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陣内が先月観た映画 2018年12月 『こんな夜更けにバナナかよ』他

2019.05.08 Wednesday

+++vol.072 2019年1月1日配信号+++

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先月観た映画 2018年12月

月に一度のお楽しみ、
「陣内が先月観た映画」のコーナー。

タイトルそのまんまの企画です。
先月私がいろんなかたちで観た映画を、
一挙に紹介しちゃうというコーナー。

5本以上観た月だけの限定コーナーとなります。
先月はけっこう観たので、
けっこう紹介できます。

もともと映画を観るほうではありますが、
Amazonプライムのストリーミングで観るようになって、
観る本数が3倍ぐらいに増加しました。
移動中に観れるというのが大きいです。
電車の中やバスの中で本を読むのは少し疲れますが、
映画はノーストレスです。
長時間移動がある月なんかは、
往復の移動だけで4、5本観れたりします。

観るだけではもったいないので、
皆様に紹介しちゃおう、
というのがこのコーナー。

世界一小規模の映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」もやります(笑)。

「おもしろそうだな」と思うやつがあったら、
それをレンタルして観てみる、とか、
あとこれを読んで、観たつもりになって、
誰かに知ったかぶりする(笑)などの
使い方をしていただければ、これ幸いです。

「陣内が先週読んだ本」の
140文字ブリーフィングが好評なので、
映画評論も140文字で試みます。

時短は正義(!)ですから笑。

「読んだ本」コーナーと同じで、
140文字はあくまで「努力目標」です。

*どうしても「ネタバレ」要素をいくらか含みますので、
絶対にネタバレしたくない作品がありましたら、
器用に読み飛ばしてくだされば幸いです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●イット・フォローズ

鑑賞した日:2018年12月1日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
主演:マイカ・モンロー他
公開年・国:2015年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/1MmrmZ9

▼140文字ブリーフィング:

これはかなり面白かったです。

ここで豆知識を。
アメリカで「イット」というのは、
鬼ごっこの「鬼」のことです。
子どもが鬼ごっこするとき、
じゃんけんで負けた子どもに、
「お前がイットだ」「じゃあ、私がイットね」
と良います。

この映画のタイトルの「イット」は、
「鬼ごっこの鬼」の意味と、
「得体の知れない何か」という意味がかかっています。

さて、この映画ですが、
低予算なのに口コミを通して全米に広がり、
結果的に大ヒットした、という、
日本で言う「カメラを止めるな!」的な映画です。

十代の子どもたちが主人公で、
「セックスをすると、
 『何か』が追いかけてくる。
 誰か他の人とセックスをすると、
 『何かに追いかけられる状態』が相手に感染し、
 自分が自由になるかわりに、
 セックスをした相手が今度は、
 『何かに追いかけられる』ようになる。」
という筋書きです。

は?

何いってんの?

ですよね。

まったく何のことか分かりません笑。

『何か』というのは、
「鬼」なんです。
この鬼は、一度感染した人にしか見えません。
そして、必ず歩いています。
走ることは出来ない。
しかし、どこまでも追いかけてきます。
鬼は、その人の知り合いの姿をしていますが、
何故か卑猥な格好をしています。
裸足だったり、裸だったり。
町中なのに。

怖いでしょ。
ゾンビ映画のようでもあり、
ホラー映画でもあり、
何かしらの教育的・哲学的な要素が背後にあるような香りもします。

たぶん一番近い映画は、
ヒッチコックの「鳥」という映画です。
鳥がひたすらに自分を襲ってくる、
というだけの映画ですが、
得体の知れない不気味さがあります。

なぜホラー映画、ゾンビ映画を人々は観るかというと、
ゾンビや、ヒッチコックならば「鳥」が、
現実の世界に生きるわれわれにとっての「何か」の比喩だからです。

鑑賞者によってそれは変わります。
それは「実存的不安」かもしれない。
ある人にとっては「借金」かもしれない。
ある人にとっては「会社での業績」かもしれないし、
ある人にとっては「家族」かもしれない。

「イット・フォローズ」は、
セックスを媒介して感染する、
というところから、
米国では当初、
「これは性感染症のメタファーであり、
ゆえにこの映画は貞操を守るようにという、
教育的な意味を込めた映画なのだ!!」
という解釈が流布したそうです。

しかし、後のインタヴューで、
監督はこれを否定します。
そうではなく、「イット」とは「死」なのだと。
媒介するものがなぜ「セックス」なのか?
それは、「セックス」が「生きること」の象徴だからだと。
つまり、私たちが生きるというのは、
「死の足音」から逃げる鬼ごっこのようなものだ、
という「根源的不安」をこの映画は描き出したのです。

だから人々は、
「なんかよく分からないけど、
 この映画に引きつけられる」
という状態になり、
低予算にもかかわらず観客動員数が伸びたわけです。

、、、実はこの手法というのは「古典的」で、
先ほどのヒッチコックの「鳥」もそうですが、
カフカの『城』や『変身』、
安部公房の『砂の女』なども、
この系譜に連なります。
(1,249文字)



●奇蹟がくれた数式

鑑賞した日:2018年12月2日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:マシュー・ブラウン
主演:デヴ・パテル、ジェレミー・アイアンズ
公開年・国:2016年(イギリス)
リンク:
http://amzn.asia/d/8qhSTTD

▼140文字ブリーフィング:

私は数学や数学者に関する本を読むのが好きです。
この「ジャンル」には、
『素数の音楽』『フェルマーの最終定理』など、
めちゃくちゃ面白い本がたくさんあります。

、、、で、
結構多くのこれらの本に登場するのが、
彗星のように現れたインドの天才数学者、
ラマヌジャンです。

ラマヌジャンは数学者をして「天才」と言わしめる、
「真正の天才」です。
ある数学者によれば、
「アインシュタインよりも凄い頭脳であり、
とても地球人とは思えない」そうです。

ある日、ケンブリッジ大学の数学者ハーディ卿は、
インドのラマヌジャンと名乗る男から、
膨大な数式を書いた手紙を受け取ります。
どうやらこの男、
正規の教育すら受けていないらしい。

ばかばかしいと思って、
その手紙をしばらく放っておきますが、
ある日それを見てハーディ卿は度肝を抜かれるわけです。
それらの数式が、
「とてつもない内容」だったからです。

ハーディ卿はラマヌジャンを呼び寄せ、
ケンブリッジの寮に住まわせ、
共同研究を始めるが、、、
という実話に基づく話しです。
当時はまだ英国社会において、
「かつて属国だったインド人」の地位は低く、
ラマヌジャンは様々な差別に直面しますが、
ハーディ卿がだんだんと彼を、
「100年にひとりの天才」としてだけでなく、
「友人」として認識していく様は、
胸が熱くなります。

主演はスラムドッグ$ミリオネアのデヴ・パテル。
インドロケをしたインドの映像や、
ケンブリッジのトリニティアカデミーの風景が非常に美しく、
「良い映画を観たなぁ」という気持ちになりました。
(640文字)



●マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

鑑賞した日:2018年12月3日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:マイケル・ムーア
主演:マイケル・ムーア(ドキュメンタリー)
公開年・国:2016年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/8JkPYLD

▼140文字ブリーフィング:

これはめちゃくちゃ面白かったです。
マイケル・ムーアは「左翼的だから」という理由で、
嫌いな人も多いですが、
この映画はオススメできます。

マイケル・ムーアが、
「アメリカは世界各地で、
 軍事的に世界侵略を進めてきた。
 私も世界に飛び出して、
 軍事的ではない方法で、
 米国の世界侵略を進めよう!」
と旅立ちます。

彼は主にヨーロッパ各地に飛び立つのですが、
そこで出会う様々な制度や社会の在り方が、
アメリカとは「真逆」なわけです。
そしてムーアは言います。
「ここに星条旗を立て、
 この『文化的戦利品』を、
 アメリカに持ち帰って良いですか?」

具体的にどんなものがあるかというと、
イタリアのバカンス(年に4週間は皆が取る)、
フランスの学校給食
(1時間たっぷり時間を掛け、一流のシェフが料理する。)、
ドイツの労働観(5時になると皆一斉に家に帰る)と、
過去の歴史への真摯な姿勢(学校でナチスのことを教え続ける)、
スロヴェニアの大学無償化(説明不要)、
ノルウェーの刑務所(受刑者が人間として尊厳ある生活を営む)
女性経営者によって国家的破綻から免れた、
アイスランドの銀行などです。

世界で最もお金を稼ぐ国でありながら、
同時に世界で最も「忙しく」、
食事は「ガソリン補給」のようで、
学校給食はピザとコーラ、
家にも仕事を持ち帰り、
共働きでベビーシッターを雇い、
過去の黒人奴隷への仕打ちや、
日本への原爆投下を「正当化」し、
多くの社会人が地獄の学費ローンに苦しみ、
刑務所ではほとんどの男が「カマを掘られ」、
いまだ社会の多くの場所で、
「男性優位思想(マッチョ主義)」が跋扈する、
アメリカとは確かに逆だ、
とムーア監督は「感動」します。
そして、言うのです。
「私はこれに感動した。
これをアメリカに持ち帰ることにする!」

激怒するアメリカ人もいるかもしれないが、
最後の「アメリカン・ドリームはいまやアメリカの外にある。
しかし、これらはみんなアメリカ生まれだ。
われわれは落としたものを拾うだけで良いんだ」
というメッセージからは、
アメリカではしばしば「売国奴」と軽蔑される、
ムーア監督もまた、真の愛国者だということが伝わります。

実はこの「アメリカ」の部分を、
「日本」と代入しても、
ほぼすべて読み替え可能ですので、
日本人にとっても勉強になる映画です。
(950文字)



●帰ってきたヒトラー

鑑賞した日:2018年12月3日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:デヴィッド・ヴェント
主演:オリヴァー・マスッチ
公開年・国:2015年(ドイツ)
リンク:
http://amzn.asia/d/7FGggaB

▼140文字ブリーフィング:

現代のドイツにヒトラーが甦り、
彼がSNSのスターになる、という筋書きです。
彼をモノマネコメディアンと勘違いした人々は、
面白がって彼を主人公に映画を撮ったりするが、
彼が「本当のヒトラー」だと気づいたのは
第一発見者のフリー映像作家ただひとりでした。
最後に彼は精神病院に入れられてしまい、
「甦ったヒトラー」は、
まさにトランプ大統領的に、
「歯に衣着せぬ物言い」で、
自信を失ったドイツ人たちに、
ツイッターを通して熱狂的に支持され、、、
という筋書きです。
人々が閉塞感をぶち破るポピュリストを求める理由は、
「政治的無関心と無気力」です。
これらが立ちこめているところに、
静電気の発火ほどの火種があれば、
「ナチスの悪夢」は再来するのです。
日本を含め、今全世界にこのガスは充満しています。
(314文字)



●はじまりのうた BIGIN AGAIN

鑑賞した日:2018年12月4日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:ジョン・カーニー
主演:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ
公開年・国:2015年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/2gkOlFN

▼140文字ブリーフィング:

失恋したシンガーソングライターの女性が、
失業したレコードレーベルの創始者に出会い、、、
という話し。
「音楽の力」を純粋に見せてくれる良作でした。
詳しい説明は割愛しますが、
主人公のひとりの音楽プロデューサーの娘が、
ギターを弾くシーンでは涙が出そうになりました。
(128文字)



●ロボコン

鑑賞した日:2018年12月3日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:古厩智之
主演:長澤まさみ、小栗旬他
公開年・国:2003年(日本)

リンク:
http://amzn.asia/d/bbFnDEU

▼140文字ブリーフィング:

酷かったです。
編集がダルすぎる。
テンポが悪い。
そもそもこの映画、
広島県だかそのあたりの専門学校が舞台のはずなのに、
主演俳優のだれひとり、広島弁を話さない。
ここだけで「手抜き」なのが分かります。
この時点で見るのを辞めるべきだった笑。

「ロボコンの競技」自体は面白いですが、
それ以外はD級です。
ただ、15年前の長澤まさみはめちゃくちゃ可愛いですから、
長澤まさみファンのための
「アイドル映画」としては優れています。
(203文字)



●イコライザー

鑑賞した日:2018年12月8日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:デンゼル・ワシントン、クロエ・グレース・モレッツ、
主演:アントワ・フークワ
公開年・国:2014年(アメリカ)
リンク:
http://amzn.asia/d/hDfpHz6

▼140文字ブリーフィング:

こちらは、先週の、
「2018年版・今年観た映画ベスト10」で、
紹介しました。
2018年の、輝ける「第二位」の映画です。

「正義と悪」が脱構築され、相対化される、
「ポストモダン」の時代において、
「それでも絶対的な正義があり、
 絶対的な悪もある」
ということを描ききっています。
詳しくは先週号をご参照下さい。
デンゼル・ワシントン最高!でした。
(166文字)



●トレーニング・デイ

鑑賞した日:2018年12月10日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:アントニー・フーコア
主演:デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク
公開年・国:2001年
リンク:
http://amzn.asia/d/7RQBMWB

▼140文字ブリーフィング:

「イコライザー」が「デンゼル・ワシントン最高!映画」なら、
こちらは「デンゼル・ワシントン最低!映画」です笑。
なんと、この二作の監督は同じ、
アントニー・フーコアです。

こうも真逆な役を同じ監督が同じ役者にやらせる、
というのがすげーな、と思いました。
この映画を観た理由はただひとつ、
『イコライザー』があまりに良かったからです。
同じフーコワ監督とデンゼル・ワシントンのコンビなら、
面白いに違いない、と。

この映画は、
「一線を超えてしまった麻薬捜査官(デンゼル・ワシントン)」と、
その捜査官に訓練される新米刑事(イーサン・ホーク)の話です。

『日本で一番悪い奴ら』という綾野剛主演の邦画があります。
私はこの映画を2018年の夏に観ましたが、
実話に基づく本作は、かなり衝撃の内容でした。
北海道警が「拳銃・麻薬検挙数」を上げるために、
「どちらが犯罪者かわからない」ような手段を使います。
その中心にいた元麻薬捜査官が書いた告発本をもとに、
この映画は作られています。
綾野剛の「ぶっ壊れた演技」にも魅せられましたが、
何よりこれが実話だということに戦慄を覚えました。

、、、で『トレーニング・デイ』は、
『日本で一番悪い奴ら』のアメリカ版と言って良いでしょう。
「蛇の道は蛇」と言いますが、
麻薬捜査官として「麻薬の巣窟」に入っていく刑事は、
「ヤクザより怖い」ですし、
極道より「道を極め」ちゃってます。
こういうことって、今も少なからずあるのでしょう。
すげー世界だと思います。
(660文字)



●チア★ダン

鑑賞した日:2018年12月10日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:河合勇人
主演:広瀬すず、中条あやみ、天海祐希他
公開年・国:2017年(日本)
リンク:
http://amzn.asia/d/2Dt078b

▼140文字ブリーフィング:

この映画、サブタイトルがくせ者です。
「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃった本当の話」
とあるので、オチを先に聞いちゃった漫才を見るような、
複雑な気持ちで期待せずに見ました。

この手の映画で結末を言っちゃってるというのは、
「今から面白い話しをします」
といって話し始めるようなもので、
そうとう自信があるんでしょうね。
さぞ面白いんでしょうね、、、

どれどれ?

という感じで。
がっかりする心の準備をして笑。

結果、どうだったか?

めちゃくちゃ面白いじゃねーかよ(爆死)。

なんだったら、最後ちょっと泣いちゃったじゃねーかよ。
というね笑。

まんまとやられました笑。

先ほどの『ロボコン』で痛い目に遭っていた私は、
設定が福井だったので、
福井弁で話していなかったら
見るのを辞めると決めていました。

主演俳優たちはゴリゴリの福井弁を話していました。

うん、なかなか良いじゃないか。

ふむふむ、、、。

、、、見終わった後、
この「青春群像・役者たちの成長もの」というジャンルにおいて、
「ウォーターボーイズ」を超えるほどの傑作かもしれないと思いました。
この手の映画って何が難しい(と同時に見る方は面白い)かというと、
撮影期間の2ヶ月とか3ヶ月の短期間に
出演する若手の役者たちもまた、
ウォーターボーイズならシンクロナイズドスイミング、
チアダンならチアリーディングの技術を、
ゼロから学ばなきゃいけないわけです。
最後の「見せ場の演技」では、
実際に十代の俳優たちが、
「十分に説得力のあるダンス」を、
踊れている状態に、3ヶ月でもっていかなければならない。
まさか全部CGにするわけには行きませんから。

なので、「青春スポ根」を演じながら、
役者たち自身も「青春スポ根」を、
実際にガチでやっている、
という「入れ子構造」になります。

そこが観客の心をくすぐるわけですが、
この映画はその点がすさまじかった。

中条あやみは詳しく知りませんが、
広瀬すずは相当に運動神経が良い、
というのを再認識しました。
是枝裕和監督の『海街diary』という映画で、
広瀬すずがサッカーをする10秒ぐらいのシーンがありますが、
あれを見た時、「ちょっと普通じゃない運動能力」
を感じたのですが、本作で確信しました。

、、、というわけで、
俳優たちのダンスが素晴らしいし、
あと詳しくは言いませんがラスト30分の、
「コーチ=天海祐希視点」には、
危うく泣きそうになりました。
よにでしセミナーでいうところの、
「複眼的視角」ですね。

良い意味で裏切られた映画です。
(1,014文字)



●リスボンに誘われて

鑑賞した日:2018年12月22日
鑑賞した方法:友人に借りる

監督:ビレ・アウグスト
主演:ジェレミー・アイアンズ
公開年・国:2013年(ドイツ・スイス・ポルトガル合作)
リンク:
http://amzn.asia/d/bHtRgws

▼140文字ブリーフィング:

同じ教会に通う同世代の、
長尾さん(メルマガ読者)に、
DVD(と原作の書籍)を貸していただきました。
「俊君はこういうの好きかなと思って」と。
これは借りなければ絶対に観てないでしょうね。

結果から言いますと面白かったです。

スイス人の大学教授が、
ある本に出会ったことをきっかけに、
著者に会いにポルトガルのリスボン行きの電車に飛び乗り、、、
というところから物語は転がり始めます。

この映画はテーマが何より面白かった。
ポルトガルって、
1974年まで独裁政権が支配していたのです。

知ってました?

「いや、知ってるよ、常識だろ」
という人もいるだろうと思いますが、
私はいかんせん、「知識の円環」のなかで、
「歴史」が一番の弱点ですので、
この事実を知らなかったのです。

アントニオ・サラザールという独裁者が実権を握り、
ドイツのゲシュタポのような組織が、
反対勢力(レジスタンス)をスパイし、、、
ということが行われていたのです。
この独裁政権が転覆した革命のことを、
「カーネーション革命」というそうです。
映画の中で、ある重要人物が死んだとき、
棺桶に山ほどのカーネーションが手向けられますが、
この歴史を知らないと、
「は?何のこと?」となります。
実際、私もそうでした笑。

映画を楽しむには、
ある程度の教養が必要なのですね。

この映画を観たことにより、
ポルトガルの近代史について、
めちゃくちゃ勉強になりましたし、
「もっと知らなきゃ」と思わされました。

かのスイス人教授は、
「一冊の本」に出会ったことにより、
独裁政権を転覆させようとする、
レジスタンス(革命勢力)たちの「青春」を、
まるで探偵のように、あるいは考古学者のように、
「遺跡を復元させる」作業をしていきます。
この「一冊の本」と復元作業により、
教授は「人生のきらめき」とは何か、
ということを再発見していく、、、というストーリーです。

ストーリーも面白かったのだけど、
リスボンの風景がすべて生き生きしていて、
ポルトガルに行きたくなりました。
(807文字)



●こんな夜更けにバナナかよ

鑑賞した日:2018年12月29日
鑑賞した方法:池袋シネマロサにて観賞

監督:前田哲
主演:大泉洋、高畑充希
公開年・国:2018年(日本)
リンク:
http://bananakayo.jp/

▼140文字ブリーフィング:

メルマガにも書きましたが、
11月に北海道で、
私はこの映画の監督の前田哲さんと、
原作者の渡辺一史さんにお会いしています。

、、、で、この映画の医療監修を、
友人の土畠智幸氏がしていて、
制作段階からいろんな話しを聞いてました。
役者たちとスタッフ全員の、
「土畠先生、ありがとうございました」
というメッセージの寄せ書きが書かれた台本を、
見せて貰ったりしている映画なので、
もう、なんか「自分もスタッフのひとり」みたいな、
「謎の当事者意識」が芽生えちゃってるんですよね笑。
一方的に「中の人」になっちゃってる。
中の人じゃないのに笑。
なので、客観的な評価はもはや出来ない、
という前提でどうか読んでいただきたい。

、、、というエクスキューズをした上で。

、、、そりゃ面白かったですよ(爆死)。

いや、マジで。

年末に母が愛知県から孫に会いに来てくれていたので、
5時間の間、母に娘を見て貰って、
その間に、ひっさしぶりに、
妻と池袋で「映画デート」をしました。
娘が生まれてからは初めてです。

それもまた「多幸感」を強めるので、
やっぱり何重にも客観的評価は不能です。
でも、妻も私も上映中、何回も笑いましたし、
何回か泣きました。

妻は「もう一回観たい」と言ってましたし、
私はパンフレットを購入しました。

もう、大ファンじゃないですか。

「スターウォーズマニア」の、
「スターウォーズ」の映画評は当てにならないのと同じで、
「大ファン」って言っちゃってる私の映画評が、
どれだけ公正かは分かりませんが、
もうね、皆さん、観てください。

ヒットして欲しいので(←中の人)

、、、エクスキューズに次ぐエクスキューズはこの辺にして、
真面目に映画について語りますと、
「障がい」を描く映画というのは多くありますが、
こういう切り口で障がいを描いた映画は、
日本では初めてかもしれないと思いました。
初めてではなかったとしても、きわめて珍しく、
私は他に知りません。

何年か前のフランス映画に、
『最強のふたり』というのがあって、
それは車いす生活をする障がい者と、
その介助者の「友情」に基づく実話なのですが、
あの映画の素晴らしかった点は、
「障がい者を『かわいそうな人』として、
 いっさい扱わなかった」
ところにあると思います。

『こんな夜更けにバナナかよ』も、
志としてはそれと似たようなところがある。
そうでありながら、
もう一歩踏み込んだことを言おうとしている。

それは劇中のいくつかの台詞に現れています。
紹介します。

「障がい者のお世話は家族が全部見るべきという、
 日本の常識に抗いたい」
「生きるということは人に頼るということ。」
「命がけで人に頼る」
「出来るヤツ風なのが嫌いだった。
 人間てのは出来ないことの方が多いんだよ。」
、、筋ジストロフィー患者の鹿野(大泉洋)の、
上記のような台詞は、
この映画がコメディでありながら、
日本社会の「人に頼らないことが美徳という幻想」
に基づく「強すぎる社会規範」が、
社会全体を結果的にバラバラにしてしまっている、
ということの批判になっています。

日本では「人に迷惑をかけてはいけません」
と子どもに教えますが、
インドでは
「人間というのは生きてるだけで誰かに迷惑かけるのだから、
 あなたも迷惑をかけられても寛容でいなさい」
と教えるそうです。
どちらが「社会の風通しが良くなる」のでしょう?
大泉洋演じる鹿野さんの生き様は、
息苦しい日本社会へのアンチテーゼになっています。

また、障がい者というのは、
「生老病死」という人間が誰しも経験する人生の学びが、
「圧縮された形でそこに存在する」ので、
障がい者本人も、それと関わる人々も、
「学習のスピード」がハンパないんです。

私自身、自分の闘病からも、
じっさいに経験したこととしてよく知っていますが、
この映画からもそれが伝わってきます。
「障がい」を通して、
鹿野も、鹿野の両親も、
ボランティアたちも、
そして社会も学び、成長し、成熟していく。
「生きる」ということのエッセンスが、
濃縮した形で存在しているわけです。

自分で寝返りを打つことも出来ず、
手を数センチ動かすことしかできない鹿野が、
片思いしている学生ボランティア(高畑充希)に、
「普通の男ならここで抱き寄せるんだろうな」
といって、側にある手に「コト」っと手を寄せるシーンがあります。

そのシーンでは、
「鹿野が抱き寄せる」のが「見える」んですよね。
監督、すげーな、と思いました。
大泉洋、すげーな、とも。

特典映像とかも観たいので、
DVD出たら買います。
(1,689文字)



▼▼▼月間陣内アカデミー賞▼▼▼

世界一小さな映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」を、開催いたします。
主催者、プレゼンターは陣内がつとめます。

作品賞、主演(助演)俳優賞、そしてもうひとつ、
という感じで、ぬるーくやります。
皆さんの映画選考の参考にしていただければ幸いです。


▼作品賞
「こんな夜更けにバナナかよ」

コメント:

え?『イコライザー』じゃないの?
と思われるかもしれませんが、
久しぶりに夫婦で映画館で映画を観られたこととか、
その制作プロセスを垣間見ていたとか、
いろんなことが相まって、
作品賞は『こんな夜更け』です。
『イコライザー』は先週号で、
十分語り尽くしたというのもありますし笑。

『こんな夜更け、、』は、
鑑賞後に「うん、良い映画を観た」と思える、
幸せな映画体験でした。

あと、ブルーハーツの、
『キスして欲しい』の使われ方が良かった!
あれはグッときます。

先ほどから言っているように、
「近親者バイアス」がかかっているので、
もはや公正な評価は出来ませんが、
私はこの映画、オススメします。
観てください(宣伝)!



▼主演(助演)男優賞
デンゼル・ワシントン(イコライザー)

コメント:

え?
大泉洋じゃないの?

と思われるかもしれませんが笑、
ここはデンゼル・ワシントンです。

『こんな夜更け、、』の大泉洋は確かに凄いです。
彼は役作りのために10キロ体重を落としました。
さらに、時系列がバラバラになる映画撮影において、
進行性の病である筋ジストロフィー患者を演じるために、
それぞれのステージで、「出来る動き、出来ない動き」を、
頭に入れた上で、病気が進行していくことを、
「身体表現」を演じ分けるのは至難の業でしょう。
また、実際に北海道に住んでいた、
「ステレオタイプの障がい者」の枠に収まらない、
鹿野さんという実在の人物に、
北海道が生んだ「異能の天才」、
大泉洋は「完全なハマり役」です。

ただ、「設定がもうすでにウルトラC」なので、
それが演技の良さゆえなのか、
それとも設定が凄いのかが、
素人の私にはわかりにくかった。

むしろ演技ということで言えば、
後に言うように、
高畑充希が「大泉洋を食ってる」
んじゃないかと思うところもあった。
ただいかんせん「競技」自体が違うので、
比較のしようはないのですが、、。

というわけでデンゼル・ワシントン。
とにかく『イコライザー』のロバートという人物に、
私はもう惚れてしまったわけですよ。
ニューヒーロー誕生の瞬間を目にしたようなうれしさがありました。
どうやら「2」も作られているようです。
ダイ・ハードもそうでしたが、
「2」は「鬼門」なので、
あまり期待は出来ないかもですが、楽しみです。



▼主演(助演)女優賞
高畑充希(こんな夜更けにバナナかよ)

コメント:

劇場で強く感じたことのひとつは、
「高畑充希、上手いなぁ」でした。
ある種の「コスプレ要素」がある、
テレビドラマはまだ良いのですが、
映画の場合、観ている人に
「役者が演じているなぁ」と思わせたら、
絶対だめだと思うんですよね。
「こういう人が本当にそこにいる感じ」
が出せるかどうかというのが、
役者の天性の素質のひとつだと思うのですが、
これってもう「天賦の才」だと思うんですよね。
高畑充希はその点において秀でていました。
こんな上手な人とは知りませんでした。
じっさい「鹿野」を「人が成長するための触媒」
と見た場合、物語的には、
高畑充希が主人公ですから。
この映画は。



▼その他部門賞「舐めてたらすごかったで賞」
『チア★ダン』

コメント:

完全に舐めていたのですが、
完全にやられました。
面白かったですねぇ、これは。
普通に胸が熱くなる「良い映画」でした。

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