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陣内が先週読んだ本 2019年 8月4日〜8月31日 『平成史』他

2020.03.24 Tuesday

第114号  2019年11月19日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2 陣内が先週読んだ本 
期間:2019年 8月4日〜8月31日
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

ひっさしぶりに、
「読んだ本」コーナーやっていきます。
「先週」読んだ本、
というのはもはや有名無実化していて、
「最近」読んだ本コーナーです。

ところが8月12日から9月後半まで、
私は体調を崩していまして、
ほとんどまったく本を読めない時期が2ヶ月ちかくありました。
最近やっと少しずつ読書再開してますが、
まだ読書スピードは戻ってきてません。
1日2〜3時間が限界、という感じでしょうか。

なので、病気で読めなかった2ヶ月間を含む、
8月4日〜31日までに読んだ本を、
とりあえず今日はご紹介します。

読んだ後けっこう時間がたってるやつも多いので、
記憶がおぼろげで、まとめとしてイマイチかもしれません。
そのときはどうかご容赦ください。



●コペルニクス革命

読了した日:2019年8月5日 途中飛ばし読み
読んだ方法:図書館で借りる

著者:トーマス・クーン
出版年:1989年
出版社:講談社学術文庫

リンク:
https://bre.is/fTD62-M7s

▼140文字ブリーフィング:

「パラダイム」という言葉を最初に使ったのは、
本書の著者トーマス・クーンとされています。
ちなみにパラダイムとは、
「ものの見方」のことです。
ニュートン以前には古典物理学のパラダイムはなかったし、
アインシュタイン以前には相対性理論のパラダイムはありません。
同じようにボーア以前には量子論的パラダイムはありません。

科学の「パラダイム」というのは、
ものの見方の枠組みを根底から変えてしまいます。
ニュートン力学では絶対時間・絶対空間が前提とされますが、
アインシュタインの理論では時間・空間は相対的で、
光の速度だけが一定です。
アインシュタインの理論では、
「法則」のもとにあらゆる物質の未来が予想できますが、
量子論的パラダイムでは、ものの未来は確率に支配されます。

こういった「パラダイム」という考え方が、
じつはあらゆる分野で応用可能なので、
「科学史家」であるトーマス・クーンは、
分野を超えてあらゆる領域の人々に参照され引用されます。

たとえばビジネス界では、
20世紀に最も売れたビジネス書のひとつ、
「7つの習慣」で著者のスティーブン・コヴィーが、
「パラダイム」という言葉を使っていますし、
宣教学者デイヴィッド・ボッシュは、
クーンのパラダイム理論に依拠して、
『宣教のパラダイム転換』という金字塔的大著を残しています。

「パラダイム」という「考え方」は、
汎用理論なので、
あらゆる分野に応用可能です。
自分がしている仕事が今、
どのような前提とパラダイムに基づいているのか、
これを見直すことが出来ると、
圧倒的に未来を切り拓いていく推進力が高まります。

面白かったのは、
宗教改革者のルターやメランヒトンが、
「地動説」を否定していたというくだりです。

→P299〜300 
〈1539年の「座談」において、
マルチン・ルターは次のように述べたと言われている。

「天や太陽や月ではなく、
地球が回転するのだということを証明しようとする
新しい天文学者に人々は耳を傾けている。
・・・この馬鹿者は全天文学をひっくりかえそうとしている。
しかし聖書が証明しているように(ヨシュア記10:13)、
ヨシュアが止まれと命じたのは、地球ではなく太陽だった。」
 (中略)
メランヒトンは、
この後いくつかの反コペルニクス主義の
聖書の文章を組み合わせて議論を進めているが、
そのなかで、伝道の書第一章第四節
および第五節のの有名な一節を特に強調している。

その節は、「地は永遠に変わらない」、
そして「日は出て、日は没し、
その出たところに急ぎ行く」と述べている。
最後に彼は、コペルニクスの不信心な行為を
抑えるためには厳密な観測を行わなければならない、と示唆した。

他のプロテスタントの指導者も
すぐに一緒になってコペルニクスを否定した。
カルヴィンは彼の『創世記についての注釈』において、
次のような詩篇93篇のはじめの1節を引用している。
すなわち「まことに、世界は堅く立って、
動かされることはありません」。
そうして彼は「一体誰がコペルニクスの権威を、
聖霊の権威より上に置いたりするだろうか」
と強調している。〉


ルター、カルヴァン、メランヒトンらの、
コペルニクスへの反応を読み、
現代の私たちは「まったく馬鹿げたことだ」
といって肩をすくめるかもしれませんが、
私たちは現在ももしかしたら
同じようなことをしているかもしれません。
重要なのは「未来のパラダイムから見たとき、
私たちは確実に馬鹿げたことをいくつかしているはずだ」
というメタ視点を持てるかどうかです。
(1,428文字)



●いのちの輝き感じるかい

読了した日:2019年8月5日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:斎藤晶
出版年:2002年
出版社:地湧者

リンク:
https://bre.is/xVcql4kSA

▼140文字ブリーフィング:

7月に福島に行ったんですよ。
それは、FVIの支援している、
「モーモープロジェクト」の視察のためでした。
谷さんという方がやっている活動で、
原発事故後に放置された牛10頭を飼っています。

そこで目にした光景が衝撃的だったんですよね。
牛が木を倒してそれを踏むことで、
「雑木林」が「農地」に変わる、
ということが起きていたのです。

私は獣医ですが大学でもそんなの習ったことなかった。
じっさい、専門家が興味をもって調査していて、
NHKの番組にもなり放送されたそうです。

練馬グレースチャペルの横田牧師も、
7月の視察に同行してくれたのですが、
彼もまた帯広で酪農の仕事をしていたので、
この光景に衝撃を受けました。
そして後で教えてくれたのが、
「谷さんのところで起きていることを、
 北海道でやっていた先人がいた」
というのです。

それが「蹄耕農法」という言葉にもなっている、
というのを後で知りました。
その人の牧場の写真集が図書館にあったので、
読んでみたわけです。

著者のプロフィールと、
本書の引用を見れば、だいたい分かると思います。
この「斉藤牧場」は今も旭川にあるそうなので、
いつか訪れてみたいんですよね。

*著者プロフィール:
斎藤晶(2002年時点):
1928年、山形県生まれ。
47年、開拓農民として単身、北海道旭川市神居町に入植。
笹と石だらけの山で開拓農業に行き詰まり、
自然に対する発想を転換して酪農に転向。
牛と牧草と雑草の生態を生かした
蹄耕法による自然流酪農を確立。
現在、130ヘクタールの土地に130頭の牛を飼う。
99年度山崎記念農業賞受賞。



〈ここは今は牧草におおわれてるけど、
石だらけで土が見えなかったんです。
ところが、草が石をみな包んでしまったんですよ。
だから、もう大きな石しか見えないんです。
そして景観から見ると、
その石がひとつのプラスの要素になってるんですよ。
それから、木も初めは全部火を付けて焼いてやろうと思っていたのに、
天気があんまり良くなくて、
うまく焼けなかったのが残ったんですよ。

それをそのまま放っておいたら、
プラスに作用したってことなんです。
都会の人が夏、牧場に来たら
「いや、これはいいな!」とみんないってますよ。
ここは日本庭園を大きくしたみたいな、
すばらしい景観になってますからね。〉


〈木と草と石と、自然のそのままの姿がいいんだよね。
ところが牛を放してやらないと、
こういう景観にはならないんです。
人間の作った公園には、自然の野性味がないからね。
そういう公園は最初はいいけど、
長年のうちに飽きるんです。
ところが自然というのは毎年変化するから、
ぜんぜん飽きないんですよ。〉
(1,082文字)



●永続敗戦論

読了した日:2019年8月6日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:白井聡
出版年:2013年
出版社:太田出版

リンク:
https://bre.is/mXxh6SZ5M

▼140文字ブリーフィング:

現在の日本でなぜ、
国家主義・排外主義的な
「右の吹き上がり」が起きているのか、
日本の近代史をなぞりながら本書は解説しています。

白井氏は明治政府のでっち上げた、
「天皇神話」には、でっち上げた側の意図(密教)と、
大衆に向けて発信した公式の物語(顕教)があるとします。
そして、ある時期に顕教に密教が飲まれる、
という倒錯したことが起きるのだ、と言います。
引用します。

→P163〜164 
〈かつて、久野収と鶴見俊輔は
明治憲法レジームにおける天皇制を
「密教と顕教」の比喩を用いて腑分けして見せた。
すなわち、明治憲法において
「天皇は神聖にして侵すべからず」と規定されているが、
このような「現人神としての天皇」は
大衆向けの「顕教」であり、大衆を従順に統治され、
かつ積極的に動員に応ずる存在にするための装置であった。

他方、権力運用の実際において、
明治の元勲たちは「天皇親政」を表向き掲げながら、
実権を持たせず、立憲君主制国家として明治国家を運用した。
それが、戦前天皇制の「密教」的部分である。
後に美濃部達吉がとなえる
「天皇機関説」という法学的思考に
なじみの薄い人間にとってかなり難解な理論は、
大日本帝国憲法体制のこの密教的部分を
説き明かしてみせたものだった。
 (中略)
しかし、大正を経て昭和の時代を迎え、
大衆の政治参加の機会が増大するにつれて、
顕教と密教の使い分けという統治術は崩壊へと突き進む。
それは、戦前天皇制の顕教的部分が密教的部分を侵食し、
ついには滅ぼしてゆく過程にほかならなかった。
(中略)
この過程で、美濃部学説は不敬なものとして否定され
上杉慎吉らのとなえる天皇主権説に取って代わられるが、
それは天皇制における
顕教的部分が密教的部分を呑み込んだ瞬間を印すものであった。〉


、、、明治政府、もっと言えば伊藤博文は、
日本に立憲制度を導入するには、
西洋における「神」のような超越的な存在が必要、
と考えました。
しかし日本にはそれがない。
「そうだ、天皇を使おう」
これが伊藤博文の発想でした。
しかし大衆に向けて発信するときに、
「明治政府は天皇を利用することにしました」
といったのでは、機能しません。
だから「神聖不可侵」なものとした。
二枚舌を使ったわけです。

このあたりは小室直樹の、
『日本人のための憲法原論』に詳しいです。

しかし、大正、昭和になると、
「方便として使ったほうの論理」が、
「内実としての密教」を飲み込んでいく、
ということが起きます。
これが内村鑑三の不敬事件などにもつながるわけです。

さて。

ここから論を進め、
白井氏は「戦後レジーム」にも、
「密教」と「顕教」があると言います。
それを作ったのは誰か?
吉田茂であり、岸信介です。
麻生太郎のおじいちゃんと、
安倍晋三のおじいちゃんですね。

岸信介はちなみに、
CIAの「スパイ」でした。
CIAのホームページから誰でも確認できます。
(たしか2013年に情報公開されました)

戦後レジームの密教とは何か?
「対米従属によってエリートが地位を得る」
という日本の権力構造です。
顕教とは何か?
「敗戦を終戦と言い換え、
 ポツダム宣言などの内容などをあえて薄めて、
 『平和と繁栄』という偽薬で戦争に負けた事実を忘れる」
という戦後日本の「神話」です。

そして、今の日本で起きているのは、
「顕教」が「密教」を飲み込んでいる、
まさにその状況です。

現実を見ずに計画を立てると、
その計画は必ず破綻します。
世界的に見れば日本は今も「敗戦国」です。
「国連=United Nations」の正しい訳は、
「連合国」なのですが、これを「国際連合」
とすることで、自らの敗戦を糊塗し続けてきたつけを、
今の日本は払っているわけです。
(1,498文字)



●世にも奇妙なニッポンのお笑い

読了した日:2019年8月7日
読んだ方法:Kindleで電子書籍購入

著者:チャド・マレーン
出版年:2017年
出版社:NHK出版新書

リンク:
https://bre.is/qIGnh7LH4

▼140文字ブリーフィング:

オーストラリア人の芸人、
チャドをみなさんは知っているでしょうか?
彼は「ジパング上陸作戦」というお笑いコンビのボケとして、
よしもと所属の現役の漫才師であるとともに、
最近は「映画字幕」における、
「海外の笑いを日本の笑いに文脈化する」
という仕事もしています。

この人が語る「日本の笑い論」は、
とても面白かった。
なんせ彼の経歴が面白い。
オーストラリアで生まれ育った、
生粋のオーストラリア人でありながら、
15歳の時に日本に交換留学生として来たとき、
ステイ先で見た
「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」が、
なんか言葉は分からないけど、
世界にこんな笑いがあるのか!!!!!!!!!!!!
という衝撃を受けます。
そしてオーストラリアに帰ってからも、
YouTubeの日本のお笑い動画を見て日本語を勉強しまくり、
ついには単身日本にわたり、
よしもとに入ってしまうのです。

彼の着眼点は「外から俯瞰の目」で見てるから、
日本について日本人が考えないような切り口を与えてくれるし、
笑いで日頃言語能力を鍛えているから、
その辺の日本人以上に日本語運用能力が高いので、
めちゃくちゃ勉強になります。
たとえば、日本の「なあなあ」なところは、
実は歴史が長い国ゆえの余裕なんじゃないか、とか。

→位置No.1295 
〈日本人はわりとお上のことはどうでもええ、
そこは無理して戦わずに従おうという傾向がある気がします。
欧米人は、「俺が首相になって国を変える」とか、
一人の努力でなんとか現状を打破しようと考えがちです。
でも日本人は一人の力ではどうにもならない、
と考える節があると思うのです。

それは多くの場合、悪い意味に捉えられますが、
僕は決してそうは思っていません。
むしろ、日本人はスケールが大きいなあと感じます。

たとえば京都の人は、
今でも京都が日本の中心だという意識がありますが、
だからといって京都を日本の首都に戻そうというような
目立った動きはありません。
今は、東京にちょっと
首都を譲ってやっているぐらいの感覚があるように見えます。
何百年先の話になるか分からないけれど、
「いつか京都に戻ってくるだろう」と、
京都人は心のどこかで思っている。
物事を自分の一生に限定せず、
悠久の時間の流れで捉えているんだと思いました。

おごれる者は久しからず。
だから、今はジタバタせずに、
自分ができることに集中する。
日本人の根底には、そんな考え方があるような気がします。
 (中略)
自分の人生でなんとかしようと奮闘するも良し、
流れに身を任せてできる範囲のことをやるも良し。
どちらがいいとか、悪いとか言いたいのではありません。
ただ、日本に来なければ
そんなスケールのでっかい考え方があるとは思わなかっただろうから、
僕の思考の幅を広げてくれたことは確かです。〉


、、、あと、
彼の「笑い翻訳家」としての能力は凄いです。
お笑い界の戸田奈津子です。
ひとつだけ翻訳のすごさが分かるエピソードを引用します。

→位置No.1421 
〈ダジャレや言葉遊びは、
先ほども言ったように直訳では絶対に意味が通じません。
なのでそこは僕の翻訳力が試されます。
どうするのかというと、
日本語と似たような言葉遊びを英語で作って、
上手くはめ込むのです。

一つ例を挙げてみますと、
2009年に公開された映画『ヤッターマン』で、
パチンコ屋の電飾看板が出てくるシーンがありました。
パチンコ屋の「パ」が消えて、「チンコ」になる。
それをみた役者さんが「うふふ」と笑うのですが、
そのまま「PACHINKO」の「PA」を消してみたところで、
向こうの人には「CHINKO」が何を意味しているか分からないから、
面白くもなんともありません。

そこで僕はパチンコと敢えて書かずに、
その店が「PEACOOK(クジャク)」
という店名だという設定にしました。
パチンコと書かなくて
もみるからにギャンブルができそうな雰囲気があるし、
たまたま鳥のネオンもあったからです。

そして、「PEACOOK」の「PEA」が消えて
「COOK(男性器を表す俗語)」になる。
これなら意味としても同じボケが再現できます。
上手くハマったと思いました。〉


、、、すごくないですか?
AIや自動翻訳によって、
翻訳家には仕事がなくなる、
なんて言われていますが、
彼のような才能は、
逆に仕事が増えるだろうな、と思います。
「PEA・COOK=小便・チンコ」というギャグは、
人工知能には絶対思いつきませんから笑。
(1785文字)



●牙 アフリカゾウの「密漁組織」を追って

読了した日:2019年8月7日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:三浦英之
出版年:2019年
出版社:小学館

リンク:
https://bre.is/k3J5QQoT

▼140文字ブリーフィング:

象牙の密売のための乱獲によって、
アフリカ象の個体数が減っている、
という話は皆さんもご存じかと思います。
そして2000年以降の象牙の乱獲の原因は、
中国の「象牙ブーム」です。

しかし、時を遡ると、
中国の象牙ブームをそもそも作ったのは、
バブル期の日本の象牙ブームなのです。
アフリカ象の絶滅の危機について、
実は最も重い責任の一端は日本にあります。

ところが日本は現在、
「象牙取引を根絶する」という世界の流れに、
逆行するような動きを見せています。
その背後にあるのは日本の中古市場と、
その取引業者が政治に及ぼす影響です。
中国じゃないですよ、日本の話です。

私がショックだったのは第6章に出てくるこの話です。

2016年9月24日に南アフリカのヨハネスブルグで開幕された、
「第17回 ワシントン条約締結国会議」で、
アメリカとアフリカ29カ国が発案国となった、
国際および国内象牙取引市場の
全面閉鎖を求める決議案が出されました。

なんと2000年代の象牙乱獲の原因となった中国も、
全面的に支持したのです。
中国のこの反応は、
国際社会から意外な驚きとともに喝采を浴びました。

ところが、
それに疑義を呈した国が日本だったのです。
そして日本は参加国として、
「乱獲に寄与しない取引は維持する」
という「抜け穴」を獲得しました。
国際社会は心底日本にがっかりしました。

著者はアフリカに赴き、
象牙乱獲に携わる現地の闇取引業者を取材しますが、
彼らはこう言います。
「全面禁止しなければ乱獲はやまない。
 やまなければ人々は買い続ける」と。

小泉進次郎環境大臣には、
是非このことについても、
リーダーシップを発揮してもらいたいものです。
奥さんは動物の権利に対して非常に意識の高い人ですし、
一有権者として、そしてこの地球を適切に管理するよう、
神が人間に期待していることを知るキリスト者としても、
小泉大臣には期待しています。
(762文字)



●平成史

読了した日:2019年8月10日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:佐藤優 片山杜秀(もりひで)
出版年:2019年
出版社:小学館文庫

リンク:
https://bre.is/KPGMhVf9

▼140文字ブリーフィング:

文庫サイズなのですが、
500ページを超えるので、
結構なボリュームの情報量でした。
平成30年とはなんだったのか、
ということを、知の巨人、佐藤優が、
片山さんと対談しながら語ります。

「現代」という時代がどういう時代か、
ということを大づかみに把握する上で、
こういった書籍は有用です。

二つだけご紹介します。
ひとつは現代が「先の読めない時代」だということです。
なぜなら関与する要素が多すぎる複雑系なので、
「バタフライ効果」が生まれるからです。

→P241〜242 
〈佐藤:まず1月にチュニジアで民主化運動が起きましたね。
キッカケは前年末、
チュニジアの地方都市で野菜を売っていた青年が
役人に賄賂を要求されて野菜と秤を没収されたことです。
青年は役所に3回も足を運んで秤を返してくれ、と訴えましたが、
相手にされずさらに賄賂を求められた。
怒った青年は、抗議のためにガソリンを被って焼身自殺します。
それがジャスミン革命のスタートでした。
(中略)
個人で平和を作り出すことはできませんが、
個人が戦争を引き起こすことは十分できる。
それを証明する事件でした。
アマゾンでチョウチョが羽ばたくと
アメリカで竜巻が起こるバタフライ効果のように、
役人が露天商に賄賂を求めるという些細な出来事が、
世界の大激震のきっかけとなった。〉


、、、次に、現在の世界で、
「左派」が分が悪く、
「右派」の勢力が拡大するのは何故か、
という分析です。
それは不確実な時代に、
人々が「理性の外側」を求めているからだ、
と佐藤氏らは指摘します。

→P384〜385 
〈片山:
自信過剰なトランプも、
中国を掌握したように見える習近平も、
現在の世界情勢では、一寸先はどうなるか分からない。
そうした不安がどこかにあるからこそ、
神とつながろうとするんでしょうね。
世界中をそうした不安が覆っています。
そのせいで共和制に移行する義論が進まない。

共和制は、
人間の理性的議論や理性的合意に頼って物事を決めたり、
解決したりすることが最善に至るし、
そのようにできると信じることで成立する制度です。
でも世界的に危機が深まって
普通の人間に何かができるという自信が揺らいでしまい、
人間の理性を超えた神の存在を
無意識に求めているのではないでしょうか。

佐藤:
私も同じ考えです。
そして別の見方をすれば、
それは左翼の敗北を意味しています。
そもそもフランス革命期の議会で
人間の理性を尊重する人々が左に座った。
理性を信じているから
正しい情報を元に誠実に議論を尽くせば、
結論にたどり着けると考えている。

それに対して右派の立場の人たちは、
王や貴族、教会、あるいは神など
理性の外側にある英知を認めている。

平成になり、全世界的に危機の時代に入り、
同時に左翼の力が衰えた。
独裁的な国家が増え、
極右勢力が台頭しています。
彼らは、理性の外側の超越的な力を求めています。〉


→P387 
〈同感です。
ご指摘の通り民主主義の意思決定には時間がかかる。
でも現在はその時間の経過に耐えられない。
だから意志決定に時間をかけない独裁体制を求めてしまう。
それが世界のトレンドになりつつある。
日本でも、国民は安倍政権に
独裁に近い権力を与えなければならないと考えるようになった。
安倍一強時代は、国民の集合的無意識が
成り立たせているのです。〉
(1,339文字)



●死国

読了した日:2019年8月10日
読んだ方法:図書館で借りる

著者:坂東眞砂子
出版年:1996年
出版社:角川文庫

リンク:
https://bre.is/VhwyXGKE

▼140文字ブリーフィング:

坂東眞砂子のホラー小説です。
佐藤優が「平成史」で、
「日本人の霊性」みたいな話のなかで引用していて
興味を持ちました。

88箇所を回る「お遍路さん」を、
逆に回ると死者が生き返る、
みたいな話です。
わりと雰囲気があって悪くなかったです。
(多くの人はホラー好きじゃないと思うから、
 まぁ読まないでしょうけど笑)

でも、スティーブン・キングを考えたら分かるように、
ホラーって実は、現実世界の比喩なので、
SFと一緒で、読むと現代劇以上に、
得られるものがあったりします。
ちなみに本作は映画化もされました。
(241文字)



●時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」

読了した日:2019年8月20日 途中飛ばし読み
読んだ方法:図書館で借りる

著者:ジョイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー
出版年:2019年
出版社:ダイヤモンド社

リンク:
https://bre.is/A3fQaVCd

▼140文字ブリーフィング:

グーグルの社員だった人と、
アップルの社員だった人が、
現代生活の「時間の墓場」から、
私たちはどうやったら自由になれるのか、
ということを解説します。
ライフハック的な技術が87個紹介されていて、
けっこう参考になりました。

現代生活はなぜこうも、
「時間が足りない」のか?
その「原因」を作り出している企業で働いていた二人は、
ふたつを指摘します。
「多忙中毒」と「無限の泉」がそれだ、と。

→P5 
〈21世紀の今、2つの大きな力が
あなたの時間の1分1分を得ようと競い合っている。

1つは「多忙中毒」と僕らが呼ぶ風潮。
忙しいのを良しとする考え方だ。
メールで溢れんばかりの受信箱に、
びっしり詰まった予定表、長い長いやることリスト。
この中毒にハマっていると、
現代の職場の要求に応え、
社会で務めを果たすために、
つねに高い生産性を保ち続けることになる。
ほかのみんなが忙しくしているのだから、
自分だけペースを落とせば、
二度と遅れを取り戻せなくなってしまう・・・。

あなたの時間を奪っている2つめの要因は、
僕らが「無限の泉」と呼ぶものだ。
これはスマホのアプリなど、
コンテンツが絶えず補充されるものを言う。
引っ張って(陣内注:おそらくドラッグして、の誤訳)更新するものや
ストリーミング配信されるものは、全部これに入る。

こうしたいつでも利用可能な、
常時更新されるエンタテインメントは、
たえまない忙しさに疲れ果てているあなたへの
”ごほうび”になっている。

でも、たえまない忙しさは、
本当に避けられないのか?

無限の気晴らしは、本当にごほうびなのか?
それともただ、誰もが自動運転モードから
抜け出せないだけなのか?〉


この「多忙の自動運転モードから抜け出す」
ために、何をすればよいかを本書は解説します。
私は自分自身、
「多忙中毒」からも「無限の泉」からも自由です。
なんせガラケーですから。

実は87個のライフハックの40個ぐらいは、
「スマホをドブに捨てろ」で終わる話なんですが笑、
まぁ、だれもそんなことしないんでしょうね笑。
幸せだよー。
スマホがない生活は。
(849文字)


▼▼▼リコメンド本「今週の一冊」▼▼▼

ご紹介した本の中から、
「いちばんオススメだったのは?」という基準でリコメンドします。
「いちばん優れていた本」というよりも、
「いちばんインパクトの大きかった本」という選考基準です。
皆さんの書籍選びの参考にしていただけたら幸いです。


▼今週の一冊:『平成史』

コメント:

体調悪くなる直前の8月に読んだ本なので、
記憶はかなり薄れているのですが笑、
面白かった、という記憶だけはあります笑。


▼▼▼部門賞▼▼▼

ご紹介した書籍の中から、
陣内の独断と偏見で、
「○○賞」という形で、
特筆すべき本をピックアップします。
こちらも何かのご参考にしてくだされば幸いです。

▼「やっぱり芸人すごい賞」

コメント:

チャドの本は面白かったですね。
やっぱり「言葉の力」において、
現代日本の最強職業のひとつは、
芸人だと確信しました。
彼らの「言語化能力」にはいつも驚かされます。
チャドの場合、英語圏から来ているから、
さらに「日本語そのもののもつ面白さ」
とかにも目が行っていて、
すげーな、と思いました。
彼は今後もいろんな分野で活躍していくでしょう。