カテゴリー

検索

便利な「検索」機能の使い方

上の検索バーに、「vol.○○」あるいは、「●年●月●日配信号」などと入力していただきますと、カテゴリ別だけでなく配信号ごとにお読みいただけます。

また、ブログ記事のアップロードは時系列で逐次していきますが、「カテゴリ別」表示をしますと、「Q&Aコーナー」だけを読む、あるいは「先月観た映画」のコーナーだけを読む、などの読み方が可能です。

スマートフォン

この他の活動媒体

●9年間続くブログです。↓
陣内俊 Prayer Letter ONLINE

●支援者の方々への紙媒体の活動報告のPDF版はこちらです↓
「陣内俊Prayer Letter」 PDF版

2019年版・陣内が今年観た映画ベスト10(10〜8位)

2020.04.21 Tuesday

第118号  2019年12月17日配信号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3 2019年版・陣内が今年観た映画ベスト10(10〜8位)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Amazonプライムに入会してから、
月に平均すると10本ぐらいの映画を観るようになりました。
電車やバスや新幹線で、本を読む代わりに、
タブレットで映画を観るようになって、
飛躍的に映画を観る本数が増えました。
映画は小説と同じで「他人の靴を履いて人生を歩く」、
という「疑似体験」を与えてくれます。
本と同じくランキングはあまり好きじゃないので、
年に一度だけの特別企画です。
「今年読んだ本」と同じく、
前編で10位〜8位、中編で7位〜4位、後編でベスト3を紹介します。
皆様の映画選びのお役に立てれば幸いです。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●第10位 『翔んで埼玉』

鑑賞した日:2019年6月23日
鑑賞した方法:マニラに向かう飛行機の中で観賞

監督:武内英樹
主演:GACKT、二階堂ふみ
公開年・国:2019年(日本)
リンク:
http://www.tondesaitama.com/

▼140文字ブリーフィング:

この映画はフィリピンに行く飛行機の中で観ました。
ちょっと気になってたのだけど、
飛行機で見つけて「ラッキー」って。

そんで、非常に面白かった。
東京と首都圏(千葉、神奈川、埼玉)には、
「都会、田舎ヒエラルキー」みたいなものがあって、
それが非常に複雑な「カースト」を形成している。
そこでは「被差別民」がおり、
「支配階級」がいる。
そして「マウンティング」も行われるし、
「出身地・居住地ロンダリング」も行われる。
「どこまで吉祥寺駅周辺やねん!
 いや、西部新宿線のほうが近いやないかい!!問題」など。

そういった悲喜こもごもを、
とんでもなく味付けの濃いファンタジーで、
コメディーとしてエンターテイメント化するという、
非常に高度なことをしています。
欺されたと思って見てみてください。
面白いから。
新感覚ですね、これは。

イチゴ大福とか、
生ハムメロンとか、
明太子パスタとか、
そういうのを最初に発見した人は偉いと思うんですよ。
「翔んで埼玉」も、
「これが面白い」と思ったところが偉いと思います。
(432文字)



●第9位 『グリーンブック』

鑑賞した日:2019年7月2日
鑑賞した方法:マニラ→成田の飛行機で観賞

監督:ピーター・ファレリー
主演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ
公開年・国:2018年(アメリカ)
リンク:
https://bre.is/RPFhi0NWl

▼140文字ブリーフィング:

これは先ほどのフィリピンからの、
帰り道の飛行機のなかで見ました。

端的に素晴らしい映画でした。
アカデミー作品賞も納得です。

「グリーンブック」とはちなみに、
1960年代当時のアメリカの南部で、
「黒人でも泊めてくれるホテル」を
リストアップした冊子で、実在していました。

実際の黒人天才ピアノ奏者(シャーリー)と、
彼の運転手となったイタリア系の
ニューヨーカー(トニー)の友情の話です。
最初彼は黒人が使った自分の家のコップを
ゴミに棄てるほどの差別主義者だったのですが、
シャーリーとの道中、
だんだんと黒人差別をする他の白人に、
腹が立ってくるようになってきます。

トニーとシャーリーの変化っていうのがすごく良くて、
差別する側も差別される側も、
「人間を非人間化する社会システム」によって、
目が曇っているんですよね。
それを、「一緒に過ごす」ことが、
浄化していくっていう構図がすごく良い。

「差別主義者」の別名は「世間知らず」だと、
私は常日頃から思っています。
「中国人は、、、」
「韓国人は、、」
「黒人は、、、」
とか言う輩(やから)って、
中国にも韓国にもアメリカにも行ったことがなく、
中国人、韓国人、黒人の
個人的な知り合いがいない人が大多数です。
それって食べたことない料理が「不味かった」
って言ってるのと同じで、
とても頭の悪い行為です。

その意味で「偏見」とは、
自らの無知と経験の未熟さと、
視野の狭さをひけらかす行為です。

シャーリーもトニーもそういう意味で、
一緒に旅をする前は偏見にまみれていたのだけど、
彼らは同じ空気を吸うことで視野が広がり、
偏見という自分と他者を不自由にする
「目に見えない鎖」から自由になるんですよね。
それが見ていてすがすがしい。

さっきの「翔んで埼玉」も実は同じ構造があって、
「都心生まれ」と被差別階級の「埼玉生まれ」が、
同じ時間を過ごすことで、
お互いの偏見を溶かしていく物語でもあります。
誰もそう思ってないし、
こんなことを言ったのは世界で私が初めてだと思いますが笑、
「翔んで埼玉」と「グリーンブック」は、
同じジャンルの映画なのです。
(826文字)



●第8位 『ノーカントリー』

鑑賞した日:2019年3月6日
鑑賞した方法:Amazonプライム特典

監督:コーエン兄弟(ジョエル・コーエン)
主演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン
公開年・国:2007年(アメリカ)
リンク:
https://goo.gl/7o9G6J

▼140文字ブリーフィング:

コーエン兄弟の映画が好きです。
この数年で立て続けに見ているのですが、
『ノーカントリー』は本当に、
めちゃくちゃ面白かったです。

大好きな映画の一本になりました。
コーエン兄弟ってユダヤ教徒なので、
「ユダヤ的世界観の匂い」が、
そこはかとなくする感じもとても好きです。
「世界の不条理性」っていうのがいつも入っている。

その「世界の不条理」を象徴する存在が、
この映画の場合、犯人のサイコパス、
アントン・シガーです。

サイコパスが登場する映画が私は大好物なのですが、
シガーはそのなかでも史上ナンバーワンでした。

彼の「ポンプの兵器」は一生脳にこびりつきます。
最高!
浦沢直樹の「モンスター」を思い出しました。
「彼を観たら人生が終わる」という恐ろしさ。
もう、震えますね。
最高にアガります。
フォー!!ってなります。

多分私もどこかぶっ壊れてると思うんですが笑。

現実世界でサイコパスに出会った場合、
ちなみに私は一目散に逃げます。
けっこう「鼻は効く」方なので、
私は「そういった人」の被害を、
あまり受けていないほうだと思います。
映画で予習しているのが、
功を奏しているのかもしれません笑。
(476文字)