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陣内が先週読んだ本  2019年3月5日〜14日

2019.08.08 Thursday

第84号   2019年3月26日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先週読んだ本 
期間:2019年3月5日〜14日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●無敵のハンディキャップ 障害者がプロレスラーになった日

読了した日:2019年3月7日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:北島行徳
出版年:1997年
出版社:文春文庫

リンク:
https://goo.gl/E6daA3

▼140文字ブリーフィング:

友人に教えてもらって読みました。
「障害者プロレス」の話しです。
「障害者がプロレスをする」ということを通して、
健常者(と自分では思っている人)に、
「言葉にはならない何か」を突きつける。

去年の年末に見た映画、
「こんな夜更けにバナナかよ」とか、
NHKの番組『バリバラ』とかにも通ずるものがあります。

本書の要約的センテンスをご紹介します。

→P309 
〈騒がしいボランティアセンターの中で、
私はそっと自分の所々が欠けた心の触れてみた。
痛みがないわけではない。欠けた部分が埋まったわけではない。
ただ、ドッグレッグスの仲間たちとの出会いを通じてわかったことがある。

欠けたままの心であっても良いのだ。
痛みをなくそうともがき、足りない部分を埋めようともがく。
その繰り返しが、生きていくということなのだから。

人間は一人である。

親や兄弟、友だちや恋人、
どんなに親しい人のことだって完全に理解する事なんか出来ない。
他人の存在は、まるで意味がないのだろうか。

そんなことはない。

手を伸ばしたらするりと逃げる風船のように、
叩いても叩いても開かない重い鉄の扉のように、
他人の心は思うようにならない。
けれども、離れているから繋がろうとし、
わからないから知ろうとする。
人と人との関係はぶつかり合いの繰り返しで、
理解出来ないからこそ面白いのだ。

障害者と健常者の関係も同じである。

障害者の気持ちになって、と健常者が言ったところで、
本当のところは分かるわけがない。
わかるというのは健常者の傲慢だ。

周囲に保護されて生きていながら、
健常者は理解してくれないと嘆く障害者がいる。
しかし、人と人との間には、いろいろとあって当然なのだ。
むしろ問題なのは、
ぶつかり合うことを放棄して生きることではないか。

障害者と健常者の理想的な関係という問題に、
模範解答などあるわけがない。
だからこそ答えを探して模索し続けるのだ。
何度か飛び上がっていれば、
いつか風船を掴むことが出来るかもしれない。
血が出るまで拳で叩けば、
重い扉が向こうから開いてくるかもしれない。
それが、私たちが障害者プロレスをこれからも続けて行く理由であり、
観客に伝えていきたいことでもあるのだ。〉


、、、著者の北島さんというボランティアが立ち上げた、
障害者プロレス団体は、
脳性麻痺などの障害をもつ当事者同士がプロレスをすると共に、
北島さんをはじめとする健常者もリングネームをつけリングに上がり、
障害者と闘います。

「障害者VS障害者」のマッチも、
「障害者VS健常者」のマッチもある。

彼らは身体をぶつけ合い、
拳をぶつけ合い、
血を流しながらリングで「ぶつかり合い」ます。

この本はその障害者プロレス団体をめぐるドラマなのですが、
その団体自体が様々な理由で、
家族からも距離を置かれた障害者たちにとって、
「疑似家族」になっています。
そこでは「精神的なぶつかり合い」がある。
ケンカして団体を飛び出し酒に溺れる障害者がいる。
あまりにもわがままな障害者にキレて、
いなくなってしまう健常者のボランティアもいる。
障害者同士がソリが合わなくて、
「場外乱闘」を始めることもある。

その「ぶつかり合い」の中からしか見えてこないことがある、
というのが北島さんが到達した境地です。

この本は一章ごとに関わり合った人々の、
人生の物語を紹介するような構成になっているのですが、
終盤の14章に、やっと著者の北島行徳氏の人生が紹介されます。

彼は父が38歳で他界、母はホスト狂い、
人間関係を築けなかった埋め合わせを
「障害者との家族を作る」ことによってしてきと告白します。
その自己開示の深さと強さに共鳴し、涙が出ました。
著者と障害者レスラーの慎太郎の、
「友情」としか言えない関係性に胸が熱くなります。

私たちは皆、何らかの形で「障害者」です。
そこから目をそらさず、
ぶつかり合っていくなら、
その先にやっと相互理解がある。

あまりにも多くの人が、
現代では「ぶつかり合う」ことから逃げ出します。
最初からリングに上がらない。
血を見たくないし、汗をかきたくないし、
傷つきたくないからです。
しかし、傷つかずに絆など結べないのです。
ホームレス支援の第一人者・奥田先生はいつも言います。
「きずな」という日本語は、「きず」を含む、と。
マザーテレサも言っていました。
「傷つくまで愛しなさい」と。
(1,754文字)



●鏡の中は日曜日

読了した日:2019年3月7日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:殊能将之
出版年:2005年
出版社:講談社文庫

リンク:
https://goo.gl/Dd6gEs

▼140文字ブリーフィング:

最近読んだホラー小説「ぼぎわんが、来る」の、
引用文献に入っていて興味を持ちました。
ぶっちゃけ、正直あまり楽しめなかったですね笑。
「金田一少年の事件簿」みたいな雰囲気をかもしていますが、
物語がメタ・メタフィクションになっていたりして混乱します。
あまりついて行けませんでした。
ミステリー界ではかなり有名な作品だそうですが。
(159文字)



●松本大洋本

読了した日:2019年3月8日
読んだ方法:友人からのプレゼント

著者:松本大洋他
出版年:2017年
出版社:小学館

リンク:
https://goo.gl/xo96jR

▼140文字ブリーフィング:

これはいわゆる「雑誌のムック本」というやつです。
愛知県に行ったときに、
友人が「俊君こういうの好きかなと思って買っておいたんだよね」
といってプレゼントしてくれました。

はい。

めちゃ好きです。

なんとこの本には、
松本人志と松本大洋の対談も載っています。
内容以上に「この二人」が、
会話しているということ自体にテンションが上がりました。
天才と天才の会話ですから。

他にも大友克洋との対談とか、
名だたる有名人が「松本大洋愛」を語るコーナーとかあって、
久しぶりに松本大洋の作品を読みたくなりました。

私はこれまで「ピンポン」「鉄コン筋クリート」、
「ナンバーファイブ」、「青い春」ぐらいを読んでいます。
他にも読んでたかもしれないけど忘れました。

2010年代に入ってからの、
「竹光侍」と「サニー」は未読でしたので、
この本をきっかけに、
勢いで「サニー」を大人買いしてしまった。
6巻全巻をAmazonの中古で「えいやっ」と買いました。

松本大洋ブームが私のなかで再燃しています。

「竹光侍」「ルーブルの猫」ではなく、
なぜサニーを買ったのか?
これが松本大洋の自伝的作品だとこの本で知ったからです。
「サニー」はちなみに、児童養護施設の漫画です。
松本大洋氏は小学生の一時期、
児童養護施設で過ごしていたのです。
彼の漫画に漂う「切なさ感情のリアル感」は、
他の作家とは一線を画するものがあるのですが、
それは彼の実体験が乗っかっていたからだったのです。
なんか、彼に対する尊敬が一段階アップしました。

→P69 
〈松本大洋の自伝的要素を含んだ作品です。
自分というものをここまで客観的に捉えるのに、
作者は、実際の経験から数えて、30年の歳月を必要としたのです。
そのことの重みを噛みしめずにこのマンガを読むことは出来ません。

松本大洋は小学生の頃、親と離れて暮らす施設に入っていました。
そのときの経験をこう語っています。
「僕、子どもの頃親と離れて暮らしていた時期があって、
そこを脱走するんですね
・・・六、七回やったかな
・・・六年くらいいたんですよ
・・・車盗んで逃げたことも
・・・そのときにすごい仲の良い友だちがいて、
その子と一緒に『逃げ出して、海のそばで家を作る』
っていう約束をずっとしていた」〉


、、、サニーは読み終わりました。
普通に泣きましたよ、そりゃ。
松本大洋氏の自叙伝として読むと、
よりいっそう泣けます。
次回の「読んだ本」で解説します。
(965文字)



●子どもの心の育て方

読了した日:2019年3月11日
読んだ方法:妻が友人から借りた本

著者:佐々木正美
出版年:2016年
出版社:河出書房新社

リンク:
https://goo.gl/bXzP2v

▼140文字ブリーフィング:

この本は妻が妻のお友だちから借りていて家にありました。
「面白いよ」というので読んでみると、
本当に面白かった。

「自分の妻が本を読む人で良かった」
と年に何度か思いますが、
今回も思いました。

この本、子育てについて多くの示唆を与えてくれます。
特に印象的だった2ポイントをご紹介します。

最初は「三つの場所で遊ぶ」ことの大切さです。

→P50〜52
〈競争意識と協調性・共感性のバランスは、友だちの中で育ちます。
たとえば、自分の家に友だちを呼ぶこと、
そしてまた相手の家に遊びに行くこと、
その両方をたくさん経験することです。
どちらかだけでなく、両方であることが大事なのです。
最近のお母さんたちは、意外にもこのことをご存じないように思います。

自分の家に友だちを連れてきたとき、
子どもは自分でリーダーシップを発揮することが出来ます。
自分の家の規則というか、しきたり、
やり方を相手に押しつけることが出来ます。
「そんなことはしてはいけない」とか
「そのおもちゃはこうやって使うんだよ」とか
「そのドアはこうやって開くんだ」といったことです。
あるいは親が出してくれたおやつを
まるで自分が振る舞っているかのように
「食べて良いぞ」なんて言ったりします。

ところが友だちの家に行けば立場は逆転します。
相手の家のルールにのっとって生活しなければなりません。
おやつを出されたら、
「いただきます」と挨拶しなければいけないし
「ごちそうさま」とお礼を言います。
 (中略)
自分の家では自分がリーダーだけれど、
よその家ではそこのルールに従う、ということのなかで、
それぞれの家にはそれぞれの家の考えがあり、
「違い」があることを知ることは非常に大事なことなのです。

そしてもうひとつ、自分の家でも、
友だちの家でもない「第三の場所」つまり、
空き地や公園で遊ぶことも、同時に非常に大切です。
できるかぎり、この3つの「場」を
バランス良く子どもの生活の中に取り入れることで、
子どもは、友だちと「育ち合う」ことができるようになていきます。〉


・自分の家、
・友だちの家、
・そのどちらでもない場所の、
3つの場所でバランス良く遊ぶようにしてあげる。
こうすることで子どもは、
「複数の文脈を受け入れる」という、
社会で生活するための基本能力を培う事が出来る、
と児童精神科医の佐々木先生はここで言っています。

「育ちあう」という言葉が最後に出てきましたが、
それについてもう一箇所引用します。
佐々木先生は言います。
「自分の子どもだけうまく育つ、ということはあり得ない」と。

→P76〜78 
〈自分の子どもだけが上手く育つ、
などということはあり得ません。
周囲の仲間と共に、互いに育ち合うものだからです。
 (中略)
親は、ときとすると過剰に自分の子どもに期待して、
他の子どもより優れた子になってほしいと思ってしまうのです。
そこまでではなくても、どこかで
「自分の子どもだけがうまく育てば良い」と思ってしまう。
そうした考え方というのは、
子どもの優越感や劣等感を強く育ててしまいます。

子どもは仲間と一緒に「育ち合う」ものです。
自分の子どもだけうまく育つ、
なんていうことはあり得ないことです。
自分の子どもといっしょに、
うまく育ってくれる子どもが周りにいてくれなければ、
うちの子どももちゃんと育っていきません。
そう思うべきだと思います。
それを親が実感として知っていると、
不健康な優越感、劣等感は育ちにくくなると思うのです。

植物でも魚でも、
環境が良ければ周りの仲間と一緒にすくすく元気に育っていきます。
育つと言うことは、
育ち合える環境の中でお互いに育ち合っていく、ということです。

子どもが健康に、健全に育つために必要なのは、
親が「みんなに負けないようにしなさい」と叱咤激励することではなく、
子どもたち自身がお互いに共感し合う環境です。
共感し合いながら育つと、
自分が何かの分野で仲間よりも上手に出来たときでも、
他の人を見下す優越感ではなく、
非常に健康な喜びの感情、ある種の誇りを持てるようになります。
 (中略)
優越感と劣等感というのは、
常に背中合わせにあるもので、
どちらかだけを持つことはあり得ません。
劣等感の裏返しが優越感で、
優越感を持っているから劣等感も生まれるものです。
優越感の強い人は、非常に強い劣等感をどこかに持っています。
 (中略)
こうした状態があたりまえになってしまった子に、
友だちはなかなかできません。
しかし健全な誇り、共感という感情は、
自分に不十分な部分があれば、
それは仲間からわけてもらえばいいんだ、とか、
誰かに頼ればいいんだとか、
あるいは「自分の努力がたりなかったのかしら」
という内省や自己洞察につながります。
多くの友だちに囲まれ、
仲間と共感し合いながら育ち合うことは、
とてもよいことなのです。〉


、、、「他の子はどうでもいいから、
自分の子どもだけが上手く育ってほしい」
と願う親は、皮肉なことに、
子どもが上手く育つことを自ら全力で疎外しています。
そのように考える親の影響下で育った子どもは、
いつも他者と比較する習慣が親から感染するので、
「劣等感と優越感が非常に強い」人間になります。
そのような人間は自己開示することが出来ず、
よって他者と協力関係を構築出来ず、
友情を育むことが出来ません。

それは将来の子どもの結婚・仕事・プライベートなど、
あらゆる領域に悪影響を及ぼします。

ではどうすれば、
劣等感や優越感に呑み込まれず、
健全な競争心と健全な共感能力を持つ子どもが育つのか?
それは親が「子どもは育ちあう」ことをわきまえることだ、
と佐々木先生は言います。

佐々木先生が子どもを植物や魚に喩えているのが面白いですね。
水槽の中のすべての金魚が死んでいるのに、
一匹だけぴんぴんしているということがあり得るでしょうか?
瞬間的にあり得ますが、
死んだ金魚の腐敗によって水が汚染され、
ぴんぴんしていた金魚もいずれ死ぬでしょう。
森の下草を全部刈り込んでしまい、
一本の木をのこしてすべて取り除いたらどうなるでしょう?
森は「ひとつの生態系」です。
下草に群がる微生物や昆虫や鳥の糞を養分に、
一本の木は生長してきたのです。
よってこの一本の木はいずれ枯れてしまいます。

子どもも同じだよ、ということです。

他の子どもがすくすく育つとき、
はじめて自分の子どもも育つのです。
実は社会全体もそうなのですが、
それはまた、別の話。
(2,586文字)



●ママの心がふわりと軽くなる 子育てサプリ

読了した日:2019年3月11日
読んだ方法:教会図書から借りる

著者:佐々木正美、松本ぷりっつ
出版年:2012年
出版社:主婦の友社

リンク:
https://goo.gl/PpXFJy

▼140文字ブリーフィング:

先ほどの佐々木正美先生、再びです。
これも妻が教会図書館から借りて読んでいたので、
家にあったので読みました。

妻が本を読む人で本当に良かっ(中略)。

この本は先ほどの本以上に「軽い」感じです。
なんせ、半分は「漫画」ですから。
佐々木正美先生があるテーマについて1ページほど書き、
それに関する漫画を漫画化の松本ぷりっつさんが、
自らの子育てにからめて描く、という構成です。

デパートで泣きわめく子どもは、
代償行為でそうしている、
という話しが面白かったです。

実はこの話し、動画を撮りました。
♯22なので、まだ公開前ですが、
「すぐ役立つ知識」コーナーで取り上げています。
お楽しみに。

そこでも語りましたが、
ここにも収録しておきます。

→P117〜118 
〈子どものこんな姿を見ると、
お母さんは「がまんできる子に育てなくちゃ」と厳しくなりがちです。
言うことを聞き入れていたらますますわがままになると思うのです。

でも実際は逆なんです。

普段から親に言うことを聞いてもらえる子は、
こんな形での自己主張はしません。
普通に言ったのでは聞いてもらえない経験が多すぎるから、
その代償行為として外で激しく泣いて訴えるのです。

子どもは、おもちゃがほしいだけで泣いているのではありません。
普段から、もっとしてほしいことがあるのです。
抱っこしてほしい、
手をつないでほしい、
公園で一緒に遊んでほしい。
そのすべてを、お母さんが義務的にではなく、
喜んで、幸せそうにやってほしいと願っているのです。〉


、、、子どもが泣きわめいているのは、
「問題(病気の原因)」ではなく「結果(症状)」なのです。
この子どもをどうやって泣き止ませるか、
というのは「対症療法」です。
たとえばあなたの腎臓が深刻に炎症を起こしているとしましょう。
それによって39度の発熱をしています。
アスピリンを大量投与し、熱が引いた。
それで解決でしょうか?
そうではありません。
本当の解決は合成抗菌剤で、
腎臓の炎症と感染を抑えることです。

子どもの場合も同じで、
今デパートで泣きわめく子どもに対し、
本当にすべきは「原因=根っこ」に処方することです。
つまりそれは子どもの普段の心の叫びを聞いて上げることです。
話しを聞いてほしい、
手をつないでほしい、
抱っこしてほしい、
一緒に遊んでほしい、
それをイライラしながらでなく、
心から楽しんでそうしてほしい。

佐々木先生は言います。
どうぞそうして下さい。
嘘みたいに子どもは叫ばなくなります。
その必要がなくなるのですから、と。
(1,028文字)



●イエスに出会うということ 人生の意味と思いがけない答え

読了した日:2019年3月12日
読んだ方法:新宿オアシスブックセンターで購入

著者:ティモシー・ケラー
出版年:2017年
出版社:いのちのことば社

リンク:
http://amzn.asia/gchoou0

▼140文字ブリーフィング:

めちゃくちゃ面白かったですが、
文字数の都合で詳説は出来ません。
ただ、序章にあった、
「帰納的な聖書研究」の、
ケラー師による実体験の話しが非常に面白かったので、
ご紹介します。

→P6〜7 
〈また、深い洞察のためには、
忍耐と思慮深さが必要なことも教えられました。
あるとき、バイブルスタディーを導く
リーダーのためのセミナーに参加しましたが、
そこでのある実習は忘れられません。

講師がマルコ1:17
「イエスは彼らに言われた。
『わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう』」
を選び、三十分この箇所を調べるように
(まさにイエスとの出会いについて)と言いました。
彼女は五分、十分で、もう調べ終わったと思うかもしれないが、
あきらめないで続けるように、と念を押しました。
「少なくとも、その箇所に見られる、
あるいは、気づかされたことを、三十項目書き出して下さい」。

十分後には課題を終わらせた
(と、少なくとも自分では思っていた)私は、
この課題に少々飽きてきました。
とはいえ義務感から、まだ何かないかと探し続けました。
実際まだあるではありませか。

それもいくつも。

講師はそのリストのなかから、
最も心が突き刺されたこと、動かされたこと、
個人的に非常に助けになると思われるものに丸をするように言い、
次にこう質問しました。
「最初の五分で、
最も深い気づきが得られた人はどれくらいいますか。
手を挙げて下さい」。

誰もいません。

「十分後は?」
一人か二人。

「十五分後は?」
もう一人か二人。

「二十分?」
今度は結構な数の人が手を挙げます。

「二十五分は?」
ほとんどが、笑いながら、
やられたといった感じで手を挙げました。

帰納的(個々の事項からい一般前提を推論していく)に
聖書箇所を学んでいくといった、
忍耐を問われるようなこの経験が、
私の信仰生活を大きく変えました。
時間をかけて、素直さと信頼という適切な態度で向かえば、
神は聖書を通して私に語りかけてくれるのだと発見したのです。

またその経験は、
聖書を通して神が何を語っているかを他の人にも教えるといった、
私の生涯の働きの訓練にもなりました。
これまで四十年近く、聖書を教え、説教してきましたが、
どの講演、講義、説教でも、基本的な姿勢は、
私が大学時代に学んだ、
時間をかけて聖書の深さを
注意深く掘り起こしていくという点にあります。〉


、、、ティモシー・ケラーは、
「21世紀のC.S.ルイス」と呼ばれることもあるほど、
深い洞察に富んだメッセージをすることで有名です。
私も彼は現代キリスト教の、最高の説教者のひとりだと思います。
彼の本を読むとその理由が分かります。
まず、尋常じゃないほど勉強しています。
そして人生において神を第一にして歩む、
という言行の一致があります。
さらにもうひとつの「秘密」を、
私はこの箇所を読んで見つけた気がしました。

それはひとつの聖書箇所を、
「するめを噛むように」、
あるいは「井戸を深く深く掘るように」、
見つめ続け、問い続け、
そこから真理をくみ上げる力です。

私たちが聖書を読んで何も感じない(学ばない)としたら、
私たちの「噛むあごの力が足りない」か、
井戸を掘るシャベルの力が弱いか、
あるいはその両方をする忍耐を欠いているからでしょう。
(1,320文字)



●すべての教育は洗脳である 21世紀の脱・学校論

読了した日:2019年3月14日
読んだ方法:Amazonプライム特典読み放題書籍

著者:堀江貴文
出版年:2017年
出版社:光文社新書

リンク:
http://amzn.asia/d/drNshbH

▼140文字ブリーフィング:

堀江さんの本って、
実は「半笑い」ぐらいな感じで、
これまで結構読んでるんですよね。
たぶん5冊は読んでると思う。
彼の思想は過激にリバタリアニズムなので、
ちょっとついて行けないところがあるのですが、
やはり「時代を象徴する人間」だと思うので、
読むと面白いのです。

、、、でこの本、
今まで読んだ堀江本のなかで、
一番面白かったです。

ところが、文字数オーバーのため、
解説は割愛!
まじか笑!

ちょっと悔しいので、
YouTube放送の、
「ひとりビブリオバトル」でやります。
放送がいつになるか分からないですが、
近々録画します。
お楽しみに!
(257文字)



●ゼニの人間学

読了した日:2019年3月14日
読んだ方法:Amazonプライム特典読み放題書籍

著者:青木雄二
出版年:2012年
出版社:オンデマンド

リンク:
https://goo.gl/j4KzMB

▼140文字ブリーフィング:

「ナニワ金融道」の作者の青木さんの本です。
彼は会社経営(とその倒産)などの経験を経た後、
44歳で漫画家デビューした異色の漫画家です。
彼が漫画を描き始めた動機がすごい。
ドストエフスキーの『罪と罰』、
マルクスの『資本論』を読んだからだそうです。

漫画って画力じゃないんですね。
論理と教養と体験の迫力があれば、
ちゃんと売れるんです。
「ナニワ金融道」読んだことないですが笑、
ちょっと興味が湧いてきました。
(201文字)



●「脳のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

読了した日:2019年3月14日
読んだ方法:Amazonプライム特典無料本

著者:苫米地英人
出版年:2014年
出版社:コグニティブリサーチラボ株式会社

リンク:
https://goo.gl/YKZyD7

▼140文字ブリーフィング:

苫米地さんという人は、
ときどき聞くのだけど、
本は初めて読みました。
Amazonプライム動画のおかげで、
普段なら見ないような映画を観たりするようになりましたが、
プライムリーディングも、普段読まない本を読ませてくれます。
ぶっちゃけ、あまり面白くなかったかな笑。
一点だけ、
「西洋ユダヤ・キリスト教的な時間観は直線モデルであり、
 過去→現在→未来」と進むが、
アビダルマ仏教哲学では、
「未来→現在→過去」と時間が進む、
というのが面白かったです。
つまり「未来が過去を作る」のだと。
これは実は深くて、
「ナラティブ・アプローチ」なんかとも関係があります。
文字数足りないので詳しく説明は省きますが。
(289文字)



●「意識の量」を増やせ!

読了した日:2019年3月14日
読んだ方法:Amazonプライム読み放題書籍

著者:齋藤孝
出版年:2011年
出版社:光文社新書

リンク:
https://goo.gl/YqUze4

▼140文字ブリーフィング:

これもけっこう面白かったのですが、
文字数の関係でさらっと。
「語彙数が少ないと人間は暴力的になる」
という話しが印象的でした。

→位置No.939 
〈「マジ、すげぇ」「ヤベェ」みたいな言葉ばかり使っていて、
自分の状況や感情を表現するのが50語以内の語彙で
収まってしまうような会話をする人がいるが、
言葉が足りない人は意識の幅も狭い、広がっていかない。

自分のもっている語彙力以上の会話はけっしてできない。
自分の思いを的確な言葉に置き換えることも出来ないし、
言葉によって自分と他者との感情のギャップ、
意思の齟齬を埋めることも出来ない。

言語能力が低い、
語彙力が乏しい人が怒りっぽかったり、
キレやすかったり、
感情をぶつけることになりやすいのは、
自分の意識と言葉が自由にならないもどかしさが原因でもある。
自分と異なった価値観、
離れた世代の人から何かを学びたい、
交流したいと願ったとき、
彼らと意識を交換させていくのに、
語彙が豊富であることは大きな武器になる。〉


、、、ではどうすれば語彙は増えるのか?
本を読むほかないでしょうね。
語彙力はシンプルに読書量に比例します。
自分の子どもが将来かっとなって傷害事件を起こさない予防法は、
子どもに本を読ませることです。
そして子どもに本を読ませる最短かつ唯一の道は、
親である自分自身が本を読むことです。
これは科学的に証明された事実です。
本を読みましょう。
(583文字)



●ライムスター宇多丸の映画カウンセリング

読了した日:2019年3月14日
読んだ方法:Kindleで電子書籍購入

著者:ライムスター宇多丸
出版年:2016年
出版社:新潮社

リンク:
https://goo.gl/kVvd8z

▼140文字ブリーフィング:

私の「映画批評の師匠」は二人います。
ひとりは町山智宏氏、
もうひとりがラッパーの、
ライムスター宇多丸師匠です。

この本では宇多丸さんが、
読者の様々な悩みを聞き、
あたかもお医者さんが処方箋を出すように、
「そんなあなたにはこの映画」と、
たくさんの映画を紹介していく本です。

「彼女に振られた」「老後が不安だ」
「正社員になれない」「子育てに失敗した」
「離婚した」「受検に失敗した」
「同性愛者だが世間の差別の目がつらい」
などの悩みを聞いた宇多丸師匠が、
「あなたにはこの映画とこの映画とこの映画をオススメします。
 なぜならば、、、」
と語っていく。

宇多丸師匠の「映画的教養」に舌を巻きます。
「怒りをコントロールできない」という相談に関して、
「映画を観ることは視点の引き出しを増やすこと」
だと回答しているのが見事だと思いました。

→位置No.1364 
〈そして、いろんな映画を観たり、
漫画や小説を読んだりするという行為は、
ことによると、自分の中にこうした
「視点の引き出し」を増やすためにこそ、
必要なのかもしれません。〉


、、、将来子どもが傷害事件を起こさないためには、
本を読むことと、上質な映画や小説や漫画などの、
コンテンツに触れさせることが大切ですね。
映画を観ることで、
「自分ではない誰か」の気持ちになることが出来る。
それが「立場の違う誰かの気持ちを想像する力」になります。
語彙力と並んで、人間が幸せになるために必要な能力です。
(601文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

ご紹介した本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:無敵のハンディキャップ

コメント:

これは素晴らしかったです。
障害者と健常者が、
お互いに尊重し合って、、、
っていうきれい事の向こう側にある、
「生身のエゴ同士の、
 本気のぶつかり合い」
というものを突きつけてくれます。
障害者にも当然エゴがあり、
わがままだったり不誠実だったりするわけです。
そこに身体ごとぶつかっていく著者、
そしてその著者が抱える、
並々ならぬ過去、、、、。
胸が熱くなりました。



▼▼▼部門賞▼▼▼

ご紹介した書籍の中から、
陣内の独断と偏見で、
「○○賞」という形で、
特筆すべき本をピックアップします。
こちらも何かのご参考にしてくだされば幸いです。

▼「子育てに役立つで賞」
『子どもの心の育て方』

コメント:
佐々木正美先生の本は、
お母さん(お父さん)にも、
子どもにも、両方に、
やさしくそっと寄り添う感じで、
子育てに疲れた親には、
一服の清涼剤のように作用します。
オススメです。

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