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陣内が先月観た映画 2019年3月

2019.08.15 Thursday

第86号   2019年4月2日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先月観た映画 2019年3月

月に一度のお楽しみ、
「陣内が先月観た映画」のコーナー。

タイトルそのまんまの企画です。
先月私がいろんなかたちで観た映画を、
一挙に紹介しちゃうというコーナー。

5本以上観た月だけの限定コーナーとなります。
先月はけっこう観たので、
けっこう紹介できます。

もともと映画を観るほうではありますが、
Amazonプライムのストリーミングで観るようになって、
観る本数が3倍ぐらいに増加しました。
移動中に観れるというのが大きいです。
電車の中やバスの中で本を読むのは少し疲れますが、
映画はノーストレスです。
長時間移動がある月なんかは、
往復の移動だけで4、5本観れたりします。

観るだけではもったいないので、
皆様に紹介しちゃおう、
というのがこのコーナー。

世界一小規模の映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」もやります(笑)。

「おもしろそうだな」と思うやつがあったら、
それをレンタルして観てみる、とか、
あとこれを読んで、観たつもりになって、
誰かに知ったかぶりする(笑)などの
使い方をしていただければ、これ幸いです。

「陣内が先週読んだ本」の
140文字ブリーフィングが好評なので、
映画評論も140文字で試みます。

時短は正義(!)ですから笑。

「読んだ本」コーナーと同じで、
140文字はあくまで「努力目標」です。

*どうしても「ネタバレ」要素をいくらか含みますので、
絶対にネタバレしたくない作品がありましたら、
器用に読み飛ばしてくだされば幸いです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●リトル・ミス・サンシャイン

鑑賞した日:2019年3月22日
鑑賞した方法:Amazonビデオセールで有料レンタル(100円)

監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファレス
主演:グレッグ・キニア
公開年・国:2006年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/4mGG5a

▼140文字ブリーフィング:

これは札幌に向かう飛行機の中で見ました。
ずっと観たかった映画なんですよね。
「見た」っていういろんな人からの話を聞いて、
「絶対面白い」と分かっていたんですよ。
でも、今まで観られていなかった。

Amazonビデオでセールしてて、
100円でレンタル出来ると言うことで、
タブレットにダウンロードしておきました。
、、、で、飛行機の中で一気に観たわけです。

端的にいって素晴らしい映画でした。
やっぱ「ロードムービー」って好きだなぁ、
と改めて思いました。

ロードムービーというのは、
「旅」を軸に作られた映画のことですが、
映画と「旅」は相性が良い。
たぶんそれは、
旅というのは人生の縮図で、
映画というのは旅の縮図だからです。

ロードムービーってたいてい、
ストーリー自体は「なんていうことはない」のですよね。
でも、そこに「すべて」が詰まっている。
出会い、分かれ、人の成長、新たな視点の獲得、
そういったすべてが旅にはある。

この映画の場合、
ニューメキシコ州アルバカーキという田舎に住む、
とある家族の旅が描かれます。

この映画のすごさは、
この家族のメンバー構成の妙です。
6人家族の「幕の内弁当感」がすごいのです。

旅のきっかけは、
「リトル・ミス・サンシャイン」という、
日本で言う「美少女コンテスト」に出場権を獲得した、
下の娘のオリーヴが、
「カリフォルニアで開かれるコンテストに参加したい!」
と言い出したことがきっかけです。
ところがこのオリーヴ、
どう見ても「美少女コンテスト」タイプではありません。
彼女は明らかに太りすぎており、
まったく洗練されていない。

日本で言うと、
「県の応募者2名だったコンテストで、
 島根県代表に選ばれた『自称美少女』が、
 東京で開かれるコンテストに参加する」
というような話しで、
東京に集まった美少女たちは「ガチ」なのです。
そうするとその差はとてつもないものがあり、
オリーヴはかなりの確率で大恥をかく。
それに家族は「会場」で気づくわけですが、
これが非常に重要な伏線になっています。

とにかく、オリーヴの出場のために、
家族全員で、古いフォルクスワーゲンのマニュアル車に乗って、
家族は1,000キロ以上のドライブに出かけます。

この映画の「作りが良い」のは、
「6人全員が他の方向を向いている」というところです。
そして何とこの6人は、
「アメリカ合衆国の縮図」でもあるのです。
「勝利(強さ、成功)へのオブセッション(強迫観念)」に、
支配された父、
それを軽蔑しニヒリズムに陥る息子、
典型的な現実主義者でアメリカの家庭の事実上の大黒柱、
しかし「イライラと不満の塊」である母親。
うつ病でゲイの「母親の兄」。
そして祖父は「ポルノ好きで麻薬常習の大俗物」です。

これらの人々が旅の中で、
「変わっていく」様が見事です。
父親は「人生を成功に導く9つのステップ」という、
自己啓発メソッドを開発しました。
そのセミナー、書籍、DVDで、
一山当てようとしているわけです。
しかしその「成功神話」が、
旅の途中ガラガラと音を立てて崩れていくのです。

しかしその先には絶望があるのではなく、
希望が待っています。
その希望を象徴するのがコンテストに出場するオリーヴです。

この映画の原作本を書いた作者は、
ある日テレビを付けたら、
アーノルド・シュワルツネッガーが、
「人間には2種類しかない。負け組と勝ち組だ」、
と自信満々に語っているのを観て、
「これではアメリカはダメになる」
と思ってこの小説を書いたそうです。

素晴らしい映画でした。
(1,435文字)



●ベンジャミン・バトン

鑑賞した日:2019年3月2日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:デビッド・フィンチャー
主演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット他
公開年・国:2009年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/Pk2XTv

▼140文字ブリーフィング:

デビッド・フィンチャー監督は好きなのですが、
この映画は正直、私には響きませんでした。
年老いて生まれ、若返り、最後は赤ちゃんになって死ぬ、
ベンジャミン・バトンという人の生涯を描くSFです。
彼の人生を振り返ることで、
アメリカの歴史が見えてくる、というのは、
ちょっとフォレスト・ガンプに似ている感じがしました。
なんと原作者はあのフィッツジェラルドだそうです。
(176文字)



●ヘイトフル・エイト

鑑賞した日:2019年3月3日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:クエンティン・タランティーノ
主演:サミュエル・L・ジャクソン他
公開年・国:2015年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/7sCvkr

▼140文字ブリーフィング:

友人とタランティーノ談義をしていて、
この映画の存在を知りました。

面白かった。
私はめちゃくちゃ好きでした。

「12人の怒れる男」という、
密室で男たちが話し合うだけの名作映画がありますが、
ワイオミング州の冬山で山荘に閉じ込められた人々が、
そこで順番に口上を垂れるという構造は、
ちょっとそれを思い出しました。

結局「何かが起きている」わけではないのですが、
(起きていますが、派手なことは何もない)
それでもずっと観ていられるのは、
タランティーノという人の、
編集の妙であり、音楽の使い方の巧さであり、
何より登場人物の「台詞回し」が唯一無二だからでしょう。
3時間以上の映画ですがまったく長く感じませんでした。
さすがです。
(302文字)



●サーチ

鑑賞した日:2019年3月9日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル視聴(399円)

監督:アニーシュ・チャガンティ(インドネシア人監督)
主演:ジョン・チョー
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/XJzKax

▼140文字ブリーフィング:

これは、めちゃくちゃ面白かったです。
文句なしに、留保なしに、ほぼ誰にでもお勧めします。
「面白くなかった」という人は皆無じゃないかというほど。
構成が面白くて、
約100分の上映時間中、
全部が「パソコンのモニター上」で展開するのです。
SNSの画面、動画通話の画面、メールの画面など。
そんなのは「不自由」ではないか。
そうではないのです。

「ある事件」をこの映画は、
パソコンの画面内でこそ完璧に、
もしかしたらリアルな映像を使う以上にリアルに描き出す、
という離れ業を成功させているのです。

こういう映画って予算はあまりかかりません。
「発想力の一本足打法」でここまで面白く出来るのです。
なぜ日本でこれを作れなかったのかが非常にくやしいところ。
まだ映画ってこんなに面白いことが出来るんだ、、、と感動しました。
「ユージュアルサスペクツ」という知る人ぞ知る名作がありますが、
それが好きな人には200%お勧めしたい。
そして語り合いたい。
是非観てみて!
エロくないし、グロくないし、
暗くないし、暴力的じゃない。
そして後味悪くない。
ファミリーでも観れてしまうという。
でもちゃんとハラハラするという。
映画として200点ですね。
(455文字)


●500日のサマー

鑑賞した日:2019年3月17日
鑑賞した方法:Amazonビデオで有料レンタル(100円)

監督:マーク・ウェブ
主演:ジョセフ・ゴードン・レヴィット、ズーイー・デシャネル
公開年・国:2010(日本)
リンク:
https://goo.gl/RAcQmi

▼140文字ブリーフィング:

こちらも後で語りたくなる映画です。
「サマー」は主人公トムの「彼女」です。
このサマーが「クソ女」なのです。

少なくとも途中までは誰でもそう思う。

しかしこの映画の構成は見事で、
最初に主人公がサマーに謎の振られ方をするところから始まり、
時間を前後しながら、そして様々な角度から、
出会いから別れまでを「切り取っていく」と、
パズルのピースが埋まり、風景の全貌が見えてくるように、
起きたことの真相が浮かび上がる。

そうすると、まるでミステリー映画のように、
「実際に起きていたこと」が客観的に観られるようになる。
そうすると「サマー=クソ女」というのは、
それはあくまで主人公から見たときにそうなのであって、
同じシーンを違う角度からみると、
主人公が何度も何度も、
サマーの心の叫びを無視していることがわかるのです。
お互いが深く傷ついた恋愛と失恋で、
実はお互いが成長する、というのがこの映画のテーマです。

最後のシーンは印象的です。

、、、あ、ここからは自己責任で読んで下さい。

▼▼▼ネタバレ注意▼▼▼


▼▼▼ネタバレ注意▼▼▼


▼▼▼ネタバレ注意▼▼▼


サマーは出会った当初「愛や運命なんて信じない」と言っていました。
だから彼女は特定の男性と「コミットした関係」になるのを極端に嫌がり、
セックスするのも特別なことではなくカジュアルなことで、
複数の男性とそういう関係にあることも気にかけない。
それを束縛する人間を彼女は極端に嫌います。

しかし終盤、彼女は「運命を感じて」、
トム以外の男性と結婚するのです。

主人公のトムは最初「運命と愛」を力説します。
しかしサマーに振られた彼は、
「運命」に失望します。
そして運命の失望が彼を「主体的」にし、
彼は「いつかなりたい」と言っていた建築家への道を、
自ら切り拓き始め歩み始めます。
そして次の彼女(オータム)に出会ったとき、
常に受け身だったサマーのときとは対照的に、
自分からオータムに声をかけます。
こういうことってありますよね。
お互いがケンカした後、
お互いの意見が相手に影響されていたという。
この映画も「語りたくなる」映画です。
(844文字)



●キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

鑑賞した日:2019年3月4日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:スティーブン・スピルバーグ
主演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス
公開年・国:2002年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/QnkBG5

▼140文字ブリーフィング:

さすがスピルバーグ、という感じですね。
エンターテインメントとして一級品です。
嘘に嘘を重ね、パイロット、弁護士、医師など、
様々な職業を遍歴しながら、
巨万の金をだまし取ることに成功した詐欺師(ディカプリオ)と、
それを追い続けた刑事(トム・ハンクス)の物語。
これが実話だというのだからさらに驚きます。

この映画、
二人が「仲良し」に見えてくるのが不思議で、
そこがなんとも良い映画にしています。
「ルパンと銭形警部」とか、
「トムとジェリー」みたいな関係性ですね。

かと思えばテーマは深く、
底なしに孤独な青年の、
魂の徘徊の物語でもあります。
序盤に登場する彼の父親の、
あまりにも空虚な目と空虚な性格を考えたとき、
彼がどれほど孤独だったかが想像出来るのです。
そして胸が痛くなる。
もしかして彼はトム・ハンクス扮する刑事と、
知恵比べをしているときだけ、
孤独から癒されたのかもしれない。
刑事は彼にとって「疑似的な父」だったのかもしれない、と。
(407文字)



●クリミナル 2人の記憶を持つ男

鑑賞した日:2019年3月5日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:アリエル・ヴロメン
主演:ケヴィン・コスナー
公開年・国:2017年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/QnPQHg

▼140文字ブリーフィング:

とくに何の記憶にも残らないような映画でした。
他人の記憶を埋め込まれた男の話で、
「100万回ぐらい見たことあるシーン」と、
「100万人ぐらい思いつきそうな設定」の連続でした。
ロンドンの街並みがきれいだったことだけが救いでした。
(112文字)



●イコライザー2

鑑賞した日:2019年3月1日
鑑賞した方法:Amazonビデオで有料レンタル(399円)

監督:アントニー・フークワ
主演:デンゼル・ワシントン
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/KkCaFy

▼140文字ブリーフィング:
「イコライザー」が面白すぎたので、
「続編」であるこちらを、お金を払って観ました。
「2」のジンクスってあるじゃないですか。
シリーズ化した映画の第2作はたいてい「地雷」っていう笑。

まぁ、そりゃそうですよ。
特にこの映画は「ダイ・ハード」と同じで、
キャラが濃い主人公によるアクションが軸なので、
より第2作は難しいのです。

「金田一少年問題」と私は呼んでいるのですが、
「大事件」がある人物の周りで何度も何度も起こる、
というのは明らかに不自然なのです。
「最もシンプルな説明が最も確からしい」という、
「オッカムの剃刀」の原則によって思考するなら、
一番シンプルな説明は、
「金田一少年(またはその彼女)こそが連続殺人魔」だ、
ということになります。
状況証拠がそれを示しているわけです。

だって行く旅行行く旅行で、
同じ宿で人が死ぬっておかしいでしょ笑。

「イコライザー」や「ダイ・ハード」などの映画も、
同じ理由で続編が作りにくいのです。
一気に「フィクションラインが上がって」しまう。
つまり「お話感」が強くなっちゃう。

、、、という「自己弁護」をしたうえで、
この映画はどうだったか?
面白かったですよ笑。
ダイ・ハード2よりは絶対面白いです。

私の場合この映画の主人公にホレちゃってるので、
もう何してもカッコいいんですよ。
特に、労働者としてひっそりと生活しながら、
「弱者を救う」という覆面ヒーロー的なところが。
そして彼がいつも弱者の味方であるところが。

第一作の映画評で私は、
この映画は「正義とか悪が相対化された時代」に、
それでもやはり正義はあるのか?
という問いに答えようとしている、
と語りました。

第二作ではこのテーマがより露骨になっています。
主人公に敵対し殺害しようとする男が、
主人公にこう言います。

「正義を振りかざすな。
この世にはいい人間も悪い人間もいない。
悪もない。敵もいない。
いるのは不運な人間だけだ。、、、善も悪もない。
こう考えよう。
罪もない。善ももない。人は愚かだ。」

この言葉に誰が反論できるでしょう?
この残酷な世界で、彼がいっていることは真実です。
この問いにたいして主人公は、
「正義と悪があった時代」に逆戻りすることなく、
「もっと深い位層における正義」を具現化しようとするのです。
ハードルを下げていたのもありますが、
十分面白い映画でした。
(970文字)



●ブレードランナー2049

鑑賞した日:2019年3月1日
鑑賞した方法:Amazonビデオで有料レンタル(299円)

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード
公開年・国:2017年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/3zpHtv

▼140文字ブリーフィング:

かなり話題になった映画ですね。
リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」は、
知る人ぞ知るカルト映画で、
この映画以前とこの映画以降で、
「近未来」の描き方は変わった、と言われるほどです。
この映画のルーツが知りたくて、
私はフィリップ・K・ディックの原作
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」も読みました。

ブレードランナーの世界には、
「人間型のアンドロイド」が、
人間と区別がつかなくなった未来に、
人間のふりをしているアンドロイドを「取り締まる」警察がいます。
この警察もアンドロイドです。
このアンドロイドが「人間とアンドロイドの判別」
をするのですが、それが「共感能力」だったりするのです。
しかし、どうみても人間のほうが非人間的であり、
アンドロイドのほうが共感能力があるように見える。

、、、とすると「人間」って、
いったい何なの?
という哲学的なテーマに突き当たることになる。

「2049」では前作へのオマージュをたくさん入れ込みつつ、
「レプリカント同士の子ども=初子(救世主)」を殺す、
という「出エジプトおよび福音書」や、
「ラケル(レイチェル)の子どもがジョー(ヨセフ)」
などの聖書からのモチーフも多用されます。

でもこの物語の骨子は明らかに「ピノキオ」です。
「造り主」である人間に、
「ぼくは本当は人間なんじゃないの?」と問う、
木彫り人形の切ない話しです。
これは「A.I.」という映画で、
スティーブン・スピルバーグがやったテーマでもあります。
(608文字)



●ジュラシック・ワールド

鑑賞した日:2019年3月4日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:コリン・トレヴォロウ(制作総指揮スティーブン・スピルバーグ)
主演:クリス・プラット
公開年・国:2015年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/sXXh5U

▼140文字ブリーフィング:

映像は凄いですが、
他は何も凄くなかったです。
特に内容のない作品でした。
IMAXとかで見たらきっと凄いんでしょうね。
(57文字)



●ノーカントリー

鑑賞した日:2019年3月6日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:コーエン兄弟(ジョエル・コーエン)
主演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン
公開年・国:2007年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/7o9G6J

▼140文字ブリーフィング:

めちゃくちゃ面白かった。
コーエン兄弟恐るべし!!

大好きな映画のひとつになりました。

犯人(アントン・シガー)はサイコ度、
史上ナンバーワン!!です。
彼を超えるサイコパスは、
もう浦沢直樹の「MONSTER」に出てくるヨハン以外いないでしょう。
二人とも「彼を観たら人生が終わる」という恐ろしさがあります。
二人を対決させたい笑。

シガーが使う「空気圧ポンプの兵器」は、
一生脳にこびりつきます。
最低つまり最高です!
(200文字)



●オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

鑑賞した日:2019年3月5日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:スティーブン・ナイト
主演:トム・ハーディ
公開年・国:2015年(イギリス)
リンク:
https://goo.gl/G9TSxY

▼140文字ブリーフィング:

イギリス映画です。
最初から最後まで「本当に」ひとりしか登場せず、
場面は「本当に」車のなかだけ、
という非常に大胆な構成の映画です。

会話劇だけで見せるという。
ある男が職場からの帰り道に妻に電話をかけます。
妻に言います。
「これからある女のところに行く。
 去年の出張のときに関係を持った。
 私は彼女の出産を見届けなければならない。
 でも信じてほしい。
 私がキミを裏切ったのはその一回きりだし、
 出産を見届けたら必ず家族の元に帰る」
妻はパニックを起こし、電話で離婚を言い渡します。

彼はなぜそこまでして一度しか会ったことのない女性の、
出産を見届け認知することにこだわったのか?
彼の父が彼を認知しなかったために、
彼は私生児として過ごしたことがだんだんと分かってきます。
彼は「オヤジよ、オレはお前とは違う!」
と、どうしても行動で示す必要があったのです。

現場監督者の彼は今度は職場の上司に電話します。
明日、大切な工事があるが、
私は行けません。
部下に任せてあります。
上司は激昂し、彼は解雇されます。

車で職場を出たとき、
彼には仕事も家庭もありましたが、
高速道路を下りたとき、
彼は仕事も家庭も失っていました。

そこまでして彼が、
「出産を見届ける」ということにこだわったのは何故か?
それは、どうしても「父親を超える」必要があったからです。
そうです。オイエディプス神話です。
彼は「父殺し」を達成せねばならなかった。

これを全部「社内の電話の会話」だけで説明します。
ナレーションも過去シーンのカットバックもいっさいなし。
そういう映画です。

宮台真司の評論が凄いので、
リンクを紹介します。
この映画はイギリス経験主義のジョン・ロックへのオマージュであり、
ギリシャ悲劇の踏襲、という解釈です。
興味のある方は以下を参照下さい。
https://realsound.jp/movie/2015/08/post-63.html
(732文字)



▼▼▼月間陣内アカデミー賞▼▼▼

世界一小さな映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」を、開催いたします。
主催者、プレゼンターは陣内がつとめます。

作品賞、主演(助演)俳優賞、そしてもうひとつ、
という感じで、ぬるーくやります。
皆さんの映画選考の参考にしていただければ幸いです。


▼作品賞(ダブル受賞)
『リトル・ミス・サンシャイン』/『サーチ』

コメント:

先月は、優劣付けがたい、
ということで2作品同時受賞です。
両方とも文句なしに面白い!!
文句なしに「観てみて!」
と万人にお勧めできる。

わりと私が激推しする映画って、
「大好きな人が2割、大嫌いな人が6割以上」
みたいな「癖が凄い」映画が多いですが、
この2本は「クセスゴ映画」でもありませんし。
両方エンターテインメントとして一級品です。
リトル・ミス・サンシャインはスローな感じ、
サーチはスピード感、という違いはありますが。



▼主演(助演)男優賞
ハビエル・バルデム(ノーカントリー)

コメント:

歴史に残るキャラクターだと思います。
「ノーカントリーのシガー」を、
これからも私は何度も思い出すと思います。
それほど脳髄に焼き付く恐怖と戦慄を与えるキャラでした。
町山智宏さんは彼に直接インタビューしたそうですが、
めちゃくちゃいい人だったそうです笑。
「あの役を演じてから、
 レストランに入ると周りから人がいなくなる。
 どうにかしてくれ」
と言っていたそうです笑。
レストランからいなくなった人は、
「あ、死ぬ」と思ったんでしょう笑。


▼主演(助演)女優賞
アビゲイル・ブレスリン(リトル・ミス・サンシャイン)

コメント:
子役ですが、とても良かったです。
この映画の6人の家族の中の「核」となる存在であり、
彼女を媒介として他者が変えられて行く、
という意味で非常に重要な役どころ。
しかも設定上、可愛すぎてもダメだし、
可愛くなさ過ぎてもダメ。
「神の国は子どもにこそ与えられる」
とイエスは言いましたが、
この映画を観るとその意味がよく分かります。
オリーヴの天真爛漫なキャラクターに、
完全にハマっていました。



▼その他部門賞「脳に焼き付く賞」
『ノーカントリー』

コメント:
作品賞の2作『リトル・ミス・サンシャイン』
と、『サーチ』に勝るとも劣らないぐらい面白かったです。
あんまり分かりやすいエンターテイメントではありません。
私の好きな映画テーマ「サイコパス」が出てきます。
しかし、みた人は「ずーん」と重く何かがのしかかる。
良い小説の読後感に似ています。

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