味における世界は存在しない」ということです。

そうすると人間は不安になる。
だからその「世界」を「物質界」と置き換えたのが近代の、
科学的世界観であると著者は看破します。
しかし、「すべての意味の場を包摂する世界」を人間が作るとき、
それは例外なく偶像崇拝の一形態となる。
だから近代の科学的唯物主義は、
外観は近代的だが、その実は古代の偶像崇拝に似ているのだ、
というのです。

面白いでしょ。

本書の結論部分を引用します。

→P292〜293 
〈意味の場の存在論が、
ハイデガーの有名な表現を借りて言えば
「存在の意味」とは何かという問いに対する、わたし自身の答えです。
存在の意味、つまり「存在」という表現によって指し示されているものとは、
意味それ自体に他なりません。

このことは、世界は存在しないと言うことのうちに示されています。
世界が存在しないことが、意味の炸裂を引き起こすからです。
いかなるものも、何らかの意味の場に現象するからこそ存在する。
そのさい、すべてを包摂する意味の場が存在し得ない以上、
限りなく数多くの意味の場が存在するほかない、というわけです。
それらの意味の場は、互いに連関を為して一個の全体を形作ったりはしません。
もしそうなら、世界が存在することになってしまいます。
さまざまな意味の場が為す連関は、じっさい、
わたしたちによって観察されたり引き起こされたりしますが、
それ自体、つねに新たな意味の場のなかにしかあり得ません。
わたしたちは、意味から逃れることは出来ません。
意味は、いわばわたしたちの運命に他なりません。
この運命は、わたしたち人間にだけでなく、
まさに存在するいっさいのものに降りかかってくるのです。

人生の意味に対する答えは、意味それ自体の中にあります。
わたしたちが認識したり変化させたりすることの出来る意味が、
尽きることなく存在ししている
――このこと自体が、すでに意味に他なりません。
ポイントをはっきりさせて言えば、
人生の意味とは、生きるということに他なりません。
つまり、尽きることのない意味に取り組み続けるということです。〉
(1,377文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

ご紹介した本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:『フリーエージェント社会の到来』

コメント:

これは面白かったです。
日本も近未来に必ず、
「フリーエージェント社会」に近づくでしょう。
それはAI、3Dプリンタ、インターネットとグローバリズムにより、
二次産業的な「規模の経済」が成り立たなくなること、
そして労働集約的なホワイトカラーの機能がなくなることにより、
社会が「フリーランサーの集合体」として形成されたほうが、
競争力を持てるからです。

マルクスは「生産手段の独占による労働の疎外」を説き、
「生産手段を資本家から労働者に取り戻す」ために、
全世界に連帯を呼びかけました。
ダニエル・ピンクは現代を「デジタルマルクス主義」と呼んでいます。
つまり、ムーアの法則により小さく安くなったPC、
インターネット環境の整備、シェアエコノミーの浸透など、
社会インフラの変革により、
「生産手段が労働者の手に取り返されている」のだと。

人気ユーチューバーのHIKAKINを考えて下さい。
20年前なら彼がひとりでやっている、
動画の撮影、編集、アップロード、配信などは、
大手テレビ局と総務省と広告企業と書店とビデオ屋さんと、、
という企業複合体にしかその「生産手段」がなかったのですが、
彼はいまひとりでそれをやっています。
「生産手段」はフリーランサーの手に取り戻されたのです。

その結果訪れるフリーランスの世界というものは、
HIKAKINを観れば分かるように、
決して「お花畑」ではありません。
私も実感していますが、むしろ雇用されて働くよりも、
何倍も厳しく辛い側面もあります。
何より日々は「不安定」の連続です。

しかし10年間フリーランスとして活動をして、
最近強く思うのです。
「終わりなき不安定の積み重ね」こそが、
振り返ったときに「安定」と呼べるのではないか、と。
それは「瞬間において不安定な自転車」が、
500キロ走り終えたとき、
ずっと安定していた、と呼べるのと同じです。
これを「動的安定」と言います。
逆に大企業や自治体など大きな組織に雇われて得られる安定は、
「静的安定」です。
東京都庁のような大きなビルが、
20年立ちつづけていて、
今後50年もおそらく立ち続けるだろう、
という種類の安定。

どちらが本当の安定なのか?

どちらも「本当の安定」には違いないのでしょう。
しかし両者の安定は質的に異なります。

思い出さなければならないのは現代が、
「(比喩的にも文字通りにも)巨大地震が頻繁に起きる時代」
だということです。
福島第一原発の事故を思い出して下さい。
そのような時代に、
一人でこぎ続ける自転車と、
「安全神話」によって支えられた高層ビル、
どちらが「強い」のでしょう?
「強さ」は見た目とは逆のこともあります。

どちらを選ぶのも、その人の人生ですので、
ご自由にしたらいいと思うのですが、
実は現代というのは、
「東京都庁的な安定」というものが、
本当に盤石な安定なのかどうか、
問われている時代なのは間違いありません。



▼▼▼部門賞▼▼▼

ご紹介した書籍の中から、
陣内の独断と偏見で、
「○○賞」という形で、
特筆すべき本をピックアップします。
こちらも何かのご参考にしてくだされば幸いです。

▼「久しぶりに哲学に浸ったで賞」:
『なぜ世界は存在しないのか』

コメント:

「実在とは何か」ということを、
数百ページにわたって延々と語る、
という本書。
いかにもドイツ人らしい「シワの深い議論」が、
延々と続きます。
冬のドイツで、暖炉を囲みながら、
静かにこんなことを対話したら、
本当に豊かな時間だろうなぁ、
と思います。

人間の性格を、国民性でタイプ分けする、
みたいな性格診断を私は観たことがありませんが、
作ったら面白いかも、とときどき思います。

・ブラジルのダンサータイプ、とか、
・アメリカの田舎のおじさんタイプ、とか、
・ニューヨークの女優志望の野心家タイプ、とか、
・韓国の情熱的なオムニタイプ、とか、
・日本の生真面目サラリーマンタイプ、とか、
・ロシアの筋肉ウォッカマッチョ野郎、とか、
・イタリアの陽気な店主タイプ、とか、
・フランスの愛想悪い官僚タイプ、とか、
・イギリスのスノッブな貴族気取りタイプ、とかね。

私はそんな性格診断があったら、
「ドイツの哲学者タイプ」だと自分で思います。



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