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陣内が先週読んだ本  2019年 3月15日〜4月4日

2019.08.22 Thursday

第86号   2019年4月9日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先週読んだ本 
期間:2019年 3月15日〜4月4日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

先週私が読んだ本(読み終わった本)を紹介していきます。
一週間に一冊も本を読まない、
ということは、病気で文字が読めなかった数ヶ月を除くと、
ここ数年あまり記憶にないですから、
このコーナーは、当メルマガの
レギュラーコーナー的にしていきたいと思っています。
何も読まなかった、という週は、、、
まぁ、そのとき考えます笑。

ただ紹介するのも面白みがないので、
twitterに準じて、
140文字で「ブリーフィング」します。
「超要約」ですね。
(どうしても140字を超えちゃうこともあります。
 140文字はあくまで「努力目標」と捉えてください笑。)

忙しい皆さんになり代わって、
私が読んだ本の内容を圧縮して紹介できればと思います。
ここで紹介した本や著者、テーマなどについて、
Q&Aコーナーにて質問くださったりしたら、
とても嬉しいです。


●Sunny サニー

読了した日:2019年3月19日
読んだ方法:Amazonで全巻購入

著者:松本大洋
出版年:2010〜2015年
出版社:小学館

リンク:
https://goo.gl/N2VFJt

▼140文字ブリーフィング:

これはヤバかったです。
最高でした。
「ピンポン」を超えたかもしれない。
前回の「読んだ本」で紹介したとおり、
作者の松本大洋氏は小学生の頃、
児童養護施設で暮らしていました。
施設で暮らす子どもたちの、
「親を思う片思いにも似た気持ち」
「家の子(施設ではない子どもたち)と、
 園の子(施設の子どもたち)を分ける、
 見えない溝と、そのスティグマに苦しむ気持ち」
「親に捨てられたのかもしれない
 という不安や悲しみから来る、
 他者を傷つけずにいられないどうしようもなさ」
というものが、本当にリアルに表現されていた。
どんな文学作品もこれには及ばないでしょう。
ノーベル文学賞に推薦します。
(277文字)



●衰退の法則 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体

読了した日:2019年3月20日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:小城武彦
出版年:2017年
出版社:東洋経済新報社

リンク:
https://goo.gl/GwQxjK

▼140文字ブリーフィング:

ヤバい本でした。
マジで。
「2019年版・陣内が今年読んだ本ベスト10入り」が、
現時点で決定しています。

以下のように本をランク付けしたとします。

Dランク、、、ゴミ。
Cランク、、、たいして面白くない。
Bランク、、、期待ほどではなかった。
Aランク、、、面白かった!オススメ!
Sランク、、、めちゃくちゃ面白かった!夢中で読んだ!
殿堂入り、、、この本と出会えて良かった。「心の書庫」に入れる。

この本は、Sランクと「殿堂入り」の間ぐらいに位置します。

産業再生機構に勤務していた著者が、
「破綻する日本企業には、類似点が多い」
という問題意識を検証するために、
東大大学院に入り直して博士論文を書いたものを
一般向けにリライトしたのが本書です。
社会学的な基礎調査(質的研究)に、
文化心理学という補助線を加えて分析したという骨太な著作ですが、
めちゃくちゃ分かりやすく説明されていて、
いろんな事が腑に落ちます。

まずは書き出しを引用しましょう。

→P1〜2 
〈「破綻する日本企業には、類似点が多い」
 企業再生の専門家が、良く口にする言葉である。
 いったいそれは、本当なのか。
似ているとすれば、どこがどのように似ているのか。
その類似点は、破綻企業だけに見られるものなのか。
それとも、広く日本企業全体に共通する部分が含まれるのか。

本書は、実際に破綻に至った企業群を詳細に調査することにより、
これらの問いに一つの答えを導き出すことを試みる。
もし、破綻する企業に何らかの共通点があるとすれば、
それらを早めに是正することによって、
将来の破綻を未然に防ぐことが可能になるからだ。

先取りして述べれば、本書では次の結論を導き出す。

・破綻した企業の組織には、ある共通のメカニズムが駆動していた。
・このメカニズムは、駆動していても「平時」には気づかないが、
 ひとたび「有事」、すなわち事業環境が変化すると
 企業の対応を著しく困難にさせる特徴を有しており、
 破綻した企業はいずれも事業環境の変化に上手く適応できず、
 売り上げや利益をズルズルと落とし続け、破綻に至ってしまった。
・すなわち、このメカニズムは、
 「平時」には息をひそめ「有事」に牙を剥く、
 いわゆる「サイレントキラー」としてのやっかいな性質を有している。
・このメカニズムは一度駆動してしまうと、止めることは容易ではない。
・日本企業には、このメカニズムを
 社内で駆動させてしまいやすい傾向が文化的に内在している。〉


、、、頭がいい人の文章や話し方には特徴があります。
それは「結論から伝える」というものです。
これは話し方、書き方のテクニックでもあります。
逆に言えば、結論から話したり書いたりすることで、
本当は頭が良くなくても、
他者から頭が良い人と思われることが出来るのです笑。

「結論を先に言いましょう」。
これを言ったり書いたりしてみてください。
それだけで、「こいつなかなかやるな」と、
上司や取引先は思ってくれるでしょう。

その後の説明が論理的かどうかによって、
メッキが剥がれたりすることもあるので注意が必要ですが笑。

本書も「結論から入って」います。
・破綻企業には共通する特徴がある。
・その特徴は「サイレントキラー」としての性質を持っている。
・日本の文化的特徴はこのサイレントキラーを醸成する傾向にある。
これが本書の論旨です。

非常に分かりやすいですね。

では、破綻企業にはどんな特徴が共通しているのか?
いくつか引用します。

まずは破綻企業の「作法」について。

→P52 
〈破綻企業には
1.社内での対立を極力回避する、
2.役職や入社年次といった社内秩序を強く重んじる、
といった2つの共通点が存在する。
これらは、破綻企業の社内規範、
「作法」として存在しており、
役社員は好むと好まざるとにかかわらず、それらに従っている。
日常の行動のベースとなっていると言っても過言ではない。〉


、、、あなたの属する会社や教会や組織が、
この特徴を備えていたら要注意です。

続けて著者は、破綻企業は「政治的」であると言います。

→P59 
〈社内の秩序は、入社年次や役職だけにとどまらない。
破綻企業には、いわゆる派閥、学閥、本流部門といった
政治的な影響力を行使する集団が存在する。
それに属することによって、社内の序列が上がることになる。
 (中略)
なお、「政治的」とは、
すなわち「正しいか正しくないか」ではなく、
「好きか嫌いか、仲間か仲間でないか」で
物事を判断する傾向を有することを意味する。
政治的な集団が力を持つと、
特定の案件に対する賛否を案件の内容ではなく、
誰が発案者かによって決めるようなことが横行してしまう。〉


、、、社内、教会内、組織内で、
「政治性」がはびこると、
「正しいことを言ったかどうか」よりも、
「誰が言ったのか」が重要になる。
これによって正論が却下され、
激変する事業環境に対応できず、
それらの組織は破綻していきます。

続けて破綻企業は意思決定のプロセスが、
「予定調和的」だという特徴があります。

→P73〜74 
〈以上が破綻企業に共通する意思決定プロセスの特徴である。
破綻企業の取締役会や経営会議は、
1.侃々諤々の議論、「ガチンコの議論」が行われることはなく、
2.役職上位者や有力者の意見に過度に同調する傾向が見られ、
3.全会一致で決議されるのが通例であり、
4.出席者間に暗黙の相互不可侵の合意が存在するため、
  部分最適の議論が大半を占めている。また、
5.対立を生じさせかねないPDCAは巧みに回避されている。

破綻企業の経営陣の意思決定プロセスには、
こうした「予定調和的色彩」がきわめて強く表出している。
こうした意思決定プロセスが、
後に破綻企業にとって致命的なダメージを与えることになるのである。〉


、、、企業や教会や組織の「会議」は、
絶望的につまらないものが多いですが、
その理由はそれらが予定調和的だからです。
侃々諤々の議論を闘わせ、
「正論と正論のガチンコ勝負」が行われる組織は、
事業環境の変化にもかかわらず業績を上げ続ける、
ということを著者は後に実証します。

ところが日本文化の「癖」が、
そのような組織文化を阻んでいるのです。

→P179 
〈結論を先に述べると、
図2−4の「1.経営陣の意思決定プロセス」と
「2.ミドルによる社内調整プロセス」の特徴は、
文化的自己観の「排除回避」と
「調和追求」が誘発する方向に作用し、
「自己主張」が抑制する方向に作用することが明らかになった。

日本人が強く持つと言われる
相互協調的自己観(排除回避と調和追求)が
衰退惹起サイクルを駆動させる方向に作用すると共に、
相互独立的自己観の一つであり、
日本人が弱いとされる「自己主張」が
ブレーキをかける力を有していることが
統計的に検証されたことになる。

したがって、日本人が多い日本企業においては、
衰退惹起サイクルが駆動しやすい
文化的な「癖」がある可能性が示されたと解釈できる。〉


、、、文化心理学という、
比較的新しい学問領域に頼ることで、
著者は以上のような破綻企業の特性と、
日本文化との関連性を明らかにします。

欧米文化圏とは違い、
日本を含む東アジア文化圏では、
「相互協調的自己観」をもち、
「調和追求」の特性が高いのです。
欧米では逆に、
「相互独立的自己観」を持ち、
「自己主張」が強い。

「会議が予定調和的である」
「ガチンコの議論が避けられる」
「仕事が出来る人よりも、
 政治力(調整力)を持つ人間が上に立つ」
といった破綻企業の特性は、
日本人のこれらの文化的特性によって強化されているわけです。

話しはここで終わりません。

もし「だから日本はダメなんだ」
という結論になるとしたら早計です。

だって同じ日本にいて、
同じような事業環境の激変を経験し、
なお成長し、業績を上げ続け、
世界との競争に勝ち続ける優良企業が存在するからです。

それはどう説明したら良いのか?
破綻企業を破綻させるサイレントキラーを、
著者は「衰退惹起サイクル」と本書で名づけています。
優良企業にはこのサイレントキラーの駆動を止める、
「ストッパー(くさび)」がいくつか存在するというのです。

引用します。

→P205〜206 
〈(優良企業の会議についてのコメントについて)
同じ日本人が多い組織として、
第2章で見た相互協調的自己観の影響が
存在することがうかがえるコメントである。

しかしながら優良企業には、
それらを凌駕する強い規範が存在することが明らかになった。
次のコメントが示すとおり、
「現場・現実を重視し、事実に基づく議論を尊重する規範」である。
対立を回避する志向性を有し、
役職や入社年次といった社内秩序を尊重しながらも、
こうした規範が存在することによって、
一定の歯止めがかかっている。

役職や入社年次が上の人間を尊重するとしても、
現実・現物をベースとした議論において妥協はしない、
という一線がきちんと引かれている。

結果として、役職や立場をテコにした議論や
「好き嫌い」をベースとした議論、
すなわち組織に政治性がはびこることが防止されている。
いずれの企業にも、派閥などの政治的な集団は存在しないようだ。〉


、、、日本文化が、
「変化への対応に弱い」のは仕方がない。
長年農耕生活を送ってきた日本人が、
「和を尊び」、協力して農作業をし、
一致団結せねば生きてこられなかった過去が、
私たちのDNAに染みついているのですから。
実は昭和後期のような、
社会が安定成長にあり、
事業環境が安定しているときは、
これが他国を寄せ付けない強みとなった。
それが80年代の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の正体です。
日本人の勤勉さ、社内調整力、終身雇用、
家族的経営、、、これらは強みとなったのです。

ですが、現代のような変化の激しい時代には、
その「強み」がそのまま「衰退の原因」となるのです。
変化に適応できず、
全員が沈むと分かっていてやはり沈んだ戦艦大和のように、
日本企業の多くが破綻していっている。
では、破綻しないようにするにはどうすれば良いのか?
それは社内に政治性がはびこらず、
誰が言ったとしても正しい意見が正論として通るような、
組織文化や規範を「新たにインストール」する必要がある、
というのが著者の結論です。

、、、めちゃくちゃ面白いでしょ。

ここまででも、この本の魅力の半分も伝えていません。
ここから先がもっともっと面白いです。
私の働いている教会の分野でも、
前の職場の公務員の分野でも、
大いに参考になる一冊です。
オススメします。
(4,198文字)



●神は何のために動物を造ったのか 動物の権利の神学

読了した日:2019年3月29日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:アンドリュー・リンゼイ
出版年:2001年
出版社:教文館

リンク:
https://goo.gl/ygiKHH

▼140文字ブリーフィング:

この本も、「2019年版ベスト10入り決定」です。
まだ4月なのにどんどんぶち込まれていくというね笑。
これはしかし、1位か2位に決定している、
それぐらいすごいです。

先ほどのランク付けで言いますと、
「殿堂入り」が決定しています。
それぐらい素晴らしい本だった。

この本の原題は、
「Animal Theology」です。
つまり動物神学。

20世紀に「神学」は大きく変わりました。
前世紀までは「黒人奴隷」や、
「女性に参政権のないこと」を、
「神学者が神学的に擁護」していた。
今では考えられないことですが、
これは厳然たる歴史の事実です。

しかし20世紀にその状況は逆転した。
現代の神学者で奴隷制を支持したり、
女性の権利に異を唱える人は、
かなり変わった人を除けば皆無です。
それらの状況を変えたのが、
「黒人神学」や「女性神学」といわれる分野です。

ピーター・シンガーという哲学者は、
「拡大する輪」という概念を提唱しています。
人類は有史以来、「誰がフルスペックの権利を持つか」
という「輪」を拡大し続けてきた。
私たちの多くは感覚が「麻痺」しているのですが、
人類史のほとんどの間、
女性や子どもに人権はありませんでした。
彼らは「男性の所有物」と思われていた。
黒人奴隷もそうです。
しかし、今そう考える人は皆無です。

このように「権利と共感の輪」は拡大し続けている。
これが「動物」にも及ぶとシンガーは主張しており、
本書の著者で神学者のアンドリュー・リンゼイ氏も、
これを神学的に支持しています。

私も大筋において彼に賛同します。

【目次】
第一部 神学的原理の確立

第1章 畏敬、責任そして権利 P20
第2章 弱者の道徳的優先権 P64
第3章 僕の種としての人間 P93
第4章 動物のための解放の神学 P122
第5章 動物の権利と寄生的本質 P145

第二部 倫理的習慣に挑戦する

第6章 非神的犠牲としての動物実験 P174
第7章 反福音的捕食としての狩猟 P205
第8章 聖書的理想としての菜食主義 P223
第9章 動物の奴隷化としての遺伝工学 P243


、、、以上が本書の目次になります。
だいたいの概要が掴んでいけると思います。
まずは本書の導入部をご紹介します。

→P3〜4 
〈何年か前、オックスフォードで神学と動物に関する講演を行った後、
一人の学生が私の所に来て次のようにいった。
「リンゼイ博士、先生の講演は大変興味深いものでした。
けれども私には理解出来ないことがあります。
動物は食べられるために存在するのでなければ、
一体何のために存在するのですか?」と。

このような明らかに無知な質問は、
動物に関する西洋の伝統的な考えを表している。
動物の目的、彼らが存在しているすべての理由は
まさに我々に仕えることなのである。
そして動物がわれわれに仕える主な方法は、
われわれの胃袋のための食物なのである。
異常であるとか、常軌を逸しているどころか、
この考えは哲学と宗教の両方から最高の支持を得てきたのである。
特に、西洋キリスト教神学はこの考えを支持してきた。
動物の倫理的扱いについての標準的解答は
次のような言葉によって成立してきた。

「しかし神は我々が使うように動物を与え給うた」と。

しかし、この人間中心的
――全くの胃袋中心的――動物観は
未だかつてなかったような、
西洋における知的挑戦に直面している。
過去三十年の間、哲学者と倫理学者たちは、
多分、道徳哲学における他のどのトピックよりも
動物の身分について多くを書き、論じてきた。
かつては無視され、ほとんど聞いたこともないような
道徳的探求の主題であったのだが、
現在では、雑誌、本、大学の講座、
大学のポスト(私自身のも含めて)が、
この動物保護の主題に貢献しているのである。〉


、、、キリスト教神学は長い間、
「動物は人間に役立つために造られた」
と考えてきました。
キリスト教神学が長い間、
「奴隷は主人の役に立つように生まれた」とか、
「女性は劣った被造物で男性に従属するよう神は定められた」
と考えてきたのと同じように。

しかし、21世紀の神学者で、
デカルトの「動物機械論」や、
「動物は人間のために神が与えた道具」
と考える人は少数派です。
むしろそれに異を唱える人の方が多い。

キリストは誰のために死んだのか?

という質問を、私の師匠のボブ・モフィット氏は、
神学生にいつもするのだそうです。
「私のため」と誰かが言います。
「それだけ?」とボブ。
「私たちのため」と誰かが言います。
「それだけ?」とボブ。
「人類全てのため」と誰かが言います。
「それだけですか?」とボブ。

本当にそれだけでしょうか?

ボブはコロサイ人への手紙1章20節を、
神学生に読ませます。

「その十字架の血によって平和をもたらし、
御子によって、御子のために万物を和解させること、
すなわち、地にあるものも天にあるものも、
御子によって和解させることを
良しとしてくださったからです。」

、、、キリストが血を流したのは、
「万物」の和解のためです。
万物のなかに動物は当然含まれます。

ノアと契約を結んだのは誰か?
これも同じです。
多くの人が「人類」で止まります。
そうだと「思い込んで」いるのです。
しかし聖書を読むとそうではありません。
神が契約を結んだのは人間だけでなく動物も入っているのです。

なぜこういう「誤読」が生じるのか?

それは神学が、
「人間中心バイアス」に影響されてきたからです。
そうです。
過去の神学が、
「白人中心バイアス」、
「男性中心バイアス」
「大人中心バイアス」の、
影響下にあったように。

先ほど私が言及した「拡大する輪」の、
神学バージョンが、著者のしようとしていることです。
引用します。

→P5〜6 
〈(仏教に精進料理があり、
仏教は動物への非暴力を唱えてきたのに対し)しかし、
キリスト教は?キリスト教の主流神学の内部に
動物に対する我々の扱い方を再評価する基盤が本当にあるのだろうか?
私はあると信じているし、
本書は歴史的キリスト教の内部に常にある程度存在してきた、
動物に対するもう一つの感受性を描き始めようとしている。

もちろん疑いもなく、
動物に対する現今の西洋人の関心は
キリスト教信仰と実践に鋭い挑戦を仕掛けるものである。
あまりにも長い間、
キリスト教は動物に対して非常に低い位置を与えてきたのであり、
神は世界における人間という種だけに
興味を持っていると考えてきたのである。
標準的キリスト教思想は、
解決の役割を担うよりもむしろ問題の一部であり続けてきた。
 
しかし、キリスト教思想は、変化しうるし、また変化する。
まだ150年ほど前、キリスト教神学者たちは
未だに奴隷制度を弁護していたし、
100年以内においても、
植民地政策を弁護していた神学者を発見することは可能である。

そして50年前に至るまで
――今日に至るまで――神学者は、
女性は男性に従属していることを弁護し、
未だにそうしているのである。

多くの過ちや、誤った方向性にも関わらずキリスト教神学は、
新しい未来の世界についての神中心のヴィジョンを明確にすべく、
緊急、かつ継続的責任をもっているのである。

私の理解するところでは、
動物に対する現在の暴力と残忍さは、
一種の精神的無知に由来している。
もし我々が動物に対して主に胃袋を中心とする考えを持っているとすれば、
その理由は、他の存在の生命が
神の創造物であることをほとんど理解もしないし、
有り難くも思っていないからである。
キリスト教神学は多くの面で、
道徳的感受性についての新しい運動を理解するのに失敗してきたが、
それはまた、神が創造した何万もの他の被造物を
より深く理解する力を形成する方法に導く助けともなるのである。〉


、、、輪は拡大します。
100年後に、「動物が人間に従属すると考えていた」
ことが、「恥」となる時代がくるだろう、
と著者は考えているし、私もそう思います。
過去の奴隷制度支持者を、
私たちが眉をひそめるのと同じように。

動物が人間に従属しないとしたら、
いったい何のために神は動物を造ったのでしょう?
そして人間と動物の関係は、
いかなるものであるべきなのでしょう?

「しもべ(僕)の種」としての人間、
というのが著者の回答です。
英語では、「サーバント スピーシーズ」ですね。
「創造の冠」たる人間は、
キリストのキリスト性の冠である、
僕(しもべ)性(=サーバントフード)を、
その身にまとうべきだ、と。

100%、私も同意します。

→P6〜7 
〈要するに、我々は被造物の内部において、
仕える種としての新しい道徳的ヴィジョンを必要としている。
それは動物だけでなく、
我々自身をも人間の暴力から救い出すのに役立てるためである。

キリスト教信仰は、
世界の他の存在をいかに扱うかについて、
真に異なった存在――積極的相違――とならなければならない。
有名なバプテストの説教者、
チャールズ・スパージョンはかつて、
ローランド・ヒル(同時代人)の考えをさらに説明してこう言っている。
「もし彼の犬あるいは猫が、
飼われているそのことによって幸福でないとすれば、
その人はキリスト者ではない」と。
そしてコメントした。
「信仰の真偽はそれによってわかる」。〉


、、、まだまだ解説したいですが、
今日は文字数オーバーでここまで。
とにかく「ヤバい本」でした。
良い意味で。
マジで。
(3,730文字)



●内臓脂肪を最速で落とす

読了した日:2019年4月2日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:奥田昌子
出版年:2018年
出版社:幻冬舎新書

リンク:
https://goo.gl/g6Su5P

▼140文字ブリーフィング:

思いの外内容が薄い本でした笑。
でも非常に面白い科学実験が紹介されていたので、
それを紹介します。
「腸内細菌叢」によって太ったり痩せたりするという話し。
双子の太ったほうの腸内細菌叢と痩せたほうの腸内細菌叢を、
それぞれラットに移植したら、
前者のラットが太り後者が痩せた、というのです。
さらに、その後太っていた人が痩せると
「痩せる細菌叢」に変わるのだといいます。
改めて人間の体は小宇宙だという認識を深めました。

あと、筋トレを始めるとみんな思うことがあります。
「欧米人・ラテン系・アフリカ系の人たちの、
 チート並みの筋肉量」です。
もちろん彼らもワークアウトしています。
何もせずに筋肉はつきません。
しかし、アジア系の人が同等の筋肉量をつけ、
それを維持しようとしたら、
ボディビルダーなみの節制とトレーニングをせねばならないだろう、
そういうバルクを、彼らは涼しい顔で達成するのです。

日本人トレーナーのなかには、
「いや、それは日本に筋トレ文化がないからだ。」
とか、「日本人が肉を食べないからだ」
という人もいますが、実はそうではないのです。
これは「遺伝的な要因」があります。
引用します。

→P50 
〈これは遺伝子で決まっていて、
人種ごとに平均すると、
アフリカ系の人は筋肉全体の約70%が白い成分であるのに対し、
白人は50〜60%が白、
これに対して日本人は逆に70%が赤い成分と言われています。
日本人は白い成分が少ないのです。〉


・赤い筋肉=遅筋
・白い筋肉=速筋
と言われます。
これは筋繊維を垂直に切り取った組織切片に、
特殊な染色を施して顕微鏡で見ると、
それぞれ赤と白に染まることから名づけられています。

赤い筋肉は遅筋と言って、
マラソンランナーなどに多い筋肉。
白い筋肉は速筋と言って、
100メートル走のランナーに多い筋肉。

両者の太ももの太さを考えれば分かるのですが、
白筋のほうが「肥大しやすい」。
そして日本人はその白筋が30%であり、
白人は60%、アフリカ系はなんと70%が白筋です。

そりゃ、彼らにはかなわないわけです。
私はこれを読んでなんか「すっきり」しました。
まぁ、遺伝的に決まってるのなら仕方ない。
与えられた条件のなかでワークアウトに励むだけです笑。
(912文字)



●隣る人

読了した日:2019年4月3日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:菅原哲男(児童養護施設「光の子どもの家」理事長)、岩崎まり子(保育士)
出版年:2015年
出版社:いのちのことば社

リンク:
https://goo.gl/CP7kkS

▼140文字ブリーフィング:

児童養護施設「光の子どもの家」の創始者で理事長の、
菅原哲男さんと、そのベテラン職員の岩崎さんの共著です。

私は世の中で特に尊敬する職業の人たちがいくつかいます。
そのなかでも「どう考えても彼らにはかなわない」というか、
軽々しく「尊敬」などという言葉では表現出来ないほど、
畏敬の念を覚えるのが児童養護施設の職員です。

彼らは人生のほとんどすべてを捧げて、
「隣る人」となります。
本当にこの人たちには「かなわない」と思います。
実は私の妻の弟も長いこと、児童養護施設で働いており、
今年から転職し小学校の先生になりました。
身内にそのような人がいることを誇りに思います。
また自分の所属する教会にも、
この仕事をしている方が2人いらっしゃいます。
誇らしいというか、頭が下がるというか、
とにかくアホみたいに私は、
「すごいなぁ」とばかり思います。
遠くから眺めることぐらいしか出来ない。

本書では児童養護施設、
児童虐待に関するデータが紹介されています。

→P8〜9 
〈2010年10月の時点で、全国の児童養護施設は582箇所、
入所定員は34,215人、施設に入所している子どもの数は
29,975人となっており、在籍率は87.6%である。

2015年10月8日、厚生労働省(以下功労書)発表の速報値によれば、
2014年度の全国の児童相談所で処理された児童虐待件数は88,931件という。
1990年度の調査開始以来、24年連続で過去最多を更新したのである。
実にこの24年間で、88倍の増加である。

さて虐待する者はだれだろう。

虐待の下手人は、約60%が実母、30%弱が実父だという。
その理由の60%が泣き止まなかったから、である(厚労省HP)。〉


、、、児童養護施設の職員も、
「生活のための仕事として」していますが、
お金だけのためにしている人はひとりもいない、
と断言できる、と菅原さんは言います。
私の属する業界(キリスト教の業界)もそうなので、
私もこれはよく分かる。
本当にそう思います。

→P43 
〈私たちは、自分の口を糊するために
働いている部分がないとは言えない。
しかし、それだけのために
この光の子どもの家に来た職員はひとりもいない、
と断言できる。

子どものために“私”を差し出す覚悟だけはできていて、
その覚悟をどこまで引きずることが出来るのか、
それが施設で働く者の大きな課題でもある。〉


、、、本書の造語、「隣る人」とは何か?
その定義が書かれています。

→P97 
〈”隣る人”とは、
児童養護施設光の子どもの家の養育に関わるキーワードである。
これは、ルカの福音書10章、
「良きサマリヤ人」と言われるたとえに由来する造語である。
窮地に陥っている人を徹底的に受け止めて関わり、
いかなる不利益を受け、
危機に陥っても逃げないで関わりを持続する位置を持ち、
行う人のことを言う。〉


以下は職員で保育士の岩崎まり子さんの執筆パートです。
この文章を読むとき「隣る人」の意味が浮かび上がります。

→P115〜116 
〈「寝る」といえば、うちの子どもたちの中には、
夜中に起きて担当者を探す子どもが少なくないように思います。

「だって、ぼくのママはぼくが寝ているときに
いなくなっちゃったんだもん!」と、
泣いて訴えたのは洋くんだけだったように思いますが、
きっとどの子にも共通している大きな穴がそうさせるのでしょう。

「いなくなったりしないよ。」

ただその言葉に責任を持つためだけの15年間だったように思うのですが、
それさえも伝えきれず、いまも小さな、けれども、
とてつもなく大きな心の叫びに
「ここにいるよ。大丈夫だよ。安心して」
と抱きしめるだけしか出来ないのです。〉
(1,487文字)



▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

ご紹介した本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:
『神は何のために動物を造ったのか』/『衰退の法則』

コメント:

今週はダブル受賞です。
両方素晴らしすぎて、優劣つけられません。
「人生を変える本」に2冊も出会いました。
精読したので、今週は冊数も少なめです。



▼▼▼部門賞▼▼▼

ご紹介した書籍の中から、
陣内の独断と偏見で、
「○○賞」という形で、
特筆すべき本をピックアップします。
こちらも何かのご参考にしてくだされば幸いです。

▼「児童養護施設の職員は社会のヒーローで賞」
『SUNNY』/隣る人

コメント:

SUNNYと隣る人、
両方とも児童養護施設の本です。
SUNNYを読むと、児童養護施設の職員の足立さんに、
尊敬の念を禁じ得ません。
(SUNNYの主人公は実は、
 子どもではなく足立さんだと私は思っています。
 スラムダンクの主人公が桜木ではなく、
 実はゴリなのと同じように、、、。)
そして「隣る人」を読むと、
さらに職員の方々の生き様に胸を打たれます。
私が「逆立ちしても適わない人々」です。
「尊敬」以外の言葉が見つかりません。


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