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陣内が先月観た映画 2019年7月 『アリー スター誕生』他

2020.01.07 Tuesday

第102号   2019年8月6日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先月観た映画 2019年7月

月に一度のお楽しみ、
「陣内が先月観た映画」のコーナー。

タイトルそのまんまの企画です。
先月私がいろんなかたちで観た映画を、
一挙に紹介しちゃうというコーナー。

5本以上観た月だけの限定コーナーとなります。
先月はけっこう観たので、
けっこう紹介できます。

もともと映画を観るほうではありますが、
Amazonプライムのストリーミングで観るようになって、
観る本数が3倍ぐらいに増加しました。
移動中に観れるというのが大きいです。
電車の中やバスの中で本を読むのは少し疲れますが、
映画はノーストレスです。
長時間移動がある月なんかは、
往復の移動だけで4、5本観れたりします。

観るだけではもったいないので、
皆様に紹介しちゃおう、
というのがこのコーナー。

世界一小規模の映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」もやります(笑)。

「おもしろそうだな」と思うやつがあったら、
それをレンタルして観てみる、とか、
あとこれを読んで、観たつもりになって、
誰かに知ったかぶりする(笑)などの
使い方をしていただければ、これ幸いです。

「陣内が先週読んだ本」の
140文字ブリーフィングが好評なので、
映画評論も140文字で試みます。

時短は正義(!)ですから笑。

「読んだ本」コーナーと同じで、
140文字はあくまで「努力目標」です。

*どうしても「ネタバレ」要素をいくらか含みますので、
絶対にネタバレしたくない作品がありましたら、
器用に読み飛ばしてくだされば幸いです。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●コンカッション

鑑賞した日:2019年7月4日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(100円)

監督:ピーター・ランデズマン
主演:ウィル・スミス
公開年・国:2015年(アメリカ)
リンク:
https://amzn.to/32cWibK

▼140文字ブリーフィング:

NFLはアメリカで最も人気のあるスポーツですが、
実は引退後、選手が薬物やアル中や精神疾患に陥り、
人生を崩壊させる、という例が多いことでも知られています。
有名なO.J.シンプソンによる、
「限りなくブラックに近いグレー」になった、
殺人疑惑も、そのような無数の例の一つです。

本作は実話に基づきます。
実はそのような精神疾患が、
ボクサーのパンチドランカーと同じで、
競技による脳しんとうによる精神疾患なのではないか、
ということに初めて気づいた、
アフリカ系アメリカ人の解剖医がいます。

この人をモデルにした、
実話に基づく話が本作です。
アメフト界はこれを「もみ消そうと」しますが、
彼は論文を取り下げず最後まで戦います。
めちゃくちゃ面白かったです。

映画評論や読書評や講演の感想で、
最も言っちゃいけない言葉は、
「考えさせられる」という言葉でしょう。
これを言うと思考が止まる「バズワード」だからです。
でも、言っちゃいそうになります。
「考えさせられる」。

もう二度と言いません笑。
(426文字)



●パッドマン

鑑賞した日:2019年7月2日
鑑賞した方法:フィリピンからの帰りの飛行機の中で

監督:R・バルーキ
主演:アクシャイ・クマール
公開年・国:2018年(インド)
リンク:
https://bre.is/DmvI11030

▼140文字ブリーフィング:

フィリピンから日本に帰る飛行機の機内で見ました。
一緒に行った友人の土畠くんは、
私より3日早くフィリピンを後にしたのですが、
その日に彼からLINEで、
帰りの飛行機で「パッドマン」と、
「グリーンブック」見て、
絶対面白いから!
っていうメッセージが来ました。

実は「グリーンブック」は、
行きの飛行機で半分見てたので、
続きを見ることは決めてたのですが、
「パッドマン」はノーマークでした。

それもそのはずで、
この映画、インド映画なので、
日本ではどうやって見れば良いのか目下分からないぐらい、
たぶん飛行機の中ぐらいでしか見られない作品です。

どうだったか?

最高でした。

インドでは「女性の生理」というものに関して、
「タブー」が存在します。
旧約聖書にもそのような規定がありますが、
女性の生理は「穢れ」と認識されるため、
生理中の女性に男性が触れてはいけないし、
生理中の女性が座った椅子に他の人が座ってはいけない、
などの社会的コードが存在します。

公に女性の生理について語るなんて、
もってのほかで、周囲は眉をひそめます。
そんなインドに、妻をこよなく愛するある男性がいます。
この男性はあるとき思います。
もし妻が生理中も快適に生活できたら、
きっともっと幸せになるのではないか?

彼は薬局に行き、
「生理用品」を買います。
それがあまりにも高価なのに驚きながら、、、。
妻は恥ずかしさのあまり彼に怒りを発します。
そして、そんな出費をする余裕は我が家にはない、
ということで、生理用品を受け付けません。
男は発明精神に溢れていたのであきらめず、
市場で綿と布を買ってきて、
市販の生理用品を「解体」して、
同じようなものを作って妻にプレゼントします。
それは「失敗作」で、
妻はますます夫に怒ります。

夫は、じゃあ自分で実験しよう、
ということで、赤い液体の入った袋を、
自分の股間にあて、
自作の生理用品をはいて、
自転車に乗ってみます。
嫌な予感がしますね。

その事件を期に、
男は村中の誰からも排除されます。
「生理」という社会的タブーに偏執狂的にこだわる、
「気ちがい」というレッテルを貼られた男は、
村を出て行くしかなくなります。

その後彼は、
あらゆる困難を乗り越え、
大手の欧米企業が作るよりはるかに簡単に、
どんな村でも、ジェネレーター(発電機)さえあれば、
制作できるマニュファクチュアの手法を編み出し、
それを村の女性たちが作って販売する、
というビジネスモデルを構築します。

彼のしたことは世界から注目を浴びるようになり、
ついにはニューヨークの国連本部で演説をするまでになります。
「本当の男らしさ」とは何かを教えてくれる、
素晴らしい映画です。
国連のスピーチは、
マジで泣きます。
(1,100文字)


●セブンティーン・アゲイン

鑑賞した日:2019年7月2日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:バー・スティアーズ
主演:ザック・エフロン
公開年・国:2009年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/O5S0Yh-Jd

▼140文字ブリーフィング:

30代になったくたびれた男が、
輝いていた17歳に戻るという話。
彼の現在の妻と出会い、、、みたいな、
バック・トゥ・ザ・フューチャーの要素があります。
特に話すことのない凡作でした笑。
途中は中だるみますし笑。
(101文字)


●クリード2 炎の宿敵

鑑賞した日:2019年7月4日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(399円)

監督:スティーブン・ケイプル・Jr.
主演:マイケル・B・ジョーダン
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://amzn.to/3231MWi

▼140文字ブリーフィング:

「ロッキー」好きなんですよねぇ。
1、2、3、4は興奮したなぁ。
で、「5」で思いっきりこけた。
FINALでちょっと面白くなったけど、
まぁ悪くはない終わり方かな、ぐらいでした。

ところがですよ。
2016年に「クリード」を見た時、
私はぶっ飛びました。
マジで。

『ドラゴンボール』の本編よりも、
『ドラゴンボールZ』のほうが面白いみたいな衝撃でした。
ビビった。

、、、で、その「2」ですよ。
ハードルは上がりきってるわけですが、
これが素晴らしかったんです。
ロッキー4の宿敵「グレコ」の息子が出てきます。
グレコというのは東西冷戦中の当時、
「ソ連の象徴」として出てくるウクライナ人(当時はソ連人)。
クリードはちなみに、ロッキーのライバル、
アポロ・クリードの息子です。
ここからは、
ロッキー4をみたことのない人にはネタバレになります。
でも、今さらネタバレもクソもないでしょ。
「E.T.は最後宇宙にかえります。」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー、
最後、主人公は現代に帰ってきます。」
「アルマゲドン、
 最後、主人公死にます」
えーーーーネタバレじゃん!

いやいや、そういうことじゃないじゃん。
ネタバレを糾弾していい賞味期限は、
公開後2年ぐらいでいいんじゃない、マジで。
「ネタバレ自警団」にはうんざりです。

話がそれました。
「ロッキー4」で、
アポロ・クリードはグレコとの試合で、
リング上で死にます。
その後ロッキーはグレコと対戦し、
「仇討ち」のような形でグレコに勝つのです。
そのアポロ・クリードの息子が、
グレコの息子とリングで対決する。
さらに、息子のクリードのセコンドはロッキーです。

「上がる」設定じゃないですか。
本作は特に、
「聴覚障害者」という設定の、
クリードの奥さんの描写とか、
家族の描写が繊細で良かったですね。
(725文字)


●グリーンブック

鑑賞した日:2019年7月2日
鑑賞した方法:マニラ→成田の飛行機で観賞

監督:ピーター・ファレリー
主演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/RPFhi0NWl

▼140文字ブリーフィング:

先ほど申し上げたように、
フィリピンからの帰りに飛行機で鑑賞しました。
素晴らしかったです。
そりゃ、アカデミー賞3部門獲るわな、と。

時は1960年代、
アメリカ南部では、
まだまだ黒人に対する差別がひどかった時代です。
「グリーンブック」とは、
黒人の人が旅行する時に、
「黒人でも泊めてくれるホテル」をリストアップした、
黒人のための旅行ガイドブックのことです。
ちなみに本作は実話に基づく映画です。

映画の骨子は、
実在の黒人天才ピアノ奏者(シャーリー)と、
彼の運転手となったイタリア系のニューヨーカー(トニー)が、
「南部への旅」を通して友情を温めていくという話です。

最初、トニーは家に遊びに来た黒人が使った、
自分の家のコップをゴミに棄てるほどの差別主義者でした。
そんな彼がひょんなことから、
「天才ピアニスト」のコンサートツアーの運転手をすることになります。
理由は「給料が良かったから」。
その旅を通してトニーが、
だんだんと黒人差別をする白人に腹が立ってくるようになります。

シャーリーは外見は黒人だが、
J.F.ケネディとも個人的な友人だ、
というぐらいの「セレブリティ」なのです。
つまり、話し方、テーブルマナー、考え方、
あらゆる意味で「白人よりも白人」なのです。
逆にイタリア移民のトニーは、
外見は白人ですが、言葉遣い、
テーブルマナー、考え方など、
あらゆる意味でむしろ内面は黒人(ストリート)に近い。

このアイデンティティの対偶関係が、
2人の人間的な深みを増していくという描写が、
この映画の素晴らしさですね。
オススメです。
(648文字)



●アリー スター誕生

鑑賞した日:2019年7月13日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(399円)

監督:ブラッドリー・クーパー
主演:ブラッドリー・クーパー、レディ・ガガ
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/v_cEChzph

▼140文字ブリーフィング:

本作の主演かつ監督を務めたブラッドリー・クーパーは、
「アメリカン・スナイパー」で主演した、
クリント・イーストウッドの「弟子筋」だそうです。

「アリー」というのは有名な話らしく、
映画化されるのはこれで4回目なんだそうです。
筋書きは、有名なミュージシャンに見出された、
貧しい少女が、その後スターになる。
2人は恋仲になる。
スターになった少女を横目に、
有名なミュージシャンのほうは落ちぶれていき、
次第に彼女に嫉妬心と劣等感を抱くようになり、、、
という話です。

ブラッドリー・クーパーは俳優であり、
音楽については素人だったそうですが、
この映画を撮るために、
いちからギターを習い、
作曲技術と歌唱技術を磨き、
「本物のミュージシャン」としてこの映画の主演をしています。
みると分かりますが、「付け焼き刃」の粋をとっくに超えています。
完全にミュージシャンです。
役者魂、すごすぎます。

あと、クーパーは本作を撮る時、
当初ビヨンセを考えていたのだそう。
、、で、それがダメになって、
「レディ・ガガ」でいこうと思っている、
と師匠のクリント・イーストウッドに相談したんだそうです。
イーストウッドは「やめておけ」と言いましたが、
クーパーは自分の直観を信じて撮りました。
完成した作品を観たイーストウッドはこう言ったそうです。
「やめておけ、と言った私は完全に間違っていた」
この辺のサイドストーリーも、
ちょっと胸の熱くなる話です。

本作、では私的にはどうだったのか?
もうね、素晴らしかったです。
普通に泣きました。
ラストシーンなんて、
涙をぽろぽろ流して泣いてしまいました。

レディ・ガガの演技、
ブラッドリー・クーパーの歌、
すべてが素晴らしかったです。
今年一番ぐらいかもしれない。
オススメです。
(719文字)



●タクシー運転手 約束は海を越えて

鑑賞した日:2019年7月14日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(100円)

監督:チャン・フン
主演:ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン
公開年・国:2018年(韓国)
リンク:
https://bre.is/CMUNSllys

▼140文字ブリーフィング:

韓国で1,200万人動員の大ヒット作だそうです。
韓国と日本って人口が3倍違いますから、
日本に換算すると3,000万人動員ってことになります。
いつも思うけど、
韓国の映画動員数ってすごすぎますよね。
映画に対する「国民の熱」が違うのかな?
映画の入場料が安いのかな?
誰か知ってる人がいたら教えて下さい。

まぁ、それはそれとして本作。

韓国の南のほうにある「光州」という地域で、
軍隊が市民を弾圧した事件を報じたドイツ人記者と、
彼をソウルから光州に連れて行った、
タクシー運転手の友情の物語です。
本作も実話に基づきます。

ソン・ガンホの「顔の力」が凄かった。
それだけで泣かせる力を持っています。
渥美清とか田中邦衛の領域に達している。
「顔面がハリウッド」ですね笑。
韓国の俳優さんって、
なんであんなに「顔面戦闘力」が高いのでしょうか。

この映画、テーマも韓国映画に典型的な、
「恨み・復讐」じゃなかったところが高評価でした。
ただ、善はどこまでも善、悪はどこまでも悪、
という味付けの濃さが、
韓国映画の「玉にきず」であり、
本作でもちょっとそういうところがありました。
(467文字)


●未来のミライ

鑑賞した日:2019年7月6日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(500円)

監督:細田守
主演:上白石萌音
公開年・国:2018年(日本)
リンク:
https://bre.is/-NfBBPudE

▼140文字ブリーフィング:

細田守監督は私は、
「サマーウォーズ」をみて衝撃を受け、
遡って「時をかける少女」をみて、
すげー、ってなってから、
ずっと追いかけています。

その後彼は「おおかみこどもの雨と雪」を作り、
さらに「バケモノの子」を作ります。
ちなみに私は「バケモノの子」がいちばん好きでした。
西遊記とか、白鯨とか、
古典的な小説を現代的に解釈する、
っていう野心的なところが。

、、、で、本作ですよ。

これが「問題作」でして、
ネットなどのレビューでは、
軒並み低評価が並んでいます。
「細田監督が創るもので、
 そんなにつまんないことってあるの?」
と思って、まぁみてみたわけですよ。

うん。

つまんなかったね(爆死)。

作家性が前面に出すぎていて、、、。
映像が「凄い」のは分かります。
家族の新しい形を描こうとしても分かります。
オタキングの岡田斗司夫が言っていたのだけど、
「8K映像とか3DIMAXとかで、
 サラリーマンがラーメン食べる映像を見せられているような」
そのアニメーションの技術の高さを、
こんな「どうでもいい話」に使うか?っていう、
「スケールの小ささ」がありました。
岡田さんとかが言うには、
実はこの作品って、宮崎駿への挑戦状なのだそう。
「千と千尋の神隠し」とか、
「崖の上のポニョ」を、
自分が作ったらこうなる、
という細田流の解釈なのだそう。
たしかに、主人公の名前とか、
あからさまな相似関係にあります。

しかし、やはり乗れない何かがありました。
こういう「作家性」に振り切った後に、
得てして映画監督は傑作を生みます。
北野武が「監督バンザイ!」という問題作でコケた後、
「アウトレイジ」という大傑作を作ったように。
次が楽しみです。
(686文字)



●ひるね姫

鑑賞した日:2019年7月6日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(399円)

監督:神山健治
主演:高畑充希
公開年・国:2017年(日本)
リンク:
https://bre.is/cV59X_CqO

▼140文字ブリーフィング:

『未来のミライ』があまりにも不完全燃焼だったので、
同じ日に日本のアニメーションを2本観てしまいました。
こちらが2本目。
この監督は初めて見ましたが、
こちらも「まぁ、、、、」って感じです。
村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
と同じように、夢と現実が交錯しつつ、
それぞれが影響し合って進むパラレルストーリーです。

倉敷が舞台なので、
住んでいた私には、
懐かしい光景が多くてちょっと癒されました。
それ以外は、、、うーん、かな。

ところが本作。

最後の最後にすごいのがあります。
主人公の声優を高畑充希がやってるのだけど、
エンドロールで高畑充希が、
忌野清志郎の、
「デイドリーム・ビリーバー」を歌うんです。
これがもう、すごいんですよ。
なんかねぇ、心が震えるんですよ。
高畑充希版『デイドリーム・ビリーバー』だけで、
★3つぶんぶらいあります。
マジで。
(372文字)

高畑充希版『デイドリーム・ビリーバー』
https://youtu.be/JM_aYiHvako


●26世紀青年 Idiocracy

鑑賞した日:2019年7月19日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(100円)

監督:マイク・ジャッジ
主演:ルーク・ウィルソン
公開年・国:2007年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/b78JR-jh1

▼140文字ブリーフィング:

この映画、くっそ面白かったです。
「傑作」の部類です。マジで。
騙されたと思って見てみてください。
強烈にオススメします。
クソみたいな邦題がついていますが、
それに騙されちゃいけません。
原題は「Idiocracy」です。
「バカによる独裁」とか「白痴主義」というような意味で、
ジョージ・オーウェルの「1984年」なみの、
深い洞察に基づくディストピアSFであり、
そして強烈な現代社会への風刺になっている。

しかも、めちゃくちゃ笑える。
めっちゃくちゃ笑えて、
めっちゃくちゃ勉強になる哲学書があったら、
みんな、買うじゃないですか。
この映画は、そういったものに近い。
(邦題によって)見た目はクソですが、
中身は秀逸すぎる。
今年の年間ベスト10入りが決定しています。
(321文字)


●ファースト・マン

鑑賞した日:2019年7月26日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(399円)

監督:デイミアン・チャゼル
主演:ライアン・ゴズリング
公開年・国:2019年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/7NSbhs7p

▼140文字ブリーフィング:

ラ・ラ・ランド、セッションのデイミアン・チャゼル監督作品で、
今年のアカデミー賞で4部門ノミネート、
1部門を受賞しています。
ちなみに「作品賞」は先述の『グリーンブック』です。

本作は、人類で初めて月に立った男、
ニール・アームストロング船長の物語です。
「宇宙映画」というと、
「ゼロ・グラビティ」や「アポロ13」、
「オデッセイ」など、
宇宙船が宇宙を飛んでいる映像や、
無重力空間を表現するCG表現などを期待するのですが、
本作はまったく趣を異にします。

とにかく本作は「接写」が多い。
ほとんどの場面で、ライアン・ゴズリング演じる、
ニール・アームストロング船長の、
顔面から30センチ以内の場所からのカメラアングルになっている。
そうすると鑑賞者は、
遊園地の「ライドもの」と同じで、
ニール・アームストロング船長に、
「ライド」したかのような感覚になります。

映画評論家の町山さんによると、
『アリー スター誕生』でもこの手法は用いられていて、
これは高性能のカメラが小型化したという、
技術革新に伴う映像表現の新しさなんだそうです。

とにかくそんなふうに、
主人公に「ライド」するので、
ニール・アームストロング船長の、
内面世界に入り込んだような、
一段ステージの高い感情移入ができる。

それが本作の面白さです。
ニール・アームストロング船長って、
とってもミステリアスな人で、
娘さんを病気で失っていたことを、
同僚にすら話していなかったり、
自分の危険な任務を、
家族にもうち明けていなかったりするんですよね。
当時のアポロ計画は、
国家プロジェクトであると同時に、
命がけの任務でしたから、
彼の「同僚たち」が、
数年おきに死んでいきます。
彼の奥さんは同じNASA職員の住む地域の奥さん友だちが、
次々に「未亡人」になっていくのを見る。

奥さんがどんな気持ちだったか?
その奥さんを見るアームストロング船長はどんな気持ちだったか?
そしてあの「一人の人間には小さいが、
人類にとっては偉大な」一歩を踏みしめたとき、
どんな気持ちだったか?

それを追うつくりになっています。
良い小説を読んだ後のような気持ちになれる映画です。
デイミアン・チャゼルは若い監督ですが、
『セッション』以降、破竹の勢いですね。
(913文字)



●バードマン

鑑賞した日:2019年7月22日
鑑賞した方法:Amazonビデオでレンタル(100円)

監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
主演:エドワード・ノートン、マイケル・キートン、エマ・ストーン
公開年・国:2015年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/KxoKf0gnq

▼140文字ブリーフィング:

「中年の危機」を迎えた俳優の物語です。
「バードマン」というのは、
主人公が若いときに演じて一世を風靡したヒーローものの名前です。
マーベルの作品群に出てスターになることを、
俳優の業界ではちょっと馬鹿にする風潮があるのだそうで、
だから彼は若い頃莫大なお金を稼いで、
「バードマン」として一躍有名になったのだけど、
中年を迎えた今、「バードマンの一発屋」
みたいに世間が思っているんじゃないかという、
大きなコンプレックスを抱えている。
アイアンマンのロバート・ダウニー・ジュニアが、
あと20年して、他に何もヒット作がなく、
俳優としてのプライドを失いかけた状況、
と考えたらだいたい合ってます。

そして十代になった娘は非行に走り、
奥さんには逃げられる。

バードマンは彼の、
「オルター・エゴ」となり、
彼をときにけなし、たきつけます。
「オマエの身体はたるみ、
 もはや世間に一発屋と思われている。
 そんな世間を見返してやるのだ。
 オマエが男だということを世間に見せつけてやるのだ!」と。

最後まで見るとわかりますが、
これって実は、
統合失調症の話でもあるのか?
と私は解釈しましたが、
そんなこと誰もいってないんですよね。
誰か見た人、教えてください。
(503文字)


●ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

鑑賞した日:2019年7月22日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:ジョーライト
主演:ゲイリー・オールドマン
公開年・国:2018年(イギリス・アメリカ)
リンク:
https://bre.is/Vw_IgLSGu

▼140文字ブリーフィング:

原題は「Darkest Hour」=最も暗い時代、です。
じっさいチャーチルが首相になったときって、
「英国が歴史から消えるかもしれなかった」んですよね。
「ダンケルク」という別の映画にも描かれていますが、
あのとき、ネヴィル・チェンバレンという首相の、
「宥和政策」により、ナチスの進軍を、
英国はことごとく「静観」した。
その結果、「サラミスライス戦略」という、
ドイツ軍の「ちょっとずつ小さな島(領土)を占領していく」
という戦略にまんまと追い詰められ、
イギリス本土がナチスに占領される寸前まで行っていた。

イギリスの政治の異端児、チャーチルが、
「決して、決して、決してあきらめない!」
という闘志をもって議会と国民を鼓舞し、
アメリカのルーズベルト大統領に直談判して参戦を要請し、
連合国の息を吹き返させなかったら、
ヨーロッパはすべてナチスのものになっていたし、
第二次大戦の運命は変わっていただろう、といわれています。

この映画で知ったのですが、
チャーチルは組閣する時に、
政敵であるネヴィル・チェンバレンをメンバーに選んでいます。
つまり「自分と反対する政治家を巻き込めなければ、
国民全体をひとつにすることなどできない」という気概がある。
これって、リンカーンが奴隷制度撤廃のときにしたことと、
まったく同じなんですよね。
自分と肌が合わない閣僚を次々と、
「You are fired」といって、
首にしていくトランプ大統領や、
「おともだち内閣」という、
自分と親しい人で周囲を固める癖のある、
安倍首相にはない資質です。
こういう「老獪な」政治家が、
世界から少なくなったなぁ、
というのは誰もが思っていることだと思います。

政治が悪いのか、
それとも選ぶ私たちが悪いのか。
きっとどちらも悪いのでしょう。
(728文字)


▼▼▼月間陣内アカデミー賞▼▼▼

世界一小さな映画賞、
「月間陣内アカデミー賞」を、開催いたします。
主催者、プレゼンターは陣内がつとめます。

作品賞、主演(助演)俳優賞、そしてもうひとつ、
という感じで、ぬるーくやります。
皆さんの映画選考の参考にしていただければ幸いです。


▼作品賞
「アリー スター誕生」

コメント:
7月に観た映画は傑作ぞろいでしたが、
この映画がいちばん泣きました。
レディ・ガガの演技がすごかった。
マジで「やられた!」と思いましたね。
音楽も当然すばらしいし、
映像もいいし、
人間ドラマも素晴らしい。
最後のシーンは、
号泣不可避です。


▼主演(助演)男優賞
ブラッドリー・クーパー(アリー スター誕生)

コメント:
音楽やったことがない彼が、
3年間をかけてギターを練習し、
作曲までして、
歌手としての演技に説得力を持たせた、
その役者魂に感服しました。
ちなみにクーパーは本作でアル中になりますが、
彼自身もいちどアルコール依存症になり、
施設にはいったことがあるそうです。
それを「演技」するって、
そうとうハードなことだと思うのですよね。
マジでこの人すごいです。


▼主演(助演)女優賞
レディ・ガガ(アリー スター誕生)

コメント:
これは文句なしにレディ・ガガでしょう。
イーストウッドは反対したが、
後に間違っていたと認めた、
と先ほど解説しましたが、
じつはレディ・ガガは、
子どもの頃ミュージカルなどをしていて、
演技の素養もちゃんとあるのだそう。
そして、普段のメイクを落としたレディ・ガガがまた、
「生身の人間の傷つきやすさ」みたいなものを、
その人生をかけて表現していて、
迫力がちょっと違いますね。

というわけで名作揃いの先月でしたが、
結果的には「アリー スター誕生」が、
三部門独占受賞となりました。
おめでとうございます。


▼その他部門賞「実は超オススメ賞」
「26世紀青年」

コメント:
この映画、タイトルを見て、
「見たいー!!面白そう!!」
ってなる人は皆無だと思うのですが笑、
実はめちゃくちゃオススメです。
映画好きには是非是非是非是非見て欲しい、
そして、これを見た人と、
私は小一時間語り合いたい。
そんな大事な一本になりました。

あと、笑えるし。
これ、重要。

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